とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2020竜爪山

2020-05-25 23:39:18 | 山登り
県内の緊急事態宣言が解除されたこともあって、久しぶりに県内の山友を誘って静岡市の竜爪山に登ることにした。竜爪山は、1000mクラスの低山として家族連れや中高年の初心者にも愛されている山だ。平山の旧登山口に着いたのは、9時を回っていた。休日で天気がいい日だったので、駐車場が込んでいないか心配だったが、案の定、上から下まで駐車場は満杯だったが、ぎりぎり下の方の路肩の空きスペースに車を止めることが出来た。


5分ほど歩くと、登山口手前にある水場だ。登山口に冷たくて美味しい水が出ているのは嬉しい。


鳥居をくぐると、平山旧登山口だ。車道を少し上がると新登山口があるが、今回は旧登山口から登る。


登山口には、「従是竜爪山拝殿迄三十六丁」と書かれた標柱が建っている。1丁=約109.09mだというので、拝殿までは3.9キロほどあるという事になる。登山道には、1丁ごとに石柱が建っているので、歩くことの目安になる。


しばらくは、沢沿いの道を進む。


途中で「肝冷やしの滝」の矢印があったので、どれだけ肝が冷やされるか気になって分岐道を下っていく。滝つぼ近くまで下りていくと、道がなくなってしまい、適当な所で引き返す。確かに滝壺まで行くと肝が冷えてしまっただろう。


「肝冷やしの滝」から引き返し、元の登山道に戻り先に進む。


10:43。穂積神社に到着する。竜爪山は古くから山岳信仰の場であり江戸時代までは、神仏習合の龍爪権現様として信仰されていたが、明治政府の神佛分離令により神道の穂積神社に改宗させられた。武運長久、弾除けの守り神として知られ、祭神は、大己貴命(オオナムチノミコト)、少彦名命(スクナヒコナノミコト)だ。


穂積神社の境内には竜穴と呼ばれるパワースポットがある。円の中心にプレートがあり、その上に立って右回りに7回回ればパワーがもらえるそうだ。


神社の裏手にある夫婦杉。


夫婦杉の先に進み、薬師岳方面に向かう。


薬師岳に向かうには、途中から鉄板の急階段が恐ろしく長く続く。見るからに嫌になりそうな階段だ。同行したKちゃんが、この階段は嫌いなので普通の登山道で行こうというので、階段の前を通り過ぎてつづら折りの登山道を登っていく。ただ、階段方向にしか薬師岳の案内が出ていないので、知らない人は階段を上っていくしかない。案内表示が不親切だ。




鉄階段が終わったところで登山道が合流し、海抜1000m地点を通過する。ここまでこれば薬師岳は近い。


11:37。薬師岳1051mに到着する。竜爪山の最高峰だが、展望はなく休憩しないで文殊岳に向かう


11:51。文殊岳1041mに到着する。


文珠岳には文珠菩薩が祀られ一等三角点がある。広場から、眼下の静岡市街や駿河湾を隔てた伊豆の山々の眺めがすばらしい。展望を楽しみながら、文殊岳でゆっくり昼食休憩をする。


下山は、旧登山口に戻るつもりで登山道を探していったのだが、牛妻方面の案内表示しかなく、しばらく東海自然歩道を下ってしまう。どう見てもおかしいので、再び文殊岳に戻り、旧登山道への下山道を探すと、山頂から真っすぐ下ったところに道が続いていた。ここにも案内表示は全くなく、登山者には通ってほしくないという意図が感じられた。


道は間違いないことが分かったが、とんでもない下山道だった。直登ルートと名前が付けられており、ロープがなければ降りられないような場所ばかりで急な下りが続いている。


鉄塔の下に出た。


鉄塔からも、日本平や静岡市内、駿河湾などの展望が素晴らしい。


13:49。道白山724mに到着する。こんな名前の山があることは知らなかった。


さらに下山して行く途中で、前方に黒い物体が見えた。一瞬、熊が座っているように見えてギョッとしたが、切株が影になって黒く見えただけだと分かりホッとする。


その後も、急勾配の道を下っていく。


旧登山道の入り口近くの分岐まで下りた。「来た時よりも美しく」という看板はあったが、直登ルートとも文殊岳とも何も書いてない。竜爪山は、たくさんルートがあるのに案内表示が全く不親切だ。とにかく、予定したルートで下山できて良かった。


無事、車に戻り、帰り道にある平山温泉に立ち寄る。昭和33年に開館したそうで、別名「御殿乳母の湯(ごてんうばのゆ)」といい、戦国時代に駿河、遠江、三河に君臨していた今川氏ゆかりの秘湯だ。駿府城の殿様に仕えた身分の高い乳母が湯治に訪れていたことから名付けられたという。


