厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2019年164冊目『仕事ごっこ』

2019-07-27 22:14:05 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本で言う「仕事ごっこ」とは

・生まれた当初は合理性があったものの、時代や環境や価値観の変化、及び技術の進化に伴い、生産性やモチベーションの足を引っ張る厄介者と化した仕事や慣習。

・コラボレーション、ひいてはその組織とそこで働く人の健全な成長を邪魔する形骸化した仕事や慣習。あるいは、仕事のための仕事。

形骸化した「ごっこ遊び」にまみれている組織は、コラボレーションを遠ざけます。また、「仕事ごっこ」しかできない人は、定年後の雇用延長や、故郷での再就職が難しくなると思います。

古い仕事や慣習に最大の敬意を表しつつ、優しく滅ぼしていく徳が必要なのではないでしょうか?

【my pick-up】

◎所詮社内運動

ある中小企業での取り組み。社内でしか使わない資料は、体裁を気にしすぎない。PowerPointを作らず、手書きメモでも、テキストファイルの箇条書きでもOK。「てにをは」や誤字脱字も容認する。そのような取り組みを進めています。名前は「所詮社内運動」。「所詮社内」というネーミングも絶妙で、この運動が始まって以来、上司と部下の間で「所詮社内だから、凝らなくてイイよ」「所詮社内なので、テキストファイルで済ませました」などの会話が生まれ、正しく手を抜く文化が定着しつつあるそうです。

◎ラクをすることは美徳。ITを活用しよう

人間ゆえの弱みに向き合って、仕組みでナントカすること。それを「マネジメント」といいます。何でもかんでも手書きさせる、ハンコを押させる、ITを活用しない職場を、社員は大切な友人や後輩にオススメしたいと思うでしょうか?「いろいろ面倒くさい会社」だと思われ、正しく活躍したい人がどんどん遠ざかります。すなわち、企業のブランドにも関わるのです。

◎むしろ、こういう慣習こそビジネスマナー違反!

なぜシャチハタNGなのか、理由を説明できますか?シャチハタは、押印をラクにしたすばらしいツールです。ラクをすることは、悪いことではありません。雅はどうでもいい。生産性重視でいきましょう。できることなら、押印そのものをなくして、署名やクラウドサインでOKなどに変えていってください。

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2019年163冊目『ニュータイプの時代』

2019-07-27 22:02:25 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本では、旧態依然とした思考・行動様式を「オールドタイプ」として、一方、それに対置される新しい思考・行動様式を「ニュータイプ」として整理し、ニュータイプの24の思考・行動様式を示します。

20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後「オールドタイプ」として急速に価値を失っていくことになるでしょう。

一方、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。

<オールドタイプ>→<ニュータイプ>

正解を探す→問題を探す

予測する→構想する

KPIで管理する→意味を与える

生産性を上げる→遊びを盛り込む

ルールに従う→自らの道徳観に従う

一つの組織に留まる→組織間を越境する

綿密に計画し実行する→とりあえず試す

奪い、独占する→与え、共有する

経験に頼る→学習能力に頼る

かつて礼賛されたオールドタイプがなぜニュータイプにアップデートされなければならないか?1つは、オールドタイプの思考・行動様式が「社会への価値の創出」という観点からすでに有効ではなくなりつつあること。「価値創出」の源泉が「問題を解決しモノを作り出す能力」から「問題を発見し意味を創出する能力」へとシフトしているのです。

もう1つは、これまで活躍していたオールドタイプが発揮してきた思考・行動様式によって、資本主義というシステムが生み出す問題が拡大再生産されていること。現在のようにモノが過剰に溢れている状態でひたすらに「量的な向上」を目指せば、すでに過剰にあるモノを次々にゴミにしていくしかありません。

○現在は「問題」そのものが希少になっているので、ボトルネックは問題の「解決能力」ではなく「発見能力」に発生する。結果として問題解決者の価値が低減する一方で、問題発見者の価値が上昇する。

○膨大な人的資源を投入し、鉱物や石油などの地球資源を蕩尽するように生み出した「生産物」の多くについて、私たちはそれらを子孫に対してぜひとも残していくべきだとは考えていない。これだけの労働量と資源を投入して、私たちはせっせと「ゴミ」を生み出し続けている。日本をはじめとした先進諸国において精神を病む人が増えているのは、多くの人が「ゴミを作り、売る」ということに対して「意味」を見いだせていないから。

現在の私たちが直面している状況を「システム(資本主義)の問題」として処理することはできません。結局のところ、システムをどのようなものに変えたとしても、その中で働く人々の意識が変わらなければ、この状況が変わることはないのです。

人それぞれの思考・行動様式が、オールドタイプのそれからニュータイプのそれへと変換することで、新しい時代への転換が起きるという本書の主張は、著者・山口周さんの深い教養や多くの経験に裏打ちされたものです。

【my pick-up】

◎「1万時間の法則」のお粗末さ

「努力は報われる」という主張を無邪気に振り回している人たちが主張の根拠としてよく持ち出してくるのが、いわゆる「1万時間の法則」です。「1万時間の法則」とは、アメリカの著述家であるマルコム・グラッドウェルが、著書『天才!成功する人々の法則』の中で提唱した法則で、「1万時間の練習を積み重ねれば、あなたは一流になれますよ」ということを言っています。グラッドウェルはバイオリニストに関する研究から「1万時間の法則」を導き出したわけですが、確かに楽器演奏は相対的に練習量がパフォーマンスに与える影響の大きい分野であることがわかります。しかし、私たちの多くが関わることになる知的専門職はどうかというと、努力の量とパフォーマンスにはほとんど関係がないということが別の論文では示唆されています。

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2019年162冊目『xDrive 質問でPDCAは加速する』

2019-07-21 15:23:49 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

自分の部下たちに「早く動いてもらおう」と指示ばかりしていませんか?

