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ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

アイヌ施策推進法論をアップ

2019-06-19 09:31:57 | 時事
 5月11日から6月18日にかけてブログとMIXIに連載したアイヌ施策推進法論を編集し、マイサイトに掲示しました。通してお読みになりたい方は、下記へどうぞ。

■アイヌ施策推進法は改正すべし~その誤謬と大いなる危険性
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion13-05.htm

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 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

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アイヌ施策推進法19~アイヌ施策推進法の改正を求める

2019-06-18 09:43:28 | 時事
(2)北海道の現状
 平成31年(2019年)4月7日、北海道で知事選が行われた。立憲民主党や国民民主党、共産党、社民党が支援する石川知裕(ともひろ)候補と、与党の自民党・公明党と新党大地が推す鈴木直道候補の戦いだった。
 石川候補は元衆議院議員で、「北海道独立宣言」を掲げ、『新・北海道憲章』を作成するとした。小沢一郎の元秘書であり、小沢の意向を受けて知事選に出たと見られる。小沢自由党所属の衆議院議員から沖縄県知事になった玉城デニーが、石川の応援のため北海道に来た。沖縄には琉球独立運動があり、中国が支援している。小沢は中国共産党に迎合している。石川が北海道知事になったら、沖縄と同じような運動を進める危険性があった。しかし、北海道民の良識によって石川候補は大敗し、鈴木直道新知事が誕生した。
 鈴木知事は、元東京都職員から夕張市長となり、同市の財政再建で実績を上げた保守系の若き俊英である。北海道の再生を願う道民の期待は大きい。だが、鈴木が選挙前に提示した政策集を見ると、「外国人材の積極的な活用」として、「外国人材の受け入れ拡大に向けた道民理解の促進を図り、地域に定住しやすい環境づくりを支援します」、「民族共生象徴空間を中心としたアイヌ文化の発信」として「アイヌ新法の成立を契機に、地域振興や産業振興など未来志向の幅広い施策の実現を目指します」と謳っている。鈴木知事は、外国人受け入れ拡大とアイヌ施策推進法には、大いなる危険性があることを理解していないようである。若き新知事に、これらの問題点をよく知ってもらう必要がある。

結びに~アイヌ施策推進法の改正を求める

 私は、アイヌ施策推進法は、早急に改正することが必要と考える。アイヌ施策推進法をそのままにしておくと、日本は分断され、亡国の道へ進む危険性がある。
 まず国会で民族の定義及び先住民族の定義を議論し、今日のアイヌが民族とみなし得るのか、民族とみなし得る場合、先住民族に当たるのかどうかを改めて判定すべきである。私は、遺伝子と歴史の研究を踏まえて、アイヌは先住民族ではなく、少数民族と修正すべきと考える。また、アイヌの認定は公的機関で行うことにし、公的認定制度を創設することが必要である。また、アイヌ関係団体の実態を調査し、不正支出・不正受給や政治的な偏向を正すことが必要である。利権の拡大を許すような税金のバラマキをしてはならない。
 以下、拙稿「アイヌ新法は日本を分断し、亡国に導く」の結論部と同じ内容だが、本稿においても、繰り返し訴えて結びとする。
 「わが国は未だ日本人自らの手による憲法の改正ができていない。国家の再建のできていない状態で、一部のアイヌやこれと結びついている反日左翼や外国勢力が、自治区だ、独立だと国家を分断する動きをすると、日本は窮地に陥る可能性がある。
憲法の全面的な改正を急ぎ、日本の分断を防がねばならない。そして、国のあり方を根本から立て直さなくてはならない。自民党が提案している自衛隊の明記、緊急事態条項の新設等だけでなく、事ここに至っては、全面的な改正が急務である。
 日本人は有史以来、皇室を民族の中心として今日まで進んできた。そこに発達したのが、日本精神である。
 日本人は、こうした精神を発揮して、アイヌの同化を進めてきた。アイヌもまた日本語を学び、日本の国民として生活してきた。ところが、今日一部のアイヌが左翼や外国勢力と結びついて、日本を分断するような動きをしている。現在の日本は、国民の多くが日本精神を見失い、分裂状態に陥っている。そのため、こうした動きに対して、しっかりした対応ができていない。憲法を改正して日本の再建が進んでいない状態で、アイヌ問題が拡大していくと、日本が分断されて、取り返しのつかないことになる恐れがある。
 日本人は、自己本来の日本精神を取り戻し、憲法に日本の国柄・伝統・歴史や目指す理想を書き込むこと。そして、アイヌ系日本人を含む多くの国民が日本人としての自覚を持ち、日本の平和と繁栄のために団結する必要がある。
 本年、この御代替わりの年を新たなスタートとして、日本人自身の手で憲法を改正し、日本の再建を進めよう」(了)

