とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2016白馬岳~雪倉岳~朝日岳縦走登山:3日目

2016-07-31 12:48:02 | 山登り
朝日小屋の朝食は、5時からだ。


5:35。身支度を整え、小屋の外に出てみる。快晴ではないものの、雲間から青空が見え、まずまずの天気だ。これから登る朝日岳、白馬岳をはじめとする白馬三山、旭岳が見える。


5:45。小屋の前で集合写真。


朝日小屋の清水ゆかりさんとも一緒に。


5:50。朝日神社にお参りしてから、朝日岳に向けて出発する。


朝日岳へは、きれいに整備された木道の道が続く。


6:35。朝日岳2418mの山頂に到着する。


朝日岳からも、雪倉岳、白馬岳、旭岳などがよく見える。


南西方向には、毛勝三山、剱岳、立山三山などもうっすら見える。


朝日岳からは徐々に下っていく。お花畑と雪渓が広がる斜面に薄日が射す。


雪渓の周辺には、ハクサンコザクラの群落が広がっている。


7:05。吹上のコルに到着する。ここは、日本海へと続く栂海新道と蓮華温泉への分岐である。


蓮華温泉に向かって下っていくと、アヤメの群落が出迎えてくれる。




8:10。五輪の森に入っていく。


緩やかで気持ちよく歩けそうな木道の尾根道が、どこまでも続いている。




沢をいくつも渡るようになってくる。


9:50。白高池沢で休憩した後、白高池沢鉄橋を渡る。


10:40。瀬戸川橋を渡る。


11:15。最後の湿原となる兵馬の平に到着する。


兵馬の平から蓮華温泉へは、下りから一転して上り坂となる。11:50。最後の上り坂が暑くてキツく、いい加減嫌になってきた頃、蓮華温泉の建物が見えてきてホッとする。


11:55。蓮華温泉に無事ゴールだ。


駐車場に着いて一安心。重い靴を脱ぐと体まで軽くなったような気分だ。


Sさんの車は、無事エンジンがかかった。初日の不安材料が解消され、顔も晴れやかだ。


後続のメンバーが来るまで、蓮華温泉ロッジ内でスイカを食べる。冷たくて甘いスイカだった。


全員ゴールしたところで、蓮華温泉の露天風呂巡りに行く。この温泉に来るのは3回目だが、野趣あふれる露天風呂は、山旅の疲れをスッキリ癒してくれる。




露天風呂から車に戻ると15時を回っていた。蓮華温泉から50キロ先の白馬のペンションに戻り、各地に解散する。メンバーの中には、虫刺され、こぐら返り、転倒といろいろアクシデントがあったようだが、大事には至らず、3日間の山旅を満喫してもらえたようだ。みんなの嬉しそうな顔を見て、今回の企画が無事終わって本当に良かったと思った。

参考1.朝日小屋~朝日岳~蓮華温泉 コースマップ


参考2.朝日小屋~朝日岳~蓮華温泉 高低図

2016白馬岳~雪倉岳~朝日岳縦走登山:2日目

2016-07-30 23:25:02 | 山登り
3:30。起床する。天気が良ければ、4時過ぎには小屋を出発して、白馬岳山頂でご来光を眺めようという計画だったが、辺りは、真白い霧に覆われ、太陽が見える気配はない。ご来光は諦め、弁当にしてもらった朝食を部屋の中で食べてから、5:00に小屋を出発する。


5:20。再び白馬岳山頂に到着し、全員で記念写真を撮る。昨年の同時期に来た時は、見事なご来光を見ることができたが、今回は仕方がない。初めて白馬岳に登ったメンバーには、ぜひ見てもらいたかったのだが…。


三国境から、雪倉岳方面に下っていく。2時間もすると、霧も少なくなり、ときおり薄日も射すようになってきていた。


白いハクサンシャジンを見つける。調べたら、シロバナハクサンジャジンという種らしい。


三国境から雪倉岳に続くルートは、緩やかに下る歩きやすい道だ。広大な斜面には、高山植物の群落が広がり、天空のお花畑が続いている。一瞬、霧の切れ間から青空がのぞく。


7:50。雪倉岳避難小屋で待っていると、後続メンバーも到着し、全員で集合写真だ。避難小屋には、トイレがあり、女性陣はありがたがっていた。


その後も何度かライチョウと出会う。このあたりにも、多くのライチョウが生息しているようだ。


8:20。雪倉岳2611mの山頂に到着する。雪倉岳は、日本二百名山の一つである。残念ながら眺望は全くなく、石標にタッチするだけだった。


雪倉岳の下りは、赤茶けた砂利道だ。


その後も、緩やかなアップダウンを繰り返しながら、お花畑の間を進んでいく。数多くの高山植物が咲き乱れ、霧の中とは言え、飽きることはない。今まで見たことにない、珍しい花を発見する。ミヤマアケボノソウというらしい。


