60~90年代名作漫画(昭和漫画主体・ごくタマに新しい漫画)の紹介と感想。懐古・郷愁。自史。映画・小説・ポピュラー音楽。
Kenの漫画読み日記。
●漫画・・ 「木曜日のリカ」 ...(2)
誰だったかのエッセイを読んでいたら、子供の頃、宇宙人がやって来て、自分に超能力を授けてくれると信じていたと、書いていた。あ、俺と同じじゃん!と驚いたものだが、子供の頃って、こういうアホーな事を信じているガキって、案外多いものなんだ、と何だか安心して納得した。いや、僕は子供時代、相当変だった、と思い込んでいたから。ありえない空想を追いかけて信じ、表面には出さないが、裏側の内心では、世間に向かって、ふふふ‥、今に見ろよ、俺は空をも自由自在に飛んで、戦車をもひっくり返す、超人に、やがてなるんだから‥、と独り言を放っていた。大人になってから思い返すと、夜、一人、屋根に登って実際に宇宙人の到来を待ったりしていた、僕は、どーしようもないパーな馬鹿ガキだったんだろうと、考えていたが、多分、昔からそういう夢想癖のある子供はけっこう多かったのだ。というか、現実と漫画世界の空想が区分けを着けられず混同していた、あるいは僕の場合だと、現実世界の学校の競争社会では下位に居た劣等生であったから、それを空想世界を泳ぐことで補償していたのだろう。あな、悲しや、少年時代。まあ、子供の夢ってそんなものだろう。でも、今頃のTV番組で子供達にインタビューして、仮面ライダーやウルトラマンになるんだ!という子供が出ないのは何故なんだろう。きっと、今も昔も居るよなあ、TV特撮や漫画のSFを信じ込んでしまっている子供が。ただ、僕の場合は、どーも、中学生辺りまで、何となくタナボタ式のように超人になれると、まだ期待して過ごしていたふしがあったようだ。やはり周囲に比べ、相当馬鹿少年だった。僕が子供時代、こんなふうに伸び伸びと空想世界にどっぷり浸っていられたのも、放任主義的にあまりうるさく教育して来なかった両親のお蔭だろう。それがいったい良かったのかどうかはまた別問題だが。少なくとも、僕に取っては良かったね。漫画をいくら読もうと何も言われなかったし。勉強しろ、ってそんなにうるさく言われもしなかったし。
しかし、今の問題は、くだんのエッセイだが、それが誰が書いたもので、何に掲載されていたのか、何処で読んだのかさっぱり思い出せないことだ。ボケではないか。うう~む、由々しき問題だ。ここ一、二年前から脳味噌がたるんで来てるからなあ。近頃はもうたるみっ放し。本当はかなり深刻な状況なのではないか、とも思う。僕のあたまって、そりゃあ、出来の良いものでもなかったが、まだ少しは鋭いトコとか、パッと思い出したり、とっぴなアイデアをぽんと出してみせるところがあった。けっこう気の利いたギャグも連発出来てた。切羽詰ればもっとずっと鋭利に働いてくれていたものだった。と思うけど。最近ホント、あたまがユルイよなあ。あたまが固くてユルくて、悪い。昔はよく、ナワトビ跳んでたけど、あれが脳味噌にも良かったよーな気がする。ナワトビをしなくなっても、空手やってる時はしょっちゅう蹴りワザの練習してたし。やっぱ、脳味噌と足腰のトレーニングは関係があるように思う。軽く、ランニングしたり運動したりすると頭がサエる。鋭さを取り戻せる。人間て脳味噌が全て、って思いがちだけど、全身繋がってるんだよなあ。養老先生の唯脳論てそういうこと書いてたんじゃなかったっけか?よく漫画や映画のSFで、大きなガラスケースのいっぱい培養液満たした中で生きている脳味噌、って図があるけど、あれじゃ脳はどんどん退化して行くと思う。やっぱ、出来れば五体あっての脳みそって思う。こういう事書くと、障害者の方々からクレームが来そうだけれど。別に手足が不自由であれば頭が悪い、と言っておる訳ではないのだが。難しいな。身体の一部に障害を抱える学者って方もいっぱい居るだろうしな。そういえばホーキング博士ってどうしたんだろうなあ?僕も、頚椎損傷してからは、認定受けてる訳じゃないけど、軽い障害者だもんね。
