平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
子隣村検地水帳 その2
(徳山の工場プラント群)
今朝から一泊二日で福岡へ出張である。今日ののぞみは山口県の徳山駅に止まった。駅からは山陽新幹線では珍しく、徳山の工場地帯と瀬戸内海が見える。いつもは素通りであっという間に過ぎてしまうが、今日はゆっくりと走った。何枚か写真を撮ってみた。
今、ホテルのLANケーブルを使って書き込んでいる。昨日の「子隣村検地水帳」の続きを書き下し文で示す。昨日の書き下し文は改行がうまく出来ておらず、わかり易く書き換えた。
一 米二斗八合 小笠山柴役米
内 五升五合 井伊伯耆守様御領分桶田村へ出し
一斗五升三合 井上太左衛門様御領分金谷村へ出し
これは十年以前より柴役米出し、馬草、薪取り来り申し候
一 薪居林にて取り来り申し候
一 西より東へ流れ申す川にて井水取り申し候
一 六尺給米 前々より出し申さず候
一 四貫七十五文 夫銭出し申し候
これは本多越前守様、江戸御上下の夫役銭に出し申し候
※ 居林 - 村の林
※ 井水 - 井戸の水。ここでは川に堰を設けて水を取った。
※ 六尺給米 - 江戸城台所人夫の代
※ 夫銭 - 夫役(ぶやく)の代わりに納めさせた金銭。
一 村領内 東西二十町 南北一町半
隣村 岩井寺村へ 七里半
高瀬村へ 二十五町
下内田村へ 一里
見付町へ 五里
中泉へ 五里半
池田へ 六里半
福田へ 六里
掛塚へ 七里
一 二分三百三十一文 江戸御蔵前御入用金
但し百石に付、一分掛り
※ 見付町は東海道見付宿、中泉は代官所、池田は天竜川の渡し場、福田と掛塚は湊がそれぞれあった。
当村川除け
一 横井九ヶ所 百姓役に仕り来り申し候
一 川堤切所、破損御座候節は、御断り申し上げ、御人足申し請け、修覆仕り来り申し候
一 留池二ヶ所、破損の節は御断り申し上げ、御人足申し請け、修覆仕り来り申し候
一 留池樋の儀は当村居林にて伐り、百姓役仕り候
※ 川除け - 堤防などの河川の氾濫防止施設。
※ 横井 - 川の堰
※ 御断り - 許可を取る
一 家十六軒 内 三軒 本百姓
十三軒 高持たざる百姓
一 男女九十八人 内 五十三人、男 四十五人、女
内 水呑男三十四人、同 女三十二人
三十人大小百姓
二人出家
一 一ヶ寺 松岩寺
曹洞宗御支配所、上土方村本寺花厳院、末寺
一 白山権現 社領少も無御座候
一 金山 同断
一 天白 同断
一 天王 同断
一 牛馬 五疋 内 三疋馬 二疋牛
一 鉄砲一挺、鉛玉三匁五分 持主源八郎
これは鹿(しし)おどしのため取り持ち仕り候
一 ちゃうせん人御下りし節は掛川領へ道場すけ(助)役仕り候
一 御林、御座無く候
一 酒屋、糀屋、御座無く候
一 郷御蔵一軒、長三間、梁二間、百姓作事仕り候
一 小橋三ヶ所 百姓役にかけ申し候
※ 高持たざる百姓 - 水呑み百姓
※ ちゃうせん人御下り - 朝鮮通信使の通行
※ 御林 - 幕府直轄の御林
※ 郷御蔵 - 郷蔵。江戸時代、郷村などで、年貢米を上納するまで貯蔵し、また凶作に備えて穀類を保存した共同倉庫。
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