とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2017中央アルプス縦走:3日目木曽殿山荘~伊奈川ダム上登山口

2017-08-18 06:21:29 | 山登り
5時の朝食後、食堂の窓からは雲海の上に恵那山が飛び出ていた。


テラスに出ると、空木岳の山頂はややガスっている。


6:00。木曽殿山荘前で集合写真を撮ってもらい出発だ。


下山ルートは、険しい岩場はほとんどなく樹林帯をずっと下って行く。


10分ほどで「義仲の力水」と呼ばれる水場に到着する。冷たくて美味しい水が勢いよく流れている。前日も小屋に荷物をおいて水汲みに来た場所だ。




6:40。見晴場に到着する。樹林帯が続き見晴らしがよくないコースだが、ここからは山並みが展望できる。


6:55。木々の間から御岳山も見えた。


7:10。8合目を通過。


湿った薄暗い場所に生えているギンリョウソウ。


こんな樹林帯歩きがずっと続く。


巨大なキノコがやたらにあったが、これもまた何だか不気味。


7:40。2番目の水場「仙人の泉」に到着。ここでしばらく休憩する。


8:30。6合目の吊り橋に到着する。


木曽殿山荘の小屋番に、この吊り橋は一人ずつ渡るようにと言われていたので、慎重に一人ずつ渡る。


9:40。うさぎ平に到着する。


うさぎ平で登山道は終わり、林道となる。広い空き地で少し休憩だ。


林道はけっこう長く、コースタイムは2時間ほどとなっている。


10:15。金沢土場という場所を通過。伊奈川ダム上登山口へは、ここを左折することになる。


林道から沢の流れを見ると、相変わらず凄い水量だ。


長い林道歩きで飽きてきたので、広い場所を見つけコーヒータイムだ。残った水をかき集め、ガスで沸かしてコーヒーを飲む。クラッカーにジャムを付けて食べるのはおつなものである。




12:20。1日目に通り抜けたゲートが見えてきた。


12:25。駐車場はもう目の前だ。因みに林道には、「ハンドホールあり注意」という看板がたくさんあった。ハンドホールって何だろうと気になっていたのだが、組立マンホールの事らしい。蓋の下には、電気、通信配線機器などがあるようだ。


その後は、フォレスパ木曽・あてら荘の温泉に入り無事帰宅。中央アルプスというと、ロープウェイで簡単に上がって木曽駒ケ岳や宝剣岳に行く人が多いのだが、今回の越百山から仙涯嶺、南駒ヶ岳、空木岳を縦走するコースは、登山者が少なく静かな山旅ができる。それでいて稜線歩きは、険しい岩場が続き大変だが、晴れていれば南アルプスや富士山、御嶽山や乗鞍岳を見渡す景色や、花崗岩の巨石が多い変化に富んだ登山道を楽しめる魅力的な山域であった。

参考1.3日目のコースマップ


参考2.3日目の高低図

2017中央アルプス縦走:2日目南駒ヶ岳~空木岳~木曽殿山荘

2017-08-17 08:47:48 | 山登り
仙涯嶺を出てさらに先に進むが、同じような岩山がまた出てきた。


岩山の上り下りがあり、再びアドベンチャー登山だ。


垂直に切り立った岩壁の横を通り抜ける。


岩壁を見上げると、その大きさに圧倒される。


ここを下りてしまえば、緩やかな尾根に出るはずだ。


尾根道には、高山植物が多くあらわれてきた。中央アルプスの固有種ヒメウスユキソウ。


トリカブト。


ハクサンフウロ。


葉がウサギの耳を思わせるウサギギク。


南駒ヶ岳に向かう稜線は、お花畑が続く。


ハイマツ帯の向こうの岩が、まるで怪獣が口を開けているように見える。


カラマツソウ。


ゴゼンタチバナ。


花崗岩が林立する登山道を進んでいく。




10:43。あっけなく南駒ヶ岳山頂2841mに到着する。この南駒ヶ岳は、深田久弥が日本百名山を選ぶ際、空木岳のどちらかにするか最後まで迷ったというくらい素晴らしい山だ。結局、わずかに背が高いことと山名の美しさから空木岳を選んだという。