ニッコウキスゲの群落。


ハクサンシャジンとシモツケソウ。


ミネウスユキソウ。


斜面には、オタカラコウが咲き乱れている。


赤男山の巻道は、大きな岩がゴロゴロしているガレ場が続く。


やがて、木道がやたらに多くなってくる。雪解け水が豊富な湿地帯となり、尾瀬の湿原を彷彿させる道だ。




ミズバショウの葉もこんなに大きい。


10:35。朝日岳への直登ルートと水平道の分岐に到着する。水平道は1週間前くらいに開通したばかりで、雪が深い時期は通行できないらしい。朝日岳登頂は、翌日にすることにして、そのまま水平道を進む。


それにしても、水平道という名がついているので、アップダウンがほとんどないのかと思っていたが、意外とアップダウンが多く、最初と最後の一部が水平な道ということだけが真相らしい。




11:50。朝日岳と朝日小屋への分岐に到着する。


11:55。朝日小屋が見えてきた。当初は、14時くらいの到着を予定していたが、12時前に着いてしまい、小屋のオーナーも早いですねとビックリしていた。


先着メンバー4人で、小屋前のテーブルでビールと摘みを持って後続メンバーを待つ。結局、全員が揃ったのは15時すぎだった。富山の親不知から栂海新道を登ってきたというトレイルランナーも加わって、やっと全員で祝杯をあげる。


朝日小屋の夕食は、16:45からだ。小屋のオーナーが女性ということもあって、食事にもこだわりがあり、富山名物の昆布締めのお刺身やホタルイカの沖漬けなど、山小屋ではあまり出そうもないようなメニューでびっくりする。


そして、夕食時には、宿泊者全員がオーナーの掛け声の元、赤ワインでの乾杯を行う。ここの小屋では恒例の行事だという。


食事をしながら、オーナーの清水ゆかりさんから、各登山ルートの注意事項などを聞く。若い女性スタッフも多く、綺麗でサービスが行き届いた素敵な山小屋だ。


18:55。雲間に沈む夕日が、一瞬見えた。この分なら、明日の天気は悪くないだろうとひと安心する。この日は、20時の消灯30分前くらいには全員眠りについていた。


参考1.白馬岳~雪倉岳~朝日小屋 コースマップ


参考2.白馬岳~雪倉岳~朝日小屋 高低図(白馬岳~三国境までの記録が取れなかったので、実際の活動距離は11.8キロ、高低差960mである)


「2016白馬岳~雪倉岳~朝日岳縦走登山:3日目」に続く。

2016白馬岳~雪倉岳~朝日岳縦走登山:1日目

2016-07-29 22:09:43 | 山登り
26日(火)から28日(木)の3日間で、北アルプスの白馬岳~雪倉岳~朝日岳縦走登山に行ってきた。白馬岳は何度も登っているが、白馬岳~雪倉岳~朝日岳を縦走するコースは初めてだ。大雪渓からの白馬三山コースと違い、登山者が少ない縦走コースだが、豊かな残雪と広大なお花畑が魅力いっぱいで、のんびり、じっくり自然に触れることが出来る。下山後は、蓮華温泉の野趣あふれる露天風呂で山旅の疲れを癒してきた。

登山は、2泊3日だが、登山口の蓮華温泉の出発を早くしたいので、前日から白馬村のペンション「ホームズイン」さんに宿泊する。今回の参加者は、ペンションオーナーのSさん、神戸のイノさん、大阪のMさんとUさん、長野のIさんとWさん、愛知のKさん、そして私の8人である。




26日の午前5時に2台の車に分乗してペンションを出発する。蓮華温泉の駐車場に到着したのは、6:15だった。駐車場まで、約50キロもあり、曲がりくねった山道を進むのは大変だ。到着後、Sさんの車のエンジンが掛からなくなる。何度もキーを回してもエンジンが掛からない。とりあえず、出発はできるものの帰りがどうなるか心配のまま、蓮華温泉の登山口を出発する。車のトラブルでゴタゴタしてスタート時間は、6:55になっていた。


