とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2019七倉周回登山ツアー:3日目

2019-07-31 19:05:45 | 観光
8:30。夜中に結構雨が降ったのだが、朝はまずまずの天気になっていた。ホームズインさん玄関前で写真を撮って、岩岳スキー場に向かう。


岩岳スキー場のゴンドラ駅を降りると、一気に標高1280mの場所についてしまう。


今年の7月13日からは、スノーピーク監修の下で、ゴンドラリフト「ノア」山頂駅付近やブナの森内部をリニューアルし、マウンテンリゾート空間「IWATAKE GREEN PARK(イワタケ グリーン パーク)」がオープンしている。パーク内には、「展望ピクニックラウンジ」、「プライベートデッキ」、「森のテラス」、「芝生広場」、「ブナの森パーク」の5エリアが新設された。大自然のなかで“読書や昼寝をしながらリラックスしたい人”、“子どもとアスレチックなどで遊びたい人”、“愛犬と思いっきり走り回りたい人”、“いつもと違う環境で仕事をしたい人”などが日常から心と身体を解放し、思い思いの時間を過ごせる新しいマウンテンリゾート空間を作るというコンセプトらしい。この日は雨上がりで、人は少なかったがこれから天気が良くなると、大いに賑わいそうだ。八方尾根には、山の上にいながらビーチリゾートにいるような“非日常”空間でゆっくりと寛げる施設HAKUBA MOUNTAIN BEACH(白馬マウンテンビーチ)が7月26日にオープンしたばかりだ。今年の白馬は、結構熱いスポットが増えている。


さて、我々は昨年10月にオープンした北アルプスを一望できる絶景テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)」に向かう。私はもう3回目だが、まだ初めての仲間にぜひ紹介したいと思っていたスポットだ。


HAKUBA MOUNTAIN HARBORの展望テラスからは、圧倒的な北アルプスのパノラマ絶景が楽しめるはずだったが、あいにく雲に覆われ全く見えなかった。今年のGWには10日間で前年比の10倍近い約1万3000人が訪れたといい、白馬エリアで一番の人気絶景スポットになっているそうだ。


テラスは、このように空中に飛び出していて、高所恐怖症の人には、ちょっと怖いかも。


因みに1月に行った時の展望テラスからの北アルプスの絶景。白馬三山がこれほど真正面にしっかり見える場所はない。


絶景は良く見えなかったものの、展望テラスは大勢の観光客でにぎわっていた。HAKUBA MOUNTAIN HARBORのカフェ「THE CITY BAKERY」のクッキーとコーヒーで非日常空間を味わってからゴンドラリフトで下山する。

白馬からの帰り道、安曇野インター手前にある安曇野スイス村では、田んぼアートが開催されていた。今年のテーマは、2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で、日本人で初めてオリンピックに出場したマラソンランナー金栗四三を演じ、主役を務めた歌舞伎俳優・中村勘九郎演じるマラソンランナーをモチーフにしている。


さっそく観覧展望台より、田んぼアートを観覧。何種類かの色の稲を植えて、見事な絵柄になっている。道路からでは全く築かなかったかもしれないが、こうやって高い場所から見られるというのは素晴らしい。


今回は、山の予定は半分しか達成できなかったが、大町や白馬周辺のいいところを観光して、初めての人に喜んでもらえることが出来て良かった。

2019七倉周回登山ツアー:2日目

2019-07-30 20:27:49 | 山登り
2日目の朝、5:30。船窪小屋前から西側の展望を楽しむ。まだ、好天で山並みがくっきり見える。奥の方は、五色ヶ原から薬師岳へと続く稜線だ。8月中旬は、立山から薬師岳まで縦走する予定なので、イメージを膨らませながらよく見ておいた。


視線を少し右にずらすと、立山と剣岳の半分も見える。


5:55。小屋前で集合写真を撮って出発する。この時点では、好天だったのだが、台風が接近しているという情報があり、午後から雨となって烏帽子岳周辺の登山指数は“D”ということで、周回登山はあきらめ、そのまま七倉山荘まで戻ることにした。


