とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2024第5回箱根ガイリーン

2024-04-29 08:22:21 | 山登り
昨年末、アクシデントで予定したコースを歩けなかった箱根ガイリーンの続きをやっと終えることが出来た。箱根山の外輪山をぐるっと回る全長50キロのコースだ。

まずは、御殿場駅からバスで金時山登山口バス停まで行く。ちょうどゴールデンウィークの初日という事もあって、バスが渋滞にはまり30分ほど遅れてきたが何と乗れて、金時山登山口バス停に到着する。反対側から来た仲間とも合流し、11人のメンバーでスタートである。


別荘地内を進む。


金時山登山口に到着する。


急登を登りきると、矢倉沢峠に到着し、未踏破の箱根ガイリーンの続きが始まる。


笹原の気持ち良い道を進む。後ろを振り返ると金時山が見える。今回は、金時山にはいかず東回りだ。


ところどころ倒木があったりして、頭に注意。


火打石山988mを通過。


12時も回り、お腹が空いてきたので、明神ヶ岳手前の展望がいい場所でランチ休憩する。


休憩スポットの下の方を見ると、不安定な位置で止まっている岩が見えた。落ちそうで落ちない岩。名前でも付けば、このコースの見どころになると思う。


13時過ぎ、明神ヶ岳山頂1169mに到着。大涌谷が良く見える。


明神ヶ岳から下っていくと、前方に相模湾が見えてきた。山から海が見えるというのは、なかなかいい。


下りが続く。下った後は、また登りがあり次の明星ヶ岳を目指す。


防火帯になっている広い尾根道に入ると、明星ヶ岳山頂は近い。


明星ヶ岳山頂924mに到着。前回はここからスタートだった。


少し戻って、宮城野方面への分岐から下山する。下山途中からは、強羅の街並みや大涌谷など箱根の観光スポットが一望できる。


そしてこの辺りは、箱根大文字焼の火床となる斜面がある。


長い下り坂を降りていくと、宮城野の登山口だ。前回は、ここから登り明星ヶ岳を経由して箱根湯本まで歩いた。


しばらく林道を歩き、宮城野バス停に着くと、ちょうどバスが来て箱根湯本まで行くことが出来た。バスは超満員で、ずっと立ちっぱなしで山歩きしているより疲れた。


箱根湯本では、かっぱ天国という温泉に入ってから小田原に向かい、帰路についた。今回で、箱根ガイリーン全コースを完歩。またロングトレイルのコースを一つ制覇できた。

参考1.明神ヶ岳、明星ヶ岳の高低図&コースタイム


参考2.明神ヶ岳、明星ヶ岳のコースマップ

2024大札山

2024-04-22 21:34:41 | 山登り
久しぶりに県内の近場の山にしようという事で、川根方面から浜松市天竜区にある大札山に登ってきた。

大井川沿いに北上し、林道南赤石線に入り、三ツ星天文台の駐車場に車を止めてスタートする。


林道南赤石線をしばらく歩くと、車両通行止のゲートが出てくる。もう何年も前から通行止めが続いていてこの先へはマイカーでの通行が出来なくなっている。


30分ほどで南尾根登山口に到着する。


登り始めると、すぐに急登が始まる。




根が縦横無尽に張り出していて、結構歩きにくい。


尾根道だけあって、平らな部分は全くなく、ひたすら登り続ける。


やっと見晴らしがよく、ベンチのある休憩ポイントに着いた。


大井川が蛇行している様が良く見える。


しばしベンチで休憩する。


休憩ポイントからしばらく進むと、今回のお目当てのアカヤシオの花が見えてきた。


大札山では、4月中旬から下旬にかけてアカヤシオが咲き始め、多くの登山者で賑わう。予想通り、優しいピンクの花が満開となっていて、読みがズバリ当たった気分だ。




最後の急登を登りきると、大札山山頂1373.6mだ。


山頂から少し先の広場でランチ休憩とする。目の前には、アカヤシオと南アルプス前衛の山々が見える。




展望を楽しんだ後、元来た道を下山していく。登っている時は気付かなかったが、アセビの花もたくさん咲いていた。