8:40。登山道の周りに高山植物が見られるようになってきた。雨露に濡れたタカネナデシコやイワシャジンである。




花が多くなってきたところで、一休みする。スタートから雨模様の天気となり、これ以上悪天候にならないことを期待しながらの登山だ。


8:50。天狗の庭に到着する。ここは、晴れていれば雪倉岳、朝日岳の好展望地であるが、この時は、ガスが掛かって展望はない。カラマツと岩の配置が、まるで天狗が作ったような庭園に見えることから名前がついたようだ。




その後、さらに1時間ほど登っていくと、次第に雨が激しくなり、白馬大池の山小屋に着いた頃は大雨となっていた。カッパの内側が湿ってきて体も冷え、たまらず小屋で雨宿りをする。ペースが遅れた後続のメンバーを待ちながら、小屋で濡れた服を着替えたり厚着をして寒さ対策する。しばらく雨はやまなかったが、全員が揃ってから、意を決して白馬大池小屋を出発する。

11:40。雨は小降りとなり、白馬大池の全容が見えるようになってきた。


見通しが効くようになり、開けた場所で後続のメンバーが来るのを待つ。


しばらく歩くと、ハイマツの間からライチョウの親子が歩き出してきた。こんな天気の時には、ライチョウに出会うことが多い。


雨が止んで、稜線がはっきり見えるようになってきた。


朝日岳もいつの間にかくっきり見える。


白馬大池から小蓮華山へと続く稜線は、NHKドラマ「坂の上の雲」のエンディングで使われていた映像の稜線である。




空が明るくなり、この素晴らしい稜線の眺望を楽しむ。


13:05。小蓮華山2766mの山頂に到着する。


13:40。三国境に到着する。ここは、新潟・富山・長野の境となる場所だ。


14:25。初めて白馬岳2932mに登頂したMさんとUさん。


その後、この日の宿となる白馬山荘まで歩く。8人もいるとペースが違うので、全員が揃うまで少し時間がかかったが、16時ころには全員が小屋に無事到着する。夕食のメニューは、ハンバーグだ。


三国境から白馬山荘まで行く間に、再び天気は悪化し、翌日の天気も思わしくない状況になっていた。それでも、天気が良ければご来光を見ようと、翌日4時起床と決め、20時前には就寝していた。

参考1.蓮華温泉~小蓮華山~白馬岳~白馬山荘 コースマップ


参考2.蓮華温泉~小蓮華山~白馬岳~白馬山荘 高低図


「2016白馬岳~雪倉岳~朝日岳縦走登山:2日目」に続く。

2016北海道百名山ツアー:4日目富良野観光

2016-07-24 11:53:24 | 観光
4日目は、登山の予定はなく、宿の朝食バイキングをしっかり食べて帰るだけだ。トムラウシ温泉東大雪荘は、きれいな宿で温泉も食事も良かった。


宿の裏側には沢が流れ、露天風呂のお湯が流れ落ちている。


8:00。東大雪荘を出発し、帰路に着く。


9:40。富良野に向かう途中、JR幾寅駅前まで来た。この駅は、高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地で有名な駅だ。駅名は、劇中の幌舞駅の名前が大きく掲げられているが、本当の名前は幾寅駅である。今も根室本線の駅として利用されている。私は以前寄ったことがあったが、他のメンバーは初めてなので、立ち寄っていくことにした。


駅舎の中に入ると、「鉄道員 ロケーション記念展示コーナー」がある。


主演の高倉健、大竹しのぶ、原作者の浅田次郎の色紙が飾られている。


「鉄道員」のポスター前で、健さんを偲びながら記念撮影。


ホームにも上がってみる。雪の中、このホームを健さんが歩いていたなあと、映画のワンシーンを思い出した。


駅前には、映画内で「キハ12 23」として登場したキハ40 764号気動車(ぽっぽや号)の一部分(前頭部)が、2005年(平成17年)に廃車の後に設置・保存されている。また、
駅前の食堂などのロケーションセットも残され、多くのファンが訪れる場所となっている。


10:50。富良野の「ファーム富田」に到着する。富良野のラベンダー園の見学といえば、定番の場所である。平日ながら、駐車場には、観光バス、マイカーがぎっしり停まっていた。交通整理も出ていて、大賑わいだ。