しばらくは、槍ヶ岳を見ながら歩いて行ける。


下界は雲海の下である。


帰りは、長くて急な下り坂だ。気を付けて降りなければ。


チングルマのお花畑を通り過ぎる。


下山途中で、生まれたばかりの4羽のヒナを連れたライチョウ親子に出会う。目の前で親の後を追いながら、ひょこひょこ歩いていくヒナの動きが可愛い。




雲海がじわじわと上まで湧き上がってきている。槍ヶ岳もここらで見納めだ。


天狗の庭で少し休憩。


さらに3時間以上ひたすら下っていくと、高瀬川が見えてきた。


トンネル入り口の登山口が見えてきた。


トンネルを抜ければ、七倉山荘のゲートに到着だ。下山途中で雨に降られることもなく約4時間で降りることが出来た。


七倉山荘で温泉に入り、弁当を食べて休憩しているころ雨が降り出した。ちょうどいいタイミングで下山できてラッキーだったというしかない。

時間的には、まだお昼前で時間は十分ある。2日目は、白馬のペンションに急遽泊ることにしたので、周辺を観光しながら向かうことにした。まずは、大町市の大町山岳博物館に寄っていく。


大町山岳博物館は北アルプスに関わる山の自然や山小屋、山で生活する人たちの暮らしなどが紹介されており、カモシカやムササビなどの剥製が展示されている。




ライチョウの親子の剥製。


白馬迄行くとジャンプ台が見えてきた。長野オリンピックで日本が金メダルを取ったあの場所だ。まだ、行ったことがない人がいたのでジャンプ台を見学していくことにする。ちょうどラージヒルの方でサマージャンプ大会の練習をしている選手たちがいたので、しばらく見学する。


ゴール付近まで下りて、今度はジャンプしてきた選手を下から見る。下から見ると、鳥のように飛んでいるような感じがよくわかる。




表彰台に立って、メダリストの雰囲気を味わう。


白馬のペンションは、常宿の「ホームズイン」さんだ。急な予約だったので夕食は準備できないとの事で、近くのコンビニでアルコールと食料を調達して、ミニ宴会だ。豪華な夕食はなくても、これはこれで楽しいものだ。


参考1:2日目のコースマップ


参考2.2日目の高低図


「2019七倉周回登山ツアー:3日目」に続く。

2019七倉周回登山ツアー:1日目

2019-07-29 22:44:05 | 山登り
先週末は、北アルプスの七倉山荘から七倉岳、船窪岳、烏帽子岳等をぐるっと周回する縦走登山を計画していた。しかし、前日突然、台風が発生する可能性があり北アルプス方向にやってくるかもしれないという情報が入り、どうしようかヤキモキしながら登山口のある七倉山荘に向かった。

ただ、1日目の天気にはまだ問題がなさそうなので、予定通り出発することにした。七倉山荘では、七倉山荘に前泊した2名、車中泊した4名、当日の朝現地集合の1名が集まり、計7名で朝6時に七倉山荘を出て登山口に向かう。


登山口で入山届を出し、ゲートの横からトンネル方向に向かう。


トンネルを真っすぐ進むと高瀬ダムに行ってしまうが、我々は、トンネルの入り口を10mくらい進むとすぐに右折する。ここが七倉岳登山口で、船窪小屋の看板も建っている。


10分も進むと、いきなりの急登となり、以後延々と登り坂となる。標高差140m毎に〇/10の案内板があり、それを目指してひたすら上っていく。つまり山頂までは標高差1400mを登るという事であるから、なかなかキツイルートである。5/10を過ぎると、大岩の周りに根を広げた逞しい樹が見られるようになってきた。


木陰の湿ったところには、ギンリョウソウが群生しているところも見られた。別名ユウレイタケとも呼ばれ、見た目が不気味でユウレイっぽい珍しい植物だ。


6/10を過ぎた辺りから,いよいよこのルートの最大の難所である「鼻付八丁」に入る。胸付八丁と云うのはよく聞くが,鼻付八丁は聞いたことがない。鼻が登山道に付いてしまうほどの急斜面という意味なのだろう。