そして、再びアカヤシオを見ながら下山。




登りはきつかったが、下りの方がもっと怖い。ゆっくりゆっくり下っていく。


迷路のような樹林帯の中で、ひょこっと顔出し。


南尾根登山口まであと僅かだが、気を抜けない登山道。


林道になれば、安心して歩ける。最後に上り坂を進めば駐車場だ。


無事駐車場に到着。スタート時には満車だった駐車場も、半分近くになっていた。


休憩を入れて往復5時間ほどで帰ってくることが出来た。その後、川根温泉で汗を流し、明るいうちに帰路につき、日帰り登山としてちょうどいい山だった。

参考1.大札山の高低図&コースタイム


参考2.大札山のコースマップ

2024京都トレイル西山コース&愛宕山登山

2024-04-19 18:38:13 | 山登り
京都市内から嵯峨嵐山駅に下車すると、観光客で賑わう嵐山の渡月橋に向かう。まだ8時過ぎなので人出は少ないが、見かけるのはほとんど外人ばかりだ。この辺りは何度も来ている場所だが、初めての人もいるので、とりあえずのスタート地点とする。


天竜寺の横を通り、竹林の小径に入る。


手入れされた竹林が道の両脇に続く、京都を代表する観光名所だ。いつの間にか、外人の観光客だらけとなっていた。


9時前に化野念仏寺に到着する。入り口で少し待って、9時の開門と同時に中に入る。


かつて風葬の地として知られていた化野で、弘法大師が野ざらしになっていた遺骸を集めて埋葬し、供養のために五智山如来寺を建立したのが始まりで、境内の「西院の河原」には、約8,000体の石仏・石塔が立ち並ぶさまは、他の寺院とは趣が大きく異なる。


有名な鮎料理の店「平野屋」「つたや」前に来ると、愛宕神社一ノ鳥居だ。京都トレイルの西山コースは、鳥居前を左折して六丁峠方面に向かう。


六丁峠までのキツイ上りを終えると、一気に下り坂となる。


坂を下りきると、清滝川と嵐山を流れる桂川が合流する地点に到着する。


清滝川沿いに設けられた遊歩道を進む。


沈下橋を渡り、反対側に向かう。


この先、素晴らしい渓谷の絶景が続く。水の流れも美しい。


細い滝も流れ、涼しげだ。


赤い橋 「渡猿橋」が見えてきた。


渡猿橋の前で集合写真。


愛宕神社二の鳥居に到着。いよいよここから愛宕山への本格的登山スタートだ。


登りだして1時間ほどで見晴らしのいい場所に出た。嵐山方面が良く見える。


落語のお題の一つである「愛宕山」には、カワラケ投げというくだりがある。たいこもちの一八をお供に連れて京へ来た旦那が、芸者衆を連れて愛宕山へ登り、かわらけ(土器)投げを始めるのだが、ここがその舞台という事になっている。現在、愛宕山ではカワラケ投げは行われていないのだが、ここに来ると、落語の「愛宕山」が頭に浮かんできてしまう。


近年まで水尾の女性が樒(しきび・仏壇やお墓にお供えする植物)を背負って水尾から愛宕神社まで登り、神前に供えてから販売したという花売り場の小屋跡が見えてきた。


さらに進むと、黒くて立派な門が出てきた。その名も黒門といい、かつて存在した白雲寺の門で、愛宕神社の門ではない。かつては神仏習合だった愛宕山の名残だという。


こちらが愛宕神社の門だ。


急な石段を登りきると、全国各地にある愛宕神社の総本宮に到着だ。


ここが愛宕山の山頂924mとなる。火伏・防火に霊験のあらたかな神社として知られ、京都の人にとっては信仰の厚い寺で「愛宕さん」の愛称で呼ばれ、年中参拝者の絶えない所である。「伊勢へ七度 熊野へ三度 愛宕さんへは月参り」と言われ、数千回も登っている人もいるという。


若宮、奥宮にも参拝してから、石段の下の広場まで下り、ランチ休憩をする。休憩場所からは、大文字山などの東山をはじめ京都市内が一望できる。

お腹が一杯になったところで、元来た道を一気に下山。往復4時間ちょっとの登山だったが、いささかペースが速すぎた。もう少しゆっくり山を楽しんでも良かったかもしれない。


