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宗像大社の沖ノ島には立ちることはできませんが、辺津宮にある神宝館では出土したおびただしい数の国宝群に圧倒されます(日本)

2022-11-13 08:00:00 | 世界遺産
 満潮の時には社殿が水の上に浮いているように見えるのが厳島神社でした。水んは浮いているようには見えませんが、陸地からはるか沖合の島に、一般人は上陸できない神聖な島、沖ノ島の沖津宮です。今回は「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群を紹介します。

 宗像大社は沖ノ島にある沖津宮、筑前大島にある中津宮そして陸地側にある辺津宮の総称で、一般人が行くことができるのは中津宮と辺津宮になります。

 沖ノ島は陸地から約60km離れた玄界灘にある周囲kmほどの島で、島全体が沖津宮の私有地になっています。2017年までは一般人の上陸が許可されていましたが、2018年以降は原則的に神官以外は上陸ができなくなりました。沖津宮ノ周辺には古代祭祀跡が数多くあり3回の調査によって約8万点の祭祀遺物が発見され国宝となっています。8万展というおびただしい数ですが、国宝の点数としては一式1点ということだそうです。さらに、未調査の遺物が7割も残されていて「海の正倉院」の名に恥じないようです。これらの宝物は辺津宮の境内にある国宝館に展示されています。

 
 
 
 中津宮は、鹿児島本線の東郷から本数の少ないバスで30分ほどの神湊波止場から、これまた本数の少ないフェリーで15~25分の大島港から300mほど、そこから階段を上ったところにあります。数少ないフェリーの時間制約で、往路の下船から帰路の乗船まで25分しかなかったので、この会談の登りはこたえました。時間のある方は、島の北側にはるか沖合の沖ノ島の沖津宮をを望む拝殿もあります。

 
 
 
 
 
 辺津宮は神湊波止場へのバスを10分ほどで途中下車したバス停は正面の左手になり、木立の間を進むと正面に左に曲がると正面の鳥居があります。鳥居をくぐると心字池の石橋を渡り、神門の先に本殿があります。

 
 本殿の背後には深い緑の木立があって第二宮、第三宮 それに神宝館があります。これらの建物が緑の木立の中に散在していて気持ちの良い空間を作っています。

 
 辺津宮で時間があれば、東を流れる釣川を渡って20分ほどで屏風山・鎮国寺にお参りできます。空海ゆかりの寺で、空海が唐に渡った時に暴風雨に遭い、宗像三神に祈ったとこr、嵐は静まり無事に長安まで行くことができました。帰国後に宗像大社にお参りしたところ、屏風山に端雲がたなびき、、こちらこそが鎮護国家の根本道場たる霊場とのお告げがあって開いたのが鎮国寺なのだそうです。釣川のそばから急な階段を上った先の境内には花木が多く花の寺と呼ばれています。

 現在国宝の数はおよそ1千点あり、重文は1万3千点もあります。文化財保護法施行前は、重文というカテゴリーはなくすべて国宝でした。施行後にはすべてが重文指定となり、その中で特に貴重なものを国宝指定としました。文化財保護法制定のきっかけとなったのが法隆寺金堂の火災で、解体修理中の金堂の初層が火災で黒焦げになりました。壁画の模写が行われていましたが、寒さを防ぐ電気座布団から出火したとされています。昭和24年と戦後間もなくの頃ですから、電気座布団の安全性も低く、火災を感知するセンサー類もなかったのではないかと思います。解体修理が、絹糸技術の進んだ現代に行われていたら、壁画が被害に遭うことはなかったかもしれません。被害に遭った黒こげの壁画は、第宝蔵殿裏の収蔵庫に保管されていて、法隆寺夏期大学の折に特別拝観させてもらいましたが、黒こげの壁画は痛々しくて涙が出そうになりました。