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道聴塗説 その八 6

(散歩道のエドヒガン)

花がソメイヨシノより早い。(写真が夕方で、写りが悪かったので、4/4の昼間に再度写してきた。)

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「道聴塗説 その八」の解読を続ける。

今この本願念仏は、大経に、末法万年の末に、百年までも住世の益を説き給う。或は大阿弥陀経に「我れ般泥洹し去りて後、経道留止すること千歳なり。千歳の後、経道断絶せん。我れ皆な慈哀(慈悲)して、特にこの経法を留めて、止住すること百歳の中、竟(おわり)て乃(すなわ)ち休止し、断絶せん。心の所願に在りて、皆な道を得べし」と。平等覚経もまた同じ。
※ 住世(じゅうせい)- 世に住すこと。
※ 般泥洹(はつないおん)- 仏が入滅すること。
※ 経道留止(きょうどうるいし)- 末法の時代(教のみがあって行・証のない時代)で、一万年続いた。
※ 経道断絶(きょうどうだんぜつ)- 経道滅尽。末法の時代の後 、自力成仏の道を説いた聖道門の経典がすべてこの世界から消え失せることをいう。
※ 止住(しじゅう)- ある場所にとどまって住むこと。居住。
※ 所願(しょがん)- 神仏に願っている事柄。願い。
※ 平等覚経 -「無量清浄平等覚経」の略称。


この経の如くならば、賢護経の如く、正法滅時に止住百歳に似たれども、康僧鎧の訳本には、ただ当来の世、経道滅盡とありて、年数を説かず。況んや、仏説法滅盡経に、「首楞厳経般舟三昧、先ず化滅し去りて、十二部経尋ねて後に化滅す」ともあれば、般舟三昧は正法滅の時に滅すべし。
※ 康僧鎧(こうそうがい)- 曹魏時代の訳経僧である。天竺(インド)出身の僧と伝えられているが、康の字から西域の康国・康居国の出身とする説もある。
※ 当来(とうらい)- きたるべき世。未来。来世。
※ 仏説法滅盡経 - 釈迦が涅槃に入る頃のことを著した経。
※ 首楞厳経(しゅりょうごんぎょう)-「首楞厳三昧経」の略称。仏が堅意菩薩の請いに応じて、頓証菩提 (とんしょうぼだい) の法として首楞厳三昧を説いたもの。
※ 十二部経(じゅうにぶきょう)- 仏所説・如来所説の教法を内容・形式によって分類したもの。伝承により多少の異同がある。


かの賢護経第四思惟品に、空三昧と称す。これ般舟三昧なり。この空三昧は智慧ある故に先に滅すべし。大経の念仏は口稱の法にて、大悲の色声なれば、末法万年に至る事、前の然燈仏と世自在王と悲智の先後の如く知るべし。
※ 空三昧(くうざんまい)- すべて存在、あるいは存在現象は空であると観ずること。無相三昧と無願三昧とを伴い、この三三昧を三解脱門と称する。
※ 口稱(くしょう)- 念仏を口にとなえること。称名。


読書:「報い 警視庁追跡捜査係」堂場瞬一 著
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