週明けの今日も株価は暴落で始まりました。株価の変化スピードが速いので、私のペースも上げます(笑)。
この大変動相場、アベノミクスの魔法が解けたのか否かが問われているのだと思います。今回はその点について、私の見解を申し上げます。
前回の記事では現状での17倍程度のPERは、歴史的平均値からは若干上目ですが、さほどの過剰期待とは思えない、そして小泉改革時代に22-23倍程度が続いたと申しました。では果たしてどの程度まで買われるか否かを予想してみます。
その予想に大きく関わるのは「アベノミクスが本物になるか、魔法が解けてしまうか」だと思います。今はまだアベクロ人気が先行して、みんなで「魔法にかかってあげている」状態だと私は思っています。本当にかかっているわけではありません(笑)。
そうした状態では、22-23倍になるのは難しいと思われます。その理由は、日本の投資家も過去から学んでいることが挙げられます。どう学んだのか?
2週間ほど前に書いた「REITの暴落」がそれです。
思い出してください。「2013年からの資産運用」のシリーズ中で、「REITは利回り商品だ」と申し上げました。そして今回のREITの株式相場に対する先行相場は3月にピークを打ち、早々と暴落をしています。08年のREITバブル崩壊から学んでいるのです。それは、『またも利回りを無視してバブるまで買うほど日本人の投資家もバカじゃない』ということです。
そしてそのことは、現在の株式相場にもいえることです。つまり小泉政権下で過剰に買い上げた結果、リーマンショックという外的ショックも加わりましたが、大暴落につながりました。私はREITで利回りの低下が相場のピークアウトを招いたのと同様、株価はPERをしっかりと見ている。そのため、22-23倍まで買われる、もしくは瞬間的に26倍まで買われるなどということはないと思います。ということは、先週の17-8倍に買われた株価が当面のピークになる可能性がある、ということです。
そして今後をどう見るか?
政権の思惑は、『6月に第3の矢、成長戦略を放って7月選挙に臨み、一気に過半数を獲得する』ということでしょう。本当は相場もその時点までじっくりと円安と株高が進行し、上り調子のまま選挙を戦いたかったのでしょうが、上げ足の速さから逆に冷や水をかけられることになりました。しかし、選挙は対抗馬が出走前にみんな自分で足をくじいてしまったので、過半数は確保済みと言えます。
さて、3本の矢に対する私の勝手な評価と見通しは以下の通りです。
1本目財政政策;これまでの自民党のバラマキの踏襲に終わったが、「財政再建」はウマイことに議論になっていないが、今後は注目され議論されることになる
2本目金融政策;黒田氏の「異次元緩和」が緒戦で大勝した。長期金利上昇の対策を誤ると、今後の戦いで負ける可能性がある。その理由は、日銀のマネタリー・ベースは増加できても、世の中に出回るオカネ、マネー・ストックは簡単に増えないことに市場も気が付く
3本目成長戦略;大向こうを唸らせる戦略など出てこない
『一番大事なのはこの3本目の矢です。株が一本調子の上昇から疑心暗鬼へと進んでいます。その後変動幅が縮小したとしても、その中で新成長戦略が評価されないと、魔法は解けてしまうのです。』
これが私の予想です。この予想を覆すには、よほどしっかりとした成長戦略を描き、しかも成果を徐々でも生みだす必要があります。そうすれば日本経済の本格的構造改革にもつながり、明るい展望が開けるかもしれません。
そうした展望が開かれるか否か、中期展望を次回のテーマにします。
つづく
この大変動相場、アベノミクスの魔法が解けたのか否かが問われているのだと思います。今回はその点について、私の見解を申し上げます。
前回の記事では現状での17倍程度のPERは、歴史的平均値からは若干上目ですが、さほどの過剰期待とは思えない、そして小泉改革時代に22-23倍程度が続いたと申しました。では果たしてどの程度まで買われるか否かを予想してみます。
その予想に大きく関わるのは「アベノミクスが本物になるか、魔法が解けてしまうか」だと思います。今はまだアベクロ人気が先行して、みんなで「魔法にかかってあげている」状態だと私は思っています。本当にかかっているわけではありません(笑)。
そうした状態では、22-23倍になるのは難しいと思われます。その理由は、日本の投資家も過去から学んでいることが挙げられます。どう学んだのか?
