ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

安倍首相靖国参拝の反響5

2014-02-15 09:32:29 | 靖国問題
●安倍首相靖国参拝への内外の反応(続き)

◆アジア諸国

・東南アジア諸国のメディア
 産経新聞は平成26年1月3日号で、東南アジア諸国の反応を伝えた。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140103/asi14010321060004-n1.htm
 「第二次大戦で日本の占領統治を受けるなどした東南アジア諸国では、安倍首相の立場に理解を示す冷静な論調が目立った。
 インドネシアで最も影響力のあるコンパス紙は、12月28日付の社説で安倍首相の参拝について、東シナ海の領土をめぐる日中の緊張が高まっているこの時期に行ったのは「適切なタイミングでなかった」としつつも、「(靖国問題で)自らを被害者と位置付ける中韓の主張は一面的な見解だ」とクギをさした。
 その上で、今回の参拝は戦死者の霊に祈りをささげ、日本国民が再び戦争の惨禍に苦しむことのないように取り組む決意を伝えたとする「安倍首相の見解」を紹介した。
 同紙はさらに、「靖国神社には、現在は戦争犯罪者と見なされている数百人だけでなく、戦争の犠牲となった(各国の)約250万人も祭られている」と指摘し、国に命をささげた人々のために参拝することは日本の指導者として当然だとする安倍首相の立場にも言及した。
 一方、シンガポールのストレーツ・タイムズ紙(12月27日付)は、安倍首相が参拝に踏み切ったのは、これまで摩擦を避けようと終戦記念日や春秋の例大祭で参拝を見送ったにもかかわらず中韓が強硬姿勢を崩さず、「冷え切った中韓との関係に改善の見込みは少ないと見切ったためだ」との分析記事を掲載。中韓の敵視政策が逆に参拝の呼び水となったとの見方を示した」

・シンガポール リー元首相
 「靖国問題も中国が心理的なプレッシャーをかけているだけ」

・台湾 李登輝元総統
 「国のために命を亡くした英霊をお参りするのは当たり前の事。外国が口を差し挟むべきことではない」

・インドネシア ユドヨノ大統領
 「国のために戦った兵士のためにお参り、当然」

・ベトナム政府
 「我々は中国や韓国のような卑怯な外交手法をとるつもりはない」

・パラオ レメンゲサウ大統領
 靖国参拝に「すべての人のために祈るのは正しいこと」

・ソロモン諸島 ケマケザ首相:
 「日本とソロモン諸島の共通の文化は先祖に感謝すること。英霊が祭られている場所を拝見したい」

・フィリピン ラモス元大統領
 ラモス氏は、最近の日中間の対立を「地域・世界政治における互いの影響力の減衰を図る行動」とするとともに、「アジア太平洋で起きている新たな冷戦の一環だ」と位置づけた。同氏は、旧日本軍の占領支配を「現在も遺憾に思う」としつつも、「われわれが中国と同様に悲憤慷慨(こうがい)したり、(日本に)厳しい態度をとるのは適当だろうか」と問いかけた。また、「恨みを抱き続けてわれわれの未来が危険にさらされてはならない」と強調し、参拝を問題視する必要はないとの姿勢を明確にした。

・インド ラジェスワリ・P・ラジャゴパラン元国家安保委事務局長補
  「どの国も亡くなった兵士に敬意を表する権利がある。安倍首相の靖国参拝をナショナリズムの高まりや軍国主義の復活とみるべきではない。
 日本の首相は何人も靖国神社を参拝しているが、1985年の中曽根康弘氏の参拝に中国が抗議を始めるまでは、今回のように問題視されることはなかった。中国の経済的台頭などが厳しい反応の背景にある。
 日中間の第二次大戦に関する問題は78年の平和友好条約調印で終わっている。中国は再びこの問題をむしかえし、韓国も異議を唱えているが、そこに合理的な正当性はない。
大戦の戦犯を裁く東京裁判で、インド人のパール判事は、日本人を誰もA級戦犯に分類すべきではないと主張した。当時、インドには日本軍の行動に理解を示す者もいた。今日においても日印両国はアジアの平和と安定をどう図るかで多くの共通の認識を持つ。
 インドが今月26日に行われる共和国記念日の軍事パレードに安倍首相を賓客として招いていることは、大きな政治的メッセージを含んでいる。両国は米国を含めて対話を深め、安全保障分野などで協力をさらに進めるべきだ」

●結びに

 安倍首相の靖国参拝は内外に大きな反響を呼んでいる。わが国では、参拝を支持する意見が不支持を上回っている。海外で参拝自体を批判している国は、中国・韓国以外は少ない。中韓の2国は極端に反日的な歴史観を持ち、それを国際社会に宣伝している。靖国参拝への批判はその広報戦略の一環として行っているものであり、それに同調する若干の国があるに過ぎない。日本の唯一の同盟国である米国政府は、参拝自体を批判しているのではなく、「失望」していると言っているものであり、理由は中韓との緊張関係の悪化である。それ以外の国々及び諸外国の有識者には、日本の首相が日本の戦没者に感謝の慰霊の参拝をすることを支持する見方が多い。
 私は、首相の靖国参拝について、一時的に中韓が反発したり、それに同調する国が若干あっても、それに気押されずに、堂々と参拝を続けるべきだと思う。相手がこのカードは使えないと思うところまで、不退転の決意で実行すべきである。また、首相をはじめとする政府関係者は、なぜ日本の首相は靖国神社に参拝するのか、そこで何を祈っているのかを、様々な国際的な機会に繰り返し説明し、理解を獲得・拡大していくことが大切である。(了)

関連掲示
・拙稿「慰霊と靖国~日本人を結ぶ絆」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion08f.htm