7月の富良野といえば、紫色のラベンダー園が目に浮かんでくる。まさに、ポスターやテレビで見た風景が、目の前に広がっている。




やはり絵になるラベンダー園の中に入って写真を撮る。




ラベンダー以外にも、赤、白、オレンジ、黄、ピンクなど目にも鮮やかな花々がきれいに揃えられて咲いている。どこもかしこも素晴らしくて、ついついカメラを構えてしまう。








単色ではなく、複数の色の花が並んでいる風景もカラフルでいい。




ラベンダー園の東の先には、十勝連峰の山並みがどっしり構えているはずなのだが、雲にぎっしり覆われ全く見えない。晴れていれば、富良野岳、十勝岳、美瑛岳、美瑛富士など見えるはずだ。機会があったら、十勝連峰縦走なんてのもいいなと思った。


ファーム富田でのんびりしすぎて、もう寄り道する時間もない。あとは、ひたすら新千歳空港を目指す。新千歳空港では、ラン&山友達だったH子ちゃんと再会する。昨年、北海道の人に嫁入りしたばかりだったが、今回我々が北海道に来ると知り、空港まで夫婦で見送りに来てくれたのだ。しばし、懐かしい話に花を咲かせて新千歳空港を後にし、全員無事解散となった。

北海道百名山巡りの山旅は、今ひとつの天気ながらも北海道のスケールの大きい大自然を満喫できた。百名山以外でも、すばらしい山々がところかしこに有り、何度でも行きたくなった。今年の夏山シーズンは、まだまだ始まったばかりである。当分は山三昧の日々が続きそうだ。

2016北海道百名山ツアー:3日目トムラウシ山(後半)

2016-07-23 18:43:40 | 山登り
トムラウシ公園を進んでいくと、再び雪渓が現れた。


それほど大きな雪渓ではないので、難なく登っていく。


雪渓の先には、またもやお花畑が広がっている。


まるでサメが口を開けて餌を飲み込んでいるかのような奇岩。


恐竜の背中のような巨岩。


そして、またもや雪渓歩きだ。


雪渓が終わると、必ずお花畑が広がっている。雪解けを待って多くの花々が咲き始めるのだ。


イワウメ


コマクサ


イワブクロ


イワヒゲ


9:50。トムラウシ分岐に到着する。やっとここまで来たかという気がした。トムラウシ山頂まであと30分くらいだ。


少し上がったところで、登山口まで一緒だった若い女性が上から下ってきた。単独行なのでやはり歩くのが早い。このまま下山して、トムラウシ温泉でバスに乗って羊蹄山に向かうということだった。


10:25。トムラウシ山2141mの山頂に到着する。スタートから既に6時間経っていた。私にとっては94座目の百名山だ。


展望が全くなく、帰りも時間がかかるので早々に下山する。以後、もくもくと歩き最後の長い雪渓まで戻ってきた。上りより下りのほうが大変だ。長時間歩行で足腰が疲れてきて、何度も転倒する。


歩くより滑ったほうがいいと、レジ袋やレジャーシートをお尻に敷いて滑っていく仲間たち。




13:30。コマドリ沢分岐までやっと戻ってきた。


その後は、展望が効かない森の中を3時間近く歩き、足元は泥だらけになりながら、16:30無事に短縮登山口の駐車場に到着する。12時間以上もの長い道のりであった。日帰り登山としては、これほど長い時間歩いたことがなかったが、全員無事に帰還できてホッとした。

宿に帰ると、今回のツアーの最後の夕食だ。トムラウシ山完登の祝杯生ビールの味も格別である。会席料理も楽しみ、北海道百名山登山の最後の夜を楽しんで就寝する。




参考1.トムラウシ山のコースマップ


参考2.トムラウシ山の高低図


「2016北海道百名山ツアー:4日目富良野観光」に続く。

2016北海道百名山ツアー:3日目トムラウシ山(前半)

2016-07-22 21:36:11 | 山登り
3日目の朝は、深夜2時に起床する。前日、宿の人から今はシーズンなので、2時半~3時くらいに出発しないと短縮登山口の駐車場が一杯になると脅かされていたからだ。朝食と昼食は、既におにぎり弁当として受けとっている。そして、予定通り2時半に、東大雪荘を出発しトムラウシ山の短縮登山口に向かった。天気は、生憎の小雨交じりの曇り空である。出発時、単独行の若い女性から登山口まで乗せて行って欲しいと頼まれ、乗車人数は、我々パーティ含めて8人となった。

