評価 (4点/5点満点)
心療内科医の姫野友美さんが、分子整合栄養医学等の見地から、身体機能を最大限に発揮させる食べ方を紹介します。
体の燃費の違いは、体の中の酵素の働きの違いにあり、その酵素を活性化させる栄養素として何を食べるかというのはとても大事です。
この本のタイトルの趣旨は以下のようなことです。
「コーヒーに含まれるカフェインには交感神経を刺激する覚醒作用があるため、眠気を覚ましたり、倦怠感を取り除き集中力をアップさせたりする働きがある。しかし缶コーヒーではその効果は持続性がなく、一瞬で終わってしまう。それはなぜか。理由は〝砂糖〟が多く含まれているからだ。」
つまり、現代人の糖質の過剰な摂取による低血糖症が、ビジネスにおける効率を低下させているというのが、本書のメインテーマです。
ビジネスマンが押さえておきたい成功につながる食のポイントは、①タンパク質をしっかり摂る、②脳に必要なよい脂質(不飽和脂肪酸)を摂る、③精製された糖質を控える、④活性酸素を消去する(ビタミンACEの摂取等)、⑤腸内環境を整える(乳酸菌・食物繊維の摂取等)の5つです。
まずは、主食(ご飯・麺)を半分残す習慣から始めてみてはいかがでしょうか。私も3年前からこれを実践していますが、風邪もまったくひかず、調子のよい体を維持しています。
【my pick-up】
◎現代人は国民総糖質過多
内臓脂肪を減らすために、食事から摂る脂肪だけを減らせばよいと思っているとしたら、それは大きな間違いだ。むしろ減らしたいのは糖質なのだ。
不思議なことに、脂質の摂取量を減らし、カロリーを抑えているにも拘らず、肥満は年々増え続けているのだ。最も大きな原因、それは糖質過多の食生活である。
増えている糖質は白米やパン・麺類など精製された糖質のほか、加工に砂糖を多く使う菓子パンやスイーツ、スナック菓子、清涼飲料水があたる。
◎砂糖の依存症は麻薬と同じ
以前「砂糖は脳の唯一のエネルギー源だから、疲れたら甘いものを食べるとよい」という説があったが、これは正しい情報ではない。
脳はブドウ糖だけでなく、脂質もエネルギー源として利用する仕組みが備わっている。わざわざ砂糖を摂らなくても脳に必要な量を安定供給するブドウ糖は摂れている。
◎肉を食べれば頭の回転が速くなる
脳にいちばん必要な栄養素は、タンパク質である。頭の回転が速い男になりたいのなら、タンパク質をしっかり摂ること。
野菜不足は気にしていても、肉や魚などのタンパク質が足りてないとは思っていないのではないだろうか。
1日に必要なタンパク質量とは、体重1キログラムあたり約1~1.5グラムだ。60キログラムの人なら60~90グラムのタンパク質が必要になる。
とくに卵は優秀なタンパク源のため、1日1個は必ず食べてほしい。必須アミノ酸は動物性タンパク質に多く含まれるため、豆腐など植物性タンパク質に偏ってしまうとバランスが悪くなってしまう。
◎眠気覚ましにはアミノ酸
パソコンの画面を見ながら睡魔に襲われたら、アミノ酸を摂ろう。
アミノ酸を摂るならペットボトルのアミノ酸飲料ではなく、タブレットタイプにしよう。水溶性で胃に負担がかからず、手軽に飲めるアミノ酸タブレットをもっと積極的に取り入れていってほしい。期待以上の効果が出るはずだ。
◎仕事の効率を上げる食べ方
まずメニューは定食を選び、サラダやおひたし、酢の物など食物繊維が豊富な副菜を最初に食べてみよう。食事のはじめに食物繊維が胃に入ると、糖の吸収がゆるやかになって血糖値の上昇を抑えることができる。続いて焼き魚やハンバーグなどタンパク質の主菜を食べて、ご飯はいちばん最後に食べるようにする。副菜や主菜を最初に食べることで満腹感を覚えるので、食べすぎを予防することもできる。
21世紀の健康的な食べ方とは、①副菜②主菜③ご飯の順番で箸をつけることが正しいと認識を変えてみよう。