参考1.愛宕山の高低図&コースタイム


参考2.愛宕山のコースマップ

2024東寺夜間拝観

2024-04-18 07:07:02 | 観光
明日香村周遊を終え、飛鳥駅から東寺駅まで移動する。駅を降りて、東寺まで歩いていくと、そろそろ日が暮れ始め、ライトアップが始まっていた。この日は、「夜の特別公開 東寺 夜桜ライトアップ(金堂、講堂夜間特別拝観)」の最終日となり、長い一日の最終イベントに突入だ。

特別拝観料を入り口で払い東寺の境内に入る。最終日というのに大賑わいで数珠つなぎに観光客が入っていく。ふとお濠を見るとライトアップされた鳥の置物が見えた。と、思ったら動いたので、本物のシラサギとわかった。


そして、お濠の先にはライトアップされた五重塔と水面に映る五重塔がダブルで見える。


さらに進むと、水面には桜の花弁で埋め尽くされ花筏となっている。


五重塔近くまで行くと、まだ残っていた桜とのコラボが見られた。


広場の周りは、不二桜や染井吉野・枝垂桜など約200本の桜の木がライトアップによって、金色やピンク、緑、黄、空の青とカラフルで幻想的な空間が広がっている。


やはり、五重塔をバックに記念写真を撮る。


黄金色に輝く五重塔。東寺の五重塔は54.8mと日本一の高さを誇る木造塔だ。


桜の花びらを通して撮影すると、完全に黄金の塔になる。


八重桜越しにも五重塔を撮る。


金堂および講堂の夜間特別拝観もして、帰路につく頃、最後に五重塔を眺めると夜の帳が一段と落ちて、さらに金色に浮き上がっているように見えた。


東寺からは、歩いて宿に向かい、遅い夕食を済ますと長い一日が終わった。

2024三輪山登拝&明日香村周遊

2024-04-17 18:49:32 | 観光
大和三山登山の翌日、町屋ゲストハウス三輪前で集合写真を撮る。三輪といえばソーメン発祥の地として有名だが、日本最古の神社の一つとして知られる大神(おおみわ)神社のある町でもあり、辺りは何もなく静かで厳かな雰囲気が漂う街並みが良かった。


町屋ゲストハウスのご夫婦に見送られて、大神神社に向かう。


大神神社の大鳥居が見えてきた。高さ32.2m、柱間23mの巨大な鳥居だ。大きさ的には、熊野本宮大社の旧社地・大斎原に建立された高さ34m、幅42mの鳥居が日本一だと思うが、それに負けず劣らずの大鳥居である。


しかし、我々は、昔からある一之鳥居から参道に向かう。大鳥居が出来たのは、1986年と新しく、かつて参詣者はこの鳥居をくぐって神社に参詣したのだという。


三輪山を正面に眺めながら、整備された参道を進む。


二ノ鳥居まで来た。


玉砂利が敷き詰められた参道をさらに進む。


大神神社に到着。『古事記』や『日本書紀』に記され、日本最古の神社の一つとされる古社。ご祭神の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が三輪山に鎮まることから、古代より本殿は設けず、拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山を拝する。境内は神気に包まれ、清々しい気持ちになる。縁結びや夫婦円満を願う女性も多く訪れるそうだ。


祈祷殿の前で参拝記念の集合写真。


大神神社から、薬草などが植えられた「くすり道」を通って奥へ進むと狭井神社(さいじんじゃ)がある。古くから病気平癒の神様として信仰され、拝殿の脇には、万病に効くといわれ薬水とも呼ばれる霊泉が湧き出る薬井戸があり、自由に飲むことができる。また、三輪山登拝をする人たちの入り口でもある。本来、ご神体と呼ばれる山は、勝手に入ることは許されていないが、狭井神社で受付を済ませ、注意事項を守ることで登拝をすることが出来るのだ。


ここから先は、登山やハイキングではなく、慎みと祈りの心を持ち、お参りを目的に登るという事で、撮影は禁止、山内のことは他言無用とされている。往復2時間程度の登拝であったが、山頂(467m)では、神秘的なパワーをいただいたような気分になった。

三輪山登拝を済ますと三輪駅まで歩き、電車で飛鳥駅まで移動する。


飛鳥駅前でレンタサイクルを借り、電動自転車で移動する。明日香村は坂が多いので電動自転車の方が移動しやすい。まずは高松塚壁画館前でお昼を済ませて高松塚古墳を見ていく。