短縮登山道への林道は、東大雪荘からしばらく南下してから右に曲がるはずだったが、いつまで経ってもそれらしき道が見えない。どうもおかしいと戻ることにしたら、東大雪荘入口のすぐ手前に、林道入口があった。鋭角に曲がった道で、真夜中であったため気づかずに通り過ぎてしまっていたようだ。これで、30分ほど時間をロスする。その後、林道をまっすぐ進むものの、途中の曲がり角を通り過ぎてしまい、これまた道間違いをしてしまった。真夜中の林道はUターンもなかなかできない。かなり先に進んでから、やや広いスペースを見つけ、Uターンをして戻り、正規の道に戻ることができた。ここでも、30分のロスである。結局、登山口に着いたのは4時過ぎになっていた。本来なら、30分で着くところを1時間半もかかってしまった。出発時は、ヘッドランプが必要と思っていたが、既に空は白み、ヘッドランプは必要なくなっていた。幸い、駐車場のスペースは、まだ十分あり、駐車場所に困ることはなかった。


単独行の女性は、すぐに出発してしまったが、我々はトイレやカッパを着たりして登山の準備に手間取り、出発時間は4:15になっていた。


登山口入口にある木箱の入林届(北海道では、入山ではなく入林と呼ぶようだ)に名前を記入して出発する。


4:40。トムラウシ温泉への分岐に到着する。東大雪荘から2時間歩けば、ここの分岐に来ることができるが、往復11~12時間の行程を考えると2時間の短縮は大きい。


しばらくは、ぬかるみの道を進む。ところどころ木道があるものの、泥だらけの道には変わりない。景色もほとんど見えないが、ところどころにウコンウツギが咲いていた。


6:25。道中ずっと森の中を歩いてきていたが、やっと森が途切れ開けた場所に出た。エゾコザクラの群落が見られて、明るい気分になった。


7:10。コマドリ沢分岐に到着する。このあたりは、既に雪渓が広がっている。多くの登山者が、この分岐で休憩しており、我々もおにぎりを食べたり水分補給をする。


沢を渡ると、最初の小さな雪渓を登る。


小さな雪渓を過ぎると、すぐに次の雪渓が有り、今回の登山では最長の雪渓歩きが始まった。踏み跡がしっかり付いており、凍っていないのでアイゼンがなくても大丈夫だ。


約15分で、雪渓を登りきる。我々以外のパーティも続々と登ってきていた。


雪渓を渡りきると、ところどころにお目当ての高山植物が見られるようになってきた。エゾハクサンイチゲやエゾコザクラなどだ。




お花畑が終わったと思ったら、今度は荒涼たる岩場歩きだ。黄色いペンキを目印に進む。


今度は違う花が見られるようになってきた。高山の過酷な環境のため、高さ10~30cm程度にしかならないエゾツツジだ。花柄には、細かい毛がある。


チシマキンレイカ。


8:15。前トム平に到着する。晴れていれば、前トムラウシ山がここから見えるはずだが、全く展望はない。


お花畑の前で休憩だ。


前トム平からは、緩やかな尾根を進んでいく。


この辺りから、どこを見ても一面お花畑が広がっている。本州では見ることができない程のスケールの大きいお花畑だ。


またもや、巨岩の中を登っていく。


ところどころに、奇妙な形をした岩が見えるようになってくる。


ガスの中に、雪渓や池があちらこちらに見える。


9:00。トムラウシ公園に到着する。この辺りも、高山植物の宝庫となっており、まさに自然が作り出した公園と呼ぶにふさわしい場所だ。


さて、歩き出して5時間弱だが、まだまだ山頂は遠い。はたして、トムラウシ山頂に無事登頂し、登山口まで戻ることはできるのだろうか。

「2016北海道百名山ツアー:3日目トムラウシ山(後半)」に続く。

2016北海道百名山ツアー:2日目十勝岳

2016-07-21 22:35:05 | 山登り
1日目の宿泊は、大雪山白金観光ホテルだった。朝早く出発したかったが、ホテルの朝食は、どこも7時からが多い。バイキングの朝食を食べると、出発は8時近くになっていた。




ホテルから数キロ先が、十勝岳の登山口がある望岳台である。駐車場の近くに来ると、路肩には、マイカーがギッシリ駐車していた。奥まで入って、本来の駐車場の中を見てみたが、全く駐車スペースがない。