南駒ヶ岳で少し休憩をしてから、最後の空木岳目指して先に進む。


稜線から下に目を転ずると窪地の中に赤い屋根の小屋が見えた。この窪地は、摺鉢窪カールといい、小屋は摺鉢窪避難小屋である。


さて、いよいよ最後の空木岳への稜線を登っていく。


大分空が近くなった気がする。


岩峰が連なる一番先の頂上には、人の姿が何人も見える。あれが空木岳山頂だろう。


13:17。空木岳山頂2864mに到着する。日本百名山であり、私にとっては2回目の山頂だ。


空木岳は、中央アルプス3大岩峰(空木岳、宝剣岳、仙涯嶺)と言われるだけあって下りも岩峰を幾つも乗り越えていく。




巨岩の隙間を抜ける。


ここでもホシガラスを見つける。


15:05。2日目の宿泊地、木曽殿山荘に到着する。雨がポツポツ降りだし、間一髪で小屋に入る事が出来た。


木曽殿山荘は、定員80人ほどの山小屋だ。完全予約制なので飛込では宿泊できない。この日の宿泊者は50人弱くらいで食堂は満員となった。夕食のメニューは、混ぜご飯とおでんだ。


夕食後も、食堂で他の登山客と山の話で盛り上がった。その後、2階の大部屋に宿泊者全員が寝ることになるのだが、大人数の熱気で部屋の中は暑く、布団も掛けずに寝てしまった。

参考1.2日目のコースマップ


参考2.2日目の高低図



「2017中央アルプス縦走:3日目木曽殿山荘~伊奈川ダム上登山口」に続く。

2017中央アルプス縦走:2日目越百小屋~越百山~仙涯嶺

2017-08-16 18:36:38 | 山登り
5時の朝食を済ませ、小屋の外に出る。左側の建物が、休憩やザック置き場となる。そして、右側の2階が受付と食堂になり、1階部分が寝室となっている。


6時過ぎ、小屋前で小屋番に写真を撮ってもらい出発だ。


小屋を出てすぐ、すごい崩落場所を通過する。


樹林帯の中を登っていく。


夜中の雨で草や枝に水滴が残っていて、ズボンが濡れてしまう。


雲が取れてきて晴れ間も出てきた。雲海の向こうには、台形上の形をした恵那山も見える。


樹林帯の間から、赤い屋根の越百小屋が見えた。いろいろ小屋でのルールが決まっていて、面倒くさいと思う人もいるだろうが、過酷な環境で快適に過ごすためには、必要なことであり、不快に思うことはなかった。少人数の宿泊者だけで、家庭的な雰囲気を味わいながら小屋番といろいろ話をすることができるというのもこの小屋のいいところだろう。


小屋までは、高山植物が少なかったが、高度を上げるにしたがって所々で見かけるようになってきた。これは、アキノキリンソウだ。


白いガスの中、ハイマツ帯を進む。


水滴がついたイワツメクサ。


うっすらとピークが見えてきた。山頂は近そうだ。


6:57。越百山山頂2613mに到着する。周囲は真っ白で残念ながら展望は臨めない。


花崗岩と白砂の登山道をこれから縦走だ。




うっすらと太陽の光が射してきた。


青空が出てきて、雲の上から僅かに山のピークが出てきた。かなり高そうなので空木岳なのだろうか?


ハイマツ帯を今度は下って行く。このくらいの稜線歩きは一番楽しいものだ。


その先にも、いくつものピークが待っている。


奇岩がいろいろあって、何に見えるのか考えるのも面白い。


トウヤクリンドウを発見。


枝の上でじっと止まっているホシガラス。


前方には、険しい岩山が見える。あれが仙涯嶺なのか?どうやらあの上まで登っていかなくてはならないようだ。


岩山の一番上まで行くが、何の表示もなく、下山ルートも良く分からない。とりあえず、道らしきところを進むが、途中で崖っぷちとなり進退窮まった。これは違うと引き返すのも一苦労だった。元に戻って周りを探すと、うっすらと消えかかった赤いペンキの矢印を見つけ一安心。

