とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2021雨飾山

2021-10-19 19:19:44 | 山登り
先週末、20年ぶりに雨飾山に登ってきた。今年から、紅葉シーズンの登山口への道路が週末だけ規制されるようになったらしく、前の夜のうちに雨飾高原キャンプ場の駐車場に入り、車中泊して翌日の登山に備えた。

早朝6時過ぎで既に駐車場は満車状態だ。これ以降に来る車は、下の方で通行止めとなり、登山口まで来ることはできなかったはずだ。


6時半。入り口で登山届を提出して出発する。


しばらくは、緩やかな登山道を進み、豊かな森の雰囲気を味わっていく。




その後、急登となり、キツイ登りが続くと思っていた頃、急に下り始めると沢の音が聞こえてきた。荒菅沢という沢を渡渉する。


荒菅沢を越えると、一段と急登になってくる。


岩場が多くなってきて、ガスも一段と深くなってきた。上から降りてきた人たちから、山頂は風がものすごく強くて、雨も降っていると脅かされたので、カッパを着こんで進む。


9:30。強風の中、雨飾山の石仏のある南峰に到着する。雨は降っていないが、あまりの強風に立っているのもつらい。


南峰の先には、うっすらと人影が見える。最高点の北峰だ。南峰を早々に引き上げ、北峰に到着する。標高1963mの雨飾山山頂である。


山頂の茂みの陰で風をよけながら早めの昼食をとる。そのうち、ガスが少し晴れてくると、南峰がうっすら見えてきた。


時折ガスが晴れて青空がわずかに見える時もあったが、山頂でのランチもそこそこにして下山を開始する。強風を避けるように笹原を歩く。


雨飾山の山頂直下の笹平の登山道は、山頂から見ると女性の横顔に見えるという。所謂、“雨飾山の女神”と言われている景色だ。今回は、是非女神さまに出会いたいものだと楽しみに登ったのだが、残念ながらその願いはかなわなかった。ガスが晴れていたら、こんな景色が見られるらしい。


笹原が終わると再び急勾配の道となる。


下山だけでなく、これから登る人もいて、百名山だけあって人気の山だ。


時折、陽が射すようになり、登る時には気づかなかった紅葉に染まる山肌が良く見えるようになってきた。


下の方には、登山口の駐車場も見える。


紅葉を入れて、記念撮影。


周囲の山並みもよく見えてきた。


荒菅沢奥壁の岩壁「布団菱」を彩る紅葉が素晴らしい。


帰りは、沿道の紅葉をじっくり楽しみながら歩いて行ける。


標高が下がるにつれて、風もなくなり気温も高くなってきてカッパを脱ぐ。もう汗ばむほどだ。


13時過ぎ、登山口に到着する。いつの間にか、好天になっていた。往復7時間ほどの日帰り登山だったが、雨には降られず、思ったより好条件で登山できたのは良かった。当初は、後半から雨に降られる予想でいたので、まさに女神さまに守られたのかもしれない。


駐車場から少し下ると雨飾荘という温泉宿があるが、そこから徒歩3分で、ブナ原生林のなかの野趣あふれる森の中の露天風呂がある。男女別々の露天風呂で、源泉かけ流しの解放感満点の岩風呂だ。少し熱めだが、ゆっくり浸かっていると登山の疲れがどんどん癒されていった。


参考1.雨飾山の高低図&コースタイム


参考2.雨飾山のコースマップ

2021東北紅葉登山ツアー:3日目五葉山

2021-10-13 19:30:47 | 山登り
2泊目の宿は、焼石クアパーク・ひめかゆ。ここは焼石岳登山の拠点となる宿だったが、日程の関係で焼石岳登山は時間がかかるので、今回は登山を断念して、五葉山に向かう。


五葉山は、日本三百名山に選定されている。岩手県の釜石市、大船渡市、住田町の2市1町にまたがる準平原地形の山だ。藩政時代には、伊達藩直轄の山で、ヒノキなどの林産資源が豊富で藩にとって重要な山であったことから「御用山」と呼ばれ、それが後に五葉松になぞらえ、「五葉山」と呼ぶようになったという。