Driveという言葉には「~を動かす」「進むことを促す」「原動力」という要素があります。また、近年のビジネス用語としては「ぐっとアクセルを踏み込み加速させる」というような意味合いでも使われています。そして「x」は「かける」という意味が込められています。

つまり、質問PDCAであなたのチームにDriveをかける「xDrive」の実践方法を、組織を成長させたいと願う経営者の方、チームマネジメントや部下育成に悩む「上司」という立場の方に向けて書いた1冊。

「自分で考える」きっかけとなるような「質問」が「PDCA」に組み合わさってはじめて、その「チーム」が自ら走り出すような原動力となることができます。

・4つの成長フェーズとマネジメントスタイル

 「ルーキー」(新人)→確認型マネジメント

 「ウォーリー」(不安)→具体化マネジメント

 「シーソー」(変動)→自分ごと化マネジメント

 「ハイパフォーマー」(安定)→創造型マネジメント

・「目的」「目標」「Plan」「Do」「Check」「Action」の6ステップ

4×6=24のステージに各5質問、24×5=計120の質問が用意されています。

それまで指示することで動かしていた部下を、質問で思考のスイッチを入れ、自分で考えてもらうようにしましょう。すると部下のモチベーションがみるみる向上し、責任を持って業務に取り組んでくれるようになると思います。

また上司は素直に部下に対して「このことで悩んでいるんだけど、どうすればいいと思う?」と相談を持ち掛けてみましょう。部下の知恵を借りることで、いい意味で肩の荷を下ろすことができ、自分一人でかんがえるよりはるかにいいアイデアが生まれますよ。

【my pick-up】

◎リーダーとしての心得-印象ではなく「事実」、決意以上に「行動」を見る

「うまくいっていると思います」「頑張っています」からは何も情報は得られない。現場で何が起こっているのか、具体的な事実をつかむことで改善策が生まれ、ノウハウが生まれる。「実行します」という言葉ではなく、「実際の行動」ではじめて結果が生まれる。行動で変革を起こすことを、誰よりもサポートする。

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2019年161冊目『「超」AI整理法』

2019-07-21 15:12:30 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

AIは、さまざまな面で人間の創造活動を補助してくれます。ただし、新しい技術を使うためには、仕事の仕組みをうまく構築する必要があります。そのためには、これまで習慣的に行ってきたPCやスマートフォンの使い方を大きく変える必要があります。本書は、仕事の効率を向上させたいと思っている人に向けての、それについての具体的な提案です。

著者の野口悠紀雄さんは、1993年に『「超」整理法』(中公新書)がベストセラーとなり、その中の「押し出しファイリング」が有名になりました。それから26年、IT環境の進歩を踏まえて、今回は以下のような整理法が提案されています。

・最近のコンピュータの進歩で、われわれが扱う情報の量が爆発的に増出している。

・デジタル情報について重要なことは、「いらないものを捨てる」という努力をやめて、「必要なものを検索する」という方針に転換すること。

・画像認識を利用すればカメラを向けるだけでサイトに飛べるため、サイトを開くのが容易になる。

・領収書のような非定型文書からのデータ抽出は現在のところ不満足な状態だが、画像認識の能力もさらに進んで非定型文書からのデータ抽出もできるようになる。

本書では、グーグルが無料で提供する画像認識サービスである「グーグルレンズ」が頻繁に登場します。私もさっそく、iOS用のアプリ(グーグルフォト)をダウンロードしてみました。積極的に活用中です。

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2019年160冊目『最強の職場改善』

2019-07-20 18:42:24 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

職場改善コンサルタントとして、200以上の現場を指導してきた著者が、職場の生産性や働く人のモチベーションを悪化させるものの根本的な原因は、日常のミスにあると言います。

この本では、人々がしてしまうミスはすべて次の7つの原因に分類できるとし、それぞれの対処策を提示します。

1.コミュニケーションのミス

2.順序のミス

3.中断のミス

4.環境のミス

5.記憶のミス

6.目標設定のミス

7.意識のミス

また、「話しかけられる自分に変わる」「職場を居心地いいものに変える」「職場の同僚と仲良くなる」「部下のやる気を引き出す」といった人間関係面から職場を改善する方法についても触れています。

本書には、多くの先人のミスやその叡智がちりばめられていますが、それを読むと先人のミスを疑似体験をしたことになります。

ミスから受け取ったメッセージをもとに、何を変えなければならないのか考えてみましょう。ミスの再発や未然防止に役立ちます。

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