銚子・角巳之・三代目

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橋の上にて

2008年08月02日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_3481 かもめ大橋から利根川上流を....。素晴らしい風景です。さて本日は、ふと思い出した事....。司馬遼太郎さんの代表作の一つ“坂の上の雲”の一節に以下のようなくだりがありました。国力数十倍という大国ロシアと戦わねばならなくなった明治(時代の)日本。すでに戦いは不可避の状態の中にありながら、軍艦、大砲を買うお金がない....。海軍の責任者・山本権兵衛が同郷の先輩、西郷従道(隆盛の弟)へ相談に行く....。万策尽きた....お金がなくて軍艦が買えません....。西郷さん何かいい知恵は?....。(西郷)山本さん、その軍艦がないと日本はどうなりますか? (山本)日本海は完全に制圧され、日本は滅びます....。(西郷)では買わないといけません...。(山本)ですからお金がないと....。再び西郷さん....、あなたは軍艦が無ければ日本は滅びるという。それにも関わらず、お金がないからという理由でそれが買えずにいる。滅びたら終りじゃないですか...。お金は何としても捻出するんです。正規の手続きなんかとっていたら間に合いません....。だから誤魔化すのです....。それが発覚し、議会に追及され、それを許してくれなかったら、あんたと二人、二重橋の前に行って腹を切りましょう。二人が死んで、日本が(軍艦が買えて)救えるのなら本望です.....。この決断によって建造されたのが戦艦・三笠(みかさ)。明治海軍の旗艦(きかん)であり、日露戦争の勝利を決定付けた日本海海戦の象徴的な軍艦。たしか今でも横須賀港に停泊していると思います(記念艦として)、その三笠から、本日天気晴朗ナレドモ波高シの電文が打電され、艦橋にはZ旗(ぜっとき)が....。皇国の荒廃、この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ.....。と。それがなかったら....滅びる....。という状況にあって、お金がないから.....。司馬遼太郎さんの言葉をお借りすれば、日本の歴史において、もっとも勇気があり、知恵の限りを出し尽くした明治人の覚悟.....。腹を切って日本が救えるなら本望だ....。平和な(本当でしょうか?)現代の夏の午後、納品先に向かう道すがら、橋の上で大河・坂東太郎(利根川)の河口域にて....。ふと思い出した本の一節を.....。


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