日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「インドネシアでは、もうすぐ冬の、オーストラリアから風が来るから…」…日本人曰く「シベリアから…」同じですね。

2019-05-29 08:17:06 | 日本語学校

雨。

今は、小糠雨状態になっていますが、早朝はかなり激しく降っていました。その、雨が止んだかに見えた時、窓を開け、ベランダに出てみたのですが、久しぶりのヒンヤリとした空気に、思わず、ここ数日来の暑さがふっ飛んだような気がしました。

来週か、再来週頃から、「梅雨」入りの知らせが各地から届くかもしれません。あちこちのお宅で「アジサイ」の花が満開になっていますもの。

さて、学校です。

昨日は風が強かったからでしょう、暑かったことは確かに暑かったのですが、窓を開ければ、朝のうちはそれほどでもなく、しのげました。で、午後のクラスのことです。「暑かったですねえ」から、授業は始まったのですが、ベトナムの学生、「こんな暑さ、何ほどのことやあらん」みたいな顔をして、「今、(ハノイは)42度です」。先々週、ベトナムに行ったときには、38度とかで、何と暑いのかとびっくりしたのですが、もう、それが、42度になっているとは…。

スリランカの学生に訊いてみると、「スリランカも暑い」。「でも、スリランカはそうでもないでしょ。過ごしやすいと言われているでしょ」と重ねて聞いてみると、「最近、変」と憮然としている。様々な国で温暖化の悪影響が出ているのを感じます。次にネパールの学生に振ってみると、「知りません」。そうか、「今日の気温は」なんて気にしないんだな。

「インドネシアも暑いでしょ」と、インドネシアの学生に聞いてみると、「オーストラリアから風が来るから…。オーストラリアは、もう、冬だから」。そうか、日本で言うところの、「シベリアから風が…」でしたね。

北半球でなく、南半球の国の人達と話すと、「夏至」だの「冬至」だの、樹の影が長くなるだの、短くなっただのが通じなかったりします。また、大陸の内陸部の人と話すと、満潮だの干潮だのが、ピンときてもらえなかったりします。

風土というのは、本当に人間の生活に大きな影響を与えているのですね。思想や、そこまで行かずとも、なにがしかの考え方にも影響を与えているのでしょうね。砂漠地方でも、いにしえには、多くの神々がいたであろうに、いつの間にか、一柱の神だけを信じるようになっている。

草花が生い茂り、木々が高い梢を作り、鬱蒼とした木々の葉が闇を作りなどしている、日本のような風土では、たとえ、現代であろうとも、神々は、古来から生まれたまま、そのまま存在し続けているまた、神という位に至っておらずとも、その眷属くらいにはなっている者たちも、あちこちにいたりする。神々にとっても暮らしやすいのかしらん。

日本には、たいていの山や川には神様が祀られていたり、妖怪が住んでいたりして、それが男神、女神のみならず、狐や狸、蛇、山犬、熊であることもあるような。その地で一番強いと見做された動物が神になっているのでしょう。それに、人はよく騙される…。人は本当に大したものではないのだなと思い知らされるのも、こういったとき。

昔は山に入る前、御神酒を供え、その地の神に祈ったそうな。

とはいえ、日本では、人は死ぬと皆、神になるともいう。だから、喧嘩してはならぬというわけではないのだろうけれども。死んで神になると、煩悩も消えるのかしら。ただ神様同士でも子供っぽい喧嘩はしているようですから、生きているときと同じようなことを死んでもしているのでしょうね。

こんなことを言うと、一神教の教徒達から、「だから、日本人はわけがわからん。信用ならん」と言われてしまいそう。

日本人は、多分、こんな、あやふやな、はっきりしていない状態が、それが心持ちであろうと、一番、落ち着くのかもしれません。なあなあで、一緒になり、なあなあで別れていく。ただ、グローバル化が進んでいる今日の社会がそれを許すかどうかというと、おそらくはだめでしょうね。けれども、常に黒白を決めなければならなくなった社会というのは、もう、日本ではないような、そんな気もしてきます。

その人が信じている宗教が、その人個人のものである限り、日本は住みやすい国なのでしょう。人が心に何を抱いていようが、何を信じていようが、構わないのです。だいたい、神というのは人が幸せになるべくつくりあげた存在なのでしょうから。

日々是好日
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