10時過ぎ、曲がりくねった山道を進むと、赤坂峠登山口に到着する。山岳宗教の霊山とも称されており、登山口には鳥居も建っている。


しばらくは緩やかな登山道を進んで行く。前方には小さい子供連れの登山者も歩いている。


快晴の天気となり、山並みがくっきり見え、ダム湖も見えている。


11時過ぎ、賽の河原に到着する。石がゴロゴロしており、石を積み上げた塔も見られる。まさしく賽の河原だ。


さらに10分ほどで畳石に到着する。細長い直方体の巨大な石だ。近くには、ベンチなどが設置され、登山者の休憩ポイントだ。


畳石の前にある鳥居を潜っていくと本格的な登山道となる。


中腹付近から上はダケカンバ・ミズナラ・ヒノキアスナロ・ゴヨウマツ・コメツガなどの木々に覆われており自然な森の表情を楽しむことができる。


7合目通過。


お地蔵様を祀った小さなお堂。


8合目も通過。


ダケカンバの森が美しい。


ナナカマドの葉がだいぶ落ちてしまっているが、赤い実はまだ残っている。


ほどなくして“石楠花荘”と名前が付いた山小屋に到着する。


石楠花荘は無人の避難小屋だが、まだできて新しいようで、中はきれいに管理されており快適そうな山小屋だ。近くには水場やトイレもあり、宿泊するのも楽しそうだ。




石楠花荘からさらに進み山頂を目指す。ゴロゴロとした岩とハイマツだらけの平原だ。


東側には入り組んだ地形の三陸海岸も見える。


12:40.五葉山1341mに到着する。ただ、あとで調べたところ、三角点より先にある巨岩のピークが1351mで五葉山の最高点であったらしい。ちょっと心のこりが出来てしまった。


大きな岩の上に立つと、三陸海岸の様子がよく見える。釜石市方面だろうか?この辺りは、津波の被害が大きかった場所なのだろう。


山頂から少し戻ったところには、延暦20 (810) 年に創建されたという五葉山日枝神社があり、 天照大神など5柱の神々が祀られている。




日枝神社の西側にも、なだらかな稜線が続いており、身持ち良さそうな山並みだ。


日枝神社から石楠花荘に下っていく。この辺りは、例年7月上旬ころには、豪華に咲き誇るシャクナゲの群落が広がるそうだ。田中澄江の「花の百名山」にも選定され、五葉山はシャクナゲの花が選ばれている。


石楠花荘前の広場に到着する。この辺りで休憩する人が多い。


14:30。赤坂峠登山口に無事到着する。


登山口駐車場には、まだまだ多くの車が止まっていた。


その後、一ノ関駅まで戻り、レンタカーを返して帰路についた。五葉山は、地元の人以外にはあまり知られていないようだが、歩きやすくて展望が良く、季節によっては石楠花やツツジの花も群生するいい山だった。

参考1.五葉山の高低図&コースタイム


参考2.五葉山のコースマップ

2021東北紅葉登山ツアー:2日目須川高原温泉&栗駒山

2021-10-12 22:12:08 | 山登り
1日目が雨で登山できるような状況ではなかったので、2日目に栗駒山に登る事にした。ただ、雨は止んでいるものの山はガスで覆われ展望は全くない。次第に天気は回復傾向にあるので、慌てて山に登るより、折角泊まった須川高原温泉を楽しもうという事で、10時くらいまで大露天風呂と蒸し風呂に入って時間をつぶすことにした。

まず朝一で入ったのが、大露天風呂の「大日湯」だ。フロントのある建物からほど近い場所にある。30~50人ほど入れる大きさの浴槽に、濃厚な源泉がたっぷり。木塀を隔てて男女に分かれており、女湯の正面には、大迫力の奇石「大日岩」が鎮座している。夜はライトアップするそうだ。泉質は日本でもまれな強酸性のみょうばん緑ばん泉で、エメラルドグリーンの湯である。傷の治療や腰痛などの効果がかなりありそうな感じがした。


