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「木曜日のリカ」 ・・・ (1)

Thum_0004 Thum_0001  本年の流行語大賞にもノミネートされたのか、もう随分前から聞く言葉だから、昨年、一昨年あたりに既に挙がっている流行語なのか、よく知らなくてどうも済みません、なのだけど、ここ二、三年よく耳にし、今年は特によく聞き、活字で読んだ、一語、「萌え」ですけど、僕はこの「萌え」の意味がイマイチ、よく解らず、ど~も、アニメとかオタクとかコスプレとかと関係ありそうな言葉なんだけどなー、ワシ意味がよう解らしませんねん、という事で、昔からずうーっと関心と購入欲求はあったけども、一度も手元に置いた事ない、分厚い大判の本、昔は「現代用語の基礎知識」しかなかったのに、今はその本元はもっとコンパクトな形になり、昔ながらの大判は後追いの「イミダス」「知恵蔵」で、ついに僕も生まれて初めてこの新型毎年更新毎年新規発売の大判辞書型現在用百科事典の三誌のひとつ、「知恵蔵」を購入してきました、「萌え」の意味を調べるためだけに。昔ながらの大型の国語辞典では、「萌え」は載ってはいるだろうけど、本来の意味でしか説明されていないだろうし、今マスコミなどメディアで使われる流行語でもある「萌え」は、明らかに本来の「萌え」とは意味が違うだろうからと、「萌え」の意味を知るために、「現代用語の基礎知識」的なイマ用百科事典誌を近所の本屋さんに買いに行って、老舗「現基礎」はコンパクトになり過ぎて老眼状況になりつつあるおいぼれ予備軍化のワシには読むのに辛く(もう~ん、活字が小さいんだからあ~)、ホントは本屋行く前から第一候補の集英社「イミダス」はこの時期一冊だけ残っていたが、端々がめくれ上がり見た目汚く、新品を定価出して買うのは見た目良いキレイなものが欲しい僕にすれば、何冊も残るが見た目キレイな朝日新聞社の「知恵蔵」の方が外見が良くて、「知恵蔵」を買って来たのでしたが、「萌え」そのものの意味は説明されとらんやないかいっ!と怒るのでした。「知恵蔵」内では「萌え」は「趣都アキハバラ」の項目で「萌え」の言葉が引用されてるだけで、イマの「萌え」の意味そのものは解らず、結局、ネットのWikipediaで調べたらなる程良く解り、そうなのかと納得して、高い金出して買って来た、「知恵蔵」は何やったんやろ?と思いもしましたが、此の頃のTVバラエティー番組などでよく見る、メイド姿の若い女の子達が「おかえりなさいませ」という図の意味が解けたので、まあいいかな、とかと自分を納得づけた僕ちんでした。「趣都アキハバラ」の項で、これは「メイド喫茶」というものの演出らしいと解りました。メイド姿のウエイトレスが「おかえりなさい」と迎えてくれるという趣向の喫茶店という事らしいです。ふ~ん。

Saibara_01  まあ、だいたい意味が解ったからいいんだけれど、「イミダス」の方だったらイマ語「萌え」の意味は載っているのだろうか?「知恵蔵」「イミダス」は十字に紐掛けされてたから中、覗けなかった。「イミダス」のパロ本パロ題だろうが「ムイミダス」という本を作家の清水義範さんが書いていたが、どんな本か手に取って内容を見てみたいなとは思っていたが、未だ手に取っていない。多分、ユーモア解語事典、みたいな辞書形式パロディー、まあエッセイ本だろう。昔なら海外もので、A・ビアスの「悪魔の辞典」とかを思わせるような、もっとくだけたものだろう、と思う。清水義範さんの著書で、挿画のイラスト漫画が西原理恵子のシリーズ本、「おもしろくても理科」のシリーズは「どうころんでも社会科」など面白くおかしく笑えて知識が身につく、読みやすくなかなか良い本です。これの挿画担当の西原さんの漫画イラストがメチャおかしくて笑える。著者清水教授と出来の悪い生徒役西原さんのケンカ漫才タッグが実にイイコンビで秀逸です。その、ひとつの、本作りが。笑わせて読ませて、しかも知識がついて実用的とくる。読んでいる僕の頭には知識は残ってはいませんが、読まないよりずうっとタメにはなっているとは思う。何かの。(何のだ?)。ユーモアたっぷりの作家、清水さんの著書「ムイミダス」もきっとユーモアナンセンス本で笑えて何がしかの知識の身に付く本なんでしょうね。最近の本で、西原理恵子さんはイラスト挿絵で、作家伊集院静さんとタッグを組んでいた。本屋で見つけたけど、中身は覗いて見ていない。