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アイヌ施策推進法18~政治家は問題を認識しているか

2019-06-15 16:30:25 | 時事
7.政界の現状

(1)政治家は問題を認識しているか
 アイヌ問題について、自民党の国会議員は、9割以上がほとんど知らないらしい。義家弘介参議院議員が偏向した学習用副読本について国会で質問したことは先に触れたが、他にアイヌ問題を理解しているのは、青山繁晴参議院議員、山田宏参議院議員、鬼木誠衆議院議員(福岡)くらいだと聞く。アイヌ問題について、自民党の国会議員は勉強会を開こうとしないとも聞く。アイヌ新法について、自民党の議員はほとんどその危険性がわからぬまま賛成した模様である。
 北海道には、少数の政治家ながらこれまでアイヌ問題を追及してきた事例がある。
 平成26年(2014年)8月11日、金子快之札幌市議会議員(当時、東区選出、自民党)が、Twitterに、「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません」という書き込みした。これをアイヌの団体等が批判した。自民党札幌支部連合会は、平成20年の国会決議を踏まえ、「アイヌ民族の存在を認めないのは、党議に違反する」として、金子議員を党から除名した。さらに、同年9月に札幌市議会は議員辞職勧告を決議した。
 これに対し、金子議員は、辞職を拒否し、アイヌ民族であることを法的に証明する手段が現状存在しないことを指摘し、出自がアイヌでなくとも、養子や婚姻等の手段で認定されれば、アイヌとして優遇措置を受けられたり、北海道アイヌ協会には多くの「不正行為」があるなどと告発し、札幌市のアイヌ政策に関する「官製談合」が存在したとして市議会で追及した。官製談合は実際に何度も行われている事が判明し、札幌市の幹部が検挙された。
 金子は、その後、平成27年(2015年)の札幌市議選に無所属で出馬し、再選を目指したが、落選した。現在もホームページに「特集アイヌ利権」という掲示を行っている。
https://ykaneko.net/ainu-concesseion
 小野寺秀(まさる)元道議会議員(帯広市選挙区)は、アイヌ問題を道議会で何度も追及した。それによって、この問題が道民・国民に知られるようになった。
 小野寺は、積極的にアイヌ問題の啓発を行っている。例えば、平成26年(2014年)には、YAMATOPRESSのインタビューで次のように語った。動画の文字起こしをした人に感謝して、ここに抜粋にて転載させていただく。
 「そもそも僕がこのアイヌ問題に携わるようになったのは、オホーツクの方にあるアイヌの支部があって、羅臼(らうす)支部なんですけれども、会員が2名から4名っていうような会員数をずっと保持していた支部が、ある時に急に200人を超えたと。二人から四人の支部がどうやって200人になったのかなということで、その羅臼支部を中心にいろいろ調べ始めた時に、アイヌ民族の定義ってものが無い、誰でもアイヌになれるっていうことがわかって、さらにアイヌ政策に群がる人たちがいっぱいいるってことがわかって、これは大問題だということで調べ始めたっていうのがそもそもの経緯です」
 「基本的にですね。今もアイヌ政策ではそうなんですけれども、アイヌの協会の支部長がハンコをついて『君はアイヌだ』と認めた時に、もうその人はアイヌになると。で、実際にはアイヌになった瞬間に、同和問題とも同じなんですけれども、特措法で無くなったその権利がアイヌにはかなりいっぱい付いてくるので、だからそのハンコをついてもらいたいという方々がたくさんいて、まぁ羅臼の場合は別の案件だったんですけれども、それでもアイヌに関する政策のお金が欲しいということで、多くの方がアイヌでもないのに群がって、支部長がハンコを押し続けたというのが原因ですね」 
 「例えば僕が追及したなかで、いろいろあるんですけれど、大学の貸付資金の問題がありました。これはその質問で改善はしたんですけれども、実際に調べてみると、大学貸付資金なのに受給っていうかお金を貰える制度で、一年間だいたい百万円くらい貰えるんですけれども、調べてみるとほとんどが通信制の大学に通ってると。しかも一年以内に全員自主退学していると。自主退学しているんだけれども、13年間毎年百万円貰い続けた人がいたと。それを調べると、ほとんどがアイヌ協会の役員だったというような種明かしで、一族、例えば自分の奥さんも貰って、自分の妹も貰って、その家族も貰ってってことで、一族で何千万の貰っているような役員もいたんですけれども、実際に僕がこの質問をして問題点はただしたんですけど、この時に本当に多くのアイヌの人たちから苦情の電話があったんですね。苦情の電話は、『知らなかった』と。こんないい制度があるんだったら自分の息子に使いたかったけど、使えなかったのは知らなかったからだと。しかも何で役員ばっかりが使ってるんだっていうお叱りを受けて、これはいよいよだめだなっていう思いがあって、アイヌ政策に手をつけたんですけれども」
https://zaisei.xyz/2018/10/03/post-424/
 こうした小野寺に対し、自由民主党北海道支部連合会(道連)は、選挙で公認しないことにした。それに対し、小野寺は、平成27年(2015年)、3期12年務めた道議会の選挙に出ることを辞めた。以後もアイヌ問題を追及し、道民・国民を啓発する活動を行っている。
 金子と小野寺の例が示しているように、北海道の自民党はアイヌ問題を追及する政治家を除名にしたり、選挙で公認しないことにして排除している。そのため、アイヌ協会の不正支出・不正受給等が実質的に放任され、政治的な偏向についても容認された状態となっている。北海道の政治家は、アイヌ問題があることは知っているが、この問題を追及すると選挙で危ない。公明党がアイヌ利権をほとんど握っており、公明党を敵に回すと選挙で戦えないとして、わかっていて反対しないという傾向があると聞く。

 次回に続く。

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アイヌ施策推進法17~中国共産党はアイヌを利用する

2019-06-13 09:48:54 | 時事
(6)国際的な影響は大きい
 現在、北海道では、札幌、旭川、白老、昭和新山、釧路等の各地に、アイヌ記念館やアイヌの歴史や文化に関する施設がある。アイヌ施策推進法ができたことによって、今後、その展示物が、従来以上に、日本人がアイヌの土地を侵略して土地を奪い、迫害したという内容を強調する自虐的なものになるだろう。そして、アイヌ記念館は、中国の南京「大虐殺」記念館、韓国の慰安婦記念館等と連携して、国際的な反日運動の拠点となるだろう。また、北海道はもとより全国各地に、アイヌを被害者とする記念像や記念碑が建てられ、韓国や米国等の慰安婦記念像・記念碑とともに、国際的な反日運動に利用されるだろう。
 また、アイヌが法律で先住民族と規定されたことによって、外国の先住民族との連携が活発になるだろう。その動きの一つとして予想されるのが、カジノの建設である。統合型リゾート(IR)実施法の成立により、カジノ建設に向けた事業者の動きが本格化している。その中で苫小牧にカジノをつくろうとしている会社がある。ハードロック(HR)カフェなどを全世界で展開するHRインターナショナルである。同社は2006年に、米国の先住民族であるセミノール族によって買収された。米国では先住民族居留地に特例としてカジノ設置を認めており、全米で約400カ所ある「インディアンカジノ」の売り上げ総額は、ラスベガスに匹敵する。セミノール族は、中でも突出して成功した部族とされる。
 HR社は、苫小牧にカジノをつくり、その中に、アイヌの施設をつくる計画であるという。HR社の役員が北海道を視察した際、アイヌの代表者との対話がされた。内閣府が、この対話交流イベントを主催した。
 もしセミノール族のHR社が苫小牧市にカジノをつくり、アイヌとの関係を深めれば、アイヌはこうした先住民族の事業を学び、企業活動を行うようになるかもしれない。
 アイヌ施策推進法は、北方領土交渉には悪影響をもたらすかもしれない。平成30年(2018年)12月、ロシアのプーチン大統領は、クリール諸島等に住んでいたアイヌをロシアの先住民族に認定する考えを示した。クリール諸島とは、北方領土を含む千島列島をいう。ロシアがアイヌを先住民族とし、北方領土や千島はもともとアイヌの土地だとして、日本への北方四島の返還を拒否する理由として利用する可能性がある。

