とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2015白馬三山縦走:1日目大雪渓~小雪渓

2015-07-31 22:17:04 | 山登り
5:00。ペンションを出発する。残念ながら、まだ小雨が降っていた。


車で登山口の猿倉まで移動する。駐車場に空きがあるか心配だったが、ラッキーなことに猿倉荘前の一番登山口に近い駐車場に1台分空きがあり、ギリギリで車を滑りこませる。雨具を着たり、登山届を出したりしていろいろ手間取り、出発は6時になってしまった。


30分ほど歩くと、登山道に水が流れ込んでいた。水の中に入るしかないと思ったら、すぐ脇に木橋が付けられていたので、木橋を渡って通り抜ける。




雨のせいで、水量が多かったようだ。


7:00。白馬尻に到着する。お馴染みの「おつかれさん!ようこそ大雪渓へ」の文字が懐かしい。


白馬尻小屋前から大雪渓が始っているのが見える。


雨は止んできていたが、雪渓の影響で気温が低く、雨具の下にもう一枚着込んで寒さをしのぐ。


キヌガサソウ。名前の由来は傘状に広がる葉を、昔貴婦人が用いた衣笠にたとえたものとされている。いつも、白馬尻小屋から少し歩いたところに咲いていたのを思い出した。


白馬尻から15分ほど歩くと、いよいよ雪渓が始まる。みんな、靴底にアイゼンを付けるため一仕事だ。


白い霧の中、大雪渓を登りはじめる。雪の上には、多数の落石があり、いつ何時落石が転がってくるか判らない。落石は、雪の上では音がほとんど聞こえないので、終始周囲に目を凝らしていかなければならない。


大雪渓を歩きだして1時間ほどすると、霧が晴れ、視界が広がると共に、青空も見えてきた。






10:00。大雪渓を登り終える。この白馬大雪渓は、全長3.5km、標高差600mあり、日本一のスケールを誇るといわれている。


晴れてきて気温も上がり暑くなっていた。Iさんが持ってきてくれた冷凍のモモが美味しく、一休みする。




大雪渓を登り終えたところは、葱平(ねぶかっぴら)と呼ばれ、高山植物の宝庫だ。

チシマギキョウ。


ハクサンフウロ。


クルマユリ。


シロウマタンポポ。


クルマユリが群生している。


ミヤマナデシコ。


シロウマタンポポとミヤマナデシコ。


キオンと杓子岳の岩峰・天狗菱。


葱平からきつい岩場を登っていく。


11:05。小雪渓で再びアイゼンを装着する。トラバースするだけなので、アイゼンなしで行けそうだったが、足を滑らすとどこまでも滑って行ってしまいそうなので、安全のために全員アイゼンを着用してもらう。




雪道に慣れていない人は、特に慎重に渡らなければならない。


大雪渓、小雪渓を渡り終え、もう一頑張りすると山小屋が見えてくるはずだ。

「2015白馬三山縦走:1日目白馬岳」に続く。

2015白馬三山縦走:前夜

2015-07-30 21:46:49 | 山登り
またしても山に行っていたので、三日ほどブログを休んでしまった。今回は、27日から30日までの3泊4日の日程である。

27日の午前中、暑い浜松から長野県白馬村まで車で向かう。ちょうど台風12号が、前日の夜、熱帯低気圧に変わったとの情報を得て安心して長野県に向かった。台風の勢力が残っていれば、長野県方面に来そうだったので、今回も幸運に恵まれていたようだ。

15時過ぎ。白馬村のコンビニ前まで来る。雲は多いものの、八方尾根スキー場のゲレンデが良く見えていた。ただ、白馬岳方面は雲の中である。


八方温泉「倉下の湯」からも八方尾根スキー場のゲレンデが良く見えていたが、雲は多くまだ一雨は来そうだった。


この日の宿は、何時もお世話になっているペンション「ホームズイン」さんだ。今回の参加者は、長野県組3名、兵庫県組2名、私の6名。そしてオーナーのSさんも一緒に山に登ることになり計7名の賑やかなパーティになった。まずは前夜祭として、ビールやワインを飲みながらSさんの手料理を頂く。