自身の頭悪さ自慢を書いていたら、ドツボにはまりそうになって来た。いかん。話題を変えよう。話は変わって、僕のKen-mortimaという、ニックネームというかハンドルネームというかIDネームというか、Ken-mortimaですが、ブログ始めた頃、このネームで検索したら、アメリカ人の建築家か教育家のトコに行ってしまった。ただ綴りが違っていたけど、ケン-モーティマーという外人だった。僕は自分でこのIDというかハンドルネームというかを、ケン・モアティマと呼んでいる。この春先頃、ネットサーフしてたら、モルティマという名前の腕時計に出会った。綴りも同じで、MORTIMAというフランス製の腕時計のブランド(骨董?)だ。ただ読みがモルティマというらしい。モルティマって名の靴もあったなあ。昔、ウルティモ・ドラゴンというプロレスラーが居たが(今も居るかも?)、その人とは全然関係ない。ウルティマ・オンラインとかいうパソコンのRPGゲーム関係の言葉もあるが、これも全然関係ありません。モルティマって名前の外人さんはけっこう多いらしい。ジェームズ・モルティマって、何かアメリカの高級紳士用シャツのブランドがあるみたいだし。でも、生粋の日本人、Ken-mortimaは私だけです。どうしてこんな名前にしたかというと、うるさい、別に俺がどんなIDやニックネームやハンドルネームにしようが勝手だろが、なのだけど、このケン・モアティマって名前の由来はね、中学一年生の頃まで遡るんよ。
僕が読書を始めたのは16歳からで、それまでは漫画は死ぬほど読んで来ていたが、活字はてんで駄目だった。全くと言っていいくらい活字が苦手でした。それでもね、中学の三年間で、ドイルの名探偵シャーロック・ホームズものだけはほとんど読んでいる。多分全作近く。僕が初めて読んだホームズものの記念すべき第1作は、中一になったばかりの頃、近所の幼馴染の同級生が持って来てくれた、長編「バスカヴィル家の犬」。おまえも漫画ばかり読んでないで本でも読んでみろよ面白いから、とおせっかいにも薦めてくれた小説が本当に面白くて。活字を読み進んだ経験がなかったから最初は相当てこずったと思う。その「バスカヴィル家の犬」の中の登場人物にね、モーティマーという人が居るんですよ。ホームズものの話だから、19世紀末から20世紀初頭のイギリス人なのだろうけど、もう詳細は忘れてます。物語中の、バスカヴィル家に居る人だったけど、どういう設定の人物だとかはまるで憶えてません。ただ、モーティマーという名前から、僕がその時に、自分が将来、外人になった時は、モーティマーと名乗ろう、と思ったというのは確かです。その時分、子供心に、何を根拠に将来外人になった場合、と考えたかは今では我ながら、謎です。この謎は、ホームズにも解けますまい。自分でも解らないんだから。
後々まで僕は、将来外人になったら名前をモーティマに、というのは記憶にあって、いい大人になってからはさすがに、簡単に外人になって名前もすぐには改名出来るものではない、とは認識していたが、外人になった時にはモーティマというのはずっと持っていた。しかし、由来の方の記憶はちょっとあやふやになっていて、同じホームズものの物語中でも、名探偵シャーロックホームズを苦戦させて追い込んだ、最大のライバルと呼ばれる悪の天才、モーリアティ教授と勘違いしてしまっていた。だから僕は、mortimaの由来は、悪の天才モーティマ教授からだと思い込んでいたのだ。何かの時にちょっと、ドイルのホームズもの小説を調べていて、気づいたのだが、あれはモーティマ教授ではなくてモーリアティ教授であり、モーティマはバスカヴィル家に居た男の人だった。しかも、中年になって、読みも、モーティマから何故かモアティマと勝手に読んでいた。