温泉の駐車場から、急坂を下る。


「龍泉荘」という名前の古い湯治宿だ。現在は、日帰り温泉だけで営業しているそうだ。浴室には内風呂が一つしかないが、1つの湯船で3種類の温度が楽しめるようになっている。川の流れを見ながら、いつまでも湯船につかっていたくなるような昭和の雰囲気満載のレトロな温泉だった。


参考1.竜爪山のコースマップ(登山アプリを止めるのを忘れてしまったので、本当のゴールは、スタートと同じ場所になる)


参考2.竜爪山の高低図とコースタイム

2020岩岳山:後半

2020-05-19 22:11:55 | 山登り
岩岳神社から岩岳山に向かう。山頂への登山道は、両側が切り立った断崖の個所もあったりして慎重に進む。


こちらからもシロヤシオとミツバツツジが咲いているのが見える。


12:28。岩岳山山頂1369.6mに到着する。ここまでに出会った登山者は1名だけ。山頂では、誰にも出会うことなく、休憩所を独り占めして昼食休憩する。


入出山に向かって下山開始する。このルートも、急勾配が続くので木に掴まっていかないと滑り落ちそうになる。


片側が大量に土砂崩れを起こしている崩落地。かなり下まで崩落している。




入出山を直前にして、いきなり道をロストしてしまう。山頂を目前にしながら赤テープの目印が見つからない。うろうろする事約15分。結局間違えた場所まで戻り仕切り直しだ。遭難するってのはこんな時なんだろうとしばし不安になったが、登山アプリで現在位置を確認できたので、無事正規のルートに戻ることが出来た。

13:40。入出山1212mに到着する。この標識を見ることが出来て、ホントにホッとした。


13:59。その後は、赤テープを見失うことなく、キマタ山1208mにも到着する。


最後の岩場も通り過ぎれば、あとはそれほど難しくない。


14:47。急勾配の登山道が終わり、やっと木材運搬用の林道まで出る。


林道の脇の木に登山道の詳細な地図が貼ってあった。ここで林道を真っすぐ行ってしまう登山者が多いらしい。地図はまだ新しく、わかりやすく記載されているので、登山者にとってはとてもありがたい。駐車場まで20分くらいと書いてあるのも嬉しい。さっそく林道の脇から再び登山道に入る。


高圧鉄塔の下を通り抜ける。


水道施設が見えてきた。


水道施設の脇を下っていくと、朝通った小俣林道にぶつかる。


小俣林道を進む。


15:06。無事駐車場に到着する。コースタイムは6時間10分。休憩を覗いた実質歩行時間は5時間半ほどだった。


参考1.岩岳山のコースマップ


参考2.岩岳山の高低図とコースタイム

2020岩岳山:前半

2020-05-18 21:54:32 | 山登り
春野町の岩岳山を登ってきた。4月末にアカヤシオを見に行こうと思っていたが、緊急事態宣言真っただ中だったという事もあり、この時は登山自粛としたのだが、先日急に解除されたこともあり、シロヤシオを見たくなって天気のいい日を狙って行くことにした。

朝から好天気となり、絶好の登山日和になった。8:50。家から1時間半ほどで、登山口に到着する。やはり駐車している車は少なく3台しかなかった。


駐車場を出たところには、往復7時間かかるとの看板がある。もう何度も登っている山なので、7時間はかからないだろうと気にせず進んで行く。


5分ほど歩くと、車止めのゲートがあり、その脇を抜けて進む。大昔は、このゲートはなくてさらに3.5キロほど先まで車で行けたのだが、今はこの小俣林道を50分ほど歩かなければならない。


