合成の誤謬と言う現象は何も難しい経済学用語を持ち出すまでも無く、至るところで見られるし、歴史を振り返れば世界各国でこの矛盾に直面し、そこでどのように対応してきたか?のみがその後の分かれ道になっております。少々抽象的ですいません...。個人、個人が賢明な選択を重ねて行っても、それが地域とか、国内産業とか、大きく国とかそういう単位で考えると不都合を生じさせる事がある。こう書くと、お前は全体主義礼賛か?となる訳ですが、私は全体主義の礼賛云々に全く興味は無く、ここで起こっている現象が地域とか食糧とかそういう領域で起こっている諸問題の根源にあるのでは?と感じているだけであります。トロだけのマグロはいないし、カルビだけの牛はいないのですが、トロは美味い、カルビは美味いとそれだけ食べ続けているようなものです。金があるからトロだけ食べて何が悪いと言ってみた所で、マグロそのものがなくなってしまえばいくら金を払ってもトロは食べられない訳です。また美味いものには何とやら。これらは時々ごちそうとして食べるから有り難味があって美味しいのであって、毎日食べたら飽きてしまうでしょうし、何よりも金を払って成人病になるような滑稽な話であります。固定観念を外し、“モノサシ”を増やしてみると、色々な事が見えて参ります。最近、各地で盛んに行われている食育。若年層に明確で多彩な食のモノサシが出来ると、食そのものの環境が変り、食が変ると生き方や地域に変化が出てくる。各地の事例として報告されております。この4回は問題提起まで。写真は昨日の銚子港上空。秋雨の谷間、すがすがしく気持ちの良い1日でした。
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「世の中、生きることの苦しみ、老いることの苦しみ、病気になることの苦しみ、死ぬことの苦しみに満ち満ちている。その原因は人間が持つ欲望と執着である。」ブッタ。
「世の中、個々個人がそれぞれの欲望のままに行動すれば個人は欲望を満たし国家は栄える。」アダム・スミス。
欲望や執着が在り過ぎても無さ過ぎても次世代には迷惑をかけます。このバランスを取らなければならないのですが。なかなか凡人には難しいです。
欲望や執着を食欲に置き換えれば佐野さんの言われる「合成の誤謬」の食糧偏なのでしょう。
また人間や国家を企業と置き換えればその姿勢がバランスがとれているかと自問自答できます。
矛盾を感じたとき美味しい肴と美味しいお酒がほどほどにあれば再び考え行動する勇気が湧いてきます。肴を酒を創った人たちの苦労を思い、生き物を食べるありがたさを実感し次世代に伝えることも食育のひとつと考えます。