とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2022北海道・道東三山登山ツアー:4日目阿寒岳(雌阿寒岳)

2022-07-22 21:21:20 | 山登り
4日目は、道東三山の阿寒岳(雌阿寒岳)に登る。国土地理院による正式名称は雌阿寒岳だが、深田久弥の百名山をはじめ一般に阿寒岳というと、この雌阿寒岳を指すことが多い。古くはアイヌ語でマチネシリという。

前日まで雨が降っていたが、4日目の早朝はすでに雨が上がり、宿の窓から明るい日差しが射していた。最終日で帰りの飛行機の時間もあるので、6時前に宿を出て登山口に向かう。雌阿寒温泉登山口の公共駐車場に車を止め、登山開始だ。


雌阿寒温泉の野中温泉の脇の水路からは、温泉水が贅沢に流れだしている。


直ぐに雌阿寒温泉登山口に着く。登山口の登山届に記入して、登り始める。


アカエゾマツの森の間を進む。


シャクナゲの花も咲いている。


次第に、根が縦横に張り出した歩きにくい道となってくる。


ハイマツの中に入ると視界が開け、見渡す限りの原生林の広がりに息をのむ。人工物が全く見えないほどの大自然に北海道の広さが実感できる。


青い池は、かつて秘湖と呼ばれたオンネトーだ。


7合目辺りを過ぎると、溶岩だらけの岩山になってくる。


8合目を過ぎ、いよいよ火口淵が近い。


9合目からは、火口淵を歩く。今なお噴気が出ている火口や赤沼が見える。


北東側の中マチネシリ火口では活発な火山活動が続いている様子が見える。荒々しい風景に自然の脅威を感じる。そしてその先には阿寒湖や雄阿寒岳も見える。


南側には、火口淵が切れ落ちている様子や、端正な形の阿寒富士も見える。


ポンマチネシリ頂上1499mに到着する。雌阿寒岳はポンマチネシリや阿寒富士など8つの火山で構成され、ポンマチネシリは雌阿寒岳の主峰という事になる。


山頂からさらに南下すると、旧火口の青沼と阿寒富士。


さらに火口淵を回り込むと、赤沼火口の噴煙が正面に見えてくる。


オンネトー方面に下り始める。


阿寒富士を真正面に眺めながら下っていく。


オンネトー方面の下りも、倒木などがあって結構険しい個所もある。


オンネトー登山口近くまで来ると、広くて歩きやすい道となってくる。


オンネトー国営野営場の中を通り、雌阿寒温泉方面に向かう。


オンネトーの畔を歩く。


オンネトーとは、アイヌ語で「年老いた沼」あるいは「大きな沼」の意味だという。季節や天候、見る角度によって、澄んだ青、エメラルドグリーン、ダークブルーに色が変わる神秘の湖だ。




オンネトー畔の木道を進む。


木道を渡り切るとオンネトーから離れ、雌阿寒温泉への山道に入る。


山道を1時間ほど歩くと、車を止めた雌阿寒温泉登山口の公共駐車場が見えてきた。


駐車場に到着。阿寒岳周回コースのゴールだ。


ゴール後は、駐車場隣にある野中温泉に入浴していく。大自然にたたずむ手造りの露天風呂と釘を1本も使わない総トドマツ造りの内風呂があり、秘湯感たっぷりの温泉だ。ただ、湯の温度が熱くて、あまり長時間は入ってはいられない。

温泉でさっぱりして気持ち良くなったところで、女満別空港に向かい、無事帰路についた。

参考1.阿寒岳の高低図&コースタイム


参考2.阿寒岳のコースマップ

2022北海道・道東三山登山ツアー:3日目

2022-07-21 21:47:08 | 観光
3日目は、斜里岳に登る予定だったが、気にしていた雨雲がついに東北から北海道にかかりはじめ、ほぼ一日中雨という予報に変わっていた。山の天気指数はDと最悪で、山頂の風速は15m以上という事で斜里岳登山は断念する。3日目は、観光に徹する事にした。

斜里郡清里町の宿に泊まったので、近くの観光スポットを探すと、清里焼酎醸造所があることがわかった。宿からそう遠くもなく、工場見学もできるというので、寄ってみる事にした。

清里焼酎醸造所は、ヨーロッパのお城を想像させる外観が特徴的だ。


駐車場には、一台の車も止まっていなかったので休業中ではないかと心配したが、階段を上って受付に行ってみると、開館中だった。


工場は休日の為、稼働していなかったが、ビデオを見ながら焼酎が出来るまでの行程を見学する。


清里焼酎醸造所で出来上がった「じゃがいも焼酎」が展示されている。


醸造所の裏には、広大なジャガイモ畑が広がっている。


ジャガイモには白い花が咲くことは知っていたが、これほどまでに白い花が咲き乱れているジャガイモ畑を見たのは初めてだ。さすが北海道はスケールが違う。


清里焼酎醸造所は見学のみで、駐車場を挟んで少し先にある、きよさと情報交流施設「きよ~る」で焼酎を試飲できる。


斜里町には、北海道らしい真っすぐに続く長い道が二つほどある。「天に続く道」と「ストレートロード」だ。「きよ~る」から近い「ストレートロード」を試しに車で走ってみる事にした。


