厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2021年155冊目『あなたの会社は、なぜDXが進まないのか?』、経営者も含めた〝頑張る〟マインドに原因があると指摘

2021-06-27 15:06:43 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

新型コロナウイルスの災厄は、日本企業の非効率性・低生産性の実態を炙り出しました。

 

・書類にハンコが必要だ

・会社にかかってくる電話を取らなければならない

・重要なデータが会社のデスクトップパソコンに入っている

・経費申請書を紙で提出する必要がある

・日報が会社のパソコンでないと入力できない

・会議や打ち合わせができない

・社員の仕事ぶりをチェックできない

 

これらは、GAFAMのみならず、世界トップ集団に属する企業で働く方々にしてみれば、実に不可解なものかもしれません。

 

この本では、日本企業に顕著に見られる「DXが進まない原因」を掘り下げ、その解決策をステップを踏んで分かりやすく述べています。

 

日本でDXが進まない原因として、マインドの問題が深く横たわっていると言います。「頑張る」とか「耐え忍ぶ」といった価値観は、少なくともビジネスの世界では捨てるべきで、世界トップクラスの企業の経営者や社員たちは「いかにラクをして、業績を伸ばすか」をいつも考えているのです。

経営者自身が本気で向き合い「会社を根っこから変える」という決意で自ら動くことが必須です。

 

ただ、IT活用が大幅に遅れている会社には、むしろ未来に大きな可能性があるとも言えます。

本書は「日本の産業界は遅れている」と嘆くために書かれているのではなく、むしろ「日本の会社はどれも宝の山である」というメッセージも込められています。

 

【my pick-up】

◎社員はチャレンジしたくても余裕がない

事業には、常に更新していくべき部分があるわけですが、そのためには試行錯誤できる余裕が必要です。「新しいことにチャレンジする」とは「あえてムダなことをする」ということでもあります。日本の企業は、なにかトライをするにしても、一発で決めなければならない。会社の上層部は「ミスをしないことが上手な人」で占められるようになります。結果、日本の産業界では「仕事ができる人」に対する勘違いの連鎖が生まれてしまうのです。

◎必要ないのに出勤させる経営者は恥ずかしい

少し厳しい言い方をすれば、本当は必要ないのに「社員が出社せざるを得ないような業務プロセスをそのままにしている」ことが恥ずかしい、という社会になっていくのだろうと思います。社員の出社率が低いほど業務の効率化が進んでいる証拠であり、外から見れば業務改革に熱心で、組織としてスピーディな印象をもたれる。グローバルでは明確な必要性を認識して出社する/しないを区別して使い分けるところまで進んでいるのです。できる限りリモートワークを推進してみて、何がどこまでできるのかという経験を蓄積していかねばなりません。リモートワークを推進することで、削減できる作業や労力はとことん削減し、その結果、会社の生産性を高めることは、もはやすべての経営者の使命なのです。

◎リモート化に積極的に取り組まない組織には、若い人材が集まらない

学校と会社は違う。もちろんです。しかし、学校から会社に移るとき、新人は自分が属する場が進化したことを感じたいはずです。なのにその反対に「よりデジタルでない環境」が待っていたとしたら、時代の波に乗っていける感度の高い新人ほど「なんだ、こんなもんか」とがっかりするに違いありません。IT環境の充実が進まないせいで、若い人が集まらない。そのせいで、ますます多数派となる年配者層に合わせた仕事環境に甘んじる。すると、ますます若い人が寄りつかない、というように悪循環が生まれてしまいかねないのです。

◎アプリケーションの存在目的をきちんと理解する

社内で使う文書のフォーマットをExcelで作成しているという人をよく見かけます。しかし、Excelとは本来、表計算をするためのアプリケーションです。確かに、その機能を用いれば、複数のテキストの行頭を揃えて配置する、といったことに使うことも不可能ではありません。でも、それはExcelが想定した使い方ではありません。Excelに〝逃げる〟理由は意外と簡単で、単にWordの機能をすべて理解していないだけ、という場合がほとんどでしょう。アプリケーション本来の目的と機能を学ぶ手間を惜しんで、適当に使い分け「効率があがらない」と言っている人は非常に多いのです。