(7)憲法上の問題がある
 国連宣言は、第38条に、宣言の内容についての国家の履行義務と法整備を謳っている。「国家は、本宣言の目的を遂行するために、先住民族と協議および協力して、立法措置を含む適切な措置をとる」としている。これは非常に重要な事柄である。
 先住民族の権利の要求は、普遍的な人権の要求のようでいて、その実態は、特権の要求である。一国の国民の中に、先住民族の権利という特権を持った集団をつくり、特権を持った集団とそうではない集団とを分けるものであり、国民の平等を否定し、不平等を生み出すものである。
わが国においては、アイヌを先住民族と認めたことは、憲法上問題があると私は考える。日本において、国民とは日本国籍を持つ者をいう。現行憲法は、法の下における平等を定めている。だが、国民の中に、アイヌという先住民族と、その先住民族を征服・支配した集団を分けることは、国民を分断するものである。日本国民統合の逆であり、憲法の規定に反する。
 だが、このことこそ、普遍的・生得的な人権の観念を以って、国家・国民を解体しようとする左翼が、アイヌを利用しようとするところだろう。左翼人権主義者は、人権の思想を使って、自分たちの目指す社会を実現しようとしている。だが、国家・国民を解体し、既成の国際秩序を破壊した後に出現するのは、自由で平等な人々の連合体ではなく、巨大な権力による全体主義の社会となるだろう。そして、地球規模でそうした社会を実現する潜在力を持っているのは現在、共産中国のみである。それゆえ、結果として、人権左翼の運動は、中国共産党による世界支配に貢献するものとなると私は予想する。
 中国共産党は、先住民族としてのアイヌの権利を擁護するだろうか。私は絶対擁護しないと断言する。それは、チベットや新彊ウイグルに対する虐殺や迫害を見れば明らかである。単に日本支配のために、アイヌを利用するだけである。

 次回に続く。

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アイヌ施策推進法16~自治権の要求、独立運動へ

2019-06-11 09:43:39 | 時事
(4)自治権の要求
 土地返還・謝罪・賠償の要求だけではない。もっと要求はエスカレートするだろう。札幌市では、アイヌ施策推進法が国会で審議されている間に、アイヌ新法に反対し、撤回せよと訴えるデモが行われた。これは、一部のアイヌらによるデモで、法案の内容に不満を表し、先住権や自治権を入れろと要求するものだった。アイヌ施策推進法が成立した後は、同法の法改正を求める活動が行われるだろう。また、一部のアイヌが、やはりアイヌ新法の審議中に、法案は骨抜きだ、先住権や自治権を入れろと記者会見を行った。その会見が外国の報道機関により海外向けのニュースで報道された模様である。これは国連に巣食う国際左翼と連携して、国連や海外メディアを通じて、日本政府に圧力を加える作戦だろう。
 次に、国連宣言は、先住民族に関して、自己決定権、自治権、国政への参加と独自の制度の新設を認めるよう謳っている。
 第3条は、「先住民族は、自己決定の権利を有する。この権利に基づき、先住民族は、自らの政治的地位を自由に決定し、ならびにその経済的、社会的および文化的発展を自由に追求する」としている。第4条は「先住民族は、その自己決定権の行使において、このような自治機能の財源を確保するための方法と手段を含めて、自らの内部的および地方的問題に関連する事柄における自律あるいは自治に対する権利を有する」としている。第5条は「先住民族は、国家の政治的、経済的、社会的および文化的生活に、彼/女らがそう選択すれば、完全に参加する権利を保持する一方、自らの独自の政治的、法的、経済的、社会的および文化的制度を維持しかつ強化する権利を有する」としている。
 これらの条文は、先住民族が国家の中に自治区を作ったり、その国家から独立することができるという解釈が可能である。一部のアイヌは、こうした国連宣言の条文を根拠として、先住権や自治権を主張している。
 外国勢力や反日勢力は、こうした一部のアイヌの動きを後押ししている。国の中に自治区ができると、他国が入り込んで侵略の拠点にできる。とりわけ北海道を狙っている中国にとって、アイヌの自治区ほど都合の良い話はない。
 もし一部のアイヌが自治権を主張して自治区を要求するとすれば、最も考えられる地域は、白老町だろう。「国立民族共生公園」が建設中であり、アイヌにとって象徴的な場所になる。また、周辺地域にはアイヌ系日本人が比較的多く居住している。
 平成31年(2019年)4月に改正入管法が施行された。同法のもと、わが国はこれまでの外国人政策を大きく転換し、比較的単純な労働をする外国人材を多数受け入れることになった。今後、5年間で約34万5千人の受け入れが計画されている。アイヌ施策推進法は、今後、日本に多数入ってくる外国人が、独自のコミュニティを形成し、権利を主張するための根拠とされる可能性がある。