露天風呂の外にも、露天風呂から溢れた源泉が豪快に流れ出している。


朝食の後、須川高原温泉の隠れた名物の天然蒸気ふかし湯「おいらん風呂」に入る事にした。受付で、ゴザとビニルシートを借りて、宿の裏手から100メートルほど登った先にある小さな木造の小屋に向かう。


栗駒山への登山道の途中にある小屋が、隠れた名物の蒸し風呂こと「おいらん風呂」だ。なんで“おいらん”という名前が付くかは定かではない。


小屋は、4つの仕切りに分かれ、一度に4人入ることが可能だ。仕切りの真ん中には、レンガが置かれている。


レンガを取ると小さな穴があり、そこから蒸気が出てくる。ゴザの中心を穴に合わせて、人工芝の上にかぶせる。あとは、人体の中心であるヘソの裏側を湯口の上部に当て、膝を垂直に立てて全身をビニルシートで包み、蒸気を逃がさないように身体を温める。しばらくすると、全身が源泉の蒸気に包まれ、蒸し風呂状態になり、とても気持ちがよくなる。


須川高原温泉には、他に大浴場「須川の湯」や霊泉と呼ばれる45℃の高温浴を楽しめる風呂があり、いろんなタイプの湯を楽しむことが出来る。

10時過ぎ、そろそろ山に登ろうという事で、登山の服に着替え登山道に入る。登山口近くにも紅葉が降りてきており、黄色や赤が目立つ。


登山口でも十分紅葉が楽しめる。


名残ヶ原の木道を進む。


苔花台から見た登山道。この辺りは、黄色が主体だ。


白いガスに包まれてはいるが、十分見ごたえがある景色だ。


自然観察路分岐から産沼コースに向かう。須川コースは、昭和湖付近の火山ガス(硫化水素)濃度が高く危険であるため通行禁止になっている。しばらく進むと、三途の川に出る。


産沼に到着する。白いガスに包まれ幻想的な風景だ。


次第に赤やオレンジが目に付くようになってきた。


12:40。栗駒山1627mに到着する。展望は全く効かないが、山頂周辺は大勢の登山客で一杯だった。


山頂でランチ休憩をした後、元来た道を下山して行く。少しガスが晴れてきて、山肌の紅葉が良く見えてきた。


期待通り、素晴らしい紅葉の景色が広がっている。下山時の方が写真を撮るのに忙しい。




産沼まで下りてきた。行きの時よりガスがなくなり沼がすっきり見える。


苔花台近くまで来る。行きは気付かなかったが、目の前も素晴らしい景色だ。


苔花台を通過。


名残ヶ原まで来ると陽が射してきた。




目の前の岩山の斜面からは、所々から火山性ガスが噴出しているのが見える。


須川高原温泉の建物が見えてきた。左側に見える大きな岩山は、大露天風呂の前にある大日岩である。


源泉の川を越えれば登山口に到着だ。


無事、栗駒山から下山してレンタカーのある駐車場に戻る。この頃には、すでにいい天気になっていた。その後、焼石岳登山口近くにある宿に向かった

参考1.栗駒山の高低図&コースタイム


参考2.栗駒山のコースマップ


「2021東北紅葉登山ツアー:3日目五葉山」に続く。

2021東北紅葉登山ツアー:1日目栗駒山麓ジオパークビジターセンター

2021-10-11 22:53:55 | 観光
栂海新道から帰ってからしばらくして、東北の紅葉を見に行きたくて再び山旅に出た。予定したのは栗駒山、焼石岳、五葉山だ。中でも栗駒山は2年前に登ったが、その紅葉の素晴らしさに魅せられて二回目になってしまった。

1日目は、一ノ関駅でレンタカーを借りて、須川高原温泉口から栗駒山に登る計画であったが、東北に接近していた台風の影響で1日中、雨の天気になってしまった。結局、この日栗駒山に登るのは中止して、周辺を観光する事にした。

一ノ関駅近くで昼食を食べることにしたが、地元の名物料理を食べようという事で、何がお勧めか観光案内で聞くと、この辺りでは、もち料理が有名だという。「日本一のもちの郷」である一ノ関では、祝儀も不祝儀も、もち料理で客人をもてなすことが礼儀にかなう習慣とされているそうだ。

