ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

3・18セミナーの講演2

2007-03-25 08:41:23 | 日本精神
●日本の心~「おほみたら」と建国の理想

 では、こうした国柄を持つ日本に伝わってきた心とは、どういうものか。
 昨年、皇室に実に40年ぶりに、男のお子様が誕生された。悠仁様と名付けられた。お名前には、「仁」という文字が使われている。明治天皇、大正天皇、昭和天皇、今上陛下、皇太子様、秋篠宮様等、みな「仁」がお名前についている。皇族男子は、お名前にみな「仁」という文字をつけている。これは平安時代からの伝統だという。このことは、皇室が「仁」ということを非常に大切にされていることを表わしている。「仁」は、いつくしみ、思いやりを意味する言葉である。

 「仁」のルーツは、はるか歴史をさかのぼる。
 小学生に最初の天皇は誰かと聞くと、推古天皇、仁徳天皇などと答える。初代は、神武天皇だが、教科書に載っていない。だから子どもたちは、最初の天皇の名を知らない。
 神武天皇は、一説によると2667年前に、奈良県橿原の地で、最初の天皇の位についたとされる。そのとき、「橿原建都の詔」を発したとされる。その詔(みことのり=天皇のお言葉)の中に、国民を意味する言葉として「民」「元元」という文字が出てくる。これらの文字は「おおみたから」と読む。宝物だというのである。神武天皇は、国民を宝物のように大切に考えた。ここに「仁」のルーツがある。

 「橿原建都の詔」には、次のような部分がある。
 「六合(くにのうち)を兼(か)ねて以(も)って都(みやこ)を開(ひら)き、八紘(あめのした)を掩(おほ)ひて宇(いえ)と為(せ)むと、亦(また)可(よ)からずや」
 これは、「国中をひとつにして都をひらき、天の下を覆ってひとつの家とすることは、また良いことではないか」といった意味である。
 国中が一つの家族のように暮らせる国、世界中が一つの家族のように暮らせる世界をつくりたいーーそれが、日本建国の理想である。この建国の理想を一言で表す言葉が、「八紘一宇」である。八紘一宇は、日本がアジアを侵略するスローガンのように誤解されているが、東京裁判では、なんら侵略的な意図のない言葉だと確認された。英語ではuniversal brotherhoodと訳される。人類みな兄弟という意味になる。

 他の国では、国王・皇帝は、自分の権力を求め、国を支配し、国民から搾取する。それゆえ、それに恨みを抱いたものが、政権を奪い、新たな王朝を立てる。それを繰り返してきた。
 それに対し、日本では、建国の理想のもとに、天皇が国民をわが子のようにいつくしみ、国民に思いやりを持ってまつりごとを行う。国民はこうした天皇の御心に応え、天皇をわが親のようにしたい、天皇を中心として国民が家族のように結び合って生活してきた。だから、神話の時代から21世紀の今日まで、一系の皇室が125代も続いている。

 こうしたわが国では、各家庭にあっては、親は子供を愛情を持って育て、子どもは、親が年を取って弱ってもどこまでも大切にする。夫婦は、男女の特長を認め合い、欠点を補い合って、和を心がける。また祖先を大切に祀り、子孫の幸福・繁栄を願う。そうした家庭が寄り集まって、一つの国をなしている。社会にあっては、人々が助け合い、共存共栄を心がける。海外の文化も積極的に取り入れて、固有のものと調和させてしまう。その国全体の要に皇室があり、国民は皇室を中心として団結して生活する。
 これが、日本のもともとの姿であり、これこそ、日本人が世界に誇ることのできる国柄であり、その心である。

 次回に続く。

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