鼻付八丁の名の通り,ハシゴが連続するきつい登りが結構長く続く。




10:40。天狗の庭に到着する。いつの間にか雲が晴れてきて、雲間から山が見え隠れしている。


雲の切れ間からは高瀬ダムのダム湖が見えた、


森林限界を超え、ハイマツの中を登っていく。青空が広がり、夏山らしくなってきた。


標高2300mくらいになると、まだシャクナゲの花が咲いている。


そして、ライチョウも出現する。ただ、ライチョウを見かけるという事は、これから天気が悪くなるという事か!嬉しいような悲しいような複雑な気分だ。


9/10を過ぎると、いろんな高山植物を見かけるようになってきた。これはゴゼンタチバナ。


クロマメノキ。


ツマトリソウ。


ミネズオウの群落。


ミヤマダイコンソウ。


12:00。いろんな花を見ているうちに、船窪小屋に着いた。


小屋の周りには、立派なコマクサが咲いている。


小屋前のベンチで休憩すると、小屋番の人が鐘を鳴らし、ウエルカム茶をふるまってくれた。温かいお茶が何よりうれしい。とりあえず、小屋のチェックインを済ませて荷物を降ろす。


船窪小屋から七倉岳までは歩いて10分くらいで到着する。北アルプス南部と後立山連峰の狭間にある山で、北アルプスの中では訪れる登山者が少ない山だが、静かな北アルプスを楽しむことが出来る。この日も、2509mの山頂は我々だけだった。


再び、船窪小屋に戻る。


船窪小屋の小屋番さんは、なかなか気配りが凄い。登山者が小屋に近づくと、かならず出迎えて鐘を鳴らしてくれるのだ。


17時から、待ちかねた夕食だ。船窪小屋名物の美味しい手作り料理。ネパールの人が作っているそうだ。白馬村の古代米、山菜の天ぷら、煮物、フルーツ、ビーフシチュー等山小屋ではほとんど見たことのない料理だ。特に古代米とビーフシチューは絶品でお代わりをしてしまった。


食事の時に飲んだビールの空き缶は、小屋の外で、ハンマーでつぶしてから捨てることになっている。


18:40。夕日が見えないかなあと外に出てみると、雲の切れ間からぽかっと飛び出た山影は、槍ヶ岳だった。あの独特で誰もが見間違えることにない槍ヶ岳の姿が見えると、誰もが歓声を上げる。


全員が夕食を済ませると、船窪小屋では定番のお茶会が始まる。ネパール茶を頂きながら、船窪小屋の歴史や小屋番たちの紹介があり、その後は集まった登山者たちの自己紹介などを行い、ランプの下で一期一会の出会いを楽しんだ。




20時で消灯。この日は、たくさん歩いたせいか、ぐっすり眠ることが出来た。

参考:1日目のコースマップ


「2019七倉周回登山ツアー:2日目」に続く。

2019大峰山(八経ヶ岳)

2019-07-08 22:34:29 | 山登り
7月7日の七夕の日、奈良県天川村から日本百名山の大峰山の八経ヶ岳に登ってきた。八経ヶ岳は、大峰山脈の主峰であり、奈良県および近畿地方の最高峰である。山名は、役行者が法華経八巻を埋納したと伝わることによるが、仏経ヶ岳とも八剣山とも呼ばれるという。

このところの不安定な天気で、直前まで行けるかどうか危ぶんでいたが、曇りから晴れに変わるという天気予報を信じて、道の駅吉野路黒滝で車中泊をする。向かっているときには、月や星が見えたのだが、明け方急に雨に降られた。それでも、直ぐに上がるだろうと、道の駅を出て、登山口である行者還トンネル西側駐車場に向かう。

7時過ぎ、行者還トンネル西側駐車場に到着する。この時点で、すでに駐車場は九割がた埋まっていた。ギリギリ止めることが出来たが、8時では満車になっていたかもしれない。


八経ヶ岳は、11年前の同じ時期に初めて登ったが、その時は、こんなに駐車場は整備されておらず、無料で止められた。やはり百名山という事と、この時期にしか見られないオオヤマレンゲを見るために多くの登山者が集まってきていたようだ。トイレも有料で使うことが出来る。


八経ヶ岳への登山道の一部は、「大峯奥駈道」と呼ばれる吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する修験道の修行の道でもある。大峯奥駈道と八経ヶ岳の原始林は、ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』に登録されている。世界遺産の看板の前から出発だ。


橋の入り口で登山届を提出して登山道に入る。今回のメンバーは、総勢8人となった。


雨は小降りとなり沢に架かる木橋を渡る。


1時間ほどは、急勾配の道を登っていく。奥駈道出合を過ぎるとなだらかな尾根道となり、8:47弁天の森に到着する。辺りは白い霧に包まれ幻想的な風景だ。


霧に包まれた森の中を進む。


9:25。聖宝ノ宿跡に到着する。ここには、大峰奥駈道を開いた理源大師の青銅の像が置かれている。像をよく見ると、いくつかのパーツに分かれていることがわかり、何人かでパーツごとに運んだものと思われるが、それでも一つ一つは凄い重量だったに違いない。紀伊の奥深い山の中で、穏やかな理源大師の顔を見ると何故か心が安らぐ。