という変ちくりんな話でした。Kenの方は、僕は小学生時代、もし自分が正義のスーパーサイボーグになれたなら、という思いから、小二か小三頃から中一あたりまで断続的に、鉛筆描き漫画で、理想の自分物語SF「ミスターケン」というのを描いていた。最初は「ミスター」がどういう意味かも解らずに、カッコ良さそうだから冠に使い、当時の雑誌のSFヒーロー漫画を真似て、しょっちゅう漫画を描いていた。「ミスターケン」のヒーローモデルは多分、南波健二のジャンプ獅子、石森章太郎のサイボーグ009、桑田次郎のエイトマンあたりからだろう、と思う。当時の子供向け漫画誌にはいっぱい、カッコイイ宇宙人やサイボーグのSFヒーロー達が満載だったから。で、Kenの名前には昔々からの愛着があってどうしても残したかったんです。それがKen-mortima。
目出度く、このブログ上で外人になった訳ですけど、では外人になったのなら英語でも何でもいいから外国語で書け、と言われてもワタシ、外国語では書けません。18歳の頃、外国人講師の英会話教室に二日だけ通いました。10代末には、どうせ英語くらいはそのうちペラペラ喋るようになるだろう、と何の根拠も無く思っていました。妄想癖ですね。今回のココの文は、長々、自分の妄想壁のことを書いて来たようなものかなあ‥。そろそろ本題に入らないといけない。今からかいっ!て驚かれるでしょうが、上記の長い文章は、実は別にドーデモイイよーな内容の文です。あまり意味はありません。さて、本題の漫画の話。何しろ、Kenの漫画読み日記ですから。実は、2005年12月の記事の中に、お題「木曜日のリカ‥1」というのがありまして、日付は05年の12月9日の記事なんですけど、「木曜日のリカ‥1」なんですよね、「1」。この記事の終わりに、(作者の)松森正さんの劇画(木曜日のリカ)は1回で書いてしまうのは勿体ないので、次回に続きます、と僕は書き込んでいます。それから10ヶ月経って未だ続編アップを果たしていません。「2」を書くのを忘れていた訳ではないのですが、何となく「2」を書いていなかった。それで10ヶ月も間が開きましたが、今回これを全うしようと。それで、今回、「木曜日のリカ‥2」の記事を書き込むことにしました。「1」の続編、「2」です。でも、もう「1」で「木曜日のリカ」って漫画についてはあらかた、書いちゃっているんだよねえ‥。
毎週木曜日のTV番組にレギュラー出演している為に、木曜日のリカと呼ばれている美少女タレント、美木本リカのその正体は世界でただ一人、ノーベル殺人賞を獲得した女の殺し屋である。で、この人、何の組織に所属しているんだろう?国際警察かなあ?日本の公安なのかなあ?日本の警察とは連携して仕事してるしなあ。物語読んでもイマイチはっきりしないんだよなあ。ああ、そうか。解ったぞ。ノーベル財団だ。ノーベル賞を主催するノーベル財団からの指令で動くらしい。つまりノーベル財団の組織の中にも、世界の犯罪を撲滅する為の部署があり、そこにリカは所属しているのだ。多分。物語中では、ノーベル殺人財団、となっている。ノーベル殺人財団は、ノーベル財団と同じ組織なんだろうか?リカはノーベル殺人賞を取った女性としてはただ一人だけど、賞獲得の男はごろごろ居るらしい。ノーベル殺人財団から日本警察機構の上層部に、犯罪捜査活動への協力申し出の連絡が入り、メダリストのリカが日本国内の凶悪テロ事件などの助勢を行う。というかいつも捜査の中心人物になってる訳だけど。一応、ノーベル賞組織の公認で警察の犯罪捜査の助っ人をやっている。初出雑誌連載は1971年です。少年画報社の週間少年キングに1971年から連載されヒット作となる。原作は小池一雄(一夫)、作画は松森正。