大きな岩を滑り下りるメンバーもいたが、全員難所を通過する。


最後のメンバーが下りてくるのを見届ける。


岩山を下りて平らなところに仙涯嶺2734mの表示板があった。えっ!ここが仙涯嶺なのかと変な感じがした。家に帰って、調べてみると、「仙涯嶺(せんがいれい)は、長野県上伊那郡飯島町と木曽郡大桑村にまたがる標高2,734 mの山。木曽山脈(中央アルプス)の主稜線上にある痩せた岩尾根のピークで、日本で82番目に高い山」とあった。やはり、苦労して登った岩山が仙涯嶺で、表示板だけ広くて安全な場所に置いてあったのだろう。


越百山から仙涯嶺までは、出会った登山者が越百山山頂でテントを張っていた一人の男性だけだった。やはりこのルートは登山者が少ないようだ。また、目印となる赤テープやペンキが少なく、僅かにあるペンキの矢印も薄くて消えかかっている箇所が多い。単独行では、十分注意していく必要があると感じた。

「2017中央アルプス縦走:2日目南駒ヶ岳~空木岳~木曽殿山荘」に続く。

2017中央アルプス縦走:1日目伊奈川ダム上登山口~越百小屋

2017-08-15 23:20:41 | 山登り
11日の夜から14日にかけて中央アルプスの越百山から空木岳を縦走する山旅に出かけた。ちょうどお盆の時期となり、各地の山にも多くの登山者が入っている時期ではあるが、この辺りはちょっとマイナーなルートだけに登山者はそれほど多くなく、静かな山旅ができた。参加メンバーは、全部で7名、うち女性が5名となりパーティとしては賑やかだ。

登山の前日19号線沿いの道の駅で仮眠したのち、翌日の朝、伊奈川ダム上登山口まで向かう。登山口の駐車場に着くと結構駐車している車は多かった。既に登っている人たちや渓流釣り、キャンプの人たちも多いのかもしれない。7:00。登山口の入山届けに記入して出発する。


しばらく進むと、車止めのゲートがあり、その脇から林道をしばらく進む。


林道の脇を流れる沢の水量は多く、清冽な流れである。


沢の上の橋を渡る。


再び沢の上を通過する。深い場所では、水の色がエメラルドグリーンだ。


7:50。福栃橋が見えてきた。


福栃橋を渡って右に行くと越百山(こすもやま)へのルートになる。


道標には「KOSMO」と表示されているのが、何だか洒落ている。


8:49。下のコルに到着する。ここでちょっと休憩だ。


その後は、根が張りだした急こう配の尾根をぐんぐん登っていく。


大きく崩れたガレ場の横も通り過ぎる。


12:10。越百小屋に到着する。越百小屋は、定員20名ほどでこじんまりした家庭的な雰囲気の小屋だ。受付を済ますと、休憩室で一旦着替えるように言われる。寝袋に入って寝ることになるため濡れた衣類は脱いで、乾いた服で寝てほしいという事のようだ。ザックも休憩室にまとめて置くように言われる。雨には降られてなかったが、汗をかいて服が湿っていたので我々も着替えて、休憩室でしばらく一休みをする。休憩室では、山に関した言葉のしりとりゲームで盛り上がる。




その後、陽が出てきて明るくなってきたので、小屋前で着替えた服を乾かす。


この日は、早めに小屋に着いたので時間も十分あり、小屋前で小宴会だ。


宴会したベンチの脇には、葉の茎に針状の棘が何本も飛び出ている植物を見つける。棘は、表だけでなく裏側にも出ており、触るととても痛い。あとで、小屋番に名前を聞くとトゲブキと教えられたが、正式にはハリブキというらしい。


夕食前のしばらくの間、寝床で一休みする。大きめの寝袋と毛布があり、一人一畳分のスペースも確保されているので、夜はぐっすり眠れそうだ。


17:00。待ちに待った夕食の時間だ。食前酒に白ワインが出て、ちらし寿司ご飯とおでんというメニューだ。山小屋では、なかなか食べた事のないメニューである。


ちらし寿司ご飯が美味しくてお代わりをするが、みんながお代わりするのですぐなくなってしまった。すると、まだ食べたらない人の為にと、小屋番がお餅を切って、石油ストーブの上で焼いてくれた。焼きたてのお餅に醤油に付けて食べると実に美味しい。


食後も、高山植物のスライドショーを見たり、歓談をしたりしていると消灯時間になってしまった。1日目とは言え、大いに歩き、大いに食べて飲んだのでさすがに疲れていたようだ。寝袋に入るとあっという間に眠ってしまっていた。

