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「竹下村誌稿」を読む 129 質侶庄 16

(まーくんの少年野球)

午前中、掛川に少年野球の試合を見に行った。4年生になったまーくんが少年野球のチームに入り、試合に出ると聞いたからである。5、6年生のメインのチームではなく、サブのチームである。クラブに入ったばかりだが、セカンドの守備に、広島の菊池二世だと言ったコーチはおだてすぎで、野球を始めたばかりにしては、球を追う感覚が悪くないというのであろう。

今日はセンターで、球は一度、ショートが取れなかったフライがバウンドして、センターに転がっただけであった。見ていると、球を投げる肩がまだ出来ていない。バッターに立ったがフォアボールで、次の打者の一球目に二塁に走り、二球目に三塁に走って、ゆうゆうセーフ。足には自信があり、当然のように盗塁していた。お昼過ぎたので、途中で帰ったが、試合としては、まだまだ幼くて、ゲームを組み立てる形にはなっていない。もう少しうまくなったら、また応援に来ようと思う。

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「竹下村誌稿」の解読を続ける。

食貨志にその消息を叙して、

凡そ荘園、錯して諸郡と郷村に在り。その区域を殊にす。各(おのおの)名号を立て、公験を請く。以って相伝え領し、或は牧地を侵掠し、墾じ荘田と為す。よって旧名を称す。故に往々、並び称し荘牧と曰う。このこれを領する者、公卿を称して領家と曰う。豪民を領主と曰う。院宮及び摂籙等家、主上の領する処にて、その租入を受く者、号して本家という。
※ 錯す(さくす)- 入り混じる。
※ 公験(くげん)- 奈良・平安時代、私有地を譲与・売買したとき、官府が所有権の移転を公認した文書。転じて広く土地所有権を立証するための文書をいう。
※ 侵掠(しんりゃく)- 侵略。
※ 豪民(ごうみん)- 有力者のこと。
※ 院宮(いんぐう)- 上皇・法皇・女院と三后(太皇太后・皇太后・ 皇后)・東宮の総称。
※ 摂籙(せつろく)- 摂政の異名。関白をもいう。
※ 主上(しゅじょう)- 天皇を敬っていう語。おかみ。至尊。


凡そ荘園事務、一切、本家、領家の進退する所なり。国司、これを問うを得ず。その荘務を管する者、初め、荘長と曰う。後に、総検校、検校、専当、預、別当などの職有り。概して称して荘司と曰う。また下司と称す。公文、案主、総追捕使、押領使、などの職有り。総じて荘官と曰う。園務を掌(つかさど)る者、園司と曰う。皆な本家、領家の置く所なり。
※ 進退(しんたい)- 心のままに扱うこと。自由に支配すること。

或は、在庁官吏、及び郡司等を以って、これを補う。その郡司を以って(補う)者、大荘司と称す。或は、一人を以って、国中諸荘務を統べる者有り。総官と曰う。後に、宣旨を以って、これを補う者有るに至る。その荘民、寄人有り。住人有り。各(おのおの)、名田を占める。以って永業と為す。
※ 宣旨(せんじ)- 平安時代以降、天皇の命を伝える文書。
※ 寄人(よりゅうど)- 荘園において、荘園から他領へ出作した農民を他領では寄人といった。
※ 永業(えいぎょう)- 永業田。世襲を許された田。世業田。


毎荘、皆な荘家有り。以って荘務を行なう。その賦課の法、考え得るべからずといえども、而して、穀粟、布、帛、綿、塩及び漆、金、馬匹等、各(おのおの)、当土(当地)の産する所に任す。或は役夫を差し発す。或は諸料物を課す。或は、臨時加徴、蓋し皆な荘司等、酙酌量定する所、固より画一の制に有らざるなり。租徴庸役の法、これよりして壊(こわ)る。
※ 加徴(かちょう)- 租税などを増加して徴収すること。
※ 酙酌(しんしゃく)- 斟酌。あれこれ照らし合わせて取捨すること。


とあり。
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