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第8回古文書解読基礎講座「大坂御台場預け状」

(駿河古文書会会員の伊賀英生講師)

女房は朝から出かけ、お昼にうどんを食べた。昨日の「NHKためしてガッテン」で視たことを試してみた。うどんのつけ汁にスプーン(小)一さじほど、ケチャップを溶いてみた。するとどうだろう、不思議や不思議、ケチャップの味が立つことは無く旨味が増した(ような気がした)。これは色々試してみる価値がありそうだ。

昼食を終えたところに、まーくん母子が来た。昼食はまだだというので、うどんの残りを出した。夕方、帰るまーくん母子に駅まで送ってもらって、靜岡の古文書解読基礎講座に出かけた。来週は出張で欠席になるから、今日が最終回となる。

先週から、伊賀英生講師に替わっているが、先週はデジカメを忘れ、今夜写真を撮った。講師が古文書の勉強を始めたのが、やはりこの古文書解読基礎講座だという。始めたのが平成3年で、図書館から古文書解読の本を借りてたくさん読んだり、駿河古文書会にも入って勉強した。18年経って、今では講師をやっていると話してくれた。

本日の最初は、「大坂御台場預け状」これは自分で勝手にネーミングした。この「預け」は建設から守備の実施まですべてが入っているという。東京のお台場は有名だが、大坂にも幕末にお台場が建設された。知らなかったが、当然のことだろうと思う。その見返りとして、官位や官職をちらつかせて、巧みな大名操縦術だと思った。

安政四丁己五月十五日来たる。

   四月二十八日                松平讃岐守
異国船防禦のため、大坂安治川、木津川、両川口御台場御取立て、大砲据付け候。御船をも御備え仰せ出され候に付、大坂表御警衛仰せ付けられ、木津川口二ヶ所、御台場、その方(ほう)へ御預け遊ばされ候。右御台場御船ならび据付候大炮とも、西洋法仰せ付けられ候あいだ、その心得を以って大炮打方など習練候様、申し付けらるべく候。松平出羽守へも大坂表御警衛仰せ付けられ候。安治川口二ヶ所、御台場御預け遊ばされ候あいだ、申し合わさるべく候。もっとも土屋釆女正へ申し談(はな)さるべく候。

                           松平隠岐守
異国船渡来の節、武州神奈川警衛、仰せ付けられ候。随時出張の積り相心得、防禦の手筈厳重に申し付けらるべく候。

   正四位上                  松平讃岐守
その方儀、当時の御由緒柄出格の思し召を以って、正四位下、仰せ付けられ候後、間合もこれ無く、この上、昇進の儀、及ばれ難き御沙汰筋に候えども、この度大坂表御台場御用、引請け仰せられ候。防禦筋の儀、万端御委任成され候に付、なおまた今般別段の思し召を以って位階昇進仰せ付けられ候儀、相心得られ、御守衛筋の儀、格別入精相励み候様、致すべく候。

※ 出格 - 格式からはみだすこと。破格。
※ 入精 - 魂を込めること。入魂。

                           松平出羽守
異国船防禦のため、大坂安治川、木津川、両川口へ御台場御取立て、大砲据付け、御船をも御備え仰せ出され候。大坂表御警衛仰せ付けられ、安治川口二ヶ所御台場、その方へ御預け遊ばされ候。右御台場御船ならび据付候大炮とも、西洋法仰せ付けられ候あいだ、その心得を以って大炮打ち方など習練候様、申しつけらるべく候。松平讃岐守も大坂表御警衛仰せられ候。木津川口二ヶ所御台場御預け遊ばされ候あいだ、申し合わさるべく候。もっとも土屋釆女正へ申し談さるべく候。これに依って、武州本牧御警衛の儀、御免成され候。

※ 御免 - 役職などを解かれることを、その決定を下す者を敬っていう語。「お役御免」

   思し召これ有り少将            松平出羽守
その方、家督以後年数もこれ無く、未だ若年にて昇進の御沙汰には及ばれ難く候えども、本牧御警衛以来、引続きこの度大坂表御台場御用引請け仰せ付けられ、防禦筋の儀、万端御委任成され候に付、今般格別の思し召を以って仰せ付けられ候儀と相心得られ、御守衛筋の儀、格別入精相励み候様、致すべく候。

    二十七日
   上野火の御番               松平安芸守
   増上寺火の御番              松平土佐守


※ 松平讃岐守  讃州  高松  城主   十二万石
   土屋釆女正  常州  土浦  城主   九万五千石    大坂城代
   松平隠岐守  伊豫  松山  城主   十二万石
   松平出羽守  雲州  松江  国主   十八万六千石
   松平安芸守  芸州  広島  国主   四十二万六千石
   松平土佐守  土州  高知  国主   二十四万二千石
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