駅近くにある世嬉の一酒造の蔵元レストラン“せきのいち”に立ち寄る。 手延べはっと膳、ソーセージ&もちフォンデュ、一ノ関もち膳等のメニューがあり、私が頼んだのは一ノ関もち膳だ。伝統的な餅本膳を手軽に楽しめるようなもち膳だという。おもちの種類は、あんこ餅、ずんだ餅、ごま餅、沼えび餅の4種類だ。


昼食の後は、雨の中でも楽しめる場所と言ったら博物館みたいな場所しかない。いろいろ調べると栗駒山麓ジオパークビジターセンターという場所があり、栗駒山の事をいろいろ知ることが出来そうなので立ち寄ってみた。

栗駒山麓ジオパークビジターセンターは、栗駒山麓ジオパークの地質や地形、人々の営みを紹介するとともに、学びの場や観光の場として利用できる施設だ。3つの展示室では、1億年前から現在までのスケールで栗駒山麓ジオパークの歴史を紹介したり、ジオラマや床一面に広がる空中写真などで地形の特徴や見どころを知ることや、様々な自然災害の記録と経験から防災・減災について考えることができる。

特に、400インチ2画面の超大型スクリーンのあるシアタールームでは、栗駒山麓ジオパークのきっかけとなった震災の記録と、その大地の成り立ちの物語が映し出される。超大型スクリーンで見る映像は大迫力だ。

1億年前に火山が爆発して溶岩流が流れる様子。


栗駒山麓を流れる谷川の景色。


美しい花。


夕焼けの空に舞いあがる鳥の群れ。


そして、栗駒山が最も美しく輝く秋。神の絨毯と呼ばれる紅葉だ。




栗駒山麓ジオパークビジターセンターで、展示物をじっくり見学できたので、もういい時間になった。その後、栗駒山の登山口にある須川高原温泉に向かい、1日目が終わった。

「2021東北紅葉登山ツアー:2日目須川高原温泉&栗駒山」に続く。

2021栂海新道縦走ツアー:6日目親不知観光ホテル~蓮華温泉~自宅

2021-10-10 08:50:00 | 山登り
ホテルでは、美味しいカニ料理をたらふく食べてキツかった山旅の疲れを癒すことが出来た。早朝、元気なメンバーたちは、ホテルから少し先の親不知記念広場まで行ったらしい。

広場には、ウォルター・ウェストンのブロンズ像が立っていたそうだ。ウェストンは、イギリスの宣教師であり、明治21年~大正7年(1888~1915)の間に3度来日し、その多くの日時を、日本アルプスを初めとする山岳の開拓的探検登山に費やし、日本山岳会の設立をすすめるなど日本登山の登展に大きく貢献した人である。この親不知海岸にも下り立った事があり、それを記念して建てられているようだ。


ウェストン像の近くには、栂海新道の開設者である小野健氏の記念碑も建っている。


ホテルの朝食を済ませ、えちごトキめき鉄道の親不知駅まで、ホテルの車で送ってもらう。この路線は、日本海ひすいラインと呼ばれ、富山県境から直江津駅までの延長60.3 kmに及ぶそうだ。


可愛い1両だけの電車に乗り込み糸魚川駅まで乗車する。


糸魚川駅前の駐車場に止めてあったAさんの車で蓮華温泉に向かうが、青海駅まえの和菓子屋さんに寄り道していく。和菓子屋さんは、「長野屋」といい、朝日小屋で知り合った人の中に、このお店の女将さんがいたのだ。帰りにはぜひ寄ってくださいと言われていたので、開店時間を待って立ち寄る。


ここのお店の名物が、“栂海新道”と名がついた抹茶きんつばだ。栂海新道の緑の山々を想像させる抹茶の色と、爽やかな自然を小豆の素朴な味にたくしている。六面を手焼きし、栂海新道の山並みの焼印がある。栂海新道を歩いた記念に1箱買って帰る。朝日小屋の夕食にも付いていたのを思い出す。