 以前にもこのブログで書きましたが、以前僕が大好きなシリーズで続けて何冊も読んで面白かったミステリ小説、作家森博嗣さんの犀川助教授と大学院生萌恵ちゃんのシリーズ小説の、あれは何だったかなあー、「封印再度」だったかな?何のお話だったろうか?忘れた、西之園萌恵ちゃんがSFアニメのコスプレして漫画同人誌大会に出るヤツ、その場面が、今回冒頭の文から書いてる「萌え」と漫画アニメのいわゆるオタク達の集う漫画同人誌大会(コミケ)にコスプレで出て来る、西之園「萌え」と重なって、思い出されるけど、こういうイマの若者文化や風俗を小説内で描く国立大学理系教授職の森博嗣さん、といい、「萌え」系オタク市場が莫大な経済効果を上げている事実といい、年寄りやわれわれ年寄り予備軍の世代はついこういうイマの若者文化を馬鹿にしがちですが、現実はもうこうなんだし、「萌え」に走る若者にもアタマの良い者はいっぱい居るんだし、「萌え」文化も侮れないな、という感じですね。※(西之園萌恵ちゃんがコスプレするのは『封印再度』ではなく『数奇にして模型』。)

 日本文学を代表する作家三島由紀夫は小学生の頃、辞書を読むのが大好きでいつも辞書を読んでいたそうなんだとか。三島由紀夫は東大法学部出身でもともとアタマの良い天才だろうが、この、おそらく7、8歳頃から普通の国語辞典を読んでいた事で後の文学の才能を現す基礎を作ったんだろな、と思うけど、今の子供達も少年時代から面倒くさがらずに楽しんでこの「知恵蔵」とかを初めのページから順繰り読んで行けたならば、これは相当に脳味噌鍛えになるような気がする。僕等年寄り予備軍でもとても良い行為だろうが、多分皆さん出来ないでしょう。僕も最初意気込みがあったとしても続かないでしょうね、絶対に。(現に知恵蔵は「萌え」を調べた後は雑誌の山に積まれたまんま)。僕は三島由紀夫の小説を読んだ事がありません。あの作家の作品の文体にはやたら漢字が使われていて、高校生の頃だったかやたら使われてる難しい漢字の並びが、読めないし閉口してたちまち降参という具合だったように思います。読もうとしたというよりも手に取ってみた経験で、中見て即退散だったと思いますけど。もっとも20歳を過ぎて一冊、三島が遊び心で当時の一般ヤング向けに書いた、簡単なエッセイ集を読んだ事があるような記憶がある。当然その時は三島はもうこの世の人ではなかったんだけども。でも、中学生になった頃かに、当時の平凡パンチかプレイボーイかのヤング向け雑誌のグラビアで、三島由紀夫と盾の会だかの色鮮やかな軍服姿で並ぶ写真を見た記憶もある。いや、三島由紀夫と「萌え」は関係ないんですけど。だが、三島由紀夫がやっていた肉体改造は「萌え」的に見る事が出来るし、軍服もコスプレとも取れる。三島由紀夫の生き方も「萌え」か?こんな事書いてると三島文学ファンや研究者、識者に怒られるぞ。

4092950616  という訳で漫画です。とは持っては行けないなあ。上記でも書いてるけど、僕は三島由紀夫の文学なんて読んだ事ないし、「萌え」関連では僕の漫画読書歴にはオタクの物語の漫画なんて無いしなあ。あ、そうか。上記の西原理恵子さんはもともと漫画家そのものなんだ。ただ上記文では、書物の挿絵的イラストレーターでしか扱っていないけど。教養エッセイ本「面白くても理科」のイラストそのものがもう、1本の漫画ではあるけれども。でも僕はちゃんとした、西原さんの漫画作品も著書も読んだ事、無いしなあ。困ったけれども…。ん?「面白くても理科」。上記の、作家清水義範さんのエッセイ本「面白くても理科」は理科ですね。理科はリカで、RIKA音つながりで、主役が美女のスナイパーもの、少年漫画だがお色気入りで活劇ハードボイルド、センチメンタル味ありのアクション劇画、これも古い漫画で御免なさい、昔の少年キング連載、主人公美少女の絵が実にイイ、小池一雄原作で「木曜日のリカ」。これで決まり。松森正の美女の絵が実にうまいんですね、ほれぼれする可愛くお色気美女、「木曜日のリカ」。ん、もうこれですね。RIKAはRIKAでも理科でなくて、美少女スナイパーのエージェント、リカ。御木本リカちゃんですね。漫画作品につながったぞ。

