イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

船底塗装

2022年05月26日 | Weblog
今日は恒例の船底塗装だ。これもいつもの通り、ちからさんの出勤前に無理をお願いして上架してもらった。

船台に取り付けられている2本の鋼管を目印に船の位置を決めてスロープを登っていくのだが、今日は後ろの位置を決めると前の位置がずれている。わずか20センチほどだったので、これは3台ある船台ごとに若干の誤差があるのかと思っていたら、ちからさんが「動くな!動くな!」と大声で指示を出している。デッキに乗っている僕たちにはまったくわからなかったのだが、鋼管の立っている場所がいつもと違い、船台の一番端のほうに立てられていた。これは自由に位置を変えられるようになっていて、大型船は外側、小型船は内側にセットするのだが、それに気が付かなかった。



船の底というのは平らな場所がわずかしかなく、そこが船台と接触していないと転覆の恐れがある。一応、船底の縁に、僕の船のサイズに合わせて作った小さな角材を入れて固定をするのだが船が端に寄った状態で乗っているのでそれもできない状態のようだった。
人が船の上で左右に移動するだけで転覆してしまいそうなほど危なかったのだ。

朝、和歌浦港の岸壁に船をつけてちからさんを待っていると、タコ釣り名人のおいやんが声をかけてくれて、中乗り手伝ってあげるわと言ってくれたことに、今日は楽勝だと安心してしまっていた。おまけに鋼管の立っていた側が風下側だったのでもともと大きく移動させる必要がなかったことで注意を払わなかった。

素人ならここで慌てふためくのだが、この人はさすが経験豊富だ。スロープに置かれている角材を組み合わせて船のバランスとって固定をしてくれた。


今年は今でも船の速度はほとんど落ちていなかったのだが、確かに船底のほうは手入れをしなくてもいいのではないかと思えるほどきれいだ。特に金属部分は毎回びっしりとフジツボが付着しているのだが、舵の部分のフジツボはまだ小さくまばらでスクリューのほうはまだペラコートの撥水力を保ったままでいる。



ここまできれいな状態だったのは船に乗り始めて初めてのことではないかと思えるほどだ。水温が上がらずフジツボたちも食料になるプランクトンを確保できないのだろう。
前回の初島周辺の海水の綺麗さが下津港全域に広がっているに違いない。

高圧洗浄機で藻を吹き飛ばすだけでほぼ下処理が終わってしまうので楽勝なのだが、このおかげで魚が釣れないのかと思うと心は複雑である。ここで体力を使っても構わないのでへたくそな人間にも魚が釣れる環境のほうが嬉しいのである。

午後からは雨が降るというだけあって日差しも少なく、風もほどよく吹いてくれていたので体力の消耗は少なく作業は順調に進んだのだが、ひとつ気になることがあった。
舵の腐食はすでに進んでいるのだが、そのステージがもうひとつ上がっている感がある。赤錆が出ている。錆を吹き飛ばすと鉄の金属光沢が見えている。



おそらくなのだが、この船を譲り受けて動くように整備してもらったとき、腐食の激しい鉄の部分には黒錆転換剤を塗ってくれていたのだろう、地肌は黒くなっていた。それがここ数回の塗装の時、フジツボの基台部分の紋柄を削ろうとカップワイヤーで擦ったことがあるのだが、その時に黒錆を削り落としてしまったのかもしれない。本当なら亜鉛が効いていて電飾を防いでくれているはずなのだが、それも怪しかったようだ。
もともとかなり腐食が進んでいるので近いうちに交換しなければならないとは思っているのだが、費用を考えると二の足をふんでしまう。
まあ、もう少し様子見だ。

お昼前には船の下の作業を終え、スタンチューブの交換と徒労に終わるかもしれない生簀の水漏れの補修だ。この頃から南の風が強くなりちょっと不安定かもしれない船の上でびくびくしながらの作業だ。
水漏れの補修にはコーキング剤を使うのだが、この素材の臭いがペラコートにそっくりなことに気が付いた。
このコーティング剤、けっこうお値段が張る。だから、通常は1回で使い切る分を僕は2回に分けて使っている。コーキング剤というのは石油に溶かせるらしく、それを塗ってやるとその代わりにはならないものかとふと思いついた。
これからの季節、フジツボの活動が活発になるので、早いうちに実験をしてみようと考えている。もしこれが成功すれば革命的な発想だと思うのだが、これもまあ、本当に効果があるのなら、どこかの誰かがすでに実証しているだろうからあまり期待はしないほうがよいというものだ・・。


翌日、仕事帰りのちからさんを待って進水してもらった。
いつもながら塗りたての船は滑るように海面を走り抜けてゆく。



いつまでもこの状態が続けばいいと思うのだが、秋を過ぎればまた動きが悪くなる。どれだけ労力を使っても元の状態に戻るだけというのはひょっとして僕はシーシュポスの呪いにさいなまれているのではないかと思えてくるのである・・。

すべての作業を終え、これも恒例になった、スロープの使用料を支払ったあとに蛭子様にお参りし、ゴールの発泡酒とタコ焼きにたどり着いた。

 

あまり体力を使わなかったとはいえ、昨日74.6㎏あった体重は71.6㎏まで減っていた。この体重もこのまま維持できればいいのだが、夕食を食べるとほぼ昨日の体重に戻ってしまう。やはり僕はシーシュポスに呪われているのかもしれないのだ・・。


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