長野屋さんから1時間半ほどかけて蓮華温泉に向かい、マイカーを回収して解散。その後、半日ほどかけて自宅に戻り、5泊6日の長い山旅が終わった。

今回の山旅自体は、2泊3日で済むコースなのだが、アプローチに時間がかかり登山口への移動だけでさらに2日が必要となるのでなかなか簡単には行けない場所だったが、3度目の正直でやっと歩きとおすことが出来て本当に良かった。3日間の移動距離は37.5キロ。毎日の歩行時間は9~10時間前後。上り累積標高差3080m、下り累積標高差4573mというデータを見て、かなりの難コースだったというのがよくわかった。

2021栂海新道縦走ツアー:5日目栂海山荘~白鳥山~尻高山~親不知海岸

2021-10-09 20:54:23 | 山登り
栂海山荘の真東から日が登りだした。妙高山、火打山の間から光が射してきた。


雲の間から、光の帯が無数に出ている。


みんな入り口で、日の出に見とれている。


6時。栂海山荘を出て、最後の縦走路に足を踏み入れる。


親不知海岸から来た場合の、栂海山荘手前の最後の水場である「黄連の水」。ここから栂海山荘に行くとしても1時間半から2時間かかるので、水の補給は重要だ。


この先も基本的に下るはずなのだが、結構上りの道が多い。


8:10。菊石山1209.8mに到着する。


コースガイドには、菊石とはアンモナイトのことで、栂海新道にて最初にアンモナイトが発見されたのが菊石山だとあり、みんなアンモナイトが見つからないかと期待して登ってきたのだが、それらしき石は見つからずガッカリ。


9時。次のピークである下駒ヶ岳1241mに到着する。菊石山より標高が高い。


白鳥山の手前で、もう一度水場に下りて水を補給する。気温が高く、冷たい水がどうしても欲しくなる。


10:22。白鳥山1226.9mに到着する。なんと菊石山から全然標高が下がっていない。


白鳥山山頂にある白鳥小屋の内部。思ったよりきれいな小屋だ。白鳥小屋でランチ休憩する。


13:10。初めて舗装道路に出た。坂田峠といい、ここまでは車で来ることが出来るらしく、栂海新道をショートカットできる入り口だ。


坂田峠は、栂海新道と旧北陸道が交差する峠だ。明治時代は、この山中が鉱山街で賑わっていて芸者さんが人力車で旧北陸道を何度も通ったことから芸者街道とも呼ばれていたという。しかし、今の旧北陸道は藪に覆われその面影もない。


我々は、栂海新道を真っすぐ進む。14時過ぎ、尾高山677mに到着する。こ標高の数値を見ると、一気に下った感がする。


やっと日本海・親不知を示す案内板が出てきた。


15:20。入道山447mを通過。ここが最後のピークだ。足腰はパンパンで、急な下りが腰に応える。しかも泥濘の道が多く、慎重に下らないと滑りやすい。


16:40。国道8号線の栂海新道登山口に到着する。長かった~!