(5)独立運動が起こる
 アイヌ協会が目指しているのは、自治区にとどまらない。平成23年(2011年)のアイヌ協会札幌支部の総会の議案書に、来年度の計画として、自治権獲得に続いて、自主憲法制定、議会開設、役所、裁判所、警察、民族学校、国旗・国歌等の設立が書いてある。当然、その実現を目指す議論がされただろう。以後、7年たつから、その計画は練られてきているだろう。この計画は、日本から独立して独自の国家を作る計画である。これは、日本への反逆である。
 中国共産党は、アイヌに自治区をつくらせ、さらに独立運動を起こさせて、北海道を分断して支配し、さらに日本の支配を進める足掛かりとすることを画策していると見られる。
 アイヌ施策推進法ができたことによって、今後、国内外でこうした動きが活発になるだろう。それは、日本にとって極めて危険なことである。国会がつくった法律によって、国家が分断され、外国勢力の支配を招くことになったら、これほど愚かなことはない。

 次回に続く。

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アイヌ施策推進法15~交付金のバラマキ、土地返還・謝罪・賠償の要求へ

2019-06-09 08:46:02 | 時事
6.アイヌ施策推進法の施行で何が起こるか

 これまで述べてきたように、アイヌに関しては、様々な問題がある。だが、そうした問題が国民に知らされないままに、アイヌ施策推進法が成立し、施行された。
 アイヌ施策推進法には、アイヌは先住民族であるという規定が入っている。これが最大の問題である。先住民族と規定することで、これまでのアイヌ利権の問題が放置され、さらに利権が全国に拡大される恐れがある。さらに一部のアイヌが自治権を世給したり、独立運動を進め、そこに外国勢力が付け入ってくることも懸念される。

(1)政府機関による推進
 アイヌ施策推進法のもと、政府はアイヌ政策推進本部を設置し、政府や自治体の責任で産業や観光の振興等に取り組み、アイヌ以外の国民との共生や経済格差の是正を図るとのことである。
 従来は、内閣官房アイヌ総合政策室がアイヌ政策推進会議を担当した。同会議の座長は、菅義偉官房長官で、座長代理は政務官クラスだった。構成員には、高橋前道知事、秋元前札幌市長、北海道アイヌ協会理事長・副理事長、北海道大学アイヌ・先住民研究センター長、関東ウタリ会会長、人権教育啓発推進センター理事長等が名前を並べていた。新法の下、こうした組織の位置づけが上がり、人員も拡充されることになるだろう。

(2)交付金のバラマキ
 アイヌ施策推進法のもと、アイヌ文化を生かした地域振興策を行うための交付金が、地方自治体に交付される。これまでのアイヌ関係予算よりも格段と金額が増える。
 従来、アイヌ関係予算は10億円規模だったが、政府は、国土交通省や文部科学省によるアイヌ政策関係予算として、平成31年度=令和元年度(2019年度)の当初予算案と平成30年度(2018年度)第2次補正予算案に、交付金を含めて計123億円を計上した。交付金は、「アイヌ政策推進交付金(仮称)」として、内閣府の予算に計上する。交付金は、アイヌ文化に関する観光イベントの実施や商品開発、アイヌ民族と地域住民の交流拠点の整備など、文化振興や生活向上につながる施策を促すのが狙いだという。全国の自治体がアイヌ文化を生かした事業を盛り込んだ地域計画をつくり、その計画が国から認められれば、事業費の8割を交付金として受けられるとのことである。
 北海道や東京だけでなく、アイヌ系日本人がほとんどいないような全国の自治体にまで、アイヌ文化の伝承に基づいた地域振興や産業振興を促して交付金を出す必要があるのか、私は大いに疑問を感じる。税金のバラマキである。これは、従来のアイヌ利権以上の利権を生み出して全国に広げることになるだろう。
 現在の認定制度では、アイヌ協会が認めれば誰でもアイヌになれる。北海道のアイヌは、平成29年の調査で約1万3千人くらいだったが、今や東京にはその約5倍である7万5千人のアイヌがいることになっているという。私は、そのうちの大多数は補助金目当ての偽アイヌだろうと推察する。これから全国にそういう補助金目当ての偽アイヌが増えるだろう。北海道では、修学貸付資金、就職支援金、住宅購入貸付資金等に税金から金が出されているが、居住地域に関わらず、差別をせず、平等に支援を受けられるようにすべきというような要望が出てくるのではないかと私は懸念する。

(3)土地返還・謝罪・賠償の要求
 平成19年(2007年)の国連宣言は、先住民族に対し、第26条に土地・領域・資源に対する権利、第28条に土地・領域・資源の回復と補償を受ける権利を謳っている。宣言であって規約ではないから、法的な拘束力はない。だが、宣言に参加した国には、そうした権利の保障や実現が求められる。
 第26条1項は「先住民族は、自らが伝統的に所有し、占有し、またはその他の方法で使用し、もしくは取得してきた土地や領域、資源に対する権利を有する」とし、同3項は「国家は、これらの土地と領域、資源に対する法的承認および保護を与える」とする。また、第28条1項は、土地・領域・資源について、「その自由で事前の情報に基づいた合意なくして没収、収奪、占有、使用され、または損害を与えられたものに対して、原状回復を含む手段により、またはそれが可能でなければ正当、公正かつ衡平な補償の手段により救済を受ける権利を有する」としている。
 アイヌ施策推進法にアイヌが先住民族と規定されたことで、こうした条文を根拠として、一部のアイヌは「和人はアイヌに土地を返すべきだ」「返さないなら地代を払え」「国有地・公有地は返還を求める」「謝罪と賠償を要求する」などと言い出すだろう。
 アイヌ施策推進法を改正し、先住民族という誤った規定を正さなければ、こういう要求を拒否することが難しくなるだろう。

 次回に続く。

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アイヌ施策推進法14~中国共産党はアイヌに目をつけている

