今回は、彷徨さんからいただいた山崎リストへのコメントのお返しです。
>現物、もしくは現物に近いもので、できるだけ上場していて流動性が高く、どんなときにも売り逃げができるもの、ということになるのでしょうか。それにあえて加えれば素性のはっきりしたもの、ということになるのでしょうか。
山崎氏の「べからず集」の考え方からすると、彷徨さんのおっしゃることは当たっていると思います。素性のしれないものへの警鐘は、シロウトにはとても大事ですね。
いまだに毎週のように新しい投資詐欺のニュースが流れます。新手の詐欺ならまだしも、新規上場だとかの古いネタに何度でもひっかかる。そうしたことは日本人の投資リテラシーの低さを示していますが、そうしたことに対しても山崎氏の警鐘には耳をかたむけるべきでしょう。
それに加え、彼はフィーに対するコンシャスが非常に強いので、フィーの多寡や比較を徹底的に行って、「セーブできるものはもれなくセーブする」と強調しています。
私もセーブできるものはセーブするに越したことはないと思いますが、株式投資をリスク投資のメインに据えるなら、疑問を感じる部分もあります。というのは、株のアクティブ投信が年率1.5%のフィー、ETFのフィーがほとんどゼロとすると、ETFでセーブできるのは1.5%です。それくらいはたった株式の一日の上下ですぐ飛んでしまうと思います。
先日お知らせしたアメリカの友人の401Kで選択している株式ファンドは、年間に1%近いフィーが必要ですが、それを引いてもかなりの実績を残しています。フィーにこだわってチャンスを逃すことに、私は疑問を感じます。
氏の議論は『アクティブ投信はインデックスに勝てない』ということを前提にした議論です。日本でもアメリカでも、このことはかなりの確率で言えることではありますが。
私は日本では、少額のフィーにこだわるより株から離れる方によほど分があると思いますが、いかがでしょう。
>要はこれだけ経済がグローバル化していて、世界的に景気後退懸念が高まっている中で自分でリスクがどこまで取れるのか、よく見極めて投資するほかない、ということなのでしょう。確かに間違ってはいないと思いますが、、、、。
このコメントの最後の、、、は多分彷徨さんの「疑問符」ですよね。議論は間違ってないけど、よい選択をタイムリーにできるかは私も疑問だと思います。
>しかし、皆してこのように投資に対し慎重姿勢を続けていては世界経済はいつまでたっても景気回復軌道に乗ることはできなくなってしまいそうで、別の心配が出てきてしまうような気がしてなりません。
大丈夫、円高デフレの世界に嵌まり込んで委縮しているのは日本人だけですから(笑)。世界の投資マネーの大半を占めるアメリカと欧州のマネーはぜんぜん委縮していません。毎日世界を駆け巡っているし、暴落も含めて大変動をチャンスと捉えています。暴落したらしたで、バッフェットおじさんが大声で「それー、チャンスだ!」って買いまくりますから。
逆に私が心配するのは、日本人が円安傾向をチャンスと思って本当に世界に投資を始めることです。ななしさんもコメントで「円安スイッチ入っちゃったのかな??」と書いていますが、もし日本人が投資に目覚めて「貯蓄から投資へ」進んだら、日本は国債が暴落して一巻の終わりです。