栂海新道登山口の目の前は、親不知観光ホテル。ここが、この日の宿泊場所だ。だが、栂海新道はここで終わりではない。標高0mの日本海の海水に触るまでがゴールだ。


重い荷物は、ホテルの入り口に置いて、海岸へつながる階段を降りていく。


はるばる日本海まで歩いてこられた事に感動だ。


海水にタッチしてゴール。


栂海新道完歩。無事ゴールできてバンザーイ。


この辺りの海岸は、ヒスイ海岸とも呼ばれ、ヒスイの原石が見つかることもあるというので、ヒスイがないか探してみるが、そう簡単には見つからない。


長い縦走を終え、この日は、やっとお風呂にゆっくり入り、美味しい食事も堪能できる。海岸からホテルに戻るための石段がやけにきつかった。

参考1.5日目の高低図&コースタイム


参考2.5日目のコースマップ


「2021栂海新道縦走ツアー:6日目親不知観光ホテル~蓮華温泉~自宅」に続く。

2021栂海新道縦走ツアー:4日目長栂山~黒岩山~犬ヶ岳~栂海山荘

2021-10-08 20:12:22 | 山登り
長栂山の横を通り過ぎ、北を目指して進んで行く。はるか先には、日本海の海原が広がっている。


アヤメ平に到着する。初夏のころには、多くのアヤメが咲き誇っているのだろう。


アヤメ平の木道の途中で暫し休憩だ。


湿原の中を進む。


目の間に広がっているのは、黒岩平と呼ばれる湿原だ。大きな木はなく、なだらかな丘には小さな沢が流れている。


二つの沢には、冷たくてきれいな水が流れている。


黒岩平に到着。


休憩するのにちょうどいいベンチだ。この辺りは、栂海新道の中でも特に見所一杯の場所だ。初夏のころは、まさに天空の花園といった感じになるのだろう。途中で会った人は全くおらず、景色は我々が独り占めという状況だ。こんな素晴らしい場所が、世間にはほとんど知られていないというのが本当にもったいない。


再び、沢を渡渉する。


目の前に見えるのは黒岩山。紅葉が広がっている。


10:10。黒岩山1623.6mに到着する。


黒岩山山頂から、黒岩平を振り返る。


11:50。サワガニ山1612.3mに到着。


サワガニ山からは、やせ細った尾根を進んで行く。


両側は切れ落ちた断崖となっておりロープを頼りに慎重に進む。


途中から、登山道が崩落している場所に出る。さいわい、山岳会の方が、迂回路を作ってくれてあったので、木の根っ子を跨ぎながら先に進む。


この日に泊まる栂海山荘には、水がないので、夕食用の水を補給するため、北俣の水場に寄り道していく。栂海新道から外れて、数十m下ったところにある水場だ。水を1.5ℓほど補給したので、荷物がグッと重くなった。小屋までは、まだ1時間以上かかるが頑張って登るしかない。


この日の最後のピークである犬ヶ岳1593mに到着する。その先を下ったところに見える赤い屋根が栂海山荘だ。


後続のメンバーも犬ヶ岳に次々に到着する。みんな小屋が見えてホッとしたことだろう。


犬ヶ岳山頂直下には、栂海新道を拓いた小野建氏の碑が建てられている。朝日小屋の前で撮られた写真だ。


13:58。赤と緑に塗られた栂海山荘に到着する。ペンキがまだ新しく、最近塗り替えられたばかりのようだ。


正面入り口は、緑に塗られている。小野建氏は、緑が好きだったらしい。


この日、栂海山荘に宿泊するのは、我々5人の他3人でほぼ貸し切り状態だ。まずは、寝床を確保してから着替えなどして荷物を整理する。落ち着いたころ、早めの夕食の準備だ。小屋の前は日当たりがよく温かい。




雄大な景色を見ながらのコーヒーの味は格別だ。


朝日小屋で買った栂海新道のTシャツを着て全員で記念撮影。


栂海山荘を正面から撮影。


入口から20mほど離れた先にあるのがトイレ。屋根はあるが、周りはスカスカでかなりワイルドなトイレである。使用中は、入り口に鎖をかけておくのでプライバシーは保たれるが、夜中には行きたくない場所だ。


食事も終わり、日が暮れて辺りが暗くなるともう何もすることがなく、あとは寝るだけだ。

参考1.4日目の高低図&コースタイム


参考2.4日目のコースマップ


「2021栂海新道縦走ツアー:5日目栂海山荘~白鳥山~尻高山~親不知海岸」に続く。

2021栂海新道縦走ツアー:4日目朝日小屋~朝日岳~長栂山

2021-10-07 19:20:16 | 山登り
4日目の朝5:30。栂海新道の長い道のりが始まるので、朝日小屋を早めに出発する。


朝日岳への登山道に再び向かう。我々が朝日岳に向けて歩いていると、小屋の方から大きな声が聞こえた。栂梅新道に向かう我々に応援のエールを送ってくれていたらしい。本当にありがたいことだ。


