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「亜米利加応接書」 13

(散歩道のコデマリ)

「亜米利加応接書」も読み終った。このブログでは明日で終る。次に何を読むかは、すでに決まっていて、読み進んでいるが、それは明日書くことにしよう。

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「亜米利加応接書」の解読を続ける。

一 大統領の願いには、西洋各国と、もし確執などこれ有る節は、格別大切の取扱、媒(なかだち)に立ち置かれ候様、兼ねて申し唱え、心掛け罷り在り候。
※ 確執(かくしつ)- 互いに自分の意見を強く主張して譲らないこと。また、そのために生じる不和。

一 先ず亜墨利加国と条約御結び成され候わば、外国にも右を踰(こ)え望み候儀は、決してこれ有りまじく、右の(かど)、則ち、媒(なかだち)に相立ち候印に御座候。
※ 廉(かど)- 理由として取り上げる事柄。箇条。ふし。点。

一 私儀、日本へ渡来致し候節、香港において、英吉利の総督、ションボウリシクに面会致し候処、日本よりの使節、申し付けられ候由、内々咄し聞き候。その後、御国へ参り候てより、書簡四通差し越し申し候。
※ ションボウリシク - 第四代香港総督、ジョン・バウリング。英国の政治経済学者、旅行家、翻訳家、政治家。

一 勿論、右面会は私に出会いの儀に御座候。右差し越し候書簡中、日本政府へ係わり候事、認めこれ有り候。

一 右の内、日本渡来の節は、日本人のこれまで見及ばず候程、軍船を率い、江戸表へ罷り出で、御談判仕り候心得の由、御座候。

一 江戸より外に罷り越すべき処、これ無きよし、申し越し候。

一 右願いの(第)一はミニストル(公使)、アゲンド(領事)の官人を、都府に留め置き候儀、第二には日本数ヶ所に英船参り、自国の品を(おぎの)候通り、勝手次第に日本の品物を買い調え候様致したき心願にこれ有り、もし右の心願成就致さず候わば、直ちに干戈に及び候心組みのよし。もっとも唐国の争戦にて渡来致し候期(ご)、遅延致し候由、申し越し候。
※ 賖る(おぎのる)- 代金をあと払いにして買う。掛け買いをする。

一 最前、同人の見込みにては、当三月、江戸へ参り候筈にこれ有り候。全て唐国の戦争故、延引に及び候事と存じ奉り候。

一 仏蘭西も同様に付、参り候節は、一同に罷り越すべく候。

一 当時(現在)の処にては、最前より船相殖(ふ)え候事にてこれ有るべく候。

一 終りの書翰に申し越し候趣にては、蒸気船ばかり五拾艘余に至るべき候よし。
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