世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ハノイの新市街にあるカイデン帝の安定宮には華やかさが残りますが郊外のティエウチ帝廟は廃墟のような感じです(ベトナム)

2023-07-09 08:00:00 | 世界遺産
 ベトナムが10世紀に中国から独立しホアルーを首都に構えたのちハノイに首都を移し11世紀から19世紀まで居城としたのがタンロン遺跡でした。一方、19世紀初頭から第二次大戦末期まで存在した王朝が中部のフエを居城とする阮朝(ぐえんちょう)でした。ハノイのタンロン遺跡は大都市のハノイに飲み込まれてしまい、過去の都の遺跡といった感じになりましたが、フエはベトナム戦争で甚大な被害を受けましたがベトナムの京都と屋ばれるように都の面影を残す町並みが残ります。フエは過去に3度ほど紹介しましたが、今回は新たに訪れた3か所の世界遺産の建物群を紹介します。

 今回新たに訪れたのは、市街地にある安定宮と郊外にある皇帝廟のティエウチ帝廟とミンマン帝廟です。この3か所はどうもマイナーらしく、チャーターしたたくしのドライバが、ここでいいのか?っていった感じでした。

 
 
 
 
 
 安定宮は市街地の南東kmほどの川沿いに建っています。20世紀初頭にカイデン帝が皇太子の頃の居所として建てられた宮殿です。西欧好みのカイデン帝が帝位に着いた後に現在のような西欧風に改築されたそうです。さすがに王宮程の広さはありませんが、内部のしつらえや、建物の裏に広がる庭園はベトナムにいることを忘れさせます。日本人の観光客は見当たりませんでしたが、新市街から歩いても近いので、時間があれば訪れて損をしない宮殿です。

 
 
 
 
 
 
 郊外のミンマン帝廟は、市街地の南10km、車で20分ほどの緑の中にあります。世界遺産に登録されている廟の中で市街地から2番目に遠く、日本人の観光客は見当たりません。ミンマン帝はグエン王朝2代目の皇帝で、帝廟は19世紀初頭に造営されました。駐車場からは木立の中を歩いて城壁に囲まれた廟に入場しますが、緑豊かで気持ちの良い散歩道です。カイデン帝廟のような派手さはありませんが、二つの門、碑亭それに礼拝堂にあたる崇恩殿などが立ち並び、緑の中に朱が映えます。崇恩殿の裏に回ると池があってその先にあるのがミンマン帝の墓所になります。

 
 
 
 
 
 ティエウチ帝廟はミンマン帝廟に行く手前、市街地から6km、車で15分ほどの周りを池や田んぼに囲まれたところにあります。こんなところに帝廟が本当にあるのか?道を間違っていないか、と疑いたくなるくらいでした。ティエウチ帝は3代皇帝で、何事にも穏やかで地味な皇帝だったそうで、廟もその性格を表しているようです。帝廟は19世紀半ばに造営されましたが、訪問した時には改修中で、悪く言うと廃墟のような感じでした。sぎたがって、観光客は皆無で、あまり内部は見られませんでした。工事が完了したら、市街地にも近いので、再訪してもいいかもしれません。

 安定宮を見るとパリに建っていてもおかしくないと思いますが、そのように感じるのは、建物の形などを分析しているわけではなく、直感的に思うわけです。これをコンピュータに判断させると、直感なんてないわけですから、AIですぐ分かるなんて言いますが、コンピュータの中では大変な作業をしていると思います。膨大な建築のデータベースを作って、共通項を見出して分類して、問題として与えられた建物の写真がどのカテゴリーに近いかを分析的に判断するのでしょう。利用する側からいえばAほどI便利な道具はありませんが、システムを作る側は大変な思いをしているわけで、極端にいうとコンピュータ奴隷かもしれません。