◎「紙の書類を処理するため」という理由で出社しなければならないのは非効率的

おそらく「紙のほうが仕事がしやすい」と感じている人もいるに違いありませんが、経営側は「紙の書類によるオペレーションが正しい」という立場は認めないスタンスを明確にしていますので、「ペーパーレスでは仕事がやりづらくなる」といった声が抵抗勢力のような形で表立つようなことは、今のところ起きていません。個人レベルでも、古いやり方に固執するのではなく、リモート化、ペーパーレス化の流れに合わせて、いかに自分の仕事の質を高め、効率化を実現するかを、それぞれ工夫していってほしいと思っています。自分の予定表に人とのアポイント以外に一人の作業時間も記入するようにした、といったケースがありました。このように、仕事のスケジューリングのような基本的な部分すらも、仕事のやり方を変えていく、といったアイデアが必要なのです。

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2021年154冊目『ぜんぶ、すてれば』は、破天荒に見えるが今を楽しく生きる著者の姿勢・行動は今後のスタンダードになるはず

2021-06-27 14:49:56 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

中野善壽、75歳。

伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げと海外進出を成功させる。

その後、台湾へ渡り、大手財閥企業で経営者として活躍。

2011年、東証一部の寺田倉庫の社長に就任。

大規模な改革を実施し、老舗の大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた。

(はじめにより)

 

そんな中野さんの生き方の根底にあるのは「何も持たない」こと。

家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付するような方です。

 

本書は中野さんの経験から見える、現代を前向きに楽しみながら生きるためのヒントを紹介します。

 

何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。

 

なぜ台湾に渡ったのか、なぜ寺田倉庫に入社したのか、ストーリーが面白すぎます。

感性に確かさを求め続ける姿勢がうかがえます。

 

【my pick-up】

◎周りになんて、合わせなくていい。自分の中のレジスタンスを守り抜く。

「自分はそうは思わないんだけどな」とふと感じた〝違和感〟を大事にしてほしいと思います。周りと合わせないといけない、という全体主義・同調主義は危険です。あまりにその圧力が強いと、本当に危険な時に自分の判断で逃げ出すこともできなくなるし、全員揃って破滅の方向に行くリスクも高くなる。だから、抵抗心が芽生えたら、それを守り抜くようにしてほしいと思います。

◎捨てるセンスを磨く。好き嫌いを意識することから。

自分にセンスがあるかどうかは、正直、よくわかりません。ただ、一つ言えるのは、そのときどきで僕は「好き・嫌い」をハッキリ意識するようにしてきたということ。しかしながら、その場で口にする必要はない。これは好きだな。こっちのやり方は好きじゃないな。理由は後付けでもいいから、直感で主観を示していく。最初は勇気がいるかもしれないけれど、それをなんとかつくりあげていかないと、自分の中に主たる軸というものができない。

◎飲み会を捨てる。人間関係はがんばって広げなくていい。

僕はお酒を飲まないので、ほとんど飲み会には行きません。若い頃に先輩から誘われても、アッサリ断っていました。仕事は昼間にしっかりやればいいんだから、夜の時間まで付き合うことはありません。飲み会に出なくても、十分楽しく仕事はしていけます。そもそも人間関係なんて「合わない人がいるのが当たり前」。そう考えれば気楽になりませんか。がんばって顔を売ったところで、一緒に仕事をする相手は3人か5人、多くて10人くらいのものでしょう。一緒に働ける人が10人もいれば、たいていの仕事はできるもの。夜は早く帰って休むか、好きな趣味や好きな人との時間に費やす。酔っ払って朝寝坊するよりもはるかに、翌日の仕事のできもよくなるはずです。

◎ホウレンソウも企画書も要らない。求めるのは結果のみ。

社長になってからは、現場のことは徹底して現場に任せる主義。ホウレンソウなんて要らない。「勝手にやって」と伝えてきました。ちょっと声をかけてもらって、話をしてもらえば、「ああ、いいんじゃない?やってみれば」で済む話。稟議を通すことに労力をかけるのはもったいない。仕事を始めるための仕事が膨大に立ちはだかるなんて、無駄でしかないでしょう。ここまで聞くと、やさしいようだけれど、結果に対しては厳しいんですよ。何年もいるのに何も提案してこないという人とは、もう一緒に仕事しても意味がないかなと思っちゃうんです。

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2021年153冊目『やるか、やるか』は、自分の人生が「誰か」のものになっていないかを考える

2021-06-26 16:21:12 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

著者のJINさんは、「フィジーク」という、筋肉のバランスや肌のつや、髪型、顔、サーフパンツのデザインなどが総合的に審査・評価される競技に、人生の活路を見いだした方です。

 

この本には、「自分に忠実に、堂々と、確かに生きる」ためにJINさんが大切にしている習慣が81個記されています。

 