2週間ほど前に書いた「REITの暴落」がそれです。
思い出してください。「2013年からの資産運用」のシリーズ中で、「REITは利回り商品だ」と申し上げました。そして今回のREITの株式相場に対する先行相場は3月にピークを打ち、早々と暴落をしています。08年のREITバブル崩壊から学んでいるのです。それは、『またも利回りを無視してバブるまで買うほど日本人の投資家もバカじゃない』ということです。
そしてそのことは、現在の株式相場にもいえることです。つまり小泉政権下で過剰に買い上げた結果、リーマンショックという外的ショックも加わりましたが、大暴落につながりました。私はREITで利回りの低下が相場のピークアウトを招いたのと同様、株価はPERをしっかりと見ている。そのため、22-23倍まで買われる、もしくは瞬間的に26倍まで買われるなどということはないと思います。ということは、先週の17-8倍に買われた株価が当面のピークになる可能性がある、ということです。
そして今後をどう見るか?
政権の思惑は、『6月に第3の矢、成長戦略を放って7月選挙に臨み、一気に過半数を獲得する』ということでしょう。本当は相場もその時点までじっくりと円安と株高が進行し、上り調子のまま選挙を戦いたかったのでしょうが、上げ足の速さから逆に冷や水をかけられることになりました。しかし、選挙は対抗馬が出走前にみんな自分で足をくじいてしまったので、過半数は確保済みと言えます。
さて、3本の矢に対する私の勝手な評価と見通しは以下の通りです。
1本目財政政策;これまでの自民党のバラマキの踏襲に終わったが、「財政再建」はウマイことに議論になっていないが、今後は注目され議論されることになる
2本目金融政策;黒田氏の「異次元緩和」が緒戦で大勝した。長期金利上昇の対策を誤ると、今後の戦いで負ける可能性がある。その理由は、日銀のマネタリー・ベースは増加できても、世の中に出回るオカネ、マネー・ストックは簡単に増えないことに市場も気が付く
3本目成長戦略;大向こうを唸らせる戦略など出てこない
『一番大事なのはこの3本目の矢です。株が一本調子の上昇から疑心暗鬼へと進んでいます。その後変動幅が縮小したとしても、その中で新成長戦略が評価されないと、魔法は解けてしまうのです。』
これが私の予想です。この予想を覆すには、よほどしっかりとした成長戦略を描き、しかも成果を徐々でも生みだす必要があります。そうすれば日本経済の本格的構造改革にもつながり、明るい展望が開けるかもしれません。
そうした展望が開かれるか否か、中期展望を次回のテーマにします。
つづく
林さんは、この半年間の日本の株式相場は、外人買いによる影響が著しく大きい、というか、外人買いが作った相場であるかのように説明をしておられます。新聞やテレビのいわゆるマスコミも、最近の論調では、やはり外人買いの影響が相場を作ってきたと言っているように、私には読めます。そこでここ数日の相場の暴落ですが、マスコミの説明が、しっかりとしたデータに基づいたものなのかどうかはわかりませんが、外人の売りの影響が甚大であるかのような説明をしているように私には読めます。そこで、なおかつ、今は、相場が調整局面にあるかのような説明がなされ、一か月もすれば、調整を終えて、また相場が力強い上げの局面をむかえるような説明をしているようです。
これまでの相場の上げ下げが、外人の売り買いの結果であるならば、次の相場の上げ下げも、多分、外人の売り買いの影響が決定的なのだろうと思います。マスコミは、外国のヘッジファンドの意向を把握ないし推測できるものなのでしょうか。
それは別にして、外人の影響は売買のネットで買い越しが続き、日本人は売り越しが続いていることで数字でも明らかなのですが、もう一つ大事なことは、取引全体にに占めるシェア―の推移です。
外人の取引シェアーは昨年6割くらいまでいっていました。最近は5割くらいです。そうした数字を示した上での分析をすでに用意してあるのですが、今回の暴落までには間に合いませんでした。本文で近々分析をお目にかけます。
>マスコミは、外国のヘッジファンドの意向を把握ないし推測できるものなのでしょうか。
できません。そんなことができれば、きっと自分で先回りし、投資しているでしょう(笑)
もちろん聞き込みはしますが、ヘッジファンドはそれを反対にうまく利用して取引します。
ちょうど私はあるところでそうしたマスコミの「見てきたような〇〇を言い」と批判していました(笑)
「ヘッジファンドの意向」ではありませんが、日経平均やTOPIXの先物は、手口が公開されています。証券会社別になっているので、外人やヘッジファンドに強い外資系証券は注目されますが、自己売買も大きいため、客の注文とは限りません。
参考のため、以下のサイトを見てください。
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/invest_tool/futures/futures_top.asp
例えば現物で日本株を大きく買い越している外資系証券が、ヘッジのために先物を売ったのか、純粋に下がるのを見越して裸で売ったのか、見分けることはできません。
株を始めるとこうしたところまで見始めて、最後は自分が迷路にはまってしまうので。