聖宝ノ宿跡から30分ほど歩くと、目の前に長い木段が見えてきた。どこまで続いているのかわからないくらい長そうだ。


雨に濡れた木段は、滑りやすいので慎重に一歩一歩進んでいく。


10:22。弥山小屋に到着する。お腹が空いてきたので、小屋の前のテーブルで早いランチとする。まだ八経ヶ岳山頂アタックが残っているので、Nさんが持ってきたソーメンと手持ちのおにぎりなどで簡単に済ませる。


小屋は弥山山頂にあるので、弥山1895mにはすでに登頂だ。


弥山小屋から5分ほど歩くと弥山神社があり、参拝していくことにする。入り口の鳥居前には、皇太子殿下行啓記念の碑が建っている。現在の天皇陛下が皇太子時代にここにも来られたという事だ。


弥山神社は、天河神社の奥宮となる。ここは、「高野」「吉野」「熊野」という、大和三大霊場の中心核となる聖地である。修験道の開祖・役小角(えんのおづの)が弥山で祈願し、天降る天女を感じ、日本で初めて「弁財天」を祀った聖域とされ、修験者たちにとって「人間が達しうる水平的な奥の極点」となる聖地であり、心が平らな状態、その奥にあるのが弥山だという。


弥山山頂付近は、白く立ち枯れた樹々が折り重なりあい、荒涼とした風景だ。他の山とは、雰囲気が違い、聖域と言われるのも頷けるような感じがする。


小屋に戻り、改めて八経ヶ岳山頂を目指し歩き始める。登山道の脇は、ふかふかの苔の絨毯で覆われている。


バイケイソウの群落。数週間先には、白い花が咲き、ちょっと見ごたえがあるかもしれない。ただ、毒を持っているので、鹿に食べられることなく群落が広がっているのだろう。


草むらの中に張り巡らされたクモの巣に水滴がくっつき、面白い模様になっている。


バイケイソウの群落を過ぎると、オオヤマレンゲの群生地となる。オオヤマレンゲは、モクレン科モクレン属に分類される落葉広葉樹で、大峰山に自生していて、ハスの花(蓮華)に似た白い花を咲かせることに由来する。鹿の増加により群落が衰退していくことを防ぐために群生地全体は柵で覆われている。


柵を開けてオオヤマレンゲの群生地に入っていく。


オオヤマレンゲは、梅雨時の7月上旬の10日間ほどしか見ることが出来ない。この時期のこの場所でしか見られない貴重な花である。国の天然記念物であると共に、世界遺産リストにも加えられおり、今回もオオヤマレンゲに出会えることが出来て良かった。




オオヤマレンゲは森の貴婦人とも言われるくらいで、いい香りがして、つぼみも花も気品を感じさせてくれる。


オオヤマレンゲの群生地を過ぎ、さらに一登りしていくと大きな錫杖が見えた。11:30。八経ヶ岳山頂1915mに到着する。


山頂からの景色は全く見えず、真っ白い霧の中だった。


山頂記念写真を撮ると、元来た道を下り、弥山小屋まで戻る。小屋前で、小休止。周りでも多くの登山者が休憩していた。


小屋からは、ほとんど休憩もしないで一気に下山する。下りも長くて嫌になりそうだったが、2時間半ほどで下山。14:43。登山口に無事到着する。


梅雨時で、登山道は泥濘、靴やズボンの裾は泥だらけとなっていた。ありがたいことに駐車場の奥に靴・杖洗い場があり汚れた靴を洗うことが出来た。


下山後は、道の駅吉野路黒滝近くの黒滝の湯に立ち寄ってから帰路に着いた。梅雨時の登山は、天気の良い日を選ぶことは難しい。今回も、決行するか直前まで大いに悩んだが、大雨には降られず、目当てのオオヤマレンゲをみんなに見てもらうことと百名山の一つを登頂してもらうことが出来て良かった。

参考1.今回のコースマップ


参考2.今回の高低図