ビールとワインが効いてしまい、早々に布団に入る。翌日は、早朝4時起きで5時にはペンションを出る予定だ。夜中に、雷鳴が轟き、雨のザーザー音が聞こえる中、翌日の天気が良くなることを期待しながら目をつぶっていた。

「2015白馬三山縦走:1日目大雪渓~小雪渓」に続く。

「グレートトラバース2」第1集放送開始

2015-07-26 22:59:01 | テレビ
日本二百名山の一筆書きを始めて、既に20座を終えた田中陽希さん。どうやら今のところ順調のようだ。その様子をいち早く見てみたいと思っていたが、いよいよ来週末、第1集がNHKBSプレミアムで放送される。

詳細は下記の通り。
8月1日(土)午後9時放送
第1集:春~初夏・北海道の山
行程:5月下旬~6月下旬頃
暑寒別山→天塩岳→石狩岳→ニペソツ山→芦別岳→夕張岳→カムイエクウチカウシ岳→ペテガリ岳→樽前山→駒ヶ岳

6月の北海道といえば、まだまだ雪が多いので花はあまり見られないだろうが、雄大な景色と北海道の知らない山々の魅力を見てみたいと思っている。

また、「グレートトラバース2:プロローグ 田中陽希・二百名山へ!新たなる旅立ち」の再放送が7月31日(金)午後3:00~午後3:59にあるので、見逃した方は是非見てほしい。

「精霊の守り人」及び守り人シリーズ/上橋菜穂子著

2015-07-25 18:33:41 | 読書
精霊の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ)
クリエーター情報なし
偕成社


「鹿の王」で本屋大賞を受賞した上橋菜穂子の作品に興味が湧いて、次々と読み込んでいた。「獣の奏者」正伝4巻&外伝1巻、そしてこの「精霊の守り人」をはじめとする守り人シリーズだ。守り人シリーズは、正伝10巻、外伝2巻にもわたる大長編であったが、面白くて面白くてページをめくる手が止まらず、全巻一気に読んでしまった。この作品はシリーズ累計370万部のロングセラーであるとともに、国際アンデルセン賞作家賞を受賞し、国際的な注目もあつめているという。知らなかった!

どんな話かというと、30歳の女用心棒バルサを主人公に、人の世界と精霊の世界を描いた異世界ファンタジー小説である。ジャンルとしては、児童文学になるようで野間児童文芸賞新人賞や産経児童出版文化賞等を受賞しているという。ただ、主人公のバルサは30歳という大人であり、児童文学としては異例の設定である。バルサが守る新ヨゴ皇国の第二王子チャグムは11歳の少年ではあったが、このシリーズではチャグムノの成長を追って物語が進んでいき、チャグムが帝になるまで描かれるのだが、その間には少年の成長という話だけにとどまらず、バルサの純愛を絡めて異世界での壮大な歴史絵巻にも発展していく。また、人間社会と精霊世界が重なり合い連動していく様子も面白い。全く架空の物語でありながら、登場する国々の地理、歴史、文化など描写も細かく、文化人類学者である作者ならでは綿密な構成となっている。児童文学としてとどまらず、大人が読んでも何ら遜色がない作品である。単行本、文庫版などいろいろ出てはいるが、軽装版偕成社ポッシュのシリーズが読みやすかった。

シリーズ第1作の「精霊の守り人」の内容は、こんな感じだ。

精霊の守り人(Wikipediaより)
短槍使いの女バルサは、青弓川に流された新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを救う。彼はその身に、この世(サグ)と重なって存在する異世界(ナユグ)の水の精霊ニュンガ・ロ・イム〈水の守り手〉の卵を宿していた。チャグムの母、二ノ妃は、バルサにチャグムを連れて逃げるよう依頼する。新ヨゴの建国伝説では初代皇帝トルガルが水妖を退治したとされ、水妖に宿られたチャグムを、皇国の威信を守るため父帝が秘密裏に殺そうとしているのだ。同時に、チャグムは、ニュンガ・ロ・イムの卵を食らうナユグの怪物ラルンガからも命を狙われていた。チャグムを連れて宮から脱出したバルサは、卵がチャグムの体を離れる夏至まで、幼馴染の呪術師タンダやその師匠のトロガイと共にチャグムと暮らし始める。バルサもかつて幼い命を奪われかけ、父の親友で短槍の達人ジグロに助けられて故郷カンバルを離れた経験があった。そのころ星読博士のシュガは、チャグムに宿った卵の精霊がかつてトルガルが倒したとされる水妖と同じだと考え、過去の記録を調べはじめる。そこでシュガは、トルガルの伝説が歪曲されたものであるということと、本当はニュンガ・ロ・イムが雨を降らせて作物を助ける存在だということを知る。