高松塚壁画館では、古墳内の石室で発見された色彩鮮やかな西壁の女子群像の壁画が有名だが、それらの発見の様子や副葬品、棺のレプリカ等が展示されている。


明日香村では、自転車で移動する人が多く、サイクリング道が整備されている。


次に向かったのは、有名な亀石。カメのような石でかわいらしい巨石。亀石は現在南西を向いているが、西を向いた時、大和盆地は泥沼になるという言い伝えがある。


厩戸皇子(聖徳太子)生誕の地とされる橘寺の参道入り口。


石碑の横にポツンと咲く花桃がいい。


橘寺で拝観料を払って中に入る。


橘寺境内には、聖徳太子を乗せて全国を駆け巡ったと伝えられる「黒駒」の像が建っている。


橘寺の本堂のすぐ横にあるのは飛鳥時代の石造物といわれる二面石。高さが1メートルほどの石の左右に善相と悪相が彫られており、人の心の二面性を表現しているといわれている。こちらは悪相。


反対側に回ると善相だ。


飛鳥寺に行く途中に寄ったのは、酒船石。長方形に近い形の花崗岩でできており、平らに加工された表面には、円、隅丸方形、楕円の窪みが彫られ、それらを直線で溝が結ぶ不思議な模様がある。酒造りに用いたと伝わることからこの名が付いたが、用途はいまだにわかっていないという。


酒船石のすぐ近くにあるのが飛鳥寺だ。


609年、当代一流の仏師であった仏師・鞍作鳥(くらつくりのとり)によって造られた日本最古の仏像。寺の意向で自由に写真を撮ることが出来る。


次の目的地とした石舞台古墳まで頑張って自転車を走らせる。


ここに来るのはもう何度目かになるが、石舞台古墳の巨岩に圧倒される。


巨石の下には大きな空間が広がっているのも凄い。


最後に向かったのは、キトラ古墳。名前の由来は、中を覗くと亀と虎の壁画が見えたため「亀虎古墳」と呼ばれたという説、古墳の南側の地名「小字北浦」がなまって「キトラ」になったという説、またキトラ古墳が明日香村阿部山集落の北西方向にあるため四神のうち北をつかさどる亀(玄武)と西をつかさどる虎(白虎) から「亀虎」と呼ばれていたという説など、いろいろな説がある。石室の中で見つかった本格的天文図や四つの方位を守る神とされる四神や十二支の美しい絵などは、キトラ古墳壁画体験館四神の館で見ることが出来る。


この日は、午前中は山登り、午後はサイクリングといろいろ動き回ったが、さらに夜の予定があるので、飛鳥駅から京都に向かった。

参考1.三輪山の高低図&コースタイム


参考2.三輪山のコースマップ

2024大和三山登山

2024-04-16 17:55:23 | 山登り
大和三山とは、橿原市に位置する天香具山(あまのかぐやま)・畝傍山(うねびやま)・耳成山(みみなしやま)の三山をいう。奈良盆地中央にぽっかりと浮かぶように並んでいて、北に耳成山、東に天香久山、西に畝傍山がある。いずれも高さ200mにも満たない小さな山だが、姿が美しく、神話や伝説が豊富である。古代の人々は畝傍山を女性、他の2つの山を男性と考え、畝傍山をめぐって耳成山と天香久山が争ったという話が伝えられている。