2019-06-07 10:41:19 | 時事
5.中国共産党はアイヌに目をつけている

(1)アイヌが利用される
 さらに大きな問題がある。アイヌ系団体には、中国が絡んでいるのである。中国共産党は、早くからアイヌに目をつけてきた。昭和47年(1972年)の日中友好回復の前の年に、アイヌを中国に招いた。すると、アイヌは中国を素晴らしい国だと思うようになった。その後、中国共産党は何度もアイヌを呼んで洗脳したので、アイヌ協会は中国共産党と密接な関係がある。
 平成24年(2012年)4月、日中友好訪問団として唐家璇・元国務委員(外務大臣・副首相級)が、北海道白老郡白老町に建設中の「国立民族共生公園」の予定地を訪問した。この公園は、令和2年(2020年)4月の一般公開に向けて建設中である。「アイヌ文化の復興等に関するナショナルセンターとして、アイヌの歴史、文化等に関する国民各層の幅広い理解の促進の拠点並びに将来へ向けてアイヌ文化の継承及び新たなアイヌ文化の創造発展につなげるための拠点」となるものとされている。また、そこに建設中の国立アイヌ民族博物館は、「先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進するとともに、新たなアイヌ文化の創造及び発展に寄与する」ものとしている。
 唐家璇が訪れた今から7年ほど前は、公園予定地にまだほとんど何もない状態だったのに、中国は早くも強い関心を向けていた。
 平成30年(2018年)5月に李克強首相が北海道を訪れた。高橋はるみ知事と会い、「北海道は日本の重要な農業拠点だ。科学技術や農業分野で協力し、中国と北海道の交流をさらに深めていきたい」と述べ、北海道の農産品を輸入する用意があることを伝えた。安倍首相が李克強首相に同行して、苫小牧市にあるトヨタ自動車の工場を訪問し、先端技術を見学した。李首相は、この時、札幌でアイヌ協会の会長と会合を持っている。
 中国資本は、北海道の水や農産物、鉱物資源等に目をつけ、各地で土地を買収している。中国共産党は、北海道に多くの中国人を送り込んでいる。一部中国メディアは、「北海道は10年後、中国の第32番目の省になる」と予想している。中国共産党は、北海道を狙っており、アイヌを北海道の支配に利用しようとしていると見られる。
 一部のアイヌが先住権、自治権を要求しているのは、日本を侵略しようという国があったら、こんなに都合のいい話はない。中国共産党は、アイヌに自治区をつくらせ、さらに独立運動を起こさせて、北海道を日本から分断して支配し、さらに日本の支配を進める足掛かりとすることを画策していると考えられる。まさかと思う人は、沖縄と北海道を合わせて考えてみるべきである。中国共産党は、沖縄では、既に政界・マスコミ・学界等に強い影響力をふるい、琉球独立運動を公然と支援している。沖縄を日本から分断して支配し、日本の支配を進める足掛かりとする動きだろう。

(2)中国は北海道の水を狙っている
 中国が北海道を狙っているのは、単なる対外的膨張の動きではない。中国にとって死活問題である水の確保が、一つの重要な目的である。
 世界的に水危機が深刻化している。水に恵まれているわが国では想像しにくいが、平成12年(2000年)の時点で世界中で少なくとも11億人が安全な水を利用できず、24億人は改善された衛生設備を利用できなかったと報告されている。その後もアフリカ、中東、アジアの各地で水不足と飢饉が日常化している。原因は、人口増加、都市化、工業化、地球温暖化等である。水の価値が上がり、水は「21世紀の石油」といわれる。人間は、石油と違って、水がないと生きていけない。作物や牛肉をつくるのにも水がいる。工業生産にも水が必要である。今後20年で世界の水需要は現在の倍になると予測される。これから一層、水の需要と供給のバランスが崩れていくだろう。
 「ウォーター・バロンズ」(水男爵)と呼ばれる欧米の水企業が、世界各地の水源地の利権を確保するため、しのぎを削っている。これらの水企業に投資する「ウォーター・ファンド」に多大な資金が集まる一方、水をめぐる紛争が各地で起こっている。将来、水の争奪による世界戦争が起こりうるという見方さえある。こうしたなか、中国は、国家として、水の確保を進めている。
 急速な経済発展を進める中国では、工業用水の需要が激増し、農業用水が不足するようになっている。大規模な旱魃により、食糧生産に影響が出て、社会不安が広がっている。しかも、工場の排水や廃液や、未処理のまま流される下水等により、河川や湖沼の汚染が進んでいる。水不足や水汚染によって、中国の経済成長が頓挫する可能性が出ている。
 中国・北京のNGO「公衆と環境研究センター」代表の馬軍は、著書『中国水危機』等で、中国は水不足と水質汚濁を含む水危機に直面していると警告している。中国は世界人口の20%を占めながら、水資源は世界全体のわずか7%しかない。中国の一人当たりの水資源は、世界平均の四分の一である。人口100万人以上の32の大都市のうち、30の大都市で水不足となっている。その中でも北京が最も厳しい。660の都市の半分以上が水不足に苦しんでおり、1億6000万人に影響を及ぼしている。2030年までに中国の人口が16億人に増加した場合、一人当たりの年間の水資源は1760m3まで下落し、国際的な水不足の指標とされる1700m3まで接近する。
 これに対処するため、中国は、長江と黄河を結ぶ三本の大運河を作る計画を進めている。またチベットの高山に大規模なダムを作り、インドや西アジア、東南アジア諸国を流れる大河の水を、自国の沿岸部まで引き入れようとしている。上流のダム建設は、水源を共にする下流諸国にとっては死活問題だから、生存をかけた国際紛争の種となる。
 中国は、生き延びるために必要な水を確保するため、懸命になっている。そこで、わが国の水に目をつけ、水資源の獲得を画策している。その最大の対象地域が北海道なのである。

