ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

講演「日本精神を復興し、亡国憲法の改正を」1

2015-03-17 09:03:09 | 憲法
 2月23~24日東京都港区で、「日本精神を復興し、亡国憲法の改正を」と題した講演を行った。その大意を掲載する。

●わが国の国柄と現行憲法

 2月11日は現在、建国記念の日と呼ばれるが、戦前までは紀元節として祝われた。紀元節は、神武天皇が八紘一宇の理想を掲げて初代天皇の御位に就いた日を日本の起元とするものである。わが国の皇室は、神武天皇以来、今上陛下まで125代にわたり連綿として続いている。そこには、天皇が国民を「大御宝」と呼んで大切にする仁の伝統が脈打っている。このような国は、世界に他に存在しない。日本人が最も誇りとすべき事実である。
 だが、現行憲法には、日本の素晴らしい歴史・伝統・文化・国柄が盛り込まれていない。大東亜戦争の敗戦後、GHQが秘密裏に起草し、わが国に押し付けた憲法だからである。現行憲法は、わが国を自壊滅亡に導く亡国憲法である。
 わが国はその憲法を一字一句変えずに来てしまった。そのため、家庭・社会・国家のいたるところに深刻な危機を抱えている。今年は第2次世界大戦終結後、70年を迎える年で、中韓が反日的な行動を強めている。しかし、わが国はいわれなき事柄で誹謗中傷を受けても、堂々と反論できずにいる。こうした日本の現状を改めるには、日本人が日本精神を取り戻し、日本人自身の手で世界に比類ない日本にふさわしい憲法を作って、国家を再建することが必要である。

●経済再生の次は憲法改正が課題

 昨年末の12月14日に衆議院総選挙が行われた。衆院選は、アベノミクスの是非について国民の信を問う選挙として行われた。自公が合計で定数の3分の2を上回る326議席を獲得して圧勝した。安倍首相はアベノミクスをはじめとする政策への信任を得て、長期安定政権の軌道に入った。
 確かに日本経済の再生は重要であり、わが国は国民が一致協力してデフレを脱却し、経済成長の軌道に戻らねばならない。だが、もっと重要なのは、国家そのものの再建である。そのために急務となっているのが、憲法の改正である。
 物質的な繁栄を追い求めるだけでは、国家の安泰と持続的な発展は得られない。また、経済にばかり力を入れ、国防を怠っていると、他国に侵攻・支配されることになりかねない。
 1月20日「イスラム国」を自称する過激組織により、日本人2名が人質にされ、殺害される事件が起こった。ISILは、日本人にテロ宣言を行った。いつ日本人がまた襲われるかわからない。日本は平和ボケを脱し、安全保障を真剣に考える必要がある。
 実は現在、中国は沖縄より尖閣諸島に100キロ近い浙江省温州市沖の南キ列島に新軍事基地を建設している。大型レーダー2台、超高速の通信情報網を設置、ヘリポート、軍用機の滑走路の建設等を進め、今年中に完成予定と伝えられる。南シナ海では、フィリピン、ベトナム近辺で5つの岩礁を埋め立てて基地を作っている。中国は本気である。尖閣を奪取したら、次に沖縄を狙う。沖縄を押さえられたら、わが国は窮地に陥る。
 日本人の手で、独立主権国家にふさわしい憲法を作り上げてこそ、国家の安泰と民族の繁栄が得られ、世界の平和への貢献もできる。

●憲法の欠陥と改正のポイント

 続いて憲法の欠陥を述べ、具体的なポイントを挙げて改正の必要性を話す。

(1)根本的な問題
 憲法は国の基本法である。国を成立たせている根本的な法律である。他の法律や政策は、憲法に基づいて作られる。わが国はその憲法に根本的に問題がある。だから日本はおかしくなっている。
 現行憲法は、占領下で戦勝国に押し付けられた憲法である。日本を断罪し、弱体化するのが目的だった。自ずと国が崩壊・滅亡するような内容になっている。そのことをよく理解する必要がある。

(2)前文
 前文は、わが国の特徴が書かれておらず、どこの国かわからないような内容となっている。それは、書いているのが、日本人ではないからである。日本を占領したGHQの米国軍人が書いた。前文は、ハッシー海軍中佐が書いた。
 前文は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と始まる。「代表者を通じて行動する」とは奇妙な表現。英語では、… acting through our duly elected representatives in the National Diet … この act through は「を代理として」という慣用句。英文原案を翻訳するようにと呼びつけられた日本の外交官が誤訳した。
 特に注目すべきは、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの生存と安全を保持することを決意した」と書いてあることである。
 「平和を愛する諸国民」というが、それは戦勝国のことで、自分たちは平和を愛する国、日本は戦争を起こした悪い国として一方的に断罪している。だが、米ソは間もなく対立するようになり、冷戦下で様々な戦争が起こった。現在の中国・北朝鮮・ロシア等を見ても、前文はまったく宙に浮いた理想論となっている。しかも「公正と信義に信頼して」は、てにをはが間違っている。「~を」でなければならない。
 前文には、日本人の手でわが国の歴史・伝統・文化・国柄を書き、日本人自らの決意を盛り込む必要がある。

(3)第9条
 前文の関連のもとに定められているのが、第9条である。連合国の中心となった米国は、日本を弱体化し、再び日本が米国及び連合国の脅威とならないようにすることを占領目的とした。そのため、憲法で日本の国防が制限された。憲法改正で最も大きな焦点となるのが、第9条であり、次のような条文である。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 ここに戦争放棄・戦力不保持・交戦権の否認が規定されている。第9条を世界遺産に、9条を守っている日本国民にノーベル平和賞をなどという人たちがいるが、第1項は1928年の不戦条約と同じ主旨である。不戦条約は現在も約60ヶ国が当事者国である。戦争放棄は日本独自のものではない。
 問題は、2項である。もし自衛力を含めてまったく戦力を持たないとすれば、独立主権国家として成り立たない。そこで「前項の目的を達するため、」という文言を入れた。これを芦田条項という。芦田均元首相が発案し、マッカーサーが承認した。自衛のための戦力は持てるという主旨だった。だが、わが国の政府は、自衛のために持てるのは戦力ではなく、最小限度の実力に限るとし、自衛隊は戦力ではないとしてきた。だがこの解釈では限界がある。限界の一つが、集団的自衛権の問題である。従来政府は、集団的自衛権は最小限度の範囲を超えるとし、権利は所有するが、憲法上行使できないという解釈を取ってきた。安倍内閣は、この解釈を変更し、限定的に行使できるようにしようとしているが、根本的な解決にはならない。9条の改正が必要である。
 だが、9条の改正については、左翼・反日勢力が激しく反対する。そこで特に女性の理解が重要である。国民の半分は女性である。女性の多くが国防の重要性を理解し、平和と安全を守るために9条を改正しようという世論を生み出すことに、日本の運命がかかっているともいえる。
 改正においては、侵攻戦争の放棄は維持しつつ、自衛権は自然権であり、自衛のための軍隊を持つことを入れることがポイントである。

 次回に続く。

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