1月、2月と寒い季節らしい気候が続きますね。どんなに寒くても毎日のようにウォーキングしている世田谷の砧公園では、いつものように1月中旬に早咲きの白梅が咲き始め、今は紅梅も咲き、春の訪れを告げてくれています。今年の冬は梅園の土に霜柱がしっかりと立っていて、子供のころ毎朝霜柱を踏んで学校に通ったことを思い出しました。東京でも土の広場がたくさんあったんですよ。小学校の校庭も細かい砂が撒いてある中心部分以外は霜柱のできる土でした。
さて今回の内容は珍しく批判ではなく賛辞です。財界人と学者が中心となって運営されている「令和臨調」が1月30日にまとめた提言に、おほめの言葉を差し上げたいと思います。およそ産業界と学会が集って発表する声明は、時の政権への政策礼賛が多いのですが、今回は正反対の苦言を呈しています。
声明の一番のポイントは、「10年前の政府と日銀の共同声明を見直せ」というものです。内容は「アベノミクスと黒田バズーカは不発に終わり、巨額の政府債務という負の遺産を残した。日銀は日銀法で定められている本来の役割を逸脱し、財政ファイナンスを行っている。その責任は重大で、直ちに古い共同声明を撤回せよ」というものです。
もちろん財界が中心にいますので、これほどの強い言葉にはなっていませんが、珍しく政府・日銀に強烈な批判をしたのです。このニュースはあまり大きく扱われていませんが、今後の日本の金融財政政策に重要な変更を迫っていますので、この先も注目したいと思います。
きっとこの臨調に参加している財界人と学者先生方が先週1月24日の私のブログを読んで、反省した人がいたのでしょう(笑)。ブログの内容をいまいちど簡単に繰り返します。
1月24日、「クロちゃんの卒業スピーチ」から引用
オレ様なら2年で達成可能と豪語して登場したはずのクロちゃん。10年かかっても達成できないってどういうこと。日本国債をGDP総額と同じ額まで爆買いしても達成できなくて、この後始末をどうするの? このところの物価上昇は、コロナとプーチンのせいで、バズーカによるものではない。
そもそも一国の経済成長が金融政策で達成可能だなんてことはどの教科書にも書いてありませんよね。それができるなら、どの国も経済成長なんて簡単でしょう。
2年やってダメなものを10年やってもだめはダメ。ひたすら国債を買い上げて金利を下げ、それをいいことに国は赤字を垂れ流し放題にして、「じゃ、さいなら、さいなら、さいなら」ですか。あなたは間違いなく「戦後の日本をダメにした10人」に選定されることでしょう。
国民はしらけかえっていて、いくら岸田首相が「新しい資本主義」だの「NISAの拡大」だの言っても、騙されるのはほんの一部でしょう。
引用終わり
日本という国では、これまで常に「政・財・官=鉄のトライアングル」などと言われ、学者などがどう言おうが受けつけないのが習わしでした。それが今回、財界が黒田バズーカを心配し、政府・日銀に向かって反旗を翻したのです。
繰り返しますが、「一国の経済成長が金融政策で達成可能」という日銀の言い分を財界も信じて一緒に歩んできたものの、ここへきてそれが巨大なリスクとなっていることにやっと気づいた。大変いいことだと思います。
首相も「反省すべきは反省し」と毎日のように反省していますが、「反省くらいサルでもできる!」。
反省しないクロちゃん、令和臨調の声明「10年前の政府と日銀の共同声明を見直せ」、どう対処しますか?
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