日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「『非漢字圏』で、真面目に勉強しない…人は大変…」。

2013-12-24 12:20:20 | 日本語の授業
 晴れ。

 昨日は一日中、寒かった…。一昨日は「冬至」でしたし。今日も寒くなりそうです。なんてったって、11度から3度ですからね。零下の世界はもうすぐ…。もっとも、もし、寒くなかったら、それこそ「異常」なんでしょうけれども。

 さて、学生達です。

 学校では、「漢字圏」の人たちが減って、ほんの数えるほどとなり、大半は「非漢字圏」の人たちとなっています。

 中国人であれば、(母国の)高校まで、勉強嫌いできていても、来日後は(日本の日本語学校では)、他の「非漢字圏」の人たちと一緒ですから、(彼らに比べれば)「出来がよく」見えることもあり、それなりに、自尊心がくすぐられ、楽しく生活できるようでもあるのですが、「非漢字圏」出身で、しかも勉強嫌いとなると、どうにもなりません。中国人の場合の、「漢字」がないのです。つまり、母国では大したことがなくても、ここでは、(インド人やタイ人に比べれば)漢字が判る分、優越感に浸れるのですが。これは、日本人が中国語を勉強しているときでも同じ。大した漢字でなくても書けると、他の「非漢字圏」の人たちから、「すご~い」なんて言ってもらえるのです。

 けれども、「非漢字圏」出身ですからね、その(漢字を学んで育って来た)点がなく、しかも、勉強嫌いで、机にジッと座っているのにも慣れていないとなると、処置なし。私たちとしても対処に困るのです。

 それなのに、これが、彼らの国の人たちには通じない。いえ、この「彼らの国の人たち」というのは、「日本に来たことがないとか、他国で留学したことがないとかいった」人たちではなく、かつては自分達も留学生であったような優秀な人たちに、なのです。

 今、ここで言っているのは、例えば、ベトナムからの人たちのことなのですが。

 大使館勤務のような真面目なベトナム人には、現在、日本に留学している人たちのうち、大半の学生たちの状況が見えていないのです。自分達と同じように向学心に燃えているとしか、思っていないようなのです。

 日本の明治期のような留学生であれば、こういう人たちが自国民のために手を尽くすというのもわかります。けれども、今の留学生達の実態はどうでしょうか。

 もっとも、最近はこの学校でも、現地に行って、しつこく「真面目な学生がほしい。今、来ている学生達は、こんなこんなで、全く勉強しないどころか、授業中に自由に外へ行ってしまう。注意しても、板書している時にスルリと出てしまったりする。どこへ行ったかと思うと、図書室で寝ていたり、家に帰って、ご飯を食べていたりする。これでは、授業が成立しない」などと言い、また「こういう人はこの学校では求めない」と言ったりして、少しずつ、勉強する気がある人たちが入ってきてはいるのですが。

 ただ、本当に「面接」というのは難しい。しかも、日本語がわからない「外国人」を面接するというのは難しい。結局は、間に立って、「ベトナム語と日本語がわかる」人次第と言うことなのでしょう。

 たとえば、その人から、名門大学を出ているという書類が送られ、多分大丈夫だろうということで入れた…ところが、全く勉強しない。「課外活動」の時に、ビールを買ってきて、皆で飲もうとする。叱って、止めても隠れて飲んでいる(中国留学の時、北朝鮮の留学生達がそうでした。昼ご飯の時には、学食の彼らのテーブルの上には、いつも、ビールが「人数+何本か分」並んでいたものでした。

 書類は本物だったのでしょうけれども…どうなのか、本当のところは、わかりません。

 今では、年が長けている人は面接しない限り、大卒でも、書類を送ってきても、申請の手続きをしないと言ってあります。周りの学生達に与えるものが悪いのです。普通、日本では、「昼間っから酒なんて」と言われるものなのですが(花見とか、紅葉狩りとか、誕生日とか、「ハレの日」は特別で、だれも何も言いません)、彼らはこれが守れないのです(母国にいた時と同じことをしようとするのです)。

 それに、来日後は、彼らとても経済的に余裕があるわけではないので、節約して生活しなければならないはず。それなのに、毎日ビールを飲んでおきながら、「学費?お金がない」などと言うのです。「部屋代?お金がない」ですもの。

 もちろん、他の国の学生達も来た当初は、アルバイトもないし、生活が苦しいのは同じです。けれども、だいたい、半年ほどで、部屋代の借りも払えるようになるものなのです。今、寮に住んでいる男子学生は、他にはミャンマー人とスリランカ人ですが、彼らは遅い人でも、半年ほどで借りはなくなっています。

 それに比べ、ベトナムから来た男子学生は、どうも経済的に「だらしい人」が多いようで、自分のこともできない。で、卒業するときに、アタフタとしなければならなくなる。勉強ができれば、安い所へ行けるでしょうが、勉強もできないし、その上、お金もないとなれば、ベトナム人ばかりが集まっている所しか行けないとなってしまいます。

 だいたい、少しばかり国から(お金を)持って来ていても、すぐに「スマホ」を買って、アルバイトもせずに、夜遅くまで、映画ばかり見ていれば、眠くて学校にも行けないし、日本語がわからないのでアルバイトもだめという悪循環に陥ってしまいます。

 しかしながら、彼らの国で「面接」をした時には、ごく普通の若者なのです。ごく普通の若者だから、こうなるのでしょうか。最近は、(私たちの方でも)ベトナムの普通の若者ではだめなのだということが、少しずつ、わかってきましたので、「面接」の時には、強面でいくようにしています。だって、後が大変なのです。教えていくのは、「こちら」なのですから。事務系の人が行って、呼んでくればそれで終わりというわけではありません。

 下手をすると、そういう人が自分のクラスに来て、クラスをかき乱してしまうかもしれないのです。ですから、「こちら」としても必死です。ただ、この学校では、現実に教えている者が会いに行くので、授業の妨げにならない時しか行けない。

 だいたい、そうでしょう。頭数を増やせばいいというわけではない(その分、学費が入るといっても)。現に、教える人間が行くわけですから、勉強する気のない人なんて、ほしいはずがない。「勉強の習慣がないは、わからないと騒ぐは」の人に、(教員は)来てもらっても困るのです。

 そんな人たちが多く来ているということを、ベトナムの大使館の人たちにも知ってほしいのですが。

 日々是好日

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