木々の間からは、剣岳のシルエットも見える。


しばらくすると、剣岳や背後の山々にモルゲンロートが出現して、山々を紅に染め上げ始めていた。


また、目の前の山の斜面も、オレンジのスポットライトが当たったかのように色がついてきた。


神々しい光のスポットライトだ。


そして、富山湾には、影朝日が映し出されている。


朝日岳山頂に到着すると、モルゲンロートは消えてしまい、いつもの朝の光が差し込んでいる。


雲海の先には、妙高山や火打山もくっきり見える。


もう一度、朝日岳山頂記念写真を撮る。


太陽の下に見えるピークは、黒姫山だ。妙高山、火打山と共にこんなにくっきり見えるとは、なんと感動的な景色だ。


朝日岳から下山して雪渓のところまで降りていく。


この道をさらに下っていくと栂海新道への始点に繫がる。


7:08。吹上げのコルに到着する。ここから栂海新道が始まるのだ。


吹上げのコルの下にある池。自分の影が大きく映っている。


コメツガの森の中に入っていく。


コメツガの森を抜けると湿地帯に入る。


木道がずっと伸びていて、なかなかいい湿地帯だ。初夏のころはお花畑が広がっているに違いない。


池塘もたくさんある。こんな場所が北アルプスの奥地にあったとは驚きだ。


青空には、お月様も出ている。素晴らしい天気に恵まれた山行になりそうだ。


岩山の隣を通過する。


北を向けば、富山湾と魚津市内が見える。その先の雲の下は能登半島のようだ。


前方に、丘のようなピークが見えてきた。


望遠で拡大してみると、長栂山と書かれている。栂海新道は、長栂山のピークは通らずに行くようだ。


「2021栂海新道縦走ツアー:4日目長栂山~黒岩山~犬ヶ岳~栂海山荘」に続く。

2021栂海新道縦走ツアー:3日目朝日小屋停滞

2021-10-06 18:36:45 | 山登り
深夜2時頃、朝日小屋の部屋で寝ていると突然大きな音が鳴り響いた。すわっ、地震か!と思ったが、揺れはなく、何だったのかと思いながらそのまま寝入ったが、しばらくすると、再び大きな音と稲光が続いた。何と雷が小屋の周辺に落ちていたのだ。その後も、何度も稲光と共に大きな雷鳴が轟いていた。雨音も激しくなっていた。

雷は、明け方には収まったが、雨は降り続いている。この状態では、尾根伝いの栂海新道では、再び雷雲が来たら逃げ場がない。また、雨の中強行して進んでも、無人小屋である栂海山荘では、冷えた体を温めることもできない。メンバーと相談して、もう1日朝日小屋に連泊することを決断する。

幸い、朝日小屋では携帯の電波が飛んでいて、いろんな場所への連絡は済ますことが出来た。この日、雨の中小屋を出て行ったのは、蓮華温泉方面に下山する登山者だけであった。栂海新道に行く登山者は誰もいない。午前中は、何もすることがないので、本を読んだり、寝ていたりとゴロゴロして過ごす。

連泊したのは、我々ともう一つのグループだけだった。ただ、小屋に停滞するといいこともある。もう一つのグループは、栂海新道を管理している山岳会のメンバーだったのだ。食事時などに栂海新道のいろんな話を聞くことが出来て、参考になった。また、そのメンバーの中には、貝畑和子さんという女性がおり、話を聞いていくうちに、驚くべき女性だったことが分かった。

新潟県生まれで、現在は岡山県に住んでいるというが、栂海新道を管理している山岳会のメンバーと幼馴染で、今回は一緒に登ってきたらしい。体力増進、健康のために30歳から走り始め、以後、急速に力をつけ、大阪国際女子マラソンは1987年の第6回大会より 2002年の第21回大会まで16回連続の参加。フルマラソンだけでなくサロマ湖100kmや四万十川ウルトラマラソン、スパルタスロンやサハラマラソンなどのウルトラマラソンに出場、好成績を残している。1997年と98年にはIAU100km世界大会の代表にも選ばれ、今や国内だけでなく、海外にも活躍の場を広げる21世紀の「ウルトラマラソンの女王」であったのだ。

午後になって雨も上がり、小屋の外で貝畑さんとも一緒に写真を撮る。小柄で、一見華奢に見え、どこにそんなパワーがあるのだろうと思ってしまうが、人は見かけにはよらない。気さくで飾らず話好きの女性であった。


