ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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2013年からの資産運用 その10、 年金保険はどうすべきか

2013年02月26日 | 2013年からの資産運用
ここまで年金保険について私の考えを述べてきました。

ある方から次のような質問を受けました。

「保険会社だって長期の国債を大量に買うことは大きなリスクになることをわかっているのではないか。なにの何故こんなにリスクを背負ってしまったのか?」 というものです。

私の答えは、「他に買える物がなくなったから」です。

保険会社は利回りを「予定利回り」 としてコミットし、それを実現すべく運用を行います。20年前の株式と不動産の暴落で大きな痛手を受け、それ以来株式や不動産での運用は相当慎重になっています。そしてその後高い利回りを求めて外債投資にかなりウェートを掛けましたが、それも円高で再び打撃を受けました。

  残るは日本国債を中心とする国内債券です。なかでも安全性と流動性の高い国債に集中し、高いイールドを得るために長期債をしこたま買い込みました。そしていつでもどこでも同じですが、業界ぐるみで同じことをするのです。

「人の行く、裏に道なし日本人」

(注)株の格言、「人の行く、裏に道あり山の花」をもじっています

 私に言わせれば、生保全体で資産の4割を国債に投資してしまうまで来てしまうのは「みんなで渡れば怖くない」という心理が働いているとしか思えません。しかし他の資産だったらまだしも、国が破綻に瀕したら、オクニには頼れなくなるのにね。
 ゆうちょが8割を国債にあてているので、それに較べりゃまだまし、ということもあるのかも。

 銀行では最大手の三菱UFJが長期債から短期債へ完全にシフトしたのですから、生保でも1社くらい「日本国債への投資はやめた」と静かに宣言すれば、そこに資金がある程度集まりそうな気がします。

次回からは、公的年金についてです。
コメント (1)
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