世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

美しい町並みが続くモナコですが、博打とマネーロンダリングという負の面も持っています(モナコ)

2018-05-20 08:00:00 | 世界の町並み
 多くの画家に好まれて、画家に由来のある美術館の多いのが南仏のカーニュ・シュル・メールでした。冬に南仏とパリとを訪れたことがありますが、パリっ子が避寒に南仏に行きたがるのがよく分かりました。避寒だけでなく、ギャンブルで憂さを晴らすこともあるのかもしれませんが、ギャンブルといえばモナコ、今回は周りをフランスに囲まれた小国のモナコです。

 
 モナコ公国は、コートダジュールの東端、もうすぐイタリア国境という場所にある世界で2番目に小さな国です。1番目はバチカンなので、実質的には最小の国家といえるかもしれません。面積は皇居とその外苑を加えた程度、それも山が多いので人が住むことができる場所はさらに狭くなります。人口は4万人足らずで、千代田区の6万人より少なく、さらにモナコ国籍を持つ人は16%にすぎません。こんなに小さな国なのに、ギャンブルとモナコ・グランプリで知らない人は居ない国の一つになっています。モナコグランプリは、街中を車が疾走するのですが、こんなに狭い所を高速で走り回るのは信じられない感じがします。

 
 
 かつては、グレース・ケリーがモナコの知名度を高めていたのかもしれません。グレース王妃が住んでいたのが、モナコ大公宮殿で、衛兵の交代式は観光の目玉です。ただ、衛兵といっても、儀礼的なもので、軍事はフランスにおんぶしているようです。

 
 グレース王妃が交通事故で亡くなったのは40年ほども前で、モナコ大聖堂に埋葬されています。筆者が訪れたのは亡くなってから15年ほども経っていましたが、ケリーの墓所にはたくさんの花が置かれ、人気が続いていることをしのばせました。

 
 博打と芸能人の国のように思われるモナコですが、ロマネスク様式のモナコ大聖堂教会などの教会を初め、博物館も数多くあります。これらのうち、海洋博物館は20世紀初頭にできた世界最古の博物館の一つとして有名です。海洋学者で有名なクストーも館長を務めたことがあるそうです。館の前には潜水艇が飾られていて、建物も教会風で日本の水族館とは一味も二味も違います。

 昔の映画で、沖合に停泊する軍艦にカジノから光信号でルーレットの目を送って、規則性を解析して、儲ける話がありました。当時は、現在のようにコンピュータがどこにでもあるという時代背景では無かった時代ですが、おそらくコンピュータで解析しても、博打で大儲けをする確率は低いでしょう。博打も宝くじも、コンピュータを使までもなく確率的には絶対に儲かりません。確実に儲かるのは胴元だけです。悪いことに、博打には必ずと言っていいほど、元手稼ぎのための犯罪が付いて回ります。それなのに、どこかの国の政府や、西の方の自治体では、カジノを開きたくってしょうがないようです。決起集会に招かれていた、某国の巨大博打資本から巨大献金が出ているのでしょうか。