ほそかわ・かずひこの BLOG

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皇位継承12~竹田恒泰氏の「養子案」、愛子内親王殿下のご結婚

2021-11-10 09:35:07 | 皇室
●竹田恒泰氏の「養子案」

 作家の竹田恒泰氏は、安定的な皇位継承のための方策としては養子案がベストだと『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか』で主張している。その大意を記す。
 復帰案だと、誰を復帰させるかを政府や議会が決めるのは、現実的にはなかなか難しい。候補として表に出たら週刊誌などがよってたかって潰すことにもなりかねないし、思惑も絡むだろう。これに対し、養子の場合は、宮家を残したいと思う当主が旧皇族の中から誰がふさわしいかを考え、相手に養子に入ることを頼み、双方が承諾すれば成立するので、自動的に人選が決まる。また養子案の場合は、皇室の財政や財務に関する事項を定めた現行の皇室経済法で対処できるので、予算法案を通さなくて済む。予算法案を通さなくてよい法案は、基本的に通しやすい。
 養子案の方が復帰案より良い理由の一つは、例えば常陸宮家に養子に入れば、常陸宮同妃両殿下から「皇族はこうあるべきだ」との教えを受けることができることである。
 竹田氏は、皇室典範の関係条文は、「昭和22年に皇籍を離脱した宮家の男系男子に限って、養子を取ることができる」とすればよいという見解である。
 竹田氏によると、氏の養子案は、平成21年(2009年)に成立ぎりぎりのところまで行ったという。麻生太郎氏が総理大臣だった時で、氏の案をもとにした皇室典範改正法案を提出する方針が自民党内で決定された。その作業の途中で、三笠宮寛仁親王殿下から学者たちがとりまとめた復帰案と合わせて検討するようにという要望があり、皇室典範の第9条を改正することを軸とした「養子案」と、同第15条を改正することを軸とした「復帰案」の両方を盛り込んだ共同法案が作られた。この皇室典範改正案は、皇室典範改正準備室を経て、内閣法制局で検討する段階まで進んだ。内閣法制局を通過したら、宮内庁提出法案として、内閣委員会に提出する予定だった。内閣委員長の判断で本会議場に送るとすればよいと竹田氏は考えたという。
 ところが、ここで思わぬ横槍が入った。当時、事務担当官房副長官だった漆間巌氏がこの皇室典範改正案の提出を見送る方針を立てた。麻生総理が天皇陛下(現上皇陛下)に内奏した際、「陛下は旧皇族の復帰を快く思召されなかったため、典範改正を見送ることにした」と漆間氏は言った。だが、竹田氏が三笠宮寛仁親王殿下に伝え、父君の三笠宮崇仁親王殿下が陛下に拝謁して直接真偽をお尋ねしたところ、陛下は「麻生総理の内奏の折に皇位継承の話題が出たことはない」との答えだった。それで漆間氏の話は嘘だとばれた。だが、漆間氏の横槍で立ち往生している間に、麻生政権が終わり、法案を通すことができなかったという。
 竹田氏は、「その後、なぜ安倍政権の時に、この改正をやらなかったのか」と疑問を呈している。
 竹田氏は、『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか』に、氏の皇室典範改正案及び関連法令の改正案を掲載している。次に、皇室典範改正案の主要な点を掲載する。

 現行の第2条「皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。」
 ⇒改正後「皇位は、全て実系により、左の順序により、皇族に、これを伝える。」
(養子関係を無視することにより、皇位継承順位に影響を与えない。実系とは実父・実母の系統)

 現行の第9条「天皇及び皇族は、養子をすることができない。」
⇒改正後「天皇及び皇族は、養子をすることができない。ただし、昭和22年10月14日に皇籍離脱した旧皇族男子の男系の男子が、皇室会議の議を経て、皇族の養子となる場合は、この限りではない」

 現行の第15条「皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。」
 ⇒改正後「皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。ただし、昭和22年10月14日に皇籍離脱した旧皇族男子の男系の男子が、次の各号に該当する場合は、この限りではない。
 一 第9条ただし書きの規定により、皇族の養子となった場合
 二 内親王又は女王と婚姻した場合
 ② 第9条ただし書きの規定により、皇族の養子となった者及び、内親王又は女王と婚姻して皇族となった旧皇族男子の男系の男子と、その以上の男系において最近親の皇族との間の男子には、没後、親王を追号する。」

 次に、竹田氏は皇族女子が結婚後、皇籍に留まることのできる場合について、次のような皇室典範改正案を提示しているので、併せて掲載する。

 現行の第12条「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。」
 ⇒改正後「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。ただし、傍系血族たる養方の養子と婚姻したときは、この限りではない。また、昭和22年10月14日に皇籍離脱した旧皇族男子の男系の男子と婚姻したときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。」

●愛子内親王殿下のご結婚

 さて、私は、安定的な皇位継承のための方策として、第一に旧皇族の復帰、第二に養子(基本的に旧皇族の男系男子孫に限る)、第三に女性宮家創設(旧皇族の男系男子孫との結婚に限る)を揚げた。養子案については、竹田恒泰氏の案を紹介した。
 ここで重要なことを書いておきたい。それは、天皇家の長女・敬宮愛子内親王の御結婚についてである。愛子様については、女性天皇になることを願う意見が一部にある。女性天皇になる場合の問題点については先に書いた。愛子様には、女性天皇になるのではなく、旧皇族の男系男子孫と結婚していただき、男系継承の堅持に貢献していただきたいというのが、私の考えである。
 愛子様は、平成13年(2001年)12月1日のお生まれであり、本年20歳になられる。現在、学習院大学に在籍されている。ご結婚については、数年先の話である。愛子様がどういう相手と結婚されるかは、皇室の命運に大きくかかわる。私は、必ず旧皇族の男系男子孫と結婚していただくことを願う。その際、安定的な皇位継承のための三つの方策が関係する。第一は旧皇族に皇籍に復帰していただき、愛子様がその皇族と結婚される場合、第二は旧皇族の男系男子が皇族の養子となり、その方と結婚される場合、第三は旧皇族の男系男子孫を配偶とする女性宮家を創設する場合となる。
 これらいずれかによって、愛子様には旧皇族の男系男子孫と結婚して、悠仁親王殿下を支える皇族を産み育て、また悠仁様の次の世代の皇位継承資格者を育成することによって、皇位の男系継承の堅持に貢献していただきたいものである。
 同じ願いは、秋篠宮家の次女・佳子内親王殿下にも言える。長女・小室眞子氏の大失敗を繰り返してはならない。

 次回に続く。

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