10巻もある大長編だから、数多くのキャラクターが登場するが、凄腕の女用心棒バルサとチャグム皇子の魅力は大きい。バルサは強いだけでなく弱いものへの思いやりも深く、幼馴染のタンダにひたすら思いを寄せる姿も可愛い。そして、チャグムがひ弱な少年から自分の祖国を救うために立ちあがるたくましい青年に成長していく様子が感動的だ。その他、脇を固めるキャラクターたちも魅力的な人物が多い。作品には番号が振られてないのだが、時間を追って作品が書かれているので正しい順番で読んでいって欲しい。作品名で“守り人”とあるのはバルサがメインで、“旅人”とあるのはチャグムがメインとなっている。どれもシリーズの内容に深くかかわっているので、1巻でも外すと流れが見えてこなくなるので注意が必要である。

順番としては、下記の通りだ。
1.『精霊の守り人』
2.『闇の守り人』
3、『夢の守り人』
4、『虚空の旅人』
5、『神の守り人 <上> 来訪編』
6.『神の守り人 <下> 帰還編』
7.『蒼路の旅人』
8.『天と地の守り人 <第1部> ロタ王国編』
9.『天と地の守り人 <第2部> カンバル王国編』
10.『天と地の守り人 <第3部> 新ヨゴ皇国編』
外伝1.『流れ行く者 守り人短篇集』
外伝2.『炎路を行く者 -守り人作品集-』

嬉しい事に、最近こんなニュースもあった。

NHKで、『放送90年 大河ファンタジー 「精霊の守り人」』と銘打って、2016年春から3か年に渡って全22回で放送されることが決まったそうだ。全22話からなる3部作で、シーズン1(全4話)を2016年3月から、シーズン2(全9話)を2017年1月から、シーズン3(全9話)を2018年1月から放送し、映像は4Kで撮影される。キャストは、以下の通り。〈 〉内はドラマ設定年齢。
バルサ〈30〉 - 綾瀬はるか(少女期:清原果耶)
チャグム〈11〉 - 小林颯
タンダ - 東出昌大
二ノ妃 - 木村文乃
シュガ - 林遣都
ガカイ - 吹越満
モン - 神尾佑
ジン - 松田悟志
ジグロ - 吉川晃司
トロガイ - 高島礼子
聖導師 - 平幹二朗
帝 - 藤原竜也

バルサの綾瀬はるかは、いい人選だと思う。万能鑑定士Qの役はどうかと思ったが、バルサにはうってつけだ。チャグム役の小林颯は良く分からないが、成長したチャグムは別の役者に代わるのだろう。タンダの東出昌大や二ノ妃の木村文乃も悪くない。老婆となるトロガイの高島礼子や帝の藤原竜也はかなりの演技力が必要となりそうだが、彼らなら間違いないだろう。ちょうどいいタイミングで「守り人シリーズ」を読み終えて良かった。今まで図書館の予約は0ですぐに読むことが出来たのだが、今後予約が殺到するかもしれない。

2015北海道登山:4日目阿寒岳「後半」

2015-07-24 21:29:47 | 山登り
7:50。8合目に到着する。


もう周りには木がなく、赤茶けた土と岩、そしてメアカンフスマなどのたくましい高山植物しかない。


8:10。9合目を通過。あと僅かだ。


9合目から少し上がると、ロープの先に大きな火口が見えてきた。これが、ポンマチネシリの火口だ。茶色い水溜りがあり、これが赤沼と呼ばれている。昔の噴火口跡らしい。


噴煙が上がっているのも見える。


岩の隙間からも噴気が上がっている。今までと打って変わったすさまじい光景に声を失う。ゴーゴーと噴気の音が聞こえる。




8:20。雌阿寒岳(ポンマチネシリ)山頂1499mに到着する。ここで、山の名前の解説をしておく。日本百名山で阿寒岳と呼んでいるのは雌阿寒岳の事である。そして、雌阿寒岳は、中マチネシリ・南岳・東岳・コブ山・剣ヶ峰・西山・北山・ポンマチネシリ・阿寒富士で構成される火山群の総称だ。マチネシリとはアイヌ語で「女の山」を意味するという。今回、雌阿寒岳の主峰であるポンマチネシリの山頂に立ったことで百名山84座目の達成である。


