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道聴塗説 その八 7

(ソメイヨシノ、最もよく咲いた一枝、但しここだけ)

午前中、掛川の古文書講座の申し込みを電話でする。午後、名古屋のかなくん母子が帰った。一緒に昼食のパスタをみんなで食べた、掛川のまーくんたちも帰り、我が家は静かになった。その後で、久し振りにムサシを連れずに散歩した。土手のソメイヨシノは開花宣言はあったが、まだ一分咲きと言ったところで、次の週末辺りが満開になるかもしてない。花粉はピークは越したけれども、まだたくさん飛んでいるようで、我が探知機も大いに反応した。

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「道聴塗説 その八」の解読を続ける。

然れば、五十四仏、釈迦、弥陀の両伝、悲智の二運などの相承あるべし。既に釈尊より弥勒大士に付属し給いて、遠くは龍華三会に至り、近くは無着世親の二菩薩に伝わりて、菩提流支に至る。
※ 相承(そうじょう)- 師から弟子へ代々、仏の悟りの本体を伝え受継ぐこと。
※ 龍華三会(りゅうげさんえ)- 釈迦入滅後五十六億七千万年の後、弥勒菩薩がこの世界に現れ、竜華樹の下で悟りを開き、衆生のために三度法会を開いて、釈迦の教化にもれたものを救うこと。
※ 無着(むじゃく)- インド大乗仏教の論師。世親の兄。北インドのガンダーラ出身。弥勒の教えを受けて大乗に転じ、唯識説を体系化した。
※ 世親(せしん)- インド大乗仏教の唯識派の祖師。初め小乗仏教を研究し「俱舎論」を著したが、兄の無著の指導で大乗仏教に転じた。
※ 菩提流支(ぼだいるし)- 中国南北朝期の訳経僧。北インドの人。洛陽に来て北魏武帝に厚遇され、「金剛般若経」「入伽経」他を訳出。曇鸞に「観無量寿経」を授けたという。


世親の往生論を、流支、時に来して翻訳し、曇鸞これを注解し給う。或は釈尊、昔、楞迦山にして、龍樹懸記し、この一伝は、不空三蔵、既に無量寿の儀軌を伝う。これ観経の伝来なり。
※ 往生論(おうじょうろん)-「無量寿経優婆提舎願生偈」。世親により撰述された「無量寿経」の注釈書を、後魏の菩提流支が漢訳した書である。「浄土論」「無量寿経論」とも。
※ 曇鸞(どんらん)- 中国南北朝時代の僧である。中国浄土教の開祖。 浄土宗では、「浄土五祖」の第一祖とされる。浄土真宗では、七高僧の第三祖とされる。
※ 楞迦山(りょうがせん)- 釈尊が「楞伽経」を説かれた場所。一説には、スリランカの古名とも。この「楞伽経」巻九で、釈尊が将来の龍樹菩薩の出現を預言されているので「楞伽懸記(りょうがけんき)」という。
※ 龍樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)-南インドの出身で、バラモン教を勉強した後、仏教に転じて、初期の大乗仏教を確立した。空の思想を確立したことで有名。
※ 懸記(けんき)- 未来のことを、記しておくこと。
※ 不空三蔵(ふくうさんぞう)- 唐の高僧、訳経僧。密教を唐に定着させた。弟子には恵果などがいる。
※ 儀軌(ぎき)- 密教で、仏・菩薩・諸天などを念誦・供養する方法や規則。また、それらを記した典籍。
※ 観経(かんきょう)- 観無量寿経。大乗仏教の経典の一つ。
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