林道から仰ぎ見る山の新緑がきれいだ。




9:52。3.5キロ歩いて小俣林道の終点まで来た。大昔はここまで車で来られたのだ。


大昔の車止めのゲートの脇を抜けて、林道を進む。


5分ほどで、林道脇から沢に下っていく。

沢に架かる木橋を渡る。


反対岸に着くと、いよいよ本格的な険しい登山道が始まる。


登山道が荒れている個所があり、倒木を乗り越えて進む。


小さな滝の前を通り過ぎる。


ロープで通行止めになっている場所に出た。まさか、ここから行けないのかと一瞬不安になったが、よく見ると右側に迂回路が続いていた。




そこからは、延々とジグザグ道を登っていく。30分以上歩くと、荷小屋峠に到着する。


荷小屋峠にはテーブルとベンチがあり、しばらく休憩だ。木立の中をずっと歩いてきたとはいえ、暑くて汗が止まらない。


荷小屋峠から上の尾根は、岩岳山アカヤシオ・シロヤシオ植物群落保護林に設定されている。岩岳山から竜馬岳稜線の西南部は、推定樹齢100年以上のアカヤシオ、シロヤシオの群生地で、特にアカヤシオの自生地の規模の大きさにおいては他に類が少なく、学術上貴重な場所だ。毎年、4月下旬はアカヤシオ、5月中旬はシロヤシオが見頃となる。今回の山行は、シロヤシオを見られるかが一番の楽しみだった。しばらくは、地面に花びらが大量におちていてもう終わってしまっていたのかと心配していたが、標高が上がるにつれてシロヤシオが咲いているのが見えてきてホッとした。




シロヤシオの枝先に5枚の葉が輪生状に付くことから、別名としてゴヨウツツジ(五葉躑躅)とも呼ばれる。また、純白で清楚な花びらであることから、敬宮愛子内親王のお印としてシロヤシオの花が用いられているという。




所々で咲いているミツバツツジのピンクも、山の斜面に彩を添えている。


頂上付近の尾根筋は見事に咲き誇っている。白い花びらが鈴なりだ。




山頂と岩岳神社との分岐に出る。まずは、左側に曲がり岩岳神社に向かう。


12:03。岩岳神社に到着する。岩岳神社からさらに奥の竜馬ヶ岳にも行けるが、往復2時間くらいかかってしまうので、岩岳神社から引き返して岩岳山に向かう。


「2020岩岳山:後半」に続く。

2020竜ヶ石山(りゅうがしやま)

2020-05-15 22:06:13 | 山登り
三岳神社から15分ほど車を走らせると、鍾乳洞のある竜ヶ岩洞に着く。ここもコロナ禍で営業中止中であったが、駐車場は開放されており、竜ヶ石山ハイキングコースの看板も建っている。


ハイキングコースの案内看板は要所要所に建っているので、迷わず進んで行く。


山の新緑がきれいだ。


曲がりくねった山道を進んで行くと、竜ヶ石山・峠の登山口への分岐に出た。


これまでは舗装道路であったが、分岐から本格的な登山道になる。山頂までは、30分となっていた。入り口にお札がつり下げられていたので、入ってはいけないという意味なのか心配してしまったが、立て札にオートバイでの侵入を禁ずる旨が書かれていただけだったので、人はいいんだなと納得して進んで行く。


しばらく進むと、石灰岩がやたらと並んでいる場所に出た。これは、条溝カレンと呼ばれる石灰岩だ。雨水によって溶かされたできた溝状の筋をカレンというらしい。


条溝カレンの石灰岩が大量に地上に出ているのは、結構珍しい。


中でも鬼の洗濯岩と名付けられた岩は、まさに鬼が洗濯に使っていたと言えそうな雰囲気がある。


このような地形をカレンフェルトといい、石灰岩地帯特有のカルスト地形の一つである。通常見られるカレンは溝が上下に刻まれているが、竜ヶ石山のカレンフェルトは水平に溝が並んでいるのが特徴だという。




峠の登山口からは、30分どころか10分少々で到着してしまった。竜ヶ石山の標高は、359.1mで“さんごくいち”と覚えやすい。


南側斜面は開けていて、浜松市内の展望が素晴らしい。浜松一の高層ビル「アクトタワー」もはっきり見える。


東側には、富士見台と名付けられた台(パレットを数段積んだだけ)があり、そこから富士山が見えるらしいが、この日は霞んではっきり見えなかった。


山頂で30分ほど昼食休憩をして、反対側の尾根に向かう。山頂から25mほどの場所にあるのが「竜の爪岩」だ。竜ヶ石山の名前の由来となった大岩で、岩の先端に竜が飛び立つときに刻まれたと伝わる爪跡状の溝がみられる。




その後、さらに尾根道を下っていくと、突然視界が開け、一面に水を湛えた棚田が広がっていた。


ここは、「白橿(しらかし)の棚田」といい、1960年代~1990年代に耕作放棄され、約50枚の棚田は雑木や雑草が生い茂りジャングルのような状態だったが、平成19年から地域おこしで38枚の棚田が復田されたという。現在は、地域の絆を象徴する貴重な遺産である。


棚田からさらに下っていくと、駐車場がある竜ヶ岩洞が見えてきた。竜ヶ岩洞は、1981年、2人の洞窟愛好家によって手掘りで洞窟内を拡げる作業を開始され、2年半後の1983年10月に、全洞が一般公開された。東海地方最大規模の竜ヶ岩洞は、総延長1,000mに及ぶが、一般公開されているのはその1部の400mだけである。夏はひんやりして涼しく、何度も訪れたことがある鍾乳洞だ。