山頂の北東側には、中マチネシリの火口、剣ヶ峰が見える。こちらも凄い眺めだ。そして、その奥にはマリモで有名な阿寒湖と端正な形の雄阿寒岳も見える。まさに絶景だ。


頂上から少し下ると、青沼と阿寒富士が見える。


青沼をズームアップしたところ。


ポンマチネシリの火口をもう一度覗いてみる。


時間に余裕があれば、阿寒富士に登ってからオンネトーに下ることもできたのだが、午後の飛行機の便に間に合わなくなってしまうので、そのままもと来た道を下山する。


下山途中にもう一度オンネトーを見てみると、日が当たり、朝よりも美しいエメラルドグリーンに変わっていた。


2合目あたりで、シャクナゲを見つける。登った時は咲いていなかったはずだ。


10:20。無事登山口に到着する。


ポンマチネシリ山頂付近では見られなかったが、なんと野中温泉の庭にコマクサが咲いていた。




野中温泉の駐車場に戻り、温泉に入ってから帰ることにした。まず内風呂であるが、ここの浴槽は釘を一本も使わない総アカエゾマツ造りである。硫化水素泉であることから金属がすぐ錆びてしまうことによるものだ。シャンプー、石鹸などはなく、洗い場もないので、浴槽からお湯をすくうか、水で湯を温くして体にかけるしかない。まさに昔ながらの湯治場といった雰囲気である。温泉成分の殺菌力が強く、石鹸などなくてもお湯を体に浴びるだけでヌメリが取れてしまうようだ。


内風呂の先に露天風呂があり、ご主人手造りの岩風呂だという。男性用は、開放感あふれる露天風呂で、内風呂よりは温めだ。屋根のあるほうが女性用の露天風呂で、一応簡単な仕切りが付いている。


11:00。温泉に入ってさっぱりした後、女満別空港へと向かう。12:30ころには女満別空港に到着し、帰りの飛行機にも予定通り乗れて帰路についた。北海道の山は、利尻・礼文に続いて2回目となったが、やはりスケールが大きく自然が豊かであるということが最大の魅力である。来年も、北海道の山に登りたいという気持ちが一層深まってきた。

2015北海道登山:4日目阿寒岳「前半」

2015-07-24 08:39:52 | 山登り
この日も、朝食は弁当にしてもらって早々に部屋を出る。前日の天気予報では、9時くらいまで雨との予想だったが、既に雨は上がっていた。これから徐々に天気は回復していくだろう。


5:50。宿の駐車場に車を置いたまま出発する。既に出て行った登山者もいたようだ。


歩きだしてすぐの沢には、白濁した水が流れていた。野中温泉で湧きでた硫黄泉が排水として流れ出しているのだ。


100mほどで、阿寒岳(雌阿寒岳)の登山口に着いた。登山者名簿に記入して樹林帯の中に歩きだしていく。


6:27。2合目を通過する。1合目があったのは、気付かなかったが、以後、何合目か気にしながら歩く。


6:36。3合目を通過する。“雌阿寒岳は、活火山であり危険な場所には近寄らないで”との注意書きがあった。御嶽山の事もあるし、噴火が起こったら怖いだろうなと思いながらも頂上を目指す。


3合目からしばらく進むと、雌阿寒岳の山頂が見えてきた。赤茶けた山肌に荒々しい火山だというのが良く分かる。


展望がいい場所に出ると、眼下には雲海が広がっていた。幻想的な風景だ。


一旦下って沢を渡る。しかし、沢といっても涸れており雨の時だけ水が流れるのであろう。




6:58。沢を渡って再び登りだすと4合目だ。


4合目の松の中にリスがいるのを見つける。可愛いしぐさで、松の実をかじっていた。


リスの写真を撮っている様子。背景に雲海が入り、ちょっといい絵が撮れたかもしれない。


7:12。5合目に到着する。


眼下には、森の中に佇む神秘の沼“オンネトー”が見えてきた。オンネトーの名前はアイヌ語で「年老いた沼」あるいは「大きな沼」の意味で、オコタンペ湖、東雲湖とともに北海道三大秘湖の一つとされているそうだ。


