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第4回古文書に親しむ「寺子屋規則(後半)」

(庭のマツバボタン花盛り)

午後、第4回「古文書に親しむ」の講座に出席した。まずは、前回読んだ「寺子屋規則」の後半を読んだ。前回は8月22日に講座があり、8月23日のブログに書いている。書き下した文を以下へ示す。

一 絵を書き、習い双紙を切り人形細かくなど致されまじく候。あるいは畳に墨を付け、水をくつがえし、障子を破り候儀は、はなはだ以って粗相の至りに候事。
※ 粗相(そそう) - 不注意や軽率さから過ちを犯すこと。

一 火の用心肝要に候。留守の内、火燵(こたつ)並び油燭の火も大切に致さるべく候。
 附り 冬天の時分、水泳に参り候事、怪我の基に候。随分相慎しまれるべき事。

※ 油燭 - 文字のまま読むと、「袖燭」となるが意味が不明で講師は解読できなかった。自分は「油燭」と読んでみた。油を燃やす灯りの意味に取った。
※ 冬天 - 冬の空。
※ 水泳 - 講師は「泳」を「冰」=「氷」(こおり)と読み、「水垢離」の当て字だと読んだが、寒中水泳ということもあるから、文字通り「水泳」と読んでよいのではないかと思った。

一 二度の寺上り並び来たり候節も、騒がしくこれ無き様に致さるべく候。なおまた草履、下駄、雪踏、木履(ぽっくり)、傘などまで、替えざる様に致すべき事。

一 見世店にて買い食い致し候儀、言語道断、見苦しく候。きっと相嗜まるべく候。
 附り 子供の談義参り、薬師参りに騒動いたし候儀、無用たるべき事。

※ 見世店 - 講師は「みせや」と読んだが、「店」は(たな)とも読み、「みせだな(見世棚)」という言葉もある。ここでは(みせだな)と読むのが正しいと思う。意味は「商品を陳列する場所。現在の店に相当する」
※ 談義参り - 寺院などに説教・法話を聞きに行くこと。

一 他所(よそ)の手習子どもと出合い、我が師匠を誉め、他の師をそしり、訳もなき諍論これ有りまじく候。
 附り 世間の異名を唱へ、あるいは人の癖を真似し、悪口など致さるまじき事。

※ 諍論(じょうろん)- 言い争うこと。

右の條々今度定めて(おわんぬ)。一々相守り違背有りまじく候。常に傍輩中相互にいたし、覚束なきところ尋ね合い、慇懃の挨拶もっともに候。年月を重ね習い候文才相忘れ候輩(やから)、詮なき事に候間、随分手習い、読書、相励み申さるべき者なり。
  酉十一月                         善正寺

※ 訖 -靜岡の講座で「おわんぬ」と読むと教わった。意味は「終わった」という意味。「今度」というから「おわんぬ」が座りがよい。講師は「ことごとく」という読みを取った。
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