Thum_0002  少年向けのアクション劇画、「木曜日のリカ」は昔の週間漫画誌「少年キング」に人気連載されました、原作が小池一雄さん、漫画が松森正さんの作品です。70年頃の作品で、連載終了後に新書判コミックスで一度、全5巻にまとめられ、これがキングを出版している少年画報社のヒットコミックスで出されたのかどうか、僕はよく覚えていません。80年頃に僕はこの全5巻をデパートの催しもの場で行われていた古本市で手に入れてますけど、度々の引越しで失くしています。80年代末に小池一雄さんとこのスタジオシップで全5巻復刻再刊してますけど。これも手元に持っていたけど、何処やっちゃったか今はありません。この漫画が僕には愛おしく思われるのは、やはり抜群にうまい松森正さんの絵です。特に女性の絵は、ホントもう抜群に魅力的な美女を描きます。うなる程にうまい!松森正さんの絵を初めて見たのは、週間少年チャンピオンの創刊号頃で、まだ隔週刊だった当時です。多分、雑誌連載はこれが初作品ではないかと思うけど、多分原作付きで、「巨人の星」を思わせるような少年野球漫画、だったと思う、題名忘れたけど、この時からもう主人公少年の妹かの美少女の絵が可愛くて色気があってうまかった。で、次に目にする事となる「木曜日のリカ」で美少女の絵柄に、僕はトリコとなる。というのは少々大袈裟ですが、そのくらい、うまいなあ~、と当時、感心した、女性登場人物の絵、でした。そして、最近では、この「木曜日のリカ」は何と、新しい雑誌コミックス本形式で復刻されてます。例のコンビニ向けの読み捨てコミックス版。コミックスのような上質紙やケント紙のような良い紙質ではなく、雑誌用のザラ紙のちょい良いモノに印刷された、正に雑誌タイプの読み捨て版。原作者小池さんの出版会社から出してますね。

Se121_001sRyue15625img600x4501107783201img_0112  全然知らなかったんですけど、松森正さんは、日本劇画草創期の時代の立役者の一人、さいとうたかを、辰巳ヨシヒロ等と並ぶ、劇画創造の雄達の一人と数えられる貸本劇画出身の大御所、佐藤まさあきさんの弟子筋だったんですねえ。佐藤プロのアシスタントを長年勤めていた。言われてみれば、佐藤まさあきさんの代表作「日本拳銃無宿・影男」のシリーズ後期に出る、佐藤とは全然違う絵柄の美女の絵は、松森漫画の美人の絵ですね。成程。佐藤まさあきさんは自分の作る劇画の絵柄に頓着無く、絵柄の違うアシスタント達に平気で登場人物や背景を描かせていたんだそうです。でも、佐藤プロからは個性的で実にうまい絵を描く作家が何人も出ていますね。川崎三枝子、みね武、かざま鋭二、松森正。みやわき心太郎さんなども佐藤プロでアシスタントをやっていたのだとか。かざま鋭ニさんは長年、川崎のぼるさんのアシスタントもやっていた。同じ絵柄にこだわる、さいとうたかをのプロダクションと違い、まるで違う絵柄OKだった大らかな佐藤まさあきのところからだこそ、個性的なうまい絵を武器に、後にメジャーの雑誌漫画界で活躍する劇画家達を輩出したのでしょうね。その点、さいとうたかをはプロ性に徹して、自分の作品は同じ絵柄と徹底したのでしょう。でもそうだとここ出身の漫画家は皆同じ絵柄に育ってしまう。もう亡くなってしまわれたけど一時代の大御所だった園田光義さん(昔、ありかわ栄一)などは、多分さいとうプロ内でも描いていたのでしょうが、似た絵柄からは後年脱却して自分のオリジナル漫画を描いています。プロ漫画家が、絵も含む漫画の描き方がうまくなる早道は、プロのアシスタントに着く事でしょうが、どうしても師匠に絵柄が似るという弊害は仕方ないものでしょうね。

Imgb97d3f7dackw1g  という事で、僕の思い入れの深い、松森正さんの劇画は一回で書いてしまうのはもったいないので、またの次回に続けます。しかし、ホント、うまいですよねえ、美女の絵。もう惚れてしまうヒロイン画像。これこそ今流行の表現「エロ可愛い」ですね。「エロカッコイイ」ともいうみたいですが。松森さんの絵は正にこれ。コウダクミがなんぼのもんじゃい、ワシはこれ、「木曜日のリカ」ちゃんじゃいっ!でした。続く。


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