参考1.1日目のコースマップ


参考2.1日目の高低図


「2017中央アルプス縦走:2日目越百小屋~越百山~仙涯嶺」に続く。

2017飯豊山:3日目切合小屋~三国小屋~弥平四郎登山口

2017-08-11 06:57:53 | 山登り
4:50。切合小屋からみた日の出。前日よりは雲が多いものの、今日もまずまずの天候になりそうだ。


5:30。切合小屋を出発し、いよいよ下山だ。


大日岳もこれで見納めである。飯豊本山は、山陰に隠れて見えない。


振り返って、切合小屋ともさよならだ。


8:15。疣岩山の周辺には、熊の糞がいたるところに落ちていた。今朝、下から上がってきた登山者が熊の糞がたくさんあったと言っていたとおりだった。弥平四郎からの新ルートは特に熊がよく出るという話も聞いたので、下山も新長坂ルートで弥平四郎登山口に下りることにした。


その後は、白いガスの中ひたすら下る。10:26。祓川の橋を渡るともうすぐ駐車場だ。


10:32。林道脇にある「おつかれさまでした」の看板を見る。この言葉が、今回の山旅のすべてを一言で表していたといっていい。とにかく長くてたいへんな山旅で疲れたが、その分飯豊山の素晴らしい景色とお花畑を満喫できたことは間違いない。


みんな大きな山旅を終えた充実感とホッとした様子がよくわかる。


Aさんとはここで別れ、残りの3人で米沢に向かい温泉に入った後解散する。当初は、一人で行く予定であったが、このたいへんな飯豊山登山に4人も集まってくれたのはありがたかった。そして、百名山完登まであと一座となった。最後は来月の光岳だが、これもたいへんな山なので気を引き締めて目標達成を果たしたい。

参考1.3日目のコースマップ


参考2.3日目の高低図


2017飯豊山:2日目本山小屋~飯豊本山~大日岳~切合小屋

2017-08-10 18:20:30 | 山登り
4:45。本山小屋前からの日の出だ。


そして、東北南部の山々が一望できる。右の双耳峰っぽいのが磐梯山、中央奥が安達太良山、左が吾妻連峰とどれも日本百名山である。


5:21。本山小屋を出発して、いざ飯豊本山へ。


飯豊本山は、本山小屋から小さなピークを幾つか越えていった先の一番高いピークだ。


5:35。飯豊本山2105mに到着する。ここが所謂日本百名山の飯豊山である。ついに、99座目の百名山達成となった。アプローチが長く、とにかく大変な山であったが、好天に恵まれ素晴らしい展望を満喫する。




山頂の西側には、大きな影飯豊が映っている。


御西岳へと向かうなだらかな稜線。


見た事のない可愛い薄ピンクの花。


いよいよ御西岳から大日岳へと向かう稜線歩きが始まる。このルートが、飯豊連峰では最も花を楽しめるルートらしい。奥に見える大日岳は、さすが飯豊連峰の最高峰らしい形をしている。


山の斜面は、ニッコウキスゲの群落が広がっている。朝早いので、花はあまり開いていないが、これから大きく開いて一面黄色く染めることだろう。




7:00。御西岳山頂はどこだかわからないうちに御西小屋に着いた。御西小屋にも管理人がいて宿泊ができる。ここで少し休憩をするが、同行したかわいさんは、朳差岳まで行きたいという事で別行動となる。私より1日長めの日程となり、台風が接近している最中なので無事下山できるのだろうか心配しながら見送る。


ツリガネニンジン。


かわいさんと別れた後は、4人で大日岳まで向かう。行く途中には、池塘がいくつか見られる。目指す山頂は、ガスの中だがけっこう険しそうだ。


8:34。大日岳山頂2128mに到着する。コースタイムは2時間ほどだったが、1時間5分ほどで着いてしまった。


大日岳まで行ってしまえば、あとは戻るだけである。御西岳を経て飯豊本山の手前までやってきた。


12:08。本山小屋まで戻り、休憩する。小屋番といろいろ話をして、いざ出発しようとすると、Aさんの登山靴の右側ソールもついに剥がれてしまった。慌てて戻って小屋番に応急処置をして貰う。こちらは、針金とペンチで頑丈に補修された。