やるか、やるか。

 

このタイトルのメッセージは、「誰かの人生」を生きることをやめ、「自分の人生」を確かに生きることの大切さです。

 

感情に振り回され、すぐにイライラしたりクヨクヨしたりしてしまう。

他人の評価が気になって仕方がない。

常識や世間体に縛られて、やりたいことができない。

 

いずれも、自分の人生が「誰か」のものになろうとしている危険信号だと思います。

 

【my pick-up】

◎「先延ばし癖」を直すと人生は好転する

先延ばし癖は、とても危険です。自分への裏切りを繰り返すことで、自分のことがどんどん嫌いになってしまうからです。自分を嫌いになる習慣を、自ら率先して続けていては、人生はつらく、悲しいものになる一方です。一刻も早く、「先延ばし癖」から脱却しなければなりません。余裕を持って締め切りに間に合わせることができたとしたら、絶対に「ああ、気分がいいな」と感じるはずです。

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2021年152冊目『捨てられる男たち』は、男社会の価値観が引き起こす〝無自覚ハラスメント〟の深層に迫る

2021-06-26 16:09:59 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

40歳代、50歳代の上司世代に多い〝無自覚ハラスメント〟の要因は、彼らに無批判に内在化された「男社会」の価値観。

「男らしさ」のジェンダー規範を具現化した成功体験のある場合が少なくないことが、旧来の価値観からの脱却を困難にしているのです。

 

本書の特徴は最長で20年にわたり、同じ取材対象者に継続的にインタビューを行った定点観測ルポになっている点です。

ある一時を切り取っただけのインタビューでは推し量れない、問題の深層や人々の心の機微に触れることができます。

 

〝無自覚ハラスメント〟を起こすことのない良好な関係を築くには何が必要か?

・価値観の違いを受け入れ、なぜそう考えるのかを相手の立場になって理解しようと努めること

・相手から高く評価されたいという承認欲求の水準を下げるとともに、自己効力感を高めること

・相手に対して求める役割期待の度合いを低く見直すこと

 

「男社会」の中で葛藤する女性上司など、女性側の現状や問題にも本書は及んでいます。

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2021年151冊目『ラクしてうまくいく生き方』は、ひろゆき流・ラクしてほどほど幸せに生きるコツ

2021-06-26 15:51:49 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

ひろゆき(西村博之)さんの最新刊は、

 

「自分は別にお金持ちになりたいわけでも、成功者になりたいわけでもない。なのにいま、いろいろ心身ともにストレスフルな毎日だし、将来に対する不安も多くて、生きるのがなかなかしんどい。だから、もうちょっとラクして要領よくいきたいなあ」

 

と思っている人に向けて、ラクしてほどほど幸せに生きる100の哲学・コツを抽出しています。

 

・僕はいわゆる世間一般の「実業家」とはかなり違うタイプの人間だ。

・僕は極力、働きたくない。

・僕は自分の会社を大きくしていくことに興味がない。

・僕自身がしんどくなく生活できるお金を稼げれば、それで満足。

・おそらく、都市で働く会社員よりも、僕はプライベートでお金を使っていない。

 

そんなひろゆきさんの発言や言葉は、多くの実業家を含む成功者よりも地に足のついたものであり、〝普通の生活〟を送る読者にも共感できるのではないでしょうか。

 

【my pick-up】

◎メールはさっさと返信しましょう

早く返信する理由は、手間がかからないわりに、簡単に自分の評価をアップさせることができるからです。コスパがいいってことですね。僕はぱっと見て問題なさそうだったら、「おおむねオッケーです!」とだけ先に返しておきます。

しかし、返信を遅らせた場合は、自分のところで寝かせた時間分だけ、「見返り」を求められる。短文メールでは許されなくなります。

ちなみに、もしメールを返したあとに、「あそこはちょっと違う意見をいけばよかったなぁ・・・」と思ったら、その時もすぐにメールします。相手は最初に早く返信をもらっているので、そこまで悪い気にならないんです。

◎もっと休暇をとりましょう

日本では、自分たちの雇用主のことを信じているんですよね。一方、フランスはそもそも「労働=贖罪」という価値観がベースにあり、労働はできればやりたくないものと考えています。雇用主の善意に期待することがありません。権利は自分たちで守らなければならないものだと思っているので、雇用主に抵抗の意思を見せます。

「仕事は必要以上にするものではない」と割り切ったほうが、人生がラクになると思います。

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