イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

船底塗装

2021年11月02日 | Weblog
今日、発作的に小船の船底塗装をやってきた。発作的にといっても二日ほど前からこの日にやろうと思い始めたのだが、大きい方の船はひと月前には休みの予定を決めて、2週間前には上架のお願いをして1週間くらい前からは気合を入れて直前の休日に当日持ってゆく資材の準備をする。だから2日前でも発作的といえる。
小船の方もいつもなら1ヶ月の休日を見ながら大潮の日を選んで準備を進めるという流れだったのだが、手動ウインチが本格稼働し始めてから潮の干満を利用して陸に揚げる必要もなくなった。
この秋は個人的にもバタバタしていて気がつけば11月、大きい方の船は絶対この時期にやらねばという意識が働くが小船の方は哀れにも後回しになってしまう。
何気なく潮時表を見ていると、今日はやれるのと違うかと思い始めた。病院に行かねばならない時間は午後4時だから間違いなくその時間までには帰ってくることができる。

満潮時刻は午前4時10分なので2時間もすればスロープが露出してくるだろうと考えていたのだが、ふとんの中が気持ちよく、家を出るのが午前7時になってしまった。あわてて持っていく資材をかき集めたのでシンナーを持ってくるのを忘れていたのを気付かずに港へ向かってしまった。

午前7時半、もうスロープは粗方露出してしまっている。急ぐと事故を起こしかねないのでここは落ち着いて作業を進める。ウインチをスロープに固定して、コロとコンクリートブロックを運ぶ。数日前からの気合がないので体を動かすたびに目眩が襲ってくる。遠くから見ている人がいたら、あの人、どうしてコンクリートブロックブロック持ちながら左右に揺れているのだろうと思ったことだろう。これが、数日前から気合が入っていると、心臓もしっかり脳の方に血液を送り出してくれるのか、目眩ということはほぼない。医学的にこの根拠が正しいのかどうかは知らないが、僕はそう思っているのだ。だから、通勤の時には階段を上るたびに必ず目眩をおこしてしまうのだ。

そんなことをやりながらえっちらおっちら船をスロープに引き上げる。これもひとりでやると、船の位置決めが難しく、船がスロープに対して斜めになってしまい、再度船を後退させて位置を決め直さなければならなくなった。今日はそれほど気温は高くなかったが玉のような汗が噴き出てくる。とにかくすべて人力なのである。



ウインチを使ってコンクリートブロックの上に船をセットし終えたのは1時間後であった。
そこからは再び体力を使う。大きい方の船もそうであったが、小船の方も今年はフジツボがたくさん付着している。それに加えて、あれはパイプムシというのだろうか、くねくねした貝や海藻までも付着している。中腰になりながら掻き落としてゆく。まあ、面積が小さいからそれほど辛くもなく30分ほどでこの作業はあらかた終了。



船底が乾くのを待つ間にシンナーを取りに家に戻る。港の近くの船具屋で1本買うという手もあったがやっぱりもったいない。
往復30分を費やし戻ってからは生け簀の樋の水漏れ修理。7月にもやったけれども、まだ漏れている。再度同じ方法で漏れていそうなところを塞いでみた。成果はまだわからないが、もう勘弁してくれという気持ちだ。

その後は一気に塗装作業。これも20分ほどで終了。不必要な資材をすべて片づけ船をコロの上にセットし終えたのが午前11時半。あとは潮が満ちてくるのを待つだけだ。



午後2時頃に戻ればよかろうと止まりかけている腕時計の電池交換に友人が経営する時計屋へ。久々に会ったので雑談が長引き気が付けば2時前になってしまった。港への道中、とんかつソースを買ったり軽油を買ったりしていると船は7割がた水に浸かっていた。
ウインチで下すまでもなく、手で押すだけで海に戻っていく。



今日の潮なら、家に戻らず1時間ほど時間を潰したらそのまま進水できたのかもしれない。
と、いうことは、大潮の直前の中潮くらいの日に作業をすると、いちばん効率的に作業を進めることができそうだ。



小船を手に入れてからこの前の検査で9年が経過した。初めて塗装作業に挑んだときは、いまはすでに廃業している渡船屋の叔父さんの軽トラックに引っ張ってもらって陸揚げした。力加減もわからずそれも1年以上放っておいたカキを削り落とすと手のひらの皮が剥けてしまった。



毎回軽トラックを出してもらうのも無理なので、その後は浮かんでいる船の下にコロを突っ込んで干潮時間を待つ作戦に変更
しかし、コロを挟むだけでは船底が地面に密着した状態なので作業がしづらい。次に考えたのが、前日の夜中の干潮時刻に港にやってきてコンクリートブロックを置いておき、満潮時刻に船を持ってきて膝まで海に浸かったままで潮が引くのを待つ作戦だ
仕上がった後はジャッキを使ってコロの上に船を据え、スロープを人力で下すのだ。船の艫が4分の1くらい水に浸かっていると人力でも押し出すことができる。しかし、この運用ではあしかけ24時間近くの時間がかかる。

もっと効率的に作業ができないかと考え、メルカリで手動式のウインチを買った。しかし、これはどうも使い勝手が悪くあえなくお蔵入り・・。

しかし、このウインチの巻き上げ力は捨てがたく、ご法度ではあるが直接地面にボルトで固定してやろうという策に出たのが去年のことだ。
これでほぼ潮の干満から解放されたことになる。

振り返ってみると、この9年間、いろいろな工夫を重ねてきた。体の痛みもほとんど出ない(これは歳のせいでもあるかもしれないが。)この創意工夫を仕事に生かせていればこんな作業は業者に任せてお金だけ支払えばいいというほど出世していたかもしれないけれども、そんなに身を粉にして働くと釣りにいく暇が無くなるのだろうから痛し痒しだ。もとよりそんな意欲も能力もないのだが・・と、いつも同じようなコメントを残している・・。




家に帰って病院へ、届け物をするのも時間が制限されていて火曜日と金曜日の午後4時からと決まっているらしい。
今日は電話をするための小銭と手押し車を持ってこいとのお達しで持参。
そして母はなぜだか病棟への入り口で車いすに座っていた。いつ来るのかわからない僕を顔を見たいからというので待ち続けていたのかと思ったら、事前に息子から奥さんに午後4時に病棟の入り口で待っているから顔を見せてくれと伝わっていたらしい。会いたかったのは僕ではなく、奥さんのほうだった。奥さんは3時半には病院にやってきて午後4時になるのを待っていたそうだ。
どうりで家には誰もいないと思っていたが、僕は荷物を届けるだけの役目だったのでそんなことも知らずにやってきたらたまたま母親がいたというわけだ。
そして、会いたかったくだんの奥さんは別の場所で待っており、母親は、家族に会えたのだからもうよかろうとすぐに病室に引き戻され、奥さんとは結局会えずじまいで終わってしまった。
奥さんはメールをしていたのにと怒るけれども、そんなの見ることもないしで謝るしかない。
まあ、意外と元気な姿を見ることができたので僕としてはよかったのだが・・。



今日もこうして1日が過ぎてしまった。

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