世界の株式市場は、荒れ模様が続いていますね。震源地は中国の他に、アメリカのFRBによる利上げだと言われています。まだ利上げしていないのにね。
中国がスローダウンし始めたのは昨年からで、政府はすでに昨年から新常態ということを言い始めていました。ところが中国の株式市場はそれをあざ笑うかのように上昇し、そして見事にしっぺ返しを食らいはじけ飛んでいます。
私は「中国問題をどう見るか」のシリーズで、介入など無駄だと申し上げました。やめておけばいいのに中国政府はPKOを発動し、必死に食い止めにかかっていますが、無理でしょう。政府が株価を支えて成功した例などありません。まあ中国のことですので、取引をしばらく中止して、その間は「下落など全くしていないよ」と言う手は使うかもしれませんが(笑)。中国のスローダウンは資源を始めとする国際商品相場を大きく押し下げてもいます。しかしそれでも私の「中国問題をどう見るか」の結論は、中国ごときで世界恐慌など来ない、というものでした。
では、先週の世界の株式市場の大暴落ぶりを見て、上の見方に変化はないのかと申しますと、答えは「全く変化なし」です。今の世界の株式市場の暴落は、実態経済に大きな影響を及ぼさないうちにおさまるでしょうし、資源価格の暴落も同様です。世界の金融経済市場を見ていて大きく間違う人達は、株式市場ばかりに振り回されるからです。そうした人達は中国株だけでなくアメリカ株の暴落ぶりを見て、まるで恐慌前夜のようなことを言い始めています。
しかし一方で中国について私は「本当にヤバイのは株式市場ではなく、不動産市場だ。そして不動産バブルはいずれはじける。それが政治的混乱と一緒に起きると、世界を震撼させることになる」とも申し上げています。この見解にも変化はありません。
一部の解説では、世界のマネーは最強の安全資産である金に向かっているというのですが、この見方も金価格を3週間から3ヶ月くらいしか見ていない人の言うことです。5年くらいのチャートを見れば、11年に1,800ドルを超えていたものが、1,100ドル前後くらいに凋落しているトレンドを見ることができます。それがこの1・2週間で100ドルくらい戻したところで、長期の下落トレンドに変化はないと私は見ています。
では一方、私が最強の安全資産と見ている米国債はどうか。こちらは金利なので低い方が買われていることになりますが、直近では大きく買われ10年物が2.04%に低下しています。市場が動揺しても米国債という資産の安全性にゆらぎはないようです。金利が高くなったところで投資をと考えている方にとっては思わぬほどの低下で、また投資タイミングが先に延びてしまいました。しかし一方で為替は円高に動いていますので、よいドルの買い場を提供してくれていると思われます。
あっ、そう。今回の市場の動揺を私がぜんぜん気にしていない理由は株式投資をしていないからではなく、本当にヤバくなったらFRBが「当分利上げはしないよ」と一言言えば済むと思っているからです。
さて、以前申し上げていましたが、明日から何回かに分けて、当ブログの読者のお一人であるPuffinさんの「私の投資指針」をアップさせていただきます。どうぞお楽しみに。
http://online.wsj.com/mdc/public/page/2_3020-tstrips.html
>価格↓利回り↑を実感できました!(という理解であってますか?)ちょっと不安なもので・・・
はい、合っていますよ。
金利上昇=価格の下落です。