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ベトナム戦争の時には病院や武器庫になって攻撃目標になっていたフォンニャ洞窟群のパラダイス・ケーブですが平和になった現在は、その巨大さに驚嘆します(ベトナム)

2023-02-19 08:00:00 | 世界遺産
 一般市民を無差別に殺戮した負の遺産が広島の原爆ドームでした。同じ加害者によって一般市民を巻き添えにして大量に殺戮したのがベトナム戦争でした。ありとあらゆる兵器の実験場となり数多くの人がなくなりましたが、わが国では加害者が同盟国のせいか、あまり話題になかったのはおかしな話です。このベトナム戦では、世界でこの加害者国に唯一戦勝した国がベトナムと言われています。南北の最前線となった当たりにはNRZ(非武装地帯)の遺跡も残されていますが、さすがに負の世界遺産にはなっていません。今回は、ベトナム戦の激戦地帯で病院や武器庫として使われた鍾乳洞を紹介しますが、平和になった現在は世界自然遺産として登録されているフォンニャ・ケバン国立公園です。

 フォンニャ・ケバン国立公園は、ベトナムの首都のハノイから南に飛行機で1時間ほどのドンホイから、西に内陸に向かって車で1時間ほど入った山岳地帯のカルスト地形の公園で860平方キロメートル之広さがあります。大部分は原生林ですが、その中に数多くの鍾乳洞がありますが、まだまだ全容は明らかではないそうです。発見されている洞窟のうち一般の観光客が気軽に入洞できる洞窟は4~5程度で、その中から、今回はパラダイス・ケーブを、次回はフォンニャ・ケーブを紹介します。

 パラダイス・ケーブは観光客が気軽に入洞できる中で一つの内部空間が最大のものがある洞窟のようです。内部は鍾乳石でごつごつしていて平ではありませんが、広さ的には野球ができてしまうような空間があって、東京ドームのグラウンドくらいあるのでは思ってしまいます。

 
 
 パラダイス・ケーブやフォンニャ・ケーブなど多くの洞窟は西から東に流れるソン川の右岸の山中にあり、観光基地のフォンニャ村も中心地は右岸にあります。右岸同士で簡単にアクセスできそうですが、洞窟の入り口までには支流があって橋が無く行く手を阻んでいます。次回紹介するフォンニャ・ケーブはソン川を船でさかのぼるのですが、入り口が山の中腹のパラダイス・ケーブでは、入り口のふもとまで車で1時間ほどもかかります。直線距離では10km足らずの距離なんですが、村の中心地に近い所でソン川を対岸に渡って、対岸の山の後ろを大きく迂回し、上流にある橋で右岸に戻らねばならないからです。車で入れるのは、洞窟入り口の麓からやや離れた駐車場で、そこkら電気自動車に乗り換えて、やっと麓に到着です。そこから急坂を標高差にして200mほどでしょうか、上ってやっとたどり着くのが山の中腹に空いた小さな入り口です。夏の暑いときだったら大汗ものでしょうね。休憩所には洞窟内部の案内図があります。

 
 
 
 
 
 
 
 狭い入り口から入ると、いきなり下降階段です、これまで上ってきたのは何だったんだ?って思わせるほど、地底にまっしぐらですが、この階段から見渡せる鍾乳洞の広さは圧巻で、まずはビックリさせられます。この先も、これでもか、これでもかと続くいろんな形の鍾乳石と広大な空間に、やや疲労感さえ覚えてしまいます。現地催行のツアーなので、戻ってくる時間も気になりますが、何処まで行けば折り返し地点なのかもよくわかりません。とりあえずは、回りに同行の人たちの存在を確認しながらの行進です。写真を撮りまくりましたが、ここに載せたのは一部です。足の便の悪いところですが、写真でなく実物を体験してほしい世界遺産の一つです。

 洞窟に入ると、目立った鍾乳石には名札が付いていますが、もちろんベトナム語表記です。洞窟の入り口には内部の地図があるのですが、中に入ると自分が何処にいるのか、地図が無くって、まったくわからなくなります。どこまで進むと折り返しになるのかが分からなくて、戻る時間を読めません。地底にいるので、当然ながらGPSは圏外で使えないでしょうし、カーナビはトンネルの中でも使えますが、これは車の向きやタイヤの回転数から、現在位置を割り出しているわけです。スマホには加速度センサーを内蔵していますが、さすがに現在位置を計算できるほどの能力はありません。最後は人間の第六感ということになるのでしょうか。