(3)中国資本による土地の買い占めが進んでいる
 私は、平成28年(2016年)に「外国人土地取得の規制を急げ~北海道の事例を踏まえて」を書いて、マイサイトに掲載している。この拙稿は、中国資本が北海道で土地を買収し、水資源・森林資源・農業資源・観光資源等を押さえていることを書いて、その対処を求めるものである。
 北海道の面積は、83,456平方キロメートルである。日本の面積の約38万平方キロメートルの約22%を占める。一説によると、中国が北海道で買収した土地は、7万ヘクタールと推計される。1ヘクタールは、0.01平方キロメートルゆえ、7万ヘクタールは、700平方キロメートル。これは、北海道の0.8%に相当する。その数字を見る限り、大した割合ではないと思われよう。だが、この面積は、東京23区の総面積627平方キロメールを上回る。琵琶湖の面積は670平方キロメートルゆえ、これをも上回る。そして、問題は単なる広さではない。その土地が、水・森林・食糧など、国民生活にとって重要な場所を集中的に買い占められていることが深刻なのである。
 中国は、こうした動きをさらに拡大して北海道を本格的に獲得し、それを足掛かりに日本全体を併呑することを画策していると見られる。そして、そのためにアイヌを利用しようとしていると私は推察する。

 次回に続く。

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 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
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アイヌ施策推進法13~政治的な偏向

2019-06-05 09:27:52 | 時事
(3)公金の不正支出・不正受給(続き)
 アイヌを対象とした就職支援制度もある。職業訓練受講生に対し、月に13~14万円(交通費込み)が支給される。就業のための訓練ゆえ、一度訓練を受けたら就業するのが普通だが、認可を出す協会員周辺には、複数回の受講を行っている者がいるという。1年おきに10年受け続けたケースもあるという。その間の支給額は、月13万円として年156万円、5年分で780万にも上る。なかには、同じ人物が職業訓練所の生徒と講師を1年ごとに繰り返しているケースもあるという。
 また、アイヌの人々には、住宅購入資金の貸出制度がある。住宅貸付資金は、国の予算から半分、道の予算から4分の1、市町村の予算から4分の1の割合で支出されている。この貸付金も非常に杜撰な状態で貸し出されており、そのほとんどが返還されていない。土地や建物の抵当権が設置されていない場合がほとんどで、税金で建てられた家が転売されていた例、親子で土地の売買をするのに悪用されている例、アイヌ協会札幌支部の役員の家に市が貸し付けを個人に行っていた例、マンションを購入してそれを貸し出して利益を上げていた例、アイヌ以外の者が借りている例等が報告されている。
 ここまでひどいと、「たかり」といっても過言ではない。やりたい放題である。これが国から認可を受けた公益社団法人だとは、あきれ返る。
 不正支出・不正受給が明らかになっているのだが、アイヌ協会には、しっかりとした監査が行われず、不正に横領した税金に対する税務調査もされていない。アイヌ協会に注がれる税金を、行政も議会もチェックできておらず、税金の垂れ流しになっているという。マスコミもその問題を追及しようとしない。そのため、多くの道民はアイヌ協会の問題点を知らされていない。
 自民党は、アイヌ協会の不正を放置するばかりか、これを議会で指摘した金子快之(よしゆき)札幌市議を市議会会派から除名し、小野寺秀(まさる)道議会議員を選挙で公認しなかった。連立を組む公明党は、長年アイヌ問題に積極的に取り組んでいる。協会員に創価学会員が多いと伝えられる。自民党は、こうした公明党に配慮し、党利党略で判断しているものだろう。

(4) 政治的な偏向
 アイヌ系の団体は、政治的な偏向が目立っている。左翼的・反日的な偏向である。
公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構には、国交省と文科省から合わせて3億円あまりの補助金が出ている。この財団は、学習用副読本を作って、北海道の小中学生に配布している。その内容に問題があることが指摘されている。
 平成24年(2012)、自民党の義家弘介参議院議員(現在は衆議院議員)が、国会でこの副読本について質問をした。「副読本に『日本国民には和人、アイヌ民族、ウィルタ(樺太で暮らしていた民族)、在日韓国、朝鮮人、さらには世界各地に出自を持つ様々な民族が含まれている。』となっている、こんなことを子供に教えているとは非常に驚いた、こんなことでいいのですか?文科大臣?日本人とは日本国籍をもっている者でしょう?」と。
 在日韓国人は韓国籍、朝鮮人は北朝鮮籍の人間であり、日本国籍を持たない外国人であるから、副読本は事実に反することを書いている。ウィルタは、アイヌがオロッコと呼んだ民族だが、ごく少数である。どこの国の出身者であれ、日本国籍を持つ者は、日本国民であり、これと日本国籍を持たない在日外国人を混同させるような記述は、不適切である。
 また、副読本の「アイヌ民族。歴史と現在」の項目には、次のような記述があることが指摘されている。「(日本)政府がアイヌの人達に断りも無く(北海道を)一方的に日本の一部とした」と。これは歴史的事実に反するだけではなく、北海道の子供たちに「和人はアイヌから土地を奪った」というような自虐史観を植え付ける内容である。
 このアイヌ財団の理事は、天皇陛下が北海道をご訪問された時に、「天皇制反対」の集会を開いた。また、財団の幹部が、「日本キムイルソン主義研究会」主催の講演に参加している。キムイルソン主義とは、北朝鮮の金日成思想である。
 そういう政治的な偏向は、アイヌ協会でも顕著である。アイヌ協会の阿部一司副理事長は、北朝鮮のチュチェ思想、すなわち金日成の主体思想の信奉者である。そういう思想を信奉する阿部が、アイヌ施策推進法案の推進会議のメンバーに入っていた。
 また、アイヌ協会は団体・在日団体とのつながりのあることが指摘されている。税金によるアイヌ協会への補助金は「解放同盟のあつまり」「コリアンの夕べ」にも使われているという。
上記のような事実は、アイヌの関係団体は、いまやほとんど反日左翼団体になっていることを意味する。アイヌ施策推進法は、こうしたアイヌ系反日左翼団体の問題点を放置したまま、一層の支援を行うことになる。

