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「亜米利加応接書」 6

(庭のドウダン)

庭のドウダンはこの10年、まったく樹形が変わらない。ほとんど成長していないように見える。

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「亜米利加応接書」の解読を続ける。

一 今また、英吉利、仏蘭西、一致致し、唐国へ戦争を仕掛け申し候。只今の処にては、この上の行く末、如何が相成り申すべくや、実に計り難く候。

一 只今の姿にては、何事も、英吉利、仏蘭西の望み通り、聞き済まし候様、相成り申すべく、さもこれなくば、全国皆な英仏両国の所領と相成り申すべく候。

一 先ず、英国の望みを残らず評し候様致し候には、国中不伏(服)これ無き様、それぞれ計らず候ては相成り申しまじく、その内には、英国弥(いよいよ)強盛に相成り申すべく候。
※ 強盛(きょうせい)- 勢いが強くて盛んなこと。

一 佛蘭西は高麗、英吉利は台湾を領し候望みに御座候。

一 当時の戦い、和儀に至り候わば、やはりそれぞれ為に諸費を出さず候ては相成り申すまじく候。

一 唯今申し上げ候趣を以って、能々(よくよく)御勘考、御用心遊ばさるべく候。

一 天に誓い申し上げ候。只今の戦いもアゲント(領事)、北京に罷り在り候わば、必ず起りは仕るまじく候。

一 英吉利、佛蘭西、両国政府より唐国の戦い、荷担致し候様、頼み越し候えども、大統領断りに及び候。

一 全体、唐国にて、亜墨利加人(アメリカ人)を取り扱いの事に付いて、自国政府不快に存じ居り候儀も御座候えども、人に荷担致し、戦争致し候儀は、相断り一切仕らず候。

一 亜米利加軍艦、ポルツモーツと申す船へ、唐国の砦より日は不同候えども、両度まで鉄炮打ち掛け候儀、これ有り。右は何等の事より、右躰不位(不意)の所業に及び候や。唐国政府へ掛け合いに及び候処、如何とも答え申し出でず候に付、この方よりも同様、鉄炮打ち掛け申し候。

一 自国の水師提督アルムストロンク義、右に付、広東港口の砦四ヶ所、据え付けこれ有り候大炮は勿論、石垣まで悉く毀し破り申し候。
※ アルムストロンク - ジェームス・アームストロング。アメリカ海軍の士官で、東インド艦隊司令官を務めた。

一 右打ち砕き候より、広東の下奉行、詫び入れ候に付、その戦いは事止み申し候。

一 亜墨利加政府は、英人などに力を戮(あ)わせ、唐国と戦争致し候儀には御座なく候。

一 併せて、唐国の所為(せい)宜しからぬ趣は、各国皆な唱え居り申し候。

一 唐国争乱の基本は、一つこれ有り候。右は亜(阿)片に御座候。
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