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今一度、パレスチナについての思いのたけを

2024年04月30日 | ニュース・コメント

 ガザ地区の南部に追い詰めたパレスチナ難民の最後の居住地まで破壊し尽す作戦が開始されそうで、心が痛みます。その動きに対して、やっとイスラエルの国内でも反ネタニヤフの動きが本格化し、デモが頻発しています。

 そしてアメリカ国内でもアイビーリーグを含む大学校内で反イスラエルのデモや校内の占拠が数多く見られるようになっています。まるで1960年代を彷彿とさせる学生デモです。ユダヤ系アメリカ人による反パレスチナデモも行われてはいるのですが、親パレスチナデモは何十倍もの大きさになっています。

 私は昨年10月7日ハマスハマスによるイスラエル攻撃と人質の拉致があったすぐ後に、以下の投稿をしました。かいつまんで繰り返しますと、

 サマリー引用

・パレスチナは名前からしてパレスチナ人の地だ!

・ハマスによる突然のイスラエルへの攻撃と200人もの人質の拉致は、まさにテロリストの手口で、許されるものではない

・しかし、イスラエルは1949年に勝手にイスラエル人国家を建国したが、近代国際法という概念ができて以降、これほどひどい侵略と新国家の勝手な建国はほとんどない

パレスチナ人は強引なユダヤ人からの迫害と領土の侵略を70年間も受け続けたため、我慢の限界を超えて反撃をしたのだ

 ・イスラエルという国と国民は、パレスチナ側の攻撃に対して百倍の反撃を行うであろうことは、ハマスもわかっていたはずだ

サマリー引用終わり

 

 そしてこの戦闘の実態は、ガザ地区の全建造物の7割が完膚なきまでに瓦礫と化し、100倍どころではなく、1万倍の反撃を食らっていて、パレスチナ人は南のラファに追い詰められています。許せないのは、避難場所としてイスラエルが設定したラファすら攻撃対象となっていることです。

 そんな中、3月に放映されたNHKBSのドキュメンタリーで、元イスラエル兵士だった若者が除隊後10年を経てもPTSDに悩まされ続けていながら、イスラエル軍のパレスチナ人攻撃の手口を赤裸々に告白する番組がありました。今回の戦闘ではなく、過去の戦闘での実態です。

 彼は名前と顔を明かした上で、イスラエル軍による軍事行動の実態を告発していました。名はエリエル・バーンスタイン。2012年に入隊し14年からはパレスチナ人殺害のために数年間従軍しました。彼の部隊はパレスチナ人テロリストの排除を任務としていましたが、その手口は以下のような残虐なものだったというのです。

 まずハマスがいるであろうと目星をつけた住居に侵入する前に爆撃をして、さらに罠が仕掛けてあるハズと考え、大砲などで入口を爆破。威力が大きいために居住者の多くは死亡するか怪我をする。テロリストか否かの考慮など全くしない。

 彼は、そのやり口は自分たちがテロリスト以外のなにものでもないと感じていたと告白。そして除隊後はイスラエル人であるにもかかわらず、反イスラエル主義者としてイスラエルの政治家と軍隊のひどさを告発する活動をイスラエル国内でおこなっています。その彼が言っていた言葉で最も共感できる言葉は、

 「イスラエル軍のやり口はあまりにひどく、今後もパレスチナ人のテロリストを作り出す手助けをしているようなものだ」という言葉です。

 

 ガザの人道状況はますます深刻化しています。

 

4月7日のロイター電によれば、

「全人口の75%に相当する約170万人が避難民となった。世界食糧計画(WFP)によると、人口の半分程度の約110万人が、飢餓の深刻度を示す5段階の指標で最悪の「壊滅的飢餓」に陥っている。WFPのシンディ・マケイン事務局長は「ガザの人々は今、飢餓による死のリスクに直面している。飢餓を防ぐために残された時間はごくわずかだ」と警告した。

 イスラエル軍はハマスの壊滅や人質全員の解放を目標に戦闘を続けているが、いずれも実現のメドは立っていない。ネタニヤフ政権は、推計約120万人の避難民らが身を寄せる最南部ラファに侵攻する構えをみせる。」

 

 そんな中、遂に停戦交渉が行われることになりました。BBCによる本日4月30日の報道によれば、

「パレスチナ自治区ガザ地区での停戦と人質解放をめぐり、イスラム組織ハマスが29日、イスラエルの新たな提案について、仲介役のエジプト、カタールと協議した。アメリカは新提案を「非常に寛大」なものだと評価し、ハマスが受け入れることへの期待を示した。

新しい提案は、人質の解放と引き換えに、40日間の停戦と、避難しているガザ住民の北部への帰還を認める内容とされる。

また、恒久的な停戦というハマスの要求に応えるため、平穏の回復に関する新たな文言も含まれていると報じられている。

エジプト国営アルカヘラ・テレビによると、ハマス代表団は協議が開かれたカイロをすでに離れており、提案への回答書を持参して戻る予定という。」

 

 せっかくここまで来たのですから、今回の交渉が是非停戦への確実な一歩となるよう期待したいと思います。

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