 次回に続く。

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アイヌ施策推進法12~北海道アイヌ協会の問題点

2019-06-02 13:13:13 | 時事
(2)北海道アイヌ協会
 北海道アイヌ協会は、公益社団法人である。この団体には、アイヌ系日本人が全員加入しているのではない。平成18年(2006年)の北海道庁の調査では、アイヌ民族は23,782人だった。その当時、アイヌ協会の会員は、約2,700名だったと伝えられる。会員と非会員を比較すると、協会に所属しないアイヌが88.6%ということになる。
 その後も、こうした加入状況は、大きく変化していないようである。大雑把に言えば、アイヌ協会に加入しているのは、全体の1割程度であり、約9割のアイヌ系日本人は、協会に加入していないということである。そのような組織が、アイヌの認定をしているということもおかしなことである。

(3)公金の不正支出・不正受給
 アイヌ文化振興法(平成9年施行)のもと、アイヌには膨大な予算がついてきた。アイヌ政策関係予算として、毎年10億円規模の予算が計上されてきた。予算は、文科省、国交省等の各省庁にわたる。
 アイヌの文化伝統保護、伝承文化活動事業の支援のために、北海道アイヌ協会に対して、毎年多額の補助金や委託金が支出されてきた。もとは、すべて税金である。アイヌ協会は、この公金を極めて杜撰に使用してきた。組織的な不正受給が行われ、また、使途不明金が多くあることが指摘されている。
 この問題について、勇気を持って発言してきたのは、当事者のアイヌ系日本人では、ただ一人である。世界的な彫刻家・砂澤ビッキの息子で、工芸家の砂澤陣である。
 砂澤は、次のように述べている。「修学資金貸付制度の悪用、職業訓練事業の不正利用、住宅購入資金の不正受給など枚挙にいとまがなく、『不正』や『不適切』という言葉では収まらない補助金のぶら下がり体質、或いは構造的、慢性的『寄生』体質がある」「アイヌへの補助金にむらがり、利権を貪る者たちがいる」「アイヌ協会がアイヌと認めれば『誰でもアイヌ』になり、アイヌ生活支援政策を受けることが出来る。一部のアイヌは、行政がアイヌの認定を放棄したために生まれた『プロ・アイヌ』という職業で『税金生活』を送っている」と。(「後進民族アイヌ」ブログ)
 アイヌへの補助金等が一つの利権となっている。これをアイヌ利権という。ただし、アイヌ利権をほしいままにしているのは、アイヌ協会の役員等の一部の人間である。また、協会員であれ非会員であれ、大多数のアイヌ系日本人は、真面目に日本人として生活している。問題は、特権を悪用する一部のアイヌ協会員であることに注意しなければならない。
 砂澤は、アイヌ協会による公金の不正支出・不正受給について、下記のような多くの事例を報告している。
 平成22年(2010年)9月に、アイヌ協会の役員が補助金を水増し請求し、不適切な支給を受けていたことが発覚した。だが、逮捕も訴追もされていない。マスコミも取り上げない。その後もこの種の問題が起こっている。また、道だけではなく国も補助金を支出しているアイヌ協会の「アイヌ中小企業振興対策事業」でも、不適切な会計処理が複数発覚した。
 北海道では、経済的な理由で大学進学が出来ないアイヌの子弟に、年間で最大100万円を貸し付ける制度がある。修学資金貸付制度という。貸付金ゆえ、返還の義務がある。だが、平成24年(2012年)の時点で、利用総額24億9千万円のうち、返還に応じたのは、160万円だけだと伝えられる。全体のわずか、0.06%に過ぎない。以後も、ほとんど返還されていないという。
この貸付制度には減免措置があり、85%が返還しなくて良いとみなされているという。生活困窮者への救済措置は必要だろう。問題は、減免の基準である。札幌市内在住の23歳の独身者の場合は、年収580万円以下であれば生活困窮者とみなし、返還しなくて良いとされているという。23歳で年収580万円の者など、ほとんどいない。それを生活困窮者とするのは、異常である。
 貸付金の不正受給の事例が多くある。大学をいつまでも卒業せずに何年も修学資金の貸付を受け続ける学生もいる。14年間で1213万円も借りていた例があるという。また、大学に行っているとして貸付金を受けている者が50~60歳台であり、みなアイヌ協会の役員だった。入学して1~2か月で大学を辞めていながら、毎年100万円の貸付を受けていた。役員の妻や子ら一族で、5000万円も受け取っていた例があるという。返還の義務があってないようなものだから、こういう多額の不正受給が横行するわけである。
 また、修学資金貸付制度は、北海道民のみを対象とした制度であるにも関わらず、一時的に北海道に住所を移して受給を受け、その後は他府県に住んでいるというケースもあるという。申請も受理の基準も実質的にアイヌ協会の役員らの判断に委ねられているため、貸付金が不正の温床になっていると見られる。