先週末、大和八木駅をスタートして、近鉄の線路沿いに耳成山に向かって歩き出す。


耳成山の登山口に到着する。登山口には、耳成山にまつわる伝説などが書かれている。


10分もかからず、耳成山山頂140mに到着する。山名は、円錐形の美しい山容からで、余分なところがない=耳がないから転じたという由来がある。


山頂から少し下ったところにあるのは、耳成山口神社。


神社の中には、大和三山の絵が掲げられている。明日香村方面から見た絵で、3つの山が、盆地の中にぽっかり浮かんでいる様子が分かる。


神社を参拝した後、参道を歩いて下山する。


耳成山からは南に下り、天香具山方面に向かう。住宅地を抜けると広大な空き地が広がり、桜並木が見えてきた。


旗が出ているところで、わらび餅や団子を買い、桜の木の下でお花見休憩する。


北の方を眺めると、最初に登った耳成山が見える。


休憩した場所は、大和三山に囲まれ、日本で初めての本格的な都であった藤原京の藤原宮跡だ。


ここには、持統天皇が即位して8年目に藤原宮に遷都した年に詠まれた歌の歌碑が建てられている。「春過ぎて夏来るらし白栲の衣干したり天の香具山」は、実に有名な歌だ。


レンゲ畑も広がっている。


藤原宮跡から東方向に向かうと、天香具山の登山口だ。


歩き出して数分で天香具山山頂152mに到着する。山頂近くには、国常立神社(くにとこたちじんじゃ)がある。


山頂は、なだらかな丘のようになっていて、どこが山頂か分からないが、表記板が付けられている場所で集合写真を撮る。


お昼を過ぎていたので、山頂前の広場でランチ休憩する。


下山は別ルートで下る。麓には、天岩戸神社がある。


天岩戸神社の本殿はないのだが、注連縄で封印された先には4つの巨岩が横たわっている。日の神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)が隠れた天岩戸と言われる巨石がご神体だ。天岩戸は日本の各地にあり、それぞれの地域で信じられているのだろう。


天香具山からは西方向に向かい、畝傍御陵駅を通り抜け、神武天皇御陵に寄っていく。


大和地方を平定した初代天皇である神武天皇の墓。玉砂利を敷き詰められた参拝道をすすむと正面に鳥居があり、静かで荘厳な雰囲気の場所だ。


橿原神宮の境内に入り、若桜友苑を通って畝傍山の登山口に入る。


若桜友苑からのルートは岩場が多く急登だが、それほど危険な場所はなく、大和三山の中では一番登り概のある山だ。


30分もかからず畝傍山山頂199mに到着する。


下山は、緩やかなルートを選ぶ。このあたりもまだ桜が咲いていた。


畝傍山下山のあと、最後に寄ったのは、橿原神宮。御祭神に、第一代天皇の神武天皇と皇后を祀る、格式高い神社だ。畝傍山の麓に約53万㎡もの広大な神域をもち、豊かな緑に包まれた境内には清々しい空気が漂っている。大和三山登山の最後は“日本のはじまりの地”といわれる「橿原神宮」が締めくくりだ。


橿原神宮に祀られる神武天皇の一生が境内の中に描かれている。内容を読んでいくと、神武天皇は45歳の時、宮崎から瀬戸内海を抜け大阪難波に上陸。しかし生駒の豪族に行く手を阻まれ、そのまま南下し熊野に入った。そこで3本足の「八咫烏」に出会い導かれ、吉野の険しい山を越えて大和に入り、周辺の勢力を従え大和地方を平定した。これが神武東征だ。そして紀元前660年の1月1日(新暦2月11日)、橿原宮にて52歳で即位し、初代天皇となった。以降70年以上にわたる治世の後、古事記では137歳、日本書紀では127歳でお隠れになられたと記されていて、長命の天皇だったことを知る。


大和三山踏破を終え、橿原神宮駅から桜井駅まで移動。その後、三輪まで歩き、この日の宿となる町家ゲストハウス三輪に泊まる。三輪神社の麓に、木の香り漂う「檜風呂」を持つ非日常的な時間が流れているゲストハウスだ。


夕食が付いていないので、宿の紹介で隣にある焼鳥屋「鳥敏」で夕食をする。酒場放浪記で有名な吉田類さんもべた褒めのお店だった。


参考1.大和三山の高低図&コースタイム


参考2.大和三山のコースマップ

2024吉野山お花見ハイキング

2024-04-01 23:38:24 | 山登り
先週末、お花見を目的に奈良の吉野山を歩いてきた。吉野山とは、大峯連山の北の端から、南に約8kmつづく尾根一帯を指し、桜の名所として有名だ。谷や尾根を埋める桜は3万本ともいわれ、麓から下千本、中千本、上千本、奥千本と順に開花し、山を染めていく様子は見事である。また、2004年7月、吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が、ユネスコの世界遺産に認定された。吉野山は山全体が世界遺産として登録されており、吉野水分神社・金峯神社・金峯山寺・吉水神社などの世界遺産の建造物を徒歩で回れることも魅力である。

