日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

7月から、新しいクラスで、臨みます。

2018-06-19 10:07:32 | 日本語学校
晴れ。

昨日、仕事がなかなか片付かなくて、ハッと気づくと、重い雨が降りだしていました。さっきまで降っていなかったのに…と雨雲さんを恨んでも、せんないこと。その中を突破して帰り着いた時には、もう髪の毛からも服からも、滴がぽたぽたと…。自転車に乗っているときから、グッショリでしたから、それも当然のことでした。帰り着いた時、出会った二階の方から、「あらまあ、ずぶ濡れ…」。「はい、突破してきました…」。

学生達も大変ですね。彼等の国では、自転車で行き来するというのは、あまりないことなのでしょう。カトマンズ出身の人やハノイからの人は、たいていオートバイで移動していたと言っていましたから。

さて、学校です。

7月からクラス編成もあり、また上のクラスでは、新しい教科書を採用するということもあり、準備にオタオタしています。「Aクラス」に関しては、主教材を変えるので、まずは「素読」用に教科書の本文を打たねばならない。新出漢字をピックアップして、漢字表を作らねばならない。…この二つは、前にだいたいのことはしていましたから、少し余裕があります。後は見直しだけ。筆で書くのはすぐできるから、後でもいいし…。

ところが、単語表がいけない。ダウンロードできる対訳としては、ベトナム語のものだけ。英語の対訳もついていない。単語を自分で調べられるようにするのが主目的であるとしても、「ない」というのはいただけない。使いにくいのです。

それで、慌てて、単語表を別に打たねばならないことに…。

実は、初めの頃、この語彙表をダウンロードできることに気づかず、こちらで新出単語や、おそらくは学生が覚えていないであろう単語をリストアップして作りかけていたのです。それが語彙表があることに気づき(や~めたと)、安心しきっていました。これは迂闊、失敗でしたね。最初によく読んでいれば、今回のように慌てふためかずにすんだものを。

教員の仕事が多いというのは、多分、本当です。けれども、どの仕事に於いても、そう。教員だから多いというわけではありません。どの職場においても、仕事が増える人と、そうではない人とがいます。同じことを繰り返せることでそれでよしとする人と、そうではない人がいるわけですから。

(他者が)表面的には、見えない仕事をしていることに気づけるかどうかが、おそらくはその人がその職業において伸びるかどうかの分水嶺でしょう。  
ただ教員の場合は、学生あっての教員ですから、その時の学生の状況如何で仕事が増えたり、減ったりします。また、日本語学校ですと、勉強をよくする学生が多い時と少ない時、レベルが高い時と低い時によって、仕事の質もかわってきます。

この学校においては、どの学校においてもそうでしょうが、授業がメーンです。学生の質がある程度揃っていて、しかも、よく勉強する場合、「押しまくる」ことができます。1日に「1」で終わるのではなく、時には、「2」でも、「3」でも入れることができるでしょうし、半年後、一年後を見ての指導も入れることができるでしょう。

その反対に、それでやっては授業自体が成立しない場合もあります。そういう場合には、「隙間」を幾箇所か、入れていかねばなりません。緊張が続かないというか、「息抜き」が必要になってくるのです。この「空間」も学生によって異なってきます。いえ、学生と言うよりも、一斉授業ですから、「クラス」と言った方がいいのかもしれませんが。

クラスによって、授業のやり方(用いる教材も含めて)が、大きく変えざるを得ない場合もあれば、ほんの少し手心を加える程度で終われる場合もあります。しかしながら、微妙な部分を説明しろと言われても、それは難しい。そういうものは、ある程度の経験を通して、導かれるものであり、他者が云々言っても、どうにもならないものだからです。

私はこのやり方で行くというのも、そのやり方が「その人自体」によく適っており、他のやり方では不自然になるからでしょう。ただ、ある程度のことができる人であれば、どういう道を辿ろうとも、結果は同じになるでしょう。この結果という言葉の定義も難しいのですが。

学生に、「自分のことを大切にしてくれている」と感じられるのが一番です。(教員も)質問があったら、逃げない。また、(学生に)質問をしてもらえるようにする。その他にも、個人的な悩みもあるでしょうし。もっとも、この中には彼等の甘えから来るものもあります。そこは確と区別して臨まなければなりません。

もちろん、勉強だけに集中でき、授業が終わっても残って勉強してくれるほどの学生が一番いい。以前、中国人学生が多かった頃は、アルバイトの時間まで、よく5,6人残っていたものでした。こちらも、手隙の時間に「質問は?」と行けば、それなりの成果は上がります。

今は、午前の学生で、一人だけ、今年度の高校入学を目指して頑張っている台湾の学生がいるのですが、最初の学校で、「(中国人クラスでは)書くだけ」という授業であったせいか、「初級内容」は、散々なもの。漢字圏の学生ですから、それでも「N2」の文章は読めますし、文法も覚えることができます。この学校に移ってから、もうすぐ一年になりますが、本腰を入れて勉強を始めたのは、ここ半年ほどのこと。一人の教員が、初級の「助詞」の手当に行けば、また他の教員が自習室を覗いては、「何か質問は?」と訊く。

本人曰く「こんなに勉強したことはなかった」。こちらも「そうだろう」。

彼女は、今度の「N2」の合格を目指して懸命に勉強しています。「『N1』まで行かないと、中学修了とはいかないよ」がどうも効いているようです。

不思議なもので、懸命に勉強している人は顔つきが違います。いい顔になってきたのです。人と比べて慢心しているとか、下の人を見下しているとか、そういう顔ではありません。自分の勉強だけに必死になっているのです。

「こんなに若くても、人ははいい顔になれるものなのだ。懸命さは何よりも強い」と、感心すること頻りです。

日々是好日
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