 次回に続く。

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アイヌ施策推進法11~民族と先住民族の定義

2019-05-31 09:32:07 | 時事
●民族と先住民族の定義

◆民族の定義
 アイヌ協会は「アイヌの血を引くと確認された者」等をアイヌとする。またアイヌに関する法律は、アイヌを民族と呼んできた。だが、そこには、民族の定義はない。そもそも民族とは何か。
日本語の「民族」には、(1)国民国家の国民(nation)、(2)国民国家内部におけるエスニック・グループ(ethnic group)、(3)国民国家を形成する以前のエスニック・グループや部族等の集団――という3つの意味がある。
 アイヌを民族と呼ぶ場合、上記のうち(1)の国民の意味は当てはまらない。国民とは、日本国籍を持つ者をいう。アイヌは日本国籍を持つ人々の集団であるから、日本国民とは別の集団ではない。アイヌ系日本国民である。民族と呼ぶとすれば、(2)のエスニック・グループの意味となる。
 では、エスニック・グループという意味での民族とは、どういう集団か。
 知恵蔵は、民族について次のように解説している。「文化、言語、生活様式などの特定の要素を絆として共有し、「われわれ」という意識を持った人間集団。(1)文化、宗教、言語、生活様式、肌の色など身体的形質を標識として、他集団との相違を確認できる客観的な側面と、(2)歴史意識、利害関心、未来志向などを介して、集団に共属しているという意識や感情の主観的な側面がある」と。
 これは、民族には客観的な側面と主観的な側面があるという説明である。
 ブリタニカ国際大百科事典は、より詳しく、次のように解説している。
 「一定地域に共同の生活を長期間にわたって営むことにより、言語、習俗、宗教、政治、経済などの各種の文化内容の大部分を共有し、集団帰属意識によって結ばれた人間の集団の最大単位をいう。文化の共同体としての意味合いが強い点で、種族,部族の概念とは異なるが、しばしば混用されてきた。人類学では、種族、部族を地縁集団の最大単位とするのに対し、民族はそれよりもさらに統合レベルの高い、人口や領域規模の大きい単位として、さらにしばしば国家を形成する単位として区別されることが多い。しかし実際には、人口規模あるいは社会的勢力の小さい集団を少数民族と呼び、また言語や帰属意識などを共有しない集団も含めたりすることから、民族はきわめて包括的な概念であるといえる」と。
 基本的には「言語、習俗、宗教、政治、経済などの各種の文化内容の大部分を共有し、集団帰属意識によって結ばれた人間の集団」という規定であり、前半は客観的側面を示し、後半は主観的側面を述べている。だが、最後の一文に「言語や帰属意識などを共有しない集団も含めたりする」と書かれているように、言語、習俗、宗教等の文化要素や集団的帰属意識を欠いている場合でも、ある集団を民族と呼ぶことがある。それゆえ、民族には基準があってないようなところがあり、文化要素を欠いていても、ある集団が民族を自称することができたり、また帰属意識を欠いていても、第三者がその集団を民族とみなすこともできてしまうということである。
 それだけに、法律に日本国がアイヌをエスニック・グループとしての民族と認め、これを保護する対象にするとすれば、何を以って民族と判断するかを明示する必要がある。アイヌを自称するアイヌ系日本国民の主観的な意識の尊重に傾き、客観的な要件を軽視すれば、アイヌの認定の現状は正されない。

◆先住民族の定義
 法律上、アイヌを民族と規定することと、これを先住民族と規定することは別である。
2007年の国連宣言も2008年の国会決議も先住民族とは何かについての明確な定義がない。2019年のアイヌ施策推進法は、アイヌを先住民族と規定したが、民族についても、また先住民族についても、定義がない。
 国際労働機関(ILO)は、1989年(平成元年)6月27日に「独立国における原住民及び種族民に関する条約」を採択した。ILO条約第169号と呼ばれる。日本はこの条約を批准していない。ここで原住民とはindigenous peoples、種族民とはtribal peoplesの訳である。2007年の国連宣言における先住民族は、indigenous peoplesの訳だから、これとILO条約第169号における原住民は、英語では同じ言葉である。
 ILOの原住民種族民条約は、第1条にて、適用対象を次のように定める。
 「(a) 独立国における種族民で、その社会的、文化的及び経済的状態によりその国の共同社会の他の部類の者と区別され、かつ、その地位が、自己の慣習若しくは伝統により又は特別の法令によって全部又は一部規制されているもの
 (b) 独立国における人民で、征服、植民又は現在の国境の確立の時に当該国又は当該国が地理的に属する地域に居住していた住民の子孫であるため原住民とみなされ、かつ、法律上の地位のいかんを問わず、自己の社会的、経済的、文化的及び政治的制度の一部又は全部を保持しているもの
2 原住又は種族であるという自己認識は、この条約を適用する集団を決定する基本的な基準とみなされる」。
 日本はこの条約を批准していないが、アイヌがここにいう原住民(=先住民族)に当たるかどうかは、「征服、植民又は現在の国境の確立の時に当該国又は当該国が地理的に属する地域に居住していた住民の子孫であるため原住民とみなされ、かつ、法律上の地位のいかんを問わず、自己の社会的、経済的、文化的及び政治的制度の一部又は全部を保持しているもの」といえるかどうかによる。
 アイヌの歴史の項目に書いたように、北海道におけるアイヌは、ここにいう原住民(=先住民族)には当てはまらない。和人が北海道に入る前にアイヌが先住していたとは断定できず、むしろ和人のほうが先住していたと考えた方が合理的である。

◆公的認定制度が必要
 先に書いたように、アイヌは民族であるかどうかの判断のもとになる民族の定義のないまま、アイヌは法律上、民族と規定されてきている。また、アイヌを先住民族とみなし得る歴史的な事実はない。それにもかかわらずアイヌは、この度、新たな法律に先住民族と規定された。
 最大の問題は、ある人がそのアイヌであるかどうかを認定するのが国や地方自治体ではなく、北海道アイヌ協会だということである。法律にアイヌは一個の民族だと規定するのであれば、その集団の中に誰が含まれるのかを認定する者は、公的機関でなければならない。
 アイヌと認定された者には、保護のために税金がつぎ込まれる。その税金が適切に使われるためには、国や地方公共団体等による公的認定制度が必要である。そして、公的機関が認定するためには、アイヌであるか否かを判定する基準が必要である。
 アイヌ協会は、「アイヌの血」を引くかどうかを確認しているとし、家系図、戸籍、除籍謄本等を判断資料としているというが、それらを判断資料とする場合は、公的機関による検証が必要である。また、先祖の誰かにアイヌがいれば、何代かの間に非アイヌと結婚を繰り返した子孫でも、アイヌとみなすのはおかしい。両親がアイヌの子供までとか、父親がアイヌの子供までとかに限定すべきである。そうした一定の基準を設けるべきである。

 次回に続く。

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