山麓は広大な樹林帯に覆われているが、一部巨大な動物の背中のような地形があった。緑の絨毯で覆われたこの辺りは、溶岩流が流れた跡かもしれない。


大きな岩の上には、見たこともない人工物が乗っかっていた。多分噴火を監視するための観測機器のセンサーなのであろう。


砂礫でたくましく咲いているメアカンフスマ。自生地は雌阿寒岳と知床半島に限られているそうだ。


メアカンフスマの近くで咲いている黄色い花は、メアカンキンバイ。これも北海道固有種で高山帯(知床・阿寒・大雪山系と羊蹄山)に分布するそうだ。いずれも名前の「メアカン」は雌阿寒岳を指し、最初に発見された場所であることが名前の由来となっている。




メアカンフスマ、メアカンキンバイが見られる辺りから景色は一変し、火山の山に登ってきたというのを実感する。




2015北海道登山:4日目阿寒岳「後半」に続く。

2015北海道登山:3日目斜里岳「後半」

2015-07-23 21:30:59 | 山登り
沢歩きが終わり、樹林帯の登山道に入ると、右側にガレ場が見えてきた。通称馬の背と呼ばれる鞍部だ。


ハクサンチドリを見つける。


ウコンウツギが登山道沿いに咲き乱れている。




ナナカマドにも白い花が咲いていた。


これは季節外れのチシマザクラなのだろうか?




ナナカマドの白い花が一面に咲きだしている。紅葉の時期になると、この辺りは真っ赤に染まるのだろう。


10:35。馬の背に到着する。


北東側に目を転じると、羅臼岳のピークが見える。


これはエゾツツジか?


チングルマが綿毛になっていた。


エゾカンゾウ。本州ではニッコウキスゲとして知られる花だ。




11:00。斜里岳1545mに到着する。羅臼岳に続いて83座目の百名山となる。


山頂から斜里町の街並みが見えるが、まるでパッチワークのような畑が広がっている。そして、その先には、網走市内、サロマ湖が見える。


羅臼岳をはじめとする知床連山も確認できる。前日、羅臼岳から見えたのはやはり斜里岳であったことが良く分かった。


ミヤマアズマギク。


ミヤマオダマキ。


二つの湖が見える。右が屈斜路湖で左が摩周湖だ。


景色を十分堪能し、再び馬の背まで下って行く。急な下りで、滑りやすい。




馬の背を過ぎ、きつかった胸突八丁も下る。


上二股から新道に入る。旧道と違い、沢歩きはなく歩きやすい道が続く。雪渓はトラバースするだけなので、これもまた難しくはない。




ハイマツ帯の登山道を登って行く。


単独行の若い女性に追い抜かれる。見る見るうちに姿が小さくなる。次の目的地「熊見峠」は、まだ先のようだ。




13:05。熊見峠に到着する。なんだか斜里岳から大分離れてしまったようだ。


熊見峠からは、一気に高度を下げる。下二股の旧道と新道の分岐までは45分ほどかかり、きつい下りだった。下二股からは、渡渉が何度も続く沢沿いの道だ。先行していた若い女性が渡渉を怖がっていたので、先導しながら一緒に登山口まで戻った。結局、登山口に着いたのは15時ちょっと前くらいとなり、思いのほか時間がかかった。ガイドブックでは、歩行時間5時間25分となっていたが、実際は7時間くらい歩いたようだ。思ったより手ごわい山だったが、渡渉、急流の沢登り、岩場、展望の尾根歩き、数多くの高山植物と見どころ満載の素晴らしい山であったことは間違いない。

清岳荘から林道を30分ほど走り、60キロ先の雌阿寒温泉まで向かう。雌阿寒温泉では、国民宿舎野中温泉に宿泊する。建物は古いが、木の温もりに囲まれ、肌触りのいい硫黄泉にのんびり浸かることのできる秘境の温泉宿だ。夕食は、部屋出しで、地場産品を使った素朴な料理だった。