今回の参加者は、全部で10人。吉野駅に全員集まったところでスタートする。吉野駅前には、桜をイメージしたピンクのポストが立っている。


さすがに世界遺産で桜の名所という事で、駅前は既に多くの観光客で賑わっていた。


歩き出してすぐに、川沿いに桜が咲いていた。


七曲のあたりもほぼ満開になっている。


参道沿いには、ミツマタの花も満開だ。


金峯山寺の銅鳥居(かねのとりい)前まで来た。北向きに建つ鳥居型の門で、重要文化財に指定されている。大峯山上に詣でるまでの間にある四門の最初にあたり、発心門と称され、菩提心を起こすところとされている。


金峯山寺の本堂である蔵王堂。蔵王堂は、白鳳年間に役行者が創建されたと伝えられている。この辺りからは桜は咲いておらず、この日が開花日くらいの状態だった。


とりあえず、本堂にお参りして集合写真。


東南院の多宝塔と枝垂れ桜は絵になる。


庭が有名な竹林院。


お昼を過ぎた頃、お腹が空いてきたので、小高い丘の上でランチ休憩とする。本来なら、このあたりでも満開の桜を見ながら休憩できるはずだったが、3月後半が思ったより寒い日が続いたせいで、予想より桜の開花が遅れてしまったようだ。多少は咲いている木もあるので、これで良しとするしかない。


花矢倉展望台からは、眼下に上千本、中千本、蔵王堂を見下ろせ、金剛・葛城・二上山を遠望できる。桜はほとんど見えないが、景色がいい場所であることは間違いない。


吉野水分(みくまり)神社の入り口に着いた。


水の分配を司る天水分大神(あめのみくまりのおおかみ)を主祭神に玉依姫命(たまよりひめのみこと)以下6柱の神を祀る世界遺産の神社である。子守宮(こもりのみや)ともいい、子授け・安産・子どもの守護神として篤く信仰されているそうだ。


豊臣秀吉が子授け祈願をし、その子秀頼を授かったことから、現在の社殿はその申し子である秀頼が慶長9年(1604)年に再建したもので、桃山様式建築の三殿一棟の本殿・幣殿・拝殿・楼門・回廊は国の重要文化財に指定された美しい建築だ。


急登を上りきると高城山の山頂702mだ。奈古くは万葉集にも歌われている山で、鎌倉時代末期の元弘の乱の際には、後醍醐天皇の子供の大塔宮護良親王の詰城となったとされている。


金峯神社の坂下にある修行門。ここからは、本当に修行のような急坂が続く。


金峯神社の裏手に回ると、金峯山寺の僧兵の山狩りから逃れるため、源義経が身を隠したと伝えられている義経隠れ塔がある。追手に囲まれた義経が屋根を蹴破って逃げたと伝えられていることから「蹴抜の塔」(けのけのとう)とも呼ばれている。


さらに山を登っていくと、青根ヶ峰との分岐点に女人結界の石柱がある。「大峯奥駈道」へと続く修行の道だ。これより右方向へは女性は入ることが出来ない。


左側の分岐から青根ヶ峰858mに登る。吉野山の最高峰だ。


吉野水分神社の下まで戻り、近畿自然歩道の分岐から宮滝方面に下っていく。


宮滝への自然歩道は、吉野山の賑やかな風景とは打って変わり、静かな自然の中を進む。森の中の渓流沿いに歩けるのが、またいい感じだ。


谷あいには美しい滝も見える。


象(きさ)の小川の清らかな流れと鮮やかな朱塗りの社殿が印象的な桜木神社。


標高が少なくなってきたので、この辺りは桜を再び見られる。


宮滝に着いた。吉野川の上流にあり、巨岩奇岩が両岸に迫り、瀬と淵が交錯する景勝地であり、天武天皇・持統天皇がしばしば訪れた吉野離宮の跡と推定されている。


宮滝は、飛び込みの有名スポットだったそうだが、死亡者が続出したため現在は禁止になっているらしい。橋の欄干には柵が張られ、欄干から乗り出せないようになっている。


宮滝のバス停でコミュニティーバスに乗って大和上市駅まで行き、近鉄線、JRを乗り継いで帰路についた。満開の桜は残念ながら見ることが出来なかったが、世界遺産の吉野山と宮滝への自然歩道も歩き、思いのほか変化のある楽しい山歩きとなった。

参考1.吉野山の高低図&コースタイム


参考2.吉野山のコースマップ