やむを得ず、入口手前の道路まで戻り、僅かなスペースを見つけて駐車する。人気の山なのだろう。日曜日だったということもあって、早朝から登山者が入っていたようだ。


登山口入口には、十勝岳が今も活火山であることを知らせる注意書きの看板があった。噴火警戒レベル1で突発的な噴気や火山ガスに注意する必要があるとされている。


8:45。溶岩で積み上げられた望岳台のケルン。本来ならこの先に十勝岳が見えるはずなのだが、雲に覆われ全く見えない。


しばらくは、溶岩の大地を進む。


だいぶ上がってきてから、後方を振り返ると広大な富良野平野がなんとか見えていた。


避難小屋を過ぎると、急勾配の道となり、谷間にはガスの切れ目から雪渓が見えていた。


10:45。目の前にピークが見えたが、さすがにこれは十勝岳ではない。前十勝と呼ばれるピークで、十勝岳のピークは、小さく見える白い雪渓の左側にあるらしい。


それにしても、このコースは砂礫で覆われ高山植物は全く見えない。大正時代の火山泥流により植物が育っていないようだ。その後も、何度か噴火があり、平成2年まで入山禁止になっていたというから、火山の山だというのが改めて実感できた。


10:50。雪渓の左にピークが見えた。これが十勝岳だ。それにしても、まだまだ遠いピークだ。


摺鉢噴火口の横を進む。


摺鉢噴火口の底には雪が残っている。


登るにつれて礫が小さくなり、黒い火山礫の丘をザクザクと踏んで進む。緩やかな道が続き、細かいスコリアに覆われた広い台地状の尾根である。




スコリアの丘の上では、なにやら火山の観測機器の設置でもしているようだ。


斜面には、筋状の小さい尾根がいくつも見える。かつての溶岩流の跡だろうか。地球ではなく未知の惑星を歩いているかのようだ。


11:35。スコリアの丘を抜け、最後の険しい斜面を登ることになる。


溶岩だらけの険しい道だ。


誰かが建てた難しいケルンを積み直している。


最後のひと登り。頂上はすぐそこだ。


十勝岳山頂であるが、剱岳Tシャツのロゴがクッキリ見えていた。


12:45。十勝岳2077mの山頂に到着する。93座目の百名山登頂である。


山頂近くでお昼とし、しばらく休憩したあと元来た道を下山する。下りは早いもので望岳台の駐車場に15時ころ到着する。駐車場から、次の目的地であるトムラウシ温泉へは、160キロもあった。当初調べた時は、100キロほどだと思っていたが、どうやら調べ方を間違えていたようだ。望岳台とトムラウシ温泉の直線距離は20キロもないが、間には山があって大きく迂回していかないと行くことができない。上富良野、南富良野などを回ってのロングドライブとなってしまったが、18時過ぎ、無事トムラウシ温泉東大雪荘に到着する。宿の温泉に入り、夕食で生ビールを飲むとやっと人心地がついた。




いよいよ翌日は、百名山の中でかなり難易度の高い山として知られるトムラウシ山だ。無事登れるのか不安のなか、早々に眠りに就いた。

参考1.十勝岳のコースマップ


参考2.十勝岳の高低図


「2016北海道百名山ツアー:3日目トムラウシ山(前半)」に続く。

2016北海道百名山ツアー:1日目大雪山旭岳

2016-07-20 23:21:24 | 山登り
昨年に引き続き、7月中旬に北海道の百名山を巡るツアーを計画した。15日の夜、羽田空港近くのホテルに宿泊し、翌日の朝一の飛行機で旭川空港まで移動だ。参加者は、全部で7名となった。遠い所であるし、休みも長くなってしまうにも関わらず、これだけのメンバーが揃うというのは嬉しいものだ。

旭川空港についたのは、16日の午前8:20だ。機体は、ANAとAIRDOの共同運航便である。


旭川空港からレンタカーで大雪山旭岳ロープウェイ乗り場まで移動する。レンタカーの受付で手間取って、ロープウェイ乗り場についたのは、11時近くになっていた。登山の支度をして乗り場に急ぐが、11時発のロープウェイには、間に合わなかった。次の便が来るまで、旭岳ロープウェイの顔ハメ看板で、記念撮影する。


