憲法改正の時が熟しつつある。すでに自由民主党、政治家個人、読売新聞社、日本会議、日本青年会議所等から、さまざまな改正案が出されている。これらの改正案を検討しつつ、新しい憲法の実現をめざし、私も国民の一人として条文の具体案を提示してみたい。
1.勅語
新憲法が制定される場合、天皇は日本国の象徴および日本国民統合の象徴として、日本国憲法(以下、昭和憲法ともいう)の規定に従い、新しい憲法を公布する役目をになう。昭和憲法第九十六条2項に次のように規定されている。
「憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。」
前項の承認とは、国民投票の結果を言う。
日本国憲法の場合は、次のような昭和天皇の勅語が付されている。
「朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が定まるに至つたことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる」
これに日付と御名御璽が記されている。そして、憲法制定当時の国務大臣の副署がされている。
新憲法の公布に当たっても、今上天皇から勅語を賜ることとなろう。勅語の内容は、新憲法と昭和憲法との関係および制定の過程を明確にするものとなるだろう。この度の主語は、「朕」ではなく、「私」が用いられることと思う。まことに僭越だが、たとえば以下のようなお言葉をいただくことになろうかと思う。
――――――――――――――――
●ほそかわ案
私は、日本国憲法の改正が、憲法第九十六条により、国会が各議院の総議員の三分の二以上の賛成で議決して発議され、国民投票において過半数を得て承認されたことをよろこび、ここにこれを公布する。
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最後に、日付と御名御璽、国務大臣の副署が必要となろう。
2.前文
一国の基本法である憲法に、前文を設けるとすれば、その国の成り立ちや歴史・伝統・文化を記し、その中に憲法制定に寄って立つ法源を明らかにし、国の理念・目標を提示するものでなければならない。
自由民主党の新憲法第1次案では、次のような前文を提示している。
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●自民党案
日本国民はアジアの東、太平洋と日本海の波洗う美しい島々に、天皇を国民統合の象徴として戴(いただ)き、和を尊び、多様な思想や生活信条をおおらかに認め合いつつ、独自の伝統と文化を作り伝え多くの試練を乗り越えて発展してきた。
日本国は国民が主権を持つ民主主義国家であり、国政は国民の信任に基づき国民の代表が担当し、その成果は国民が受ける。
日本国は自由、民主、人権、平和、国際協調を国の基本として堅持し、国を愛する国民の努力によって国の独立を守る。
日本国民は正義と秩序による国際平和を誠実に願い、他国と共にその実現の為(ため)協力し合う。国際社会に於(お)いて圧制や人種の不法な侵害を絶滅させる為の不断の努力を行う。
日本国民は自由と共に公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実をはかり教育の振興と文化の創造と地方自治の発展を重視する。自然との共生を信条に豊かな地球環境を護(まも)るため力を尽くす。
日本国民は大日本帝国憲法及び日本国憲法の果たした歴史的意味を深く認識し現在の国民とその子孫が世界の諸国民と共に更に正義と平和と繁栄の時代を内外に創(つく)ることを願い、日本国の根本規範として自ら日本国民の名に於いて、この憲法を制定する。
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昭和憲法と違い、日本人自ら起稿した文章であり、立派な内容だと思う。ただし、私の感想としては、少し盛り込む内容が多すぎると思う。まだ文章が生硬で日本語としての自然な流れが感じられず、読んで難しく聞いてわかりにくい。主語は「日本国民」で一貫しているが、「我々」「わが国日本」というような二人称複数を用いたほうがよいと思う。今後、少し要素を絞り、日本語としての自然さを求めて推敲を願いたいと思う。
次回は、自民党以外の案も見てみたい。
1.勅語
新憲法が制定される場合、天皇は日本国の象徴および日本国民統合の象徴として、日本国憲法(以下、昭和憲法ともいう)の規定に従い、新しい憲法を公布する役目をになう。昭和憲法第九十六条2項に次のように規定されている。
「憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。」
前項の承認とは、国民投票の結果を言う。
日本国憲法の場合は、次のような昭和天皇の勅語が付されている。
「朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が定まるに至つたことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる」
これに日付と御名御璽が記されている。そして、憲法制定当時の国務大臣の副署がされている。
新憲法の公布に当たっても、今上天皇から勅語を賜ることとなろう。勅語の内容は、新憲法と昭和憲法との関係および制定の過程を明確にするものとなるだろう。この度の主語は、「朕」ではなく、「私」が用いられることと思う。まことに僭越だが、たとえば以下のようなお言葉をいただくことになろうかと思う。
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●ほそかわ案
私は、日本国憲法の改正が、憲法第九十六条により、国会が各議院の総議員の三分の二以上の賛成で議決して発議され、国民投票において過半数を得て承認されたことをよろこび、ここにこれを公布する。
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最後に、日付と御名御璽、国務大臣の副署が必要となろう。
2.前文
一国の基本法である憲法に、前文を設けるとすれば、その国の成り立ちや歴史・伝統・文化を記し、その中に憲法制定に寄って立つ法源を明らかにし、国の理念・目標を提示するものでなければならない。
自由民主党の新憲法第1次案では、次のような前文を提示している。
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●自民党案
日本国民はアジアの東、太平洋と日本海の波洗う美しい島々に、天皇を国民統合の象徴として戴(いただ)き、和を尊び、多様な思想や生活信条をおおらかに認め合いつつ、独自の伝統と文化を作り伝え多くの試練を乗り越えて発展してきた。
日本国は国民が主権を持つ民主主義国家であり、国政は国民の信任に基づき国民の代表が担当し、その成果は国民が受ける。
日本国は自由、民主、人権、平和、国際協調を国の基本として堅持し、国を愛する国民の努力によって国の独立を守る。
日本国民は正義と秩序による国際平和を誠実に願い、他国と共にその実現の為(ため)協力し合う。国際社会に於(お)いて圧制や人種の不法な侵害を絶滅させる為の不断の努力を行う。
日本国民は自由と共に公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実をはかり教育の振興と文化の創造と地方自治の発展を重視する。自然との共生を信条に豊かな地球環境を護(まも)るため力を尽くす。
日本国民は大日本帝国憲法及び日本国憲法の果たした歴史的意味を深く認識し現在の国民とその子孫が世界の諸国民と共に更に正義と平和と繁栄の時代を内外に創(つく)ることを願い、日本国の根本規範として自ら日本国民の名に於いて、この憲法を制定する。
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昭和憲法と違い、日本人自ら起稿した文章であり、立派な内容だと思う。ただし、私の感想としては、少し盛り込む内容が多すぎると思う。まだ文章が生硬で日本語としての自然な流れが感じられず、読んで難しく聞いてわかりにくい。主語は「日本国民」で一貫しているが、「我々」「わが国日本」というような二人称複数を用いたほうがよいと思う。今後、少し要素を絞り、日本語としての自然さを求めて推敲を願いたいと思う。
次回は、自民党以外の案も見てみたい。
その土台は「大日本帝国憲法」を基にして加筆、訂正すれば十分今も通じます。特に勅語は教育勅語にも通じる良い内容です。
占領軍によって廃止させられた、日本人が作った日本国に適した「大日本帝国憲法」を復活するべきでしょう。
私は、無効論に一定の説得力を認めつつも、昭和天皇による公布、昭和憲法による国家体制の実行、半世紀以上の実績という点から、有効論を取らざるをえないと考えています。それゆえ、昭和憲法の改正条項に基づいた同憲法の改正という手続きが適当と考えるわけです。
大日本帝国憲法の復元・改正を説く方からも、憲法改正案を提示していただけることを期待しています。