駐車場には、13時前に到着する。歩行時間は、約2時間。1日2座の山行とはいえ、物足らなさはあるもののこれで良しとして帰ることにした。

参考1.竜ヶ石山のコースマップ


参考2.竜ヶ石山の高低図とコースタイム

2020三岳山&立須

2020-05-14 22:41:01 | 山登り
コロナ禍で、近頃は近場の低山を登るようにしている。今日も天気がいいので、思いついて引佐の三岳山に行ってみることにした。登山口は、引佐総合運動公園から行くコースもあるのだが、公園入口が閉鎖されており、その先に行けなかったので、三岳神社まで車で一気に行ってしまう。1台も車は止まってはいないだろうと思っていたが、すでに先客がいたようだ。


駐車場から階段を上ると、三岳神社だ。境内は、三岳城があった当時の三の城(出丸)のあった場所にある。三岳城は、井伊氏によって築城された南北朝時代の南朝側の拠点だ。


三岳神社で参拝した後、少し西に進むと三岳城跡山頂方面の看板があり、それに従って歩いていく。


登山道はよく整備されており、案内看板も所々にあって迷う事はない。しばらく進むと、シャガの花の群落が見えてきた。時期的にはもう終わっていてもおかしくないのだが、意外と数多く咲いていた。




5分ほど歩くと、結構険しい登りになってきた。朝一での登山開始で、まだ体が目覚めていないせいか、登りがきつかった。


歩き出して15分もかからずに三岳山(三岳城跡)467.2mに到着する。


三岳山からの展望は素晴らしい。北区直虎ビューポイントとして、こちらも富幕山同様2020年2月に指定されたようだ。


こちらは奥浜名湖方面。


こちらは新東名浜松SA方面だ。


三岳山山頂は、三岳城の一の城本丸があった場所だ。


三岳山から、元来た道を下ると三岳神社と二の城跡の分岐があり、二の城まで足を延ばす。


二の城跡は、多少広くなっているものの、周りは木立に覆われ展望は全くなかった。


三岳神社まで下り、さらに石段を下っていくと、鳥居が出てきた。この道が本来の参道であろう。


鳥居をくぐって車道から眺めた様子。歩き始めてまだ1時間も経っていない。これでは歩き足りないので、もう一つのお目当てである立須まで向かう。


鳥居前から車道を歩き、立須・滝沢展望台方面に向かう。


しばらく進むと、大きな風力発電の風車が見えてきた。


そして、立須の入り口の分岐があり、立須方面に向かう。


何の変哲もない登山道を10分ほど進むと、木立の間から巨大な岩峰が突然見えてきた。


この石灰岩の岩峰が立須だ。山頂部に露出した石灰岩が長期にわたり風雨によって浸食されてできたオブジェである。尖った岩が露出しており転ばないよう足元に十分気を付けて登らないといけないが、近場の低山でこんなところがあるとは思いもよらなかった。


たまたま降りてきた女性登山者に写真を撮ってもらう。


立須の先端まで行ってみる。その先は、断崖絶壁だが、素晴らしい景色が堪能できる。


立須では、石の先端が尖っているので腰を下ろすのは止めた方がいい。まさにゴジラの背中のようだ。


立須からの展望を堪能した後、再び三岳神社の駐車場に戻る。所要時間1時間半ほどで、時間は、まだ10時半前だ。これでは物足らないので、さらに近くの竜ヶ石山まで行くことにした。

参考1.三岳山&立須のコースマップ


参考2.三岳山&立須の高低図とコースタイム


「2020竜ヶ石山」に続く。

2020富幕山(とんまくやま)

2020-05-09 21:37:44 | 山登り
大型連休の後半、天気が良かったので奥浜名湖の富幕山に登ってきた。コロナ禍で遠出するのも控えて近場の低山ハイクで気分転換しようと夫婦で出かけた。富幕山の登山ルートはいくつかあるが、いちばん一般的な奥山コースで行くことにした。ただ、最短ルートで行くとなると往復2時間で下山してしまうので、もう少し長めに歩ける方広寺奥山無料駐車場からのルートで行くことにした。近くには、有名な大あんまきの店もある。


例年であれば、無料駐車場には多くの車が止まっていたはずだが、この日はガラガラだった。多分ここから富幕山まで歩いていく人は、ほとんどいないだろう。


しばらくは、門前町の通りの舗装道路を歩き、徐々に高度を稼いでいく。方広寺の横を通り過ぎ、キジ亭も過ぎてさらに上に歩いていくと、カナメ神宮の看板が見えてきた。初めて知った名前だったので、どんな神宮だろうかと寄り道していくことにした。

