きのうまで3日間、野沢温泉スキー場に行っていました。2日間は上々の天気、きのうは気温が高かったので、山の上の方だけで楽しみました。
野沢温泉は初めてですが、外人客の多さにはビックリしました。スキー客の3割くらいが外人で、温泉街も行きかうのは外人が半分。我々が泊ったハウス・サンアントンの宿泊客は我々以外全部外人、それもほとんどがオーストラリア人でした。このロッジはスキー宿にしては珍しく本格的フレンチ・ジャパニーズを出してくれます。シェフはオーストリアはザルツブルグの料理学校で修業した若干30歳の若いオーナーシェフ。両親経営のロッジをしっかり引き継いで料理に励んでいます。料理は本当においしく、スキー以上に楽しめました。
長いゴンドラで一緒になったオーストラリア人に話を聞くと、彼らは30人連れで日本を旅行中とのこと。旅程は東京3泊、箱根2泊、京都3泊、野沢温泉7泊、日本に2週間もいてスキーがメインの旅行です。しかもほとんどがリピーターでした。彼らはパースから来ていて、日本での滞在費がとても安いので、次回はもっと長く居たいと言うのです。オーストラリアに比べると宿代は3分の1、食事は半値、13か所の公共温泉は全部無料、スキーのレンタル代も3分の1なので、誰も自分のスキーを持ってくる人はいないそうです。私は2000年前後、数年に渡りオーストラリアで友人達とゴルフ合宿をしていたのですが、その時に我々が感じていた「オーストラリは安い」とは正反対になっています。我々は何でも半値だと言いながら滞在を楽しんでいました。
私が野沢温泉で驚いたのは、アフター・スキーの面白さです。地ビールバーやおしゃれなカフェ、カラオケバー、そして13か所の温泉など、夜遅くまで楽しめる工夫がされていました。一緒に行った友人は3日間で小さな街にある13か所の公共の湯を全部制覇するほど温泉を楽しんでいました。最近は日本のスキー場はさびれてきているところが多いのですが、ここ野沢温泉は全く別の様子がありました。ここへは街の観光振興のマネージメントぶりを見学に来る地方自治体の担当者や海外の観光振興担当者が絶えないそうです。
さて、留守中にギリシャ問題が大きく取り上げられていましたので。今回はギリシャ問題を私がどう見ているかをお伝えします。
ギリシャの選挙ではこれまでの緊縮財政を真っ向から批判した政党が第一党となり、威勢のよい公約を掲げています。それに対してEUやドイツをはじめとする有力国は苦り切っています。欧州の株式市場や為替市場はもちろんネガティブに反応し、心配の種が増えたため将来に対する懸念の声が多くなっているようです。
前回のギリシャ危機の時にも私はとても楽観的な見通しを述べましたが、今回はもっと楽観的です。理由を簡単に並べますと、
・ブタ(PIIGS)はいなくなった
ギリシャを除くPIISは前回と違い問題が波及するような状態にはありません。全快とは言えなくとも、イタリア・スペインなどのおおどころには全く波及はしていません。
・ギリシャのGDPはEU全体のわずか0.8%ほどでしかない
ギリシャがいなくなろうが、EU全体に影響はほとんどありません。EU当局になりかわって極端なことを言えば、「お荷物がいなくなればむしろせいせいする」というところでしょう。他にも温情にすがろうとする参加国が出ないようにするためのみせしめには持ってこいの機会となっています。
・EU全体の結束は固い
ドイツを盟主としてEU全体がギリシャに対する温情には限界があることをはっきりと示しています。最重要の債務問題は「返済期限の延長はあっても削減はいっさいしない」と言うことで一致しています。
するといったいギリシャはどうなるのか。ギリシャはEU・ユーロから離脱など絶対にできないと私は思っています。離脱議論が本格化するようだと、それまで「緊縮財政はうんざりだ」と言っていた国民は、すぐさま預金をすべてユーロの現金に換えようとするでしょう。ドラクマのトラウマなど思い出したくもないはずです。するとそのとたんに金融破綻が始まり、それが国家破綻に直結します。国債の償還財源がないためデフォルトが起こり、新規の借金など全く不可能です。つまり一人立ちは夢物語だということに気づくのです。
ロシアが救済するか?
できないでしょう。ウクライナ問題を抱えるロシアがそんなことをすれば、反ロシア連合の団結はより強まり、対ロ制裁は強化されるからです。
ということで、ギリシャ問題をあまり心配する必要はないと私は思っています。
はたしてこの楽観論が本当に楽観論のままで済むか否か、今後もしっかり見て行きましょう。