2015北海道登山:4日目阿寒岳「前半」に続く。

2015北海道登山:3日目斜里岳「前半」

2015-07-23 00:03:38 | 山登り
6:00。「ホテル緑清荘」を出発する。この日も朝食は弁当で済ます。


6:40。登山口の清岳荘に到着する。


ここは、管理人が常駐する素泊まりの山小屋で、ここに泊まって斜里岳を目指す登山者もいる。


登山口からしばらくは、遊歩道を歩く。苔のような植物がコブみたいにくっ付いている不思議な木があった。


7:00。林道から沢沿いの登山道に入る。ここにもクマ注意の看板があった。


沢に沿って歩き始める。


すぐさま渡渉が始まる。


この後、10回以上も渡渉がある。




赤リボンを頼りに、岩の出っ張りに足を掛けて沢沿いをひたすら進む。


雪渓を渡る場所もある。


7:52。下二股に到着する。右が新道、左が旧道である。旧道は、さらに水量の多い沢となり、滝や険しい岩場が多く、沢歩き初心者は行かないほうがいいコースとなっていたが、滝を見たくて旧道コースを行くことにした。


これからは、滝見物の沢登りだ。まず最初は、「水蓮の滝」。


三重の滝。


羽衣の滝。


羽衣の滝上部。




赤茶けた岩場の上を進んでいく。


ロープ場もある。


万丈の滝。


雪渓がここにも残っている。


見晴の滝。


名前がないが、二筋に分かれた滝。


七重の滝。


七重の滝上部。


霊華の滝。


霊華の滝上部。




長かった滝遡行が終わり、小さい沢になってきた。


10:00。上二股に到着する。ここが新道との合流地点だ。下山は新道経由で行くことにしていたので、しっかり場所を確認しておく。


2015北海道登山:3日目斜里岳「後半」に続く。

2015北海道登山:2日目羅臼岳「後半」

2015-07-22 18:32:31 | 山登り
羅臼平からハイマツ帯を登っていく。だいぶ高度を稼いだのか、羅臼平にいる登山者が豆粒のように見えていた。そして、知床連山の三ツ峰が大きく見えるようになっていた。


登山道の周りには、コケモモが群落で咲き乱れていた。


羅臼岳山頂の岩稜帯が大きく見えてきた。


三ツ峰よりさらに奥にあるサシルイ岳、オッカバケ岳等も見えてきた。知床連山が全て見通せるほどのいい天気だ。


10:20。岩清水に到着する。岩の隙間から冷たい水が滴り落ちている。白っぽいのは、湿気が多いからだ。雪解け水が、岩を伝わってここまで流れおちているようだ。


ここから最後の岩登りが始まる。


岩場のあいだの僅かな地面には、チングルマ、エゾノツガザクラ等が群生している。


エゾコザクラ。本州で見られるハクサンコザクラよりは小ぶりだが、同じ種類だ。




岩場の僅かな隙間に、このような可憐な花がいたるところで見られる。






もう一頑張りで頂上だ。


こんな所でシャクナゲも咲いていた。たくましいものだ。


11:00。羅臼岳1661mの山頂に到着する。登ってくるときは気にならなかったが、山頂は、オホーツク海から吹き上がってくる風が強く立っているのもやっとだ。これで、82座目の百名山達成になった。


山頂から南を見てみると、羅臼湖があり、そのはるか先には斜里岳らしき山並みも見える。


西側に見える街並みは、ウトロだ。オロンコ岩も見える。


東側に見えるのは、羅臼の街並み。そして、海の向こうの島影は、国後島、択捉島である。


風をよけて、岩かげで昼食にした後、下山を開始する。


ハイマツ帯の中を下って行く。


羅臼平を抜け、再び大雪渓を下ることになった。アイゼンがないので、やや心配だったが、踏み跡がしっかりできていたので、踵から慎重に降りる。




急斜面から緩斜面に入ると、走って下って行っても大丈夫だ。


同行したNさんが可愛い雪だるまを作る。


下山途中、望遠レンズで覗いたのは、知床五湖だ。ビジターセンターや高架木道、観光客も見えた。この高架木道からなら、安全にヒグマを観察することが出来るのだ。


14:45。ヒグマに会うこともなく、無事登山口の「ホテル地の涯」に到着する。次の宿まで60キロ以上あるので。そのまま車に乗り込んで先を急ぐ。帰り道、キタキツネが道路をとぼとぼ歩いてきたのに出くわす。