午前中、部屋でゴロゴロしてなまった体をほぐすため、小屋の周りを散策する。


夕方、4日目以降の山の天気を調べると、どうやらしばらく好天が続くようだ。1日ずらしたおかげで、今後の山行に希望が持てた。

「2021栂海新道縦走ツアー:4日目朝日小屋~朝日岳~長栂山」に続く。

2021栂海新道縦走ツアー:2日目蓮華温泉~朝日岳~朝日小屋

2021-10-05 21:18:16 | 山登り
2日目の朝。蓮華温泉ロッジを5時半に出発する。朝日小屋の清水さんから“5時半には出発してください”と言われていたので、その助言に従って朝日岳を目指し歩き出す。


30分も歩くと、目の前の山に日が当たり始めてきた。


木道をどんどん下っていくと「兵馬の平」と呼ばれる湿原に出る。蓮華温泉からは基本的に下る一方で、濡れた木道が滑りやすく、慎重に歩かなければならない。


湿原には、靄がかかり幻想的な風景だ。


湿原の中の砂利が多く足元がしっかりしている場所で少し休憩だ。


兵馬の平が終わると、いよいよ本格的な上り坂となる。ブナ林に光が差し込み、すがすがしい朝の景色だ。


白高地沢を通過する。


青空が広がり、気持ちの良い天気になってきた。


白高地沢橋を渡る。


草紅葉の草原の中の木道は、空に向かってどこまでも続いているかのように見える。


振り返ってみると、蓮華温泉の湯けむりが見える。


左側に見えるピークが朝日岳だ。雪渓がわずかに残っているのが見える。


もう紅葉が始まっている。


花園三角点で昼食休憩する。目の間には、五輪高原と呼ばれるなだらかな高原が広がっている。色鮮やかな紅葉が始まっているのが見え、これからその中に入っていくと思うとワクワクする。


さらに上に登ったところから五輪高原を振り返って見る。まさに北アルプス最北部の秘境という雰囲気だ。


高度が増すごとに素晴らしい紅葉が目に飛び込んでくる。






標高が2000mを越えると、山にガスがかかってきた。どうやら、今後天気が悪くなってくるようだ。


12:50。吹上のコルに到着する。ここは、朝日岳と栂海新道との分岐点だ。右に進めば栂海新道だが、とりあえずこの日は朝日岳に登り、朝日小屋に泊まる事にする。


13:25。登り始めたころ、はるか遠くに見えた雪渓にやっと到着する。


風になびくワタスゲ。後ろには雪渓。


13:30。朝日岳2418mに到着する。残念ながら、周りは白いガスに覆われ展望はきかない。


こういう時に限って、ライチョウが現れるものだ。これから雨が降るのは間違いない。


山頂で出会ったマレーシアの青年。長年、朝日町に住んでいて、朝日岳に登ってきたという。


朝日岳を下っていくと、朝日平が見える。その先に何だか赤っぽい屋根が見えるのが朝日小屋だ。


14:30には、朝日小屋に到着する。15時までには小屋に着いてくださいと言われていたので、約束を果たすことが出来て良かった。

朝日小屋の夕食は、山小屋としてはトップレベルのメニューだ。今回で2回目だが、富山名物の、昆布締めのお刺身やホタルイカの沖漬けもついている。小屋番の清水さん曰く、「なるべく、富山の味や地元食材の美味しさも味わって頂きたく、またお母さんが作ってくれるような手作りも心掛けた」という、いろいろと工夫を凝らした夕食だ。また、食前酒の赤ワインが付いているのが嬉しい。


今年は、コロナ感染予防で個人個人のスペースにアクリル板の仕切りが設けられ、感染対策もしっかりしており、厳しい山小屋経営の中でも良くやっているなと感心した。


3日目からは、いよいよ本来の目的の栂海新道縦走に入る予定であり、早々に就寝する。

参考1.2日目の高低図&コースタイム


参考2.2日目のコースマップ


「2021栂海新道縦走ツアー:3日目朝日小屋停滞」に続く。