御秘所も無事通過する。


最後の雪渓は、前日よりさらに溶けてしまい、夏道が完全にあらわれていた。


14:53。切合小屋に到着する。この小屋では食事を頼んであるので、到着しても気楽だ。ビールと摘みを肴に夕食までのんびりする。

翌日は、最終日となり下山するだけだ。台風が接近してきているので、何とか雨に降られなければいいなと思いながら、午後7時過ぎにはみんな眠っていた。

参考1.2日目のコースマップ


参考2.2日目の高低図



「2017飯豊山:3日目切合小屋~三国小屋~弥平四郎登山口」に続く

2017飯豊山:1日目三国小屋~切合小屋~本山小屋

2017-08-09 18:57:26 | 山登り
三国小屋を出ると、クサリとハシゴが掛けられた岩場を登る。


二つほどの険しい登りを過ぎたあたりで、Aさんの左の靴底のソールがペラペラと剥がれだしていた。久々の登山という事でAさんの登山靴は、何年も履かれていなかったようだ。登山靴を長年使わないと、必ずソールが剥がれる。もう何人もそんな人を見てきている。K君が、持っていた紐とテープで応急処置をする。


種蒔山周辺から高山植物が豊富になってきた。私の好きなハクサンコザクラの群落。


イワカガミ。


ヒメサユリもあった。ヒメサユリはオトメユリとも呼ばれ、飯豊連峰、吾妻山、守門岳周辺等にだけ分布する貴重な植物で、野生種は環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されているという。標高が低い場所では、もう咲き終わっていたのだが、由一咲いている場所があったというのは幸運である。


わずかに残っているヒメサユリをバックに記念撮影。


シラネアオイも咲いている。


種蒔山から切合小屋への登りだ。


13:20。白いガスの中に切合小屋が見えてきた。


切合小屋は、飯豊連峰の山小屋の中では、唯一食事を出してくれるありがたい小屋だ。この日は、通過するだけで泊まらないが、翌日はこの小屋に泊まる予定である。


小屋前には、水場があり飲み水としても使える。顔を洗ったり、シャツを洗っている人もいた。


切合小屋でしばらく休憩した後、さらに先に進む。


この辺りは、マツムシソウが群生している。この花を見ると、もう夏が終わりに近いという感じがする。


この山旅で最初の雪渓歩きが始まった。やはり飯豊は雪が多い。蒸し暑い日だったので、雪渓歩きは涼しくて気持ちがいいものだ。




二つ目の雪渓。こちらは、夏道が大分出てきていたので、雪渓歩きは少しだけだ。




14:20。草鞋塚が見えてきた。ここは、切合小屋から本山への中間地点で、山岳信仰の飯豊山へ詣でる際に履き替えた草鞋が積まれ塚となったと言われている。


14:40。姥権現が見えてきた。白装束のお婆さんの姿の地蔵が見える場所だ。伝説によれば、女人禁制の決まりを守らないで飯豊山に登った女性が石になったという。


姥権現の先には、「御秘所」と呼ばれる場所があるというので、どんな場所かと気になってキョロキョロしながら進んでいったが、良く分からなかった。後で調べてみると、一般的には、東側がすっぱり切れ落ちたこの険しい岩場の事を言うらしいが、昔からの言い伝えでは、この岩場の岩裾を辿る下段のコースに、無限地獄に通じる「口無し穴」があるというのである。この穴は見ても見えない、聞かれても語りようのないものだといい、ここに落ちれば二度とこの世には帰れないところ。そのため、見るな語るな、語らば聞くなの「御秘所」だったということなのだという。なるほど。


15:40。テント村が見えてきた。


イイデリンドウ。飯豊山の山頂付近にだけ咲く特産種で、天気の良い日にしか咲くことがない非常に珍しい花だという。これを見られただけでもラッキーである。




15:48。本山小屋に無事到着する。この日は、だいぶ歩いて疲れたので、飯豊本山へ行くのは明日の楽しみに残し、小屋でのんびりする事にした。この小屋は自炊なので、夕食も自分たちで作り、まずは腹ごしらえである。

