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道聴塗説 その九 1

(増水した大代川)

朝、近所のどぶ浚いに出る。しかし、途中より雨が降り出して切り上げた。昨日から当地には大雨警報が出て、大代川の水も随分出た。草がなぎ倒されている所まで、水位が上がっていたことが解る。

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今日より「道聴塗説 その九」の解読を始める。いよいよ「道聴塗説」の最終章である。

その九
一 問う。当流に道俗ともに「御頼み」と申す事、他宗、他流へ対して、如何にも愚者の振る舞いと聞こえたり。但し、経証にでもある事なるや。
※ 経証(けいしょう)- 仏教的見解を述べる時に、その裏付けとなる経典の記述。

答う。如何にも、愚者の振る舞いこそ、浄土真宗の機にて候。自力を存するにこそ、智者めきたる沙汰もあるべし。他力と申すには、善導を始め、我等愚痴身とし給う。観経に、韋提夫人を心想羸劣の凡夫と示し給う意なり。
※ 善導(ぜんどう)- 善導大師。中国浄土教(中国浄土宗)の僧。「称名念仏」を中心とする浄土思想を確立する。
※ 愚痴身(ぐちしん)- 真理に暗く、無知な身。
※ 心想羸劣(しんそうるいれつ)- 心が弱く劣っていること。


但し、経証を申さば、大経に、弥勒菩薩の領(了)解の文に、「今、我れ衆ら、度脱を得ることを蒙(こう)ぶる所以(ゆえん)は、皆な仏の前世に道を求め給いしの時に、謙苦し給うが致す所に、恩徳普(あまね)く覆うて、福禄巍々たり。光明徹照して空に達し給うこと極まり無し。泥洹に開入し、教授典攬威制消化し給う。
※ 度脱(どだつ)- 済度。迷いの世界からさとりの世界へ導き入れること。
※ 謙苦(けんく)- 謙譲勤苦。身をへり下りつとめること。
※ 福禄(ふくろく)- 幸福と俸禄。しあわせ。
※ 巍々(ぎぎ)- 気高く勝れている様子。福徳の高いさま。
※ 泥洹(ないおん)- 涅槃。入滅。
※ 教授典攬(きょうじゅてんらん)- 典攬を教授すること。経典の要義を取ってこれを学ばせること。
※ 威制消化(いせいしょうけ)- 仏の威光をもって、外道を制伏し、邪見を消して教え導くこと。


十方を感動せしめ給うこと、窮まり無く、極まり無し。仏、法王と為す。尊きこと、衆聖に超え給う。普(あまね)く一切天人の師と為りて、心の願所に随いて、皆な道を得させしめ給う。今、仏に値(あ)い、また無量寿仏の声を聞くことを得て、歓喜せざるということ靡(な)し。心、開明することを得て」と説き給う。
※ 衆聖(しゅうせい)- 数多くの聖者たち。
※ 開明(かいめい)- 知識がひらけ、物事が進歩すること。
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