犬吠の・今宵の朧(おぼろ=ほのかな月夜とでも訳しましょうか)・待つとせん。高浜虚子の句です。この句碑、犬吠埼付近の断崖の上に建っております。これは昭和14年に虚子が銚子を訪れた時に詠まれたものとされております。虚子は正岡子規の一番弟子。子規とはホトトギスの異称で、ホトトギスが血を吐くまで鳴き続ける様子から取られたのだそうです。子規は結核を病み、結核菌が背骨に入り込む、脊椎カリエスと言う重病に陥りながら、それでも明るく、病の床の中から近代短歌・俳句を確立することに執念を燃やします。子規は35歳で亡くなりますが、最後の3年ほどはあまりの激痛に声を上げて嗚咽する事もしばしばだったとか。鳴いて血を吐くホトトギス。凄まじい執念を感じます。そんな状況の中で子規が見た世界。それは華美な装飾でも、建造物でもなくて、豆腐屋さんがリヤカーを引っ張って豆腐を売りに来る風景や、季節の変わり目に落ち葉が風に舞う....、そんな何気ない日常の風景だったそうです。後に写生(写実)主義と呼ばれるホトトギス派(子規を頂点とするグループ)、現在も多数のホトトギス派が全国にあり、様々な活動をしております。冒頭の句を詠んだ高浜虚子は子規の最後をその枕頭で見届ける。そこで虚子が詠んだ句は、子規逝くや・十七日の・月明に だったそうです。
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