11:15発のロープウェイに乗ると、上から来たロープウェイとすれ違う。


ロープウェイの姿見駅を下りると、すぐ目の前には雪渓と池が広がっていた。標高は1600m近くとなり、いきなりの大雪山系の景観に圧倒される。


しばらく歩くと、お花畑が一面に広がっている場所が次々に現れてくる。


ウコンウツギ。


チングルマの大群落。


エゾコザクラ。


次々に現れるお花畑に目を奪われていく。


20分ほどで姿見の池に到着する。池の手前にあるのが、『大雪愛の鐘』だ。1962年にあった大学生の遭難事故の犠牲者を弔うと共に登山客の安全を願って設置された。


姿見の池前で記念撮影。天気が良ければ、池の水面に旭岳が映ることから姿見の池と呼ばれている。この日は、ガスがあたり一面に湧き出しており旭岳の姿は、よくわからない。


旭岳はよく見えないにしても、雪渓や近くの丘が水面に映っているのがいい感じだ。


池の奥まで行くと、活火山らしい荒々しい地形と噴煙が上がっているすぐ近くまで行くことができる。


ガスが晴れて、一瞬の合間に青空が覗いた。


12:25。姿見の池からさらに登り、振り向いたところ。姿見の池やロープウェイ姿見駅などが見える。


いたるところから噴煙が上がっている。


13:10。7合目1930mに到着する。


山頂へまっすぐ伸びている尾根道。振り返ると、姿見の池がさらに小さくなっていた。


上の方を見ると、山頂はガスに隠れて全く見えない。


14:05。標高2291mと北海道の最高峰である旭岳山頂に到着する。これで、92座目の百名山登頂達成である。山頂では、層雲峡から登ってきたかわいさん、Mさんと合流し全メンバーが揃った。


山頂でも一瞬ガスが晴れ、間宮岳、黒岳などが僅かながら見えた。


旭岳山頂付近は、見渡す限りキバナシャクナゲのお花畑だ。これだけのシャクナゲが一面に広がっているのは他に見たことがない。




山頂で展望を楽しんだあと、元来た道を下る。姿見の池からは、第3展望台方面に向かう。


こちらに来ると花の種類が変わり、エゾイソツツジの群落が広がっていた。


チングルマとエゾツガザクラの群落。


鏡のように旭岳を映し込むことができる鏡池(右)と擂鉢池(左)。2つ並んで見えることから、夫婦池とも呼ばれている。


擂鉢池の雪渓では、やせ細ったキタキツネが餌を探して歩き回っていた。


16:15発のロープウェイに乗って下山。雲間から光の帯が差し込んでいた。


山麓駅と駐車場が見えてきた。その奥には、ダム湖も見える。


車に戻り、次の目的地である十勝岳山麓の白金温泉のホテルに向かう。距離は56キロあり、時間にして1時間以上も掛かり、宿に着いたのは18時近くになっていた。

参考1.大雪山旭岳のコースマップ


参考2.大雪山旭岳の高低図


「2016北海道百名山ツアー:2日目十勝岳」に続く。

網戸を張り替える

2016-07-10 18:28:54 | いろいろ
先日、強風の日に2階の網戸が破れてしまった。家を建ててから二十数年も経っており、その間、一度も張り替えたことがないから、しょうがなくなっていたのだろう。最初は、網戸そのものを買い換えなければいけないのかと思ってしまったが、たくさんある網戸を全て買い換えるとなると、とんでもない費用になってしまう。なんとか安くできないかと、調べてみたら、ホームセンターのHPに網だけを張り替える方法が懇切丁寧に載っていた。

ホームセンターには、D.I.Yの道具がなんでも揃っている。“網戸の張替え”で検索したら、すぐに張替えのやり方が見つかった。必要な道具も、セットで売っていることがわかった。早速近くのホームセンターに出向き、網戸張替え5点セットと網戸1枚分の網を買ってくる。総額1300円ちょっとだ。5点セットは、左から網を押さえるゴム(7mくらい)、仮止め網ストッパー、ワンタッチローラー、専用カッター、網戸張り替え方DVDだ。そして、網戸1枚分の網(黒)だ。