最後にもう一度振り返って、羅臼岳をはじめとする知床連山の姿を目に焼き付けた。ヒグマの生息地から、ここでサヨナラだ。


帰りの国道から、ウトロの港、オロンコ岩が見える。


山の上のほうでは、エゾシカが悠々と草を食べている。


16:53。斜里町までやってきた。広い畑の向こう側に斜里岳が良く見えていた。この日は、清里温泉「ホテル緑清荘」に宿泊する。


2015北海道登山:3日目斜里岳「前半」に続く。

2015北海道登山:2日目羅臼岳「前半」

2015-07-21 21:14:12 | 山登り
5時に起床し、弁当にしてもらった朝食を部屋で食べ出発の支度をする。前日曇り空だった天気も、早朝から晴れ上がっていた。今回の山行での幸先良いスタートになりそうだった。

6:15。「ホテル地の涯」の駐車場から裏手に回り、登山道入り口に向かう。いつの間にか駐車場も満車となっていた。


ホテルの裏手を少し上がると羅臼岳登山口だ。登山口には、木下小屋という山小屋もあり、ここに宿泊もできる。登山者名簿に記入して、いよいよ羅臼岳へ向かう事になった。これからヒグマの生息域に入るという事で緊張も高まり、四国遍路の持鈴を熊鈴に代えて騒々しく出発する。持鈴の音は、甲高くよりクマの耳に届きやすい。


少し行くと祠があり、その先には結界が張られていた。神の領域に入るという事なのだろうか?


広葉樹と針葉樹が混じった樹林帯の中を進んでいく。


羅臼岳は、花の百名山にも入っており高山植物がいろいろ見られることでも知られている。早速見つけたのは、ハクサンチドリ。


続いて見たのは、エゾノキリンソウ。日当たりの良い岩場に多く咲く花だ。


7:37。オホーツク展望台より少し上がったところ。オホーツク海、水平線、青空がくっきりと確認できる。


上のほうを見上げると羅臼岳山頂もしっかり見える。


7:40。650m岩峰に到着する。この辺りは、アリの巣が多く、アリを食べにくるヒグマが頻繁に出没する場所だという。確かにアリが多く、長居はしたくないので早々に通過していく。


樹木の枝が、横へ横へと伸びているのがわかり、雪の重みに耐えているのだなあと感心する。


知床連山の山並みも見えてきた。


ウコンウツギ。


大きく平らに広がった葉が立派だ。


8:13。極楽平に到着する。樹木の先には、一際大きくなった羅臼岳が望まれた。




再び後方を振り返ると、オホーツク海、水平線、青空がますますハッキリしてきた。こんなにもいい天気になってしまうとは、登りはじめるまで思いもよらなかった。


8:39。仙人坂に着く。ここから急登が始まる。


しばらく行くと、雪渓が現れてきた。雪が夏道を隠してしまっていたので、雪の上を乗り越えていくが、それほど大変ではない。


再び、小さい雪渓を進む。


9:24。大沢の大雪渓に入る。北海道の山だから雪がある事は予想していたが、アイゼンまでは用意してなかったので、思ったより大きい雪渓にビックリする。下山して来た人からはアイゼンがないと厳しいと言われたが、気温が上がり雪が緩んできていたので登りは、キックステップで問題なく登ることが出来た。




最後が特に急な登りだったが、なんとか無事に登り終えた。雪渓の上はさすがに涼しい。


雪渓の先は、チングルマ等の高山植物がさらに多くなってきた。


チシマノキンバイソウ。


10:00。羅臼平に到着する。


羅臼岳山頂はもう目と鼻の先だ。


これは、フードロッカー。ヒグマの襲撃を避けるために食料を一時保管する設備だ。


北方領土の国後島の山並みも見える。


羅臼平からは、ハイマツが広がる緩斜面となる。この辺りも、さらに多くの高山植物が見られるようになってきた。ピンクの小さい花はコケモモ。


小ぶりなシャクナゲ。


ハイマツ帯から岩稜帯を登っていくと羅臼岳山頂は間近だ。

2015北海道登山:2日目羅臼岳「後半」に続く。