日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

書いているうちに、雨が降り始めました。久しぶりの雨です。

2022-07-04 08:41:38 | 日本語学校

曇り。

「梅雨」時なのに、30度超え。それでも、暑い暑いと不満タラタラだったのに、それがいつの間にか連日の猛暑。関東地方の内陸部では40度前後まで上がってしまい、もう、どうして…という声さえ心細げになっている。

例年の「太平洋高気圧」のその上に、「チベット高気圧」が張り出しているから。厚い布団を二枚重ねしたようなものと言われれば、何となく判るのですが、でも、どうして…。

「梅雨」の時は「梅雨寒」なんて言葉がありましたよね。でも、それも「死語」になりつつあるのかも。だいたい「梅雨」なんてのも、「遺物」としか語られないようになるのかも…。いやはや、暑い…。「暑いばかりじゃない、水瓶の水は大丈夫なの?」と、心配していたら、「台風4号」が太平洋高気圧の縁を伝ってこちらにもやってきそうです。既に「熱帯低気圧」になっているかもしれませんが。

「季語」をはじめとして、なにがなしか季節感がないと(無季は別として)、「俳句」らしくないと思ってしまう日本人。これからは「夏」の「季語」がドンと増えそう。短い春のあとは長い長い猛暑の夏が鎮座ましますような季節の国になってしまうかも。

さて、学校です。

異国の人たちを教えている時、よく彼らに、彼らの「常識」について聞きます。いわゆる「日本の常識」「彼らの非常識」と、「彼らの常識」「日本の非常識」をあらかじめ双方が知っていると、こちらも例文作りが楽になるし、彼らの理解も容易になる場合が少なくないのです。

これは宗教や文化によることもありますが、知識(学校教育レベルの)によることも少なくありません。教育というのは、長期にわたり人々を管理していく上で非常に便利な道具ですから、国によっては「知らしむべからず」というのを絵に描いたように実行しているところもありますし、それ故に「(ある知識を)それは嘘だ」とはっきり言い切る人々も出てきます。自由の国で、しかも科学技術が発達しているアメリカでさえ、そうなのですから、いくら自由を標榜していても、それを享受する人間には限りがある。

「人は見たいものしか見ないし、聞きたいことしか聞かない」。とはいえ、これも教育によるのでしょう。そう教育されてきたから、「見たいもの」が、ある国では画一的になる。理想が一色であればそうなりがちです。

自由がない国から、他国に来て、「ここは自由だろ」とばかりに、やりたい放題、言いたい放題のことをするような、ある国の人もいれば(いけ好かないのは、彼らの国では知識のある部類に入っているということ)、日本に「愛国教育」というのが認められぬことを奇妙に思っている人もいる。

日本人から見れば、自分の国を大切に思い、守りたいと思うのに、「教育」が必要なのかと、そちらの方が不思議。彼らのいわゆる「国」とは何なのかと思ってしまうのですが、多分、そういう国では「教育」しなければ、だれも、彼らのいわゆる「国」というものを愛せないのでしょうね。

ふるさとの人々を、国の山河を思い、来し方を思いやる。さすれば、「誰か故郷を愛せざる」でしょう。たとえ、幼い頃にいじめに遭ったとしても、不快なことに出遭っていたとしても、ふるさとの山河や野山の草花木々に慰められた思いをだれもが抱いているはず。

国とは、山河であり、草木であり、人々であり、どのようにも形を変えられる「水」のようなもの。これだというものはないのです。

日本でも群雄割拠の時代がありました。古くは国というのものは、せせこましい土地を指していました。この狭っ苦しい土地も、甲という国のものとなったり、乙という国のものとなったり、また、丙のものとも、丁のものとも、戊のものともなったりしたことがあります。だれのものとなろうとも、そこにいた人が望まない限りは、人々は同じ土地に住み、同じ生業をし、生きてきました。だから、想うことができたのでしょう。

国を離れて、日本に来ている人、特に若い人の中には、「日本がいい。日本でずっと暮らしたい」という人もいます。 とはいえ、おそらく年老いた時もそうなのかというと、そうではない場合も多いと思います。だれしも、生まれた国に戻りたいと思うもの。とはいえ、自分が生まれた国が全く違う姿になってしまっていた時、もうそれは自分の国ではないと思うかもしれません。

国とは見たり、触れたりできるものだけでなっているわけではなく、「水」のように形もなく、底知れぬ部分もあるのですから。

日々是好日
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