中に入ってみると、コンクリートの鳥居があり、その奥が祭殿のようだが、ロープが張ってあり、先に入って行けないようになっている。何故だろうと思っていたが、ちょうど関係者の人が出てきて、カナメ神宮の謂れなどを教えてくれた。なんでも、御神刀により不運な悩み等の原因である悪因縁を断ち切り、神様の力と仏の慈悲の力で霊魂を救い災いを無くすという。御祈祷・祈願・供養の他、霊感運命透視による運命鑑定や相談を承っているらしい。ちょっと普通の神社とは趣が違うようだ。鳥居の先は、神の領域という事で、入ってはいけないという。


カナメ神宮が一番賑わうのは、3月中旬から4月上旬にかけてだという。敷地内の桜と枝垂れ花桃が咲き乱れ、桃源郷のような景色が見られるそうだ。この日は、桜も花桃も終わってしまっていたが、来年は、花の時期にぜひ来てみたいと思った。お花見の隠れた穴場ということで、ちょっと得した気分になった。新東名からも、カナメ神宮の大きな看板が見えるようだ。


駐車場から1時間ほどで奥山高原に到着する。ここもコロナ禍で休業中だ。


奥山高原から5分ほど歩くと、富幕山の登山口だ。ほとんどの人は、ここまで車で来て山頂まで往復して帰ってくる。


登山道は整備されており、子供や老人でも安全に歩くことが出来る。かなり昔に子供を連れて登ったことがあるはずだが、どんな道だったかは全く覚えていない。


登山口から30分ほどで、イノシシ(コンクリート製)のいる展望台に到着する。




展望台の上に登ってみると、三岳山や竜ヶ石山が見える。空気が澄んでいれば富士山も見えるらしいが、春霞で富士山までは見えなかった。


11:16。富幕山山頂563mに到着する。


富幕山にも展望台が設置されており、展望が良い。


展望台には、北区直虎ビューポイントの看板が掛かっていた。2020年2月19日指定とあり、まだ指定されたばかりだ。


ビューポイントというだけあって奥浜名湖の景色が良く見える。


富幕山山頂で昼食休憩をしてから、電波塔の横から陣座峠方向に向かう。ほとんどの人は富幕山山頂からは、元来た道を戻って下りてしまうが、我々は物足らないので大回りして帰ることにした。陣座峠へのルートは、木々に囲まれて展望はまったくなく、静かな山歩きを楽しむならうってつけだ。


富幕山山頂から30分ほどで陣座峠の広い駐車スペースに出る。


陣座峠からさらに林道を30分ほど歩くと、朝登り始めた富幕山登山口の駐車場に到着する。


我々の車は、まだまだ先に止めてあるので、奥山高原を経てさらに舗装道路を下っていく。キジ亭手前の分岐から、方広寺三重塔方面に向かう。


方広寺三重塔は、京都の篤志家山口玄洞氏が寄付し、建立したものだ。山口氏は、大阪でラシャ問屋を営み、第二次世界大戦中に財を成した。その後、山口氏は好景気のうちに商売を手控えたことが功を奏して、終戦と共にあちこちで倒産が相次ぐ中、倒産の難をまぬがれ、その後も社業が発展したという事から、この三重塔は、「倒産よけの塔」として、全国の財界人がよくお参りにくる場所になったという。


三重塔から方広寺本堂を眺める。奥深い山の中にあるお寺だというのがよくわかる。


下まで降りてくると、赤い屋根付きの橋が見える。「亀背橋(きはいきょう)」だ。亀背とは、亀の背のように湾曲した形のことで、境内の渓谷を跨ぐ屋根の付いた赤いアーチ橋の形を「亀背」に例えて付けられた。


亀背橋を渡ってみる。秋は、亀背橋と紅葉が映えて素敵な情景となるそうだ。


本堂の横を通り過ぎる。内部の拝観は、コロナ禍で拝観中止となっている。


方広寺の境内には「五百羅漢」と呼ばれる石像が点在している。釈迦入滅後、教典編纂の第一結集(けつじゅう)、第四結集に500名の仏弟子達が集まったことに由来する。




山門を出ると門前町だ。


門前町の入り口の石像には、マスクが付けられていた。時節柄、こんなところにも気を遣っているようだ。


13:57。駐車場に到着する。歩行時間は4時間ほどと、手軽な低山ハイクを楽しむことが出来た。

参考1.富幕山のコースマップ


参考2.富幕山の高低図とコースタイム