「実はね、こんなに突然来られても困るんだよ。
こっちにはこっちの都合もあるし、せめて前もって知れせてくれないとね。」
「う~むそれもわからぬではない、それで最近は前もってなるべく予定を知らせるようにしてはいる。
昔はがんの告知なんてしなかっただろう?!
ところがある有名な高僧がいて、この人なら告知しても大丈夫だろう、と医者が告知してしまった。がんだと、余命3年だと。
するとこの高僧、慌てふためき、すっかり意気消沈して3年後の予定だったのに、慌てて3か月後に迎えに行ったことがあるのだよ。
このように前もって予定を知らせて置くのがいいことかどうか・・・悩ましいところだ。
それに予定を知らせておくとその通りに回らねばならぬ。それが何とも煩わしい。今日みたいについでに・・・いやいやいや(ごほんごほんごほん~わざとらしい咳払い)」
「あっ、聞いたぞ!聞いたぞ!聞いたぞ!やっぱりここには手抜きしてついでに来たな!!
最近どうもこの集落の順番がおかしいと思ってたんだ。言いつけてやろう!天照大神様に。怒るぞ~~~」
「しぃ!しぃ!声が大きい!
まあまあそれはそれとして今宵は大いに飲もう!うぃぃ~~~」
とあわてて死神は焼酎をつぐ。
こちらも注がれた酒は空けねばならぬ、うぃぃ~~~!
こうしてさしつさされつ、夜も更けて、
空っぽの焼酎の紙パックを枕に、ぐうぐうぐう・・・
そしてようやく夜が明けて目が覚めると死神様はもういない。
さては酔っぱらって黄泉の国に連れていくのをすっかり忘れたな。
それとも今までのこと夢だったのだろうか?
きっとそうだよね、またしても呑みすぎたのだよね。
ところがふと見ると、
畳の上に1枚の紙が残されていた。
「死神」とだけ書かれ名詞が、
夢じゃなかったんだ・・・
(終わり)
こっちにはこっちの都合もあるし、せめて前もって知れせてくれないとね。」
「う~むそれもわからぬではない、それで最近は前もってなるべく予定を知らせるようにしてはいる。
昔はがんの告知なんてしなかっただろう?!
ところがある有名な高僧がいて、この人なら告知しても大丈夫だろう、と医者が告知してしまった。がんだと、余命3年だと。
するとこの高僧、慌てふためき、すっかり意気消沈して3年後の予定だったのに、慌てて3か月後に迎えに行ったことがあるのだよ。
このように前もって予定を知らせて置くのがいいことかどうか・・・悩ましいところだ。
それに予定を知らせておくとその通りに回らねばならぬ。それが何とも煩わしい。今日みたいについでに・・・いやいやいや(ごほんごほんごほん~わざとらしい咳払い)」
「あっ、聞いたぞ!聞いたぞ!聞いたぞ!やっぱりここには手抜きしてついでに来たな!!
最近どうもこの集落の順番がおかしいと思ってたんだ。言いつけてやろう!天照大神様に。怒るぞ~~~」
「しぃ!しぃ!声が大きい!
まあまあそれはそれとして今宵は大いに飲もう!うぃぃ~~~」
とあわてて死神は焼酎をつぐ。
こちらも注がれた酒は空けねばならぬ、うぃぃ~~~!
こうしてさしつさされつ、夜も更けて、
空っぽの焼酎の紙パックを枕に、ぐうぐうぐう・・・
そしてようやく夜が明けて目が覚めると死神様はもういない。
さては酔っぱらって黄泉の国に連れていくのをすっかり忘れたな。
それとも今までのこと夢だったのだろうか?
きっとそうだよね、またしても呑みすぎたのだよね。
ところがふと見ると、
畳の上に1枚の紙が残されていた。
「死神」とだけ書かれ名詞が、
夢じゃなかったんだ・・・
(終わり)