僕は松森正さんの描く美少女の絵柄が大好きです。松森正さんは非常に絵のうまい劇画家ですけど、特に、その描く美少女の絵はうまい。僕は大ファンです。松森正さんの描く美少女の。エロさ、ばっちりで最高セクシーだし、僕にとっては松森正描くところの美女こそがエロカッコイイ決定番ですね。松森正さんは雑誌連載に移る前に、貸本劇画界では、佐藤まさあきさんのアシスタントを勤めていたという話ですが、絵柄的には佐藤まさあきというより、園田光慶やみね武、かざま鋭二等に近いと思う。特に男子キャラの絵やタッチ全般、ですけど。美女は別ですが。貸本劇画では、所属していたといわれる佐藤プロよりも、さいとうたかをプロの方の絵だという気がしますね。「木曜日のリカ」は雑誌執筆に移って間もない頃の作品ですね。小池一雄(一夫)さんの方は、ちょうど漫画原作で大活躍し始めた頃かなあ。小池一雄先生はその昔、さいとうたかをプロに所属していて、初期の「ゴルゴ13」のストーリーを担当していたということだけど、この「木曜日のリカ」の頃は既に独立していたのかなあ?何しろ、「ゴルゴ13」が始まったのって、小学館ビッグコミックの1969年1月号からだからね。劇画家松森正と、劇画原作の雄というかチャンピオン級というか帝王とでも呼ぶか、大御所小池一雄(一夫)が組んだ作品は、他に格闘巨編「拳神」がありますね。19世末の日本やヨーロッパが舞台というボクシング格闘漫画。なかなか凝った作りのお話で、面白いドラマでした。
僕は「木曜日のリカ」はコミックスで全5巻、持っていたのですが、度重なる引越しの際、何処かへ行っちゃいました。近頃、いわゆるコンビ二版と呼ばれる雑誌紙質の簡易単行本タイプで二冊、ざっと読みました。美少女リカの絵も、やはり後の松森正さん描く「タイニィ」などの美少女の方がずっとイイですね。「木曜日のリカ」後にさらに絵がうまくなり、どんどんうまくなる。80年代からのエロス味たっぷりの青年誌成人誌掲載のミステリサスペンスものなどは、実にエロエロで良かったです。て露骨にSEXシーンがいっぱいというものじゃありません。美女が服着てても、エロくて良かったのです。無論、いわゆる三流エロ劇画とは違います。もっと高級な内容、絵柄で、魅せてくれました。いやあ~、松森正描く劇画と特にその美女は本当に良いなあ。
「木曜日のリカ」のストーリーはねえ、ノーベル殺人賞を取ったただ一人の女、なんて触れ込みですから、国際スパイアクション劇画、とか期待しちゃいますけど、もっと泥臭い、どちらかというと日本の刑事ものに近いようなお話運びですね。やってることは日本の公安とか刑事だもんなあ。リカもそんなすごい女殺し屋なのに、情深いのが過ぎる。もう、女の情を出しっ放し。少年漫画だから、露骨に色恋で女の情を見せる訳じゃないんだけど、優しさが女そのもので、情に左右され過ぎなんだよねえ。で、普通の女の娘みたいにおおらかでのほほんとしていて。その辺りが素人のように隙を作り、隙だらけで失敗して、それを取り戻そうと一生懸命に行動するストーリーかなあ。とてもノーベル殺人賞に輝くプロのスナイパーなんてキャラじゃないね。可愛い女の娘だけど。美少女リカは作品中、いろいろコスプレも魅せてくれる。セーラー服の女子高生にナース姿にビキニの水着。この頃の少年週刊誌は全般的に読者年齢層が上がっていたから、思春期の少年達に対する読者サービスなんだろうね。だってこの頃って、少年マガジンの看板が「明日のジョー」で、「ワル」や「アシュラ」の問題作が載ってた頃だもの。少年サンデーは「男どアホゥ甲子園」と「くたばれ涙君」の青春ものに、問題作「銭ゲバ」。少年キングは「ワイルド7」真っ最中で、江戸川乱歩や小栗虫太郎の短編を漫画化して載せていた。手塚の「アポロの歌」ってこの頃かなあ。
大好きです。松森正先生描く美少女。もっと別の作品、「オメガ」とか、さっきの「タイニィ」や「拳神」も取り上げて語りたいね。
◆(2005-12/09)「木曜日のリカ」 ・・・ (1)
◆(2006-10/02)漫画・・ 「木曜日のリカ」 ...(2)