まず、網が破れた網戸をサッシから外す。下半分が破れたので、まるまる切り抜いてある。


網戸と網を押さえつけてあったゴムを引っ張り出して全部外し、残った網も全部外す。


外したゴムと網。


新しい網を、網戸に被せてストッパーで固定してから、ゴムを網の上からローラーで隙間に押し込んでいく。


全ての辺にゴムを押し込んだところ。


端っこに余分に出ている網を専用カッターで切り抜いていく。


カッターで切っても、切れ端がところどころ残るので、ハサミで余分な部分を切り取る。これで完成である。


早速サッシに網戸をはめ込んだところだ。もう一枚は、破れてないので昔のままのシルバーの網である。こうやって2枚並べると違いがよくわかる。もう1枚もそのうち破れたら、同じ黒色の網にするつもりだ。


最近は、網戸の色は黒が主流だという。それは、黒い色の方が外の景色をクッキリ見せる効果があるからだという。左がシルバー、右が黒だが、確かに右の黒色の網戸の方が、外の景色がクッキリ見える。ただし、夜になると外から中の方が見えやすくなってしまうようだ。その場合には、レースのカーテンで覆えばシルバーの場合と違いはなくなるので大した問題ではない。


初めて網戸の張替えをやってみたが、障子の張替えと比べればずっと楽なものである。今後は、破れた網戸から順次黒色の網に変えていきたい。

2016仙丈ケ岳登山:その2

2016-07-05 18:54:01 | 山登り
14:00。荷物をすべて小屋に置いて、空荷で仙丈ケ岳山頂に向かう。山頂までは、30分弱だ。


尾根伝いに大勢の登山者が見える。


小仙丈ケ岳からの稜線にも、登山者の姿が見える。


仙丈小屋から仙丈ケ岳までの登山道は、まさに高山植物の宝庫であり、可憐な高山植物が岩の間からたくましく咲き誇っていた。ピンク色がコイワカガミ、白色がチングルマだ。


山に生えるエンドウ、オヤマノエンドウだ。


岩場を好み、梅に似た花を咲かせるイワウメ。


ミヤマキンバイ。ミヤマキンポウゲとかシナノシンバイとかもよく似ていて間違えやすいが、これはミヤマキンバイで間違いないだろう。


ハクサンイチゲ。日本アルプスのお花畑を構成する代表的な高山植物のひとつだ。


イワベンケイ。名前の由来は、枝や茎を切っても簡単には涸れないことから弁慶に例えられた。


山の斜面は、黄色、ピンク、白、紫など色とりどりのお花畑だ。


頂上まであと僅か。


14:20。仙丈ケ岳頂上に到着だ。まず最初に見えたのが、富士山。こんなに近くに見えるなんて大感激である。


そして、よくよく見てみると、富士山の隣が標高3193mの北岳、その隣が標高3190mの間ノ岳が並んでいるのだ。まさに、日本一、二、三の高峰がそろい踏みと、贅沢な展望台である。


早速、№1,2,3の山をバックに記念撮影だ。


少し、左に目を転ずると、甲斐駒ケ岳。その奥には、八ヶ岳連峰も見える。梅雨時のさなかに、こんなにも展望がいい日に当たるとは、本当についている。


メンバー全員で、仙丈ケ岳3033mの看板前で記念写真を撮る。


さて、北アルプスのほうはどうかというと、少し雲がかかってきて見えにくくなっていた。上空に浮かぶ雲の形が、円盤や動物のように見えたりするのが面白い。




頂上付近で見つけたイワヒバリ。


カールの底に建っているのが仙丈小屋である。


山頂では風が強くなってきたので、小屋まで戻る事にした。だんだん天気が悪くなってきそうな気配だ。


さらに下ると小屋は近い。甲斐駒ケ岳や鋸岳が良く見える。


小屋の前で咲いていたクロユリ。


17時から、山小屋の夕食だ。


いつの間にか、小屋の周りはガスで覆われ、景色は全く見えなくなっていた。翌日のご来光を見たいと思って19:30の消灯で眠りにつく。

翌日も、霧と風で天気は最悪となり、朝食後、早々に下山する。尾根伝いの小仙丈ケ岳ルートは危険なので、登ってきた道を、そのまま下山する。下山は早いもので、2時間10分ほどで北沢峠に到着し、無事帰宅できた。しかし、家に帰ってからの暑さは、半端じゃなかった。やっぱり夏は、山に登っているのがいい。

参考1.1日目のコースマップ(YAMAPで記録)


参考2.1日目の高低図(YAMAPで記録)


参考3.2日目のコースマップ(YAMAPで記録)


参考4.2日目の高低図(YAMAPで記録)