お腹もいっぱいとなり落ち着いてきたころ、小屋の裏に出ると、 緑の山肌に斑に残る白い雪渓のコントラストが素晴らしい。これぞ、飯豊連峰だという景色である。


18:30を過ぎると、夕日が当たって山影が作るシルエットが美しく見えてきた。


飯豊本山の肩には、日が沈もうとしている。そして、左側には御西岳へと向かう稜線と大日岳の姿も見える。


振り返って小屋の上を見ると、満月も見える。


この分なら、明日の天気も間違いないだろうと安心して小屋に戻り、早々に就寝する。

参考1.1日目のコースマップ


参考2.1日目の高低図



「2017飯豊山:2日目本山小屋~飯豊本山~大日岳~切合小屋」に続く

2017飯豊山:1日目弥平四郎登山口~疣岩山~三国小屋

2017-08-08 20:57:17 | 山登り
4日から7日にかけて、東北の飯豊山(いいでさん)に登ってきた。飯豊山は飯豊連峰の主峰となる山で飯豊本山とも呼ばれる。磐梯朝日国立公園内に位置し、可憐に咲く高山植物が豊富で、日本百名山のひとつに数えられている。今回は、飯豊連峰の半分ほどを縦走し、最高峰の大日岳まで行ってから元に戻るコースとした。

初日は、飯豊山の登山口の一つである弥平四郎登山口の手前にある民宿「大阪屋旅館」まで行く。まずは、米沢駅現地集合で4人が集まり、レンタカーで弥平四郎まで向かう。米沢から登山口までは80キロ近くもありかなり遠い。途中、ナビのデータが古いためか、通行止めの場所まで誘導され、引き返したりしたこともあり、かなりの距離を走ってしまった。15時くらいに着く予定が、16時過ぎになってしまった。道中は携帯が繋がらない圏外の区間が続き、どうなることかと思ったが、何とか宿に着いた時はホッとした。それにしても、本当に山奥の中にある集落で、こんなところで宿があるなんてビックリだ。しばらくしてから、那須から参加のAさんも到着し、総勢5人のパーティが揃った。

夕食は、山菜づくしで馬刺しやアユの塩焼きなどが出された。


この日の宿泊客は、我々5人と夫婦2人の7名だ。泊まる人は、間違いなく飯豊山登山が目的である。何代も続く由緒ある宿であるらしく、神棚と仏壇が備わった座敷は立派だ。


翌朝5:30。大阪屋旅館を出発する。


6:00。大阪屋旅館から林道を4キロほど走り、弥平四郎登山口に到着する。既に駐車場は満杯に近く、かろうじて隙間を見つけ駐車する。こんな山奥なのに、百名山だけあって登山者はけっこう多いのだ。


弥平四郎登山口からは、新長坂ルートと新ルートの二つのルートがあるが、もう夏なので我々は新長坂ルートで行くことにした。


登山道に入ってすぐに祓川を渡る。


6:28。祓川山荘前を通過する。無人の避難小屋だ。


巨大な倒木の下をくぐって先に進む。


8:17。最初の水場に着く。岩から滴り落ちる水が美味しい。


果実となったギンリョウソウ。真正面から見るとまるで目玉おやじにも見える。


センジュガンビ。


8:45。森林帯を抜け、展望が開けると雪渓が見えてきた。


谷間の向こうには、雲海と遠くの山並みが見える。


松平峠は、馬の背のような痩せ尾根だ。


9:56。疣岩分岐に到着する。ここは、新ルートとの合流点だ。


疣岩山へ向かう稜線からは、飯豊連峰が一望できる。ガイドブックでよく見た飯豊連峰の姿が手に取るようによく見える。


トンボが飛び交う稜線を進む。


10:12。疣岩山の三角点を通過する。


少し下ってから、三国山へと登り返す。


11:04。三国岳1644mに到着し、近くにある三国小屋で休憩する。ここは、避難小屋ではあるが夏場は管理人が常駐し、トイレが利用でき、ビールやジュースなども有料で購入できる。もうかなり暑くなってきていたので、500円のペットボトルをためらう事もなく購入してしまう。


三国小屋からは、翌日登る予定の飯豊連峰最高峰の大日岳が、雲間から見えていた。


1日目のコースとしては、まだ半分くらい。まだまだ頑張って歩いていかなければならない。

「2017飯豊山:1日目三国小屋~切合小屋~本山小屋」に続く