清里町~斜里町に続く道道857号線とその延長線上の道路で、直線の延長は14kmくらいある。江鳶山ろくから北のオホーツク海へ向かって下っているので、南の端っこから見下ろすと、その長さを体感できる。


その後、摩周湖を通り阿寒湖に向かうが、次第に雨が強まり、やはり登山をやめて正解だったと実感する。

阿寒湖では、阿寒湖アイヌコタンに寄っていく。阿寒湖アイヌコタンは、36戸・約120人が暮らすアイヌコタン(集落)だ。民芸品の制作・販売が行われ、入り口にある「阿寒湖アイヌシアターイコロ」では、伝統的な古式舞踏を体感することが出来る。

我々が行ったときは、「ロストカムイ」というショーが行われた。アイヌにとって、カムイ(神)と崇められるエゾオオカミが絶滅していった歴史を描いた舞踏ショーだ。デジタルアート、サウンドデザイン、ダンスなど各分野で注目を集めるクリエイターが阿寒湖に集結し、古式舞踊、現代舞踊、3DCG、7.1chサラウンドを組み合わせ、5台のプロジェクターで舞台を立体化し、誕生した新演目だという。すごい迫力で、雨の中、見に行った甲斐があった。

その後、阿寒湖畔の宿に泊まり、翌日の登山に備えた。

「2022北海道・道東三山登山ツアー:4日目阿寒岳」に続く。

2022北海道・道東三山登山ツアー:2日目羅臼岳

2022-07-20 18:27:14 | 山登り
早朝5時起きで、前日夜に作ってもらった朝食弁当を食べてからホテルの駐車場に出る。すでにかなりの登山者が出発していた。


岩尾別温泉「地の涯」の看板前で記念写真を撮って、午前6時前にスタートする。


ホテルの裏手を上がっていくと、木下小屋という山小屋がある。ここで登山届に記入し、本格的な登山道に入る。


新緑の緑が美しく、目を見張る。


ジグザグで急な登山道をしばらく上がっていき、振り返るとオホーツク海がくっきり見えた。青い海と空が広がり、思ったよりいい天気だ。


更に登山道を進んでいくと、道を塞ぐように倒れ込んだ幹が端の方で再び立ち上がっている。これも雪の重みに耐えて再び立ち上がろうとする木の生命力の強さだ。


最初の水場、弥三吉水。そのまま飲むことはできないが、タオルを濡らして冷たい水で顔を拭く。


極楽平。しばらくは平坦な道となり、歩くのが楽だ。


前方に鹿の親子を発見。


鹿は慌てて逃げることもなく、我々と適度な距離を保ちながら、行き先を誘導するように前を歩いて行く。


鹿の親子と別れ、仙人坂を通り過ぎると2番目の水場、銀冷水に着く。頂上まで2.5キロだ。


谷間の道を進むと、雪渓が現われた。


雪渓がどのくらいあるかわからないので、とりあえずアイゼンを装着して進む。


振り返ると、海の青と雪の白がひときわ目立つ。


雪溶けの後には可憐な高山植物が咲き出している。ピンクのエゾコザクラ。


チングルマ。


雪渓が終わり、岩場の道を上っていく。7年前に来たときは、このあたりの雪渓はかなり広かったのだが、今年は思いのほか小さく、アイゼンなしでも大丈夫だった。


程なく、羅臼平に到着する。ここでランチ休憩だ。


羅臼平から上には霧がかかり、山頂がよく見えない。


羅臼平から、岩だらけの道を40分ほどかけて羅臼岳山頂1661mに到着する。雲の中を抜け出すと、山頂からの視界は、ほぼ360°だ。


オホーツク海も再び見えている。


ほかの登山者に、グループ全員の記念写真を撮ってもらう。思いのほか風もなく、暑くなっていたのでカッパも脱いでいた。


景色を堪能して、下山を始める。大きい岩が多いので、登りの時より下りの方がかなり神経を使う。




山の天気は変わりやすいもので、下っている途中から霧雨が降り出し、またカッパを着る。


岩清水という水場。苔の間から雫がしたたり落ちている。


雪渓を下る。踏み跡が多く残っているので、アイゼン無しで下りていく。


雪渓を抜けると、あとは長い樹林帯の道を延々と歩く。行くときは元気だったが、帰りはかなり疲れてきていたので、単調で同じような道がいつまでも続いているような気がしたが、「ホテル地の涯」に着いたときはホッとした。


当初は、後半雨に降られると思っていたが、思いのほか天気が持ってくれたので、助かった。初めて登った他のメンバーたちは、十分楽しめたのではないだろうか。

参考1.羅臼岳の高低図&コースタイム


参考2.羅臼岳のコースマップ


「2022北海道・道東三山登山ツアー:3日目」に続く。

2022北海道・道東三山登山ツアー:1日目

2022-07-19 22:10:29 | 観光
先週は、北海道の道東にある三つの百名山に登るために3泊4日の予定で出かけてきた。1日目は、女満別空港から知床半島の羅臼岳の登山口となる岩尾別温泉に向かった。

岩尾別温泉に向かう途中で立ち寄ったのは、オシンコシンの滝だ。落差約30m。途中から流れが2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれており「日本の滝100選」にも選ばれているそうだ。滝の中ほどの高さまで階段で上がることができ、しぶきが掛かるほど目の前で見られる滝は、かなり迫力がある。


オシンコシンの滝をバックにメンバー全員で記念写真を撮ってもらう。


その後、知床観光船の沈没事故で一躍有名になったウトロ漁港の前を通り、岩尾別温泉に向かう。

岩尾別温泉近くまでくると、翌日登る予定の羅臼岳とそこに連なる知床連山の山並みがくっきり見えてきた。


岩尾別温泉の宿は、「ホテル地の涯(はて)」といい、日本最北東にある知床の温泉ホテルだ。数年前まで廃業状態だったらしいが、現在は営業再開して羅臼岳登山口の宿として大いに賑わっているようだ。ここがなければ、羅臼岳登山も簡単に行くことが出来ないので、営業再開していてくれてよかった。


1日目は、「ホテル地の涯」に宿泊して、翌日早朝から羅臼岳に登る予定だ。雨雲が東北から北海道に向かってきているようで2日目の天気が心配だった。

「2022北海道・道東三山登山ツアー:2日目羅臼岳」に続く。

2022第2回信越トレイル:セクション6

2022-07-14 07:02:25 | 信越トレイル
第2回の最終日は、セクション6の伏野峠からスタートだ。宿のバスで峠の入り口まで送ってもらう。


伏野峠から、しばらくは急斜面が続く。


須川峠まで来ると、大分緩やかな道になってきた。


間違えやすい分岐点が二つほどあり、最初の間違えやすい分岐。道なりに進んでしまうと、キューピットバレイスキー場のゴンドラ山頂駅に向かってしまう。野々海峠方面に行かなければならない。


この辺りは、明るいブナ林が続く。


2番目の間違えやすい分岐。ここも、野々海峠方面に曲がる。


西マド湿原の横を通過。少しだけ開けた場所から湿原があることを確認できた。植生保護のため立入り禁止になっている。開けた場所がなければ、湿原がある事すら気付かなかっただろう。


野々海峠に到着する。


長野県最北地点を通過し、深坂峠に到着する。関田山脈のなかでも最も古くから存在し、奈良時代頃から人々が行き来した歴史ある峠。大きな石碑が目印で新潟県側の眺望が開ける絶好の休憩ポイントだ。


上越市内や日本海がうっすらと見える。


三方岳1139mに到着する。


新潟県側の景色が良く見える。


天水山に近づくにつれて、素晴らしいブナ林が広がってきた。




信越トレイルの中でも、屈指のブナ林だという天水山周辺。


セクション6のゴールとなる天水山1088mに到着する。


天水山山頂にもブナの巨木がある。


ブナの巨木の前で記念撮影。


天水山からセクション7のコースを少し歩き、松之山口方面への分岐に下る。


天水越のブナ林の間を下る。


松之山口に到着。ここまでは車が入ってこられる。


これで第2回の信越トレイルは終了である。次回は、セクション7~セクション9までのコースを歩く予定だ。

参考1.信越トレイル・セクション6の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション6のコースマップ

2022第2回信越トレイル:セクション5

2022-07-13 06:35:52 | 信越トレイル
前日ゴールだった関田峠からスタートだ。


その後、しばらくは急坂が続くが、あとはなだらかな歩きやすい道が続く。西側の展望が開けると、百名山の妙高山と火打山がくっきり見える。第1回の時も、所々で見えていたが、今回はかなり近づき大きく見える。


やがて下り道となり、グングン下がっていくとトイレやバンガロー風の建物が出てきた。案内板を見ると、光ヶ原高原キャンプ場と書いてある。どうもおかしいなと思って地図を確認すると、いつの間にか信越トレイルを外れ、全く違うルートを歩いていたことが分かった。


女性陣は、トイレがあって助かったようだが、かなり余分に歩いてきてしまった。間違えた分岐地点まで20分ほどで戻る。分岐点まで戻ると、通った記憶があるものの、歩きやすい道で、話しながら歩いていたこともあって、道なりに沿って通り過ぎてしまったらしい。

分岐点からほどなくして梨平峠に到着する。


牧ノ小池は、モリアオガエルとクロサンショウウオが産卵する場所だ。


よく見ると、木の枝にモリアオガエルの卵塊がくっついている。


牧峠に到着する。牧峠から舗装道路を15分ほど下ると水場があるという事で、水を求めて道を下る。


道路脇から長いパイプが突き出ていて、冷たい湧き水が流れ出ている。湧き水で生き返ったような気分になり、休憩したくなったが、風があって日陰で休憩できるような場所がなく、牧峠まで戻る。


牧峠から信越トレイルに戻り、しばらく坂を上り、たいらで風が通りそうな場所でランチ休憩だ。


花立山に到着。セクション5のほぼ中間地点だ。


「幻の池」と呼ばれる小さな池に到着する。大きなブナの樹が林立する深い森の中にひっそりとたたずむ池である。決して眺望のいい場所ではなく、周囲はうっそうとしている。


なぜ「幻の池」というのか。ちょっと気になって調べた。以前はここに池がある、ということをはっきり確認できておらず、25000分の1地形図にも池記号がなかった。でも山仕事をする人や一部のヤブ山マニアには知られていたらしい。「信越トレイル」ができ、だれでも行けるようになると「あ、ちゃんと池があるね」と確認でき、幻でなくなったというわけだ。


セクション5のゴール地点となる伏野(ぶすの)峠に到着する。戦国時代は、軍用道路として利用されたそうだ。


お迎えのバスも、待っていてくれたので、一安心だ。


参考1.信越トレイル・セクション5の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション5のコースマップ

2022第2回信越トレイル:セクション4

2022-07-12 09:12:48 | 信越トレイル
7月の第2週目から第2回の信越トレイルだ。今回は、セクション4からセクション6を歩く予定。まずは、戸狩温泉スキー場のとん平ゲレンデまで、宿の車で送ってもらう。今回もずっといい天気が続きそうである。


ゲレンデ内の道を歩き、信越トレイルのセクション4の起点に進む。


ここが、セクション4の起点となる仏ヶ峰登山口だ。スキー場では真ん中くらいの場所となる。


ゲレンデ内は花も咲き出し、蝶々も飛んでいて昆虫採集もできそうな場所だ。


ゲレンデを抜けると、ブナの森に入っていく。


この辺りは、信越トレイルの中でも屈指のブナの森だという。美しいブナ林に目を奪われる。


仏ヶ峰を抜け小沢峠で一休み。


展望が開け、飯山市内や千曲川の流れも見える。


鍋割山1288mに到着する。鍋割山は、関田山脈の主峰で、この山のブナの樹1本で、300坪の水田を潤すほどの保水力があるのだという。水源に恵まれた山であることがよくわかる。


久々野峠から信越トレイルのコースを外れ、巨木の谷に下りていく。巨木の谷には、樹齢数百年以上というブナが林立しているという。


中でもシンボル的なブナの巨木が、「森太郎」だ。信越トレイルが制定された象徴的な場所を見に行くのがこの旅の最大のテーマであるかもしれない。


ただ、残念な事に今年の春頃、「森太郎」は老齢の為、倒壊してしまったという。それでも1時間近く藪をかき分け、倒壊した場所まで行くことが出来た。


根元から下には、倒壊した残骸が無残にも散らばっている。


残った根本の太さを見れば、いかに巨木だったのかが良くわかる。また、「森太郎」の先にあった「森姫」はさらに10年くらい前に倒壊してしまっていたそうだ。「森姫」までには行かず、引き返して久々野峠に戻る。


久々野峠からすぐに黒倉山1242mに到着する。


ブナの枝が横向きになって、道をふさいでいるような場所が次第に目立ってくる。


筒方峠に到着。この日のゴールとなる関田峠まであとわずかだ。


道は広くて歩きやすいのだが、ブナの枝が横向きになっている場所がかなり増えてきた。この辺りは、冬には積雪8mにもなるという豪雪地帯であることから、雪の重みで枝が曲がってしまうのだ。それでも折れることなく横に伸びていくというブナの生命力には驚く。




15時過ぎ、関田峠に到着する。お迎えのバスが待っていてくれてホッとする。関田峠は、上杉謙信が通ったと言われ、信濃と越後を隔てる関所があったという。


参考1.信越トレイル・セクション4の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション4のコースマップ