とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2015北海道登山:4日目阿寒岳「後半」

2015-07-24 21:29:47 | 山登り
7:50。8合目に到着する。


もう周りには木がなく、赤茶けた土と岩、そしてメアカンフスマなどのたくましい高山植物しかない。


8:10。9合目を通過。あと僅かだ。


9合目から少し上がると、ロープの先に大きな火口が見えてきた。これが、ポンマチネシリの火口だ。茶色い水溜りがあり、これが赤沼と呼ばれている。昔の噴火口跡らしい。


噴煙が上がっているのも見える。


岩の隙間からも噴気が上がっている。今までと打って変わったすさまじい光景に声を失う。ゴーゴーと噴気の音が聞こえる。




8:20。雌阿寒岳(ポンマチネシリ)山頂1499mに到着する。ここで、山の名前の解説をしておく。日本百名山で阿寒岳と呼んでいるのは雌阿寒岳の事である。そして、雌阿寒岳は、中マチネシリ・南岳・東岳・コブ山・剣ヶ峰・西山・北山・ポンマチネシリ・阿寒富士で構成される火山群の総称だ。マチネシリとはアイヌ語で「女の山」を意味するという。今回、雌阿寒岳の主峰であるポンマチネシリの山頂に立ったことで百名山84座目の達成である。


山頂の北東側には、中マチネシリの火口、剣ヶ峰が見える。こちらも凄い眺めだ。そして、その奥にはマリモで有名な阿寒湖と端正な形の雄阿寒岳も見える。まさに絶景だ。


頂上から少し下ると、青沼と阿寒富士が見える。


青沼をズームアップしたところ。


ポンマチネシリの火口をもう一度覗いてみる。


時間に余裕があれば、阿寒富士に登ってからオンネトーに下ることもできたのだが、午後の飛行機の便に間に合わなくなってしまうので、そのままもと来た道を下山する。


下山途中にもう一度オンネトーを見てみると、日が当たり、朝よりも美しいエメラルドグリーンに変わっていた。


2合目あたりで、シャクナゲを見つける。登った時は咲いていなかったはずだ。


10:20。無事登山口に到着する。


ポンマチネシリ山頂付近では見られなかったが、なんと野中温泉の庭にコマクサが咲いていた。




野中温泉の駐車場に戻り、温泉に入ってから帰ることにした。まず内風呂であるが、ここの浴槽は釘を一本も使わない総アカエゾマツ造りである。硫化水素泉であることから金属がすぐ錆びてしまうことによるものだ。シャンプー、石鹸などはなく、洗い場もないので、浴槽からお湯をすくうか、水で湯を温くして体にかけるしかない。まさに昔ながらの湯治場といった雰囲気である。温泉成分の殺菌力が強く、石鹸などなくてもお湯を体に浴びるだけでヌメリが取れてしまうようだ。


内風呂の先に露天風呂があり、ご主人手造りの岩風呂だという。男性用は、開放感あふれる露天風呂で、内風呂よりは温めだ。屋根のあるほうが女性用の露天風呂で、一応簡単な仕切りが付いている。


11:00。温泉に入ってさっぱりした後、女満別空港へと向かう。12:30ころには女満別空港に到着し、帰りの飛行機にも予定通り乗れて帰路についた。北海道の山は、利尻・礼文に続いて2回目となったが、やはりスケールが大きく自然が豊かであるということが最大の魅力である。来年も、北海道の山に登りたいという気持ちが一層深まってきた。

2015北海道登山:4日目阿寒岳「前半」

2015-07-24 08:39:52 | 山登り
この日も、朝食は弁当にしてもらって早々に部屋を出る。前日の天気予報では、9時くらいまで雨との予想だったが、既に雨は上がっていた。これから徐々に天気は回復していくだろう。


5:50。宿の駐車場に車を置いたまま出発する。既に出て行った登山者もいたようだ。


歩きだしてすぐの沢には、白濁した水が流れていた。野中温泉で湧きでた硫黄泉が排水として流れ出しているのだ。


100mほどで、阿寒岳(雌阿寒岳)の登山口に着いた。登山者名簿に記入して樹林帯の中に歩きだしていく。


6:27。2合目を通過する。1合目があったのは、気付かなかったが、以後、何合目か気にしながら歩く。


6:36。3合目を通過する。“雌阿寒岳は、活火山であり危険な場所には近寄らないで”との注意書きがあった。御嶽山の事もあるし、噴火が起こったら怖いだろうなと思いながらも頂上を目指す。


3合目からしばらく進むと、雌阿寒岳の山頂が見えてきた。赤茶けた山肌に荒々しい火山だというのが良く分かる。


展望がいい場所に出ると、眼下には雲海が広がっていた。幻想的な風景だ。


一旦下って沢を渡る。しかし、沢といっても涸れており雨の時だけ水が流れるのであろう。




6:58。沢を渡って再び登りだすと4合目だ。


4合目の松の中にリスがいるのを見つける。可愛いしぐさで、松の実をかじっていた。


リスの写真を撮っている様子。背景に雲海が入り、ちょっといい絵が撮れたかもしれない。


7:12。5合目に到着する。


眼下には、森の中に佇む神秘の沼“オンネトー”が見えてきた。オンネトーの名前はアイヌ語で「年老いた沼」あるいは「大きな沼」の意味で、オコタンペ湖、東雲湖とともに北海道三大秘湖の一つとされているそうだ。


山麓は広大な樹林帯に覆われているが、一部巨大な動物の背中のような地形があった。緑の絨毯で覆われたこの辺りは、溶岩流が流れた跡かもしれない。


大きな岩の上には、見たこともない人工物が乗っかっていた。多分噴火を監視するための観測機器のセンサーなのであろう。


砂礫でたくましく咲いているメアカンフスマ。自生地は雌阿寒岳と知床半島に限られているそうだ。


メアカンフスマの近くで咲いている黄色い花は、メアカンキンバイ。これも北海道固有種で高山帯(知床・阿寒・大雪山系と羊蹄山)に分布するそうだ。いずれも名前の「メアカン」は雌阿寒岳を指し、最初に発見された場所であることが名前の由来となっている。




メアカンフスマ、メアカンキンバイが見られる辺りから景色は一変し、火山の山に登ってきたというのを